美しい肌Vol.162

2013-05-05 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:菊花)



菊花とは、古くから漢方の生薬の一種として利用されて



きました。漢方の生薬というのは、食用菊の花を



乾燥させたもののことをさしています。



中国では2000年以上前から利用されている代表的



な生薬です。



日本では実際に食べることが主になっていますが、



中国では多くは菊花茶として飲まれています。



菊花茶とはその名の通り、食用菊の花を乾燥させて



お茶にしたもので、健康維持に効果があり、中国



では延命長寿のお茶といわれています。とても種類



の多い菊花茶ですが、健康茶として使用されるのは、



黄色のカンギクとよばれる種類の花びらが利用されます。



菊花は古来より漢方として使われていて、眼精疲労



(疲れ目)によいといわれています。



また、菊花茶独特の、美しい見た目と、香りによって



リラックス効果が発揮されます。



カフェインを含まないので子どもや妊婦の方でも安心



して飲めるところも優れています。



一般的に栽培の菊は、中国北部原産のチョウセンノギク



と中国中部原産のシマカンギクの交配種を改良したもの



です。



日本には奈良時代末期に中国大陸から伝来したと伝えられて



おり、平安時代から天皇や貴族などの宮廷を中心に薬用



として使われるようになりました。平安時代後期からは宮廷



以外の一般の庶民に観賞用として広く栽培されるように



なりました。



菊は日本人の生活とてもなじみが深い花のひとつです。



天皇家の家紋として菊花紋が利用され、日本のパスポートの



表紙にも菊花紋が使われています。



50円玉や勲章に菊の花が描かれてたり、このように日本人



は、古くから菊と縁が深く観賞用として非常に多くの



種類の菊が育てられています。



日本では菊花はあまりお茶として飲用されることはなく



主に食べられています。刺身のつまなど料理に彩を



添える目的として使用されることもあります。



また、古くから頭痛を抑えるために、枕の中に菊花を



つめる風習もあります。日本では野菊花が菊花と



よばれています。野菊花とは、シマカンギクの花の



ことです。生産地としては愛知県豊橋市が有名です。



栄養面では、ビタミンやミネラルが比較的に多く、



特にβ-カロテンやビタミンC、葉酸をはじめとした



ビタミンB群などの抗酸化力をもつ栄養素を豊富に



含んでいます。



また、フラボノイド類やポリフェノールも様々な



種類を含んでいるので、健康をサポートする力が



強いそうです。



菊花は世界でもっとも古い薬学書である「神農本草経」



に「長く飲み続ければ、老化を遅らせる」と書かれて



います。また、菊花には目のアンチエイジング効果が



証明されています。



目の老化が進行する原因のひとつに、眼球でレンズの



役割を果たしているたんぱく質が年齢とともに糖化が



進んでしまうということがあります。



糖化とは、老化促進物質であるAGEsが大量に発生し、



たんぱく質が変性・劣化してしまうことです。この



たんぱく質と糖との化合物がAGEsであり、その反応の



ことをメイラード反応と呼びます。AGEsは、色は褐色で



通常の食品中にも含まれ、揚げる、炒める、などの



高温調理によってメイラード反応が進行すると



考えられています。そこでメイラード反応がでにくい



料理法は、低温調理の蒸す、煮る、生でたべるといった



ものになります。



AGEsは一度できると分解されにくい物質のため、血液中



の糖の濃度が高ければ高いほど体内のタンパク質の糖化



が促進されます。



菊花には、2種類のAGEsの生成を阻害する作用があること



が実験で証明されています。これは、菊花に含まれる



フラボノイド類の働きによるものであると考えられて



います。AGEsは、糖尿病の原因物質であると言っている人



もいるぐらいですので、この菊花の作用は驚天動地の内容



です。



さらに、グルタチオンは体内に発生した活性酸素を除去



する働きがあります。菊花は、このグルタチオンの体内



での産生量を増大させる作用があることが分かっています。



これらの働きにより、菊花を摂取することによって



アンチエイジング効果を期待することができます。皮膚の



アンチエイジング効果により、若々しい美肌を保つこと



ができることでしょう。さらに



菊花には、ビタミンB1、ビタミンE、アミノ酸などの肌の



健康を保つ栄養素を豊富に含んでいるため、肌を美しく



する効果があります。



また、菊花茶は吹き出物の改善効果もあります。菊花の



持つ解毒効果が、熱を取り、皮膚の炎症を和らげてくれ



ます。今回は、ここまでとさせて頂きます。



灯火を投下し、十日で糖化が進む。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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美しい肌Vol.163

2013-05-05 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:マヌカハニー)



マヌカハニーはフトモモ科の低木でニュージーランド



に自生している植物の花からとれるはちみつです。



木は5~8mの高さになり、春から夏にかけて白やピンク



の花を咲かせます。元々、マヌカハニーがとれるマヌカ



は古くから薬木として外傷や病気の治療に利用され、



マヌカハニーも医薬品として認知されています。



マヌカハニーには、ビタミン類、ミネラル類、酵素



などの天然成分が含まれており、栄養豊富な食材



としてニュージーランドの先住民族のマオリ族が



好んで食べていました。はちみつの中でも、色々な



働きがあるそうです。



はちみつが人々に食材として食されるようになった



のは、近代的な養蜂が一般的になってからです。



ニュージーランドだけで栽培されるマヌカは、独自



の生態系が長く保たれていました。ニュージーランド



の豊かな自然の恵みで育ったマヌカからとれる



はちみつは、ニュージーランド政府に厳格に検査



されています。現在では、ニュージーランド全域に



自生している野生植物ですが、ニュージーランドの



先住民のマオリ族が存在していた頃から葉から抽出



した抗菌作用のあるオイルやお茶などで使われて



きました。ニュージーランドが生産地ということも



あり、マヌカハニーの消費量は一人当たりで見ると



世界一になっています。



マヌカハニーは日本で一般的に食されているはちみつ



と一線を画します。その理由としては、マヌカハニー



の商品名はニュージーランド政府の監査を通ったもの



だけしか付けることができない貴重なはちみつだから



です。また、マヌカハニーがとれるマヌカの木は抗菌



作用がありますが、はちみつになってもその作用が



消えることはありません。マヌカハニーは抗菌作用以外



にも、UMFと呼ばれる成分も含んでいます。はちみつ



は抗菌作用があり、一般的に日本でも、口内炎など



の喉の調子が腫れや痛みを感じる時、やけど、擦り傷



にも民間療法として利用されてきました。マヌカハニー



は一般的なはちみつよりも抗菌作用が強く、



ニュージーランドでは医療用として医療現場で使用され



ています。



UMF(Unique Manuka Factor)とは、マヌカハニー独自の



成分です。ニュージーランドでは、ミツバチが花蜜を



酵素で分解して果糖・ブドウ糖に変化させることに



よってはちみつがつくられます。その際、酵素が殺菌



作用や抗菌作用を促します。そのはちみつの中でも



優れた抗菌性を持つマヌカハニーをニュージーランド



の国立ワイカト大学のピーター・モラン博士が発見し、



UMFとマヌカハニーの商品には名付けて他の蜂蜜と



区別しました。UMFの数値としては、10+、15+、20+、



25+という特別な成分の値として4種類になっています。



数値の計算としては、マヌカハニーの抗菌成分を



フェノール溶液の濃度と同じ効果の濃度を数値として



表します。UMFのマヌカハニーとして認められたものは、



すべてUMF含有分析書という品質保証の試験報告書と



アクティブ・マヌカ・ハニー協会(Active Manuka Honey



Association)の略である『amha』という商標登録が



付いており、模倣品や不正を防ぐ対策を取っています。



はちみつは1歳未満の乳児には食べさせてはいけません。



その理由は、はちみつには、ごく稀にボツリヌス菌の



芽胞が入っていることがあります。



腸が未発達で腸内細菌の少ない1歳未満の乳児は、



ボツリヌス菌が原因で乳児ボツリヌス症を発症する



可能性があります。



 幼児ボツリヌス症は、生後1年未満の乳児が



ボツリヌス菌芽胞を蜂蜜などから経口的に摂取して感染



し、腸管内で菌が発芽・増殖して産生する毒素により



発症します。



芽胞というのは、硬い殻をもつ芽胞形成菌(この場合



ボツリヌス菌)の一形態のことで、菌の栄養状態が



悪くなることで、芽胞となり、硬い殻の中に閉じ



こもっている状態です。



芽胞は、高圧滅菌をかけても生き延びるほど、硬い



殻で覆われています。菌の栄養状態が改善すると芽を



出して栄養体に変わります。ボツリヌス菌以外の芽胞



形成菌としては、破傷風菌などがあります。



 ボツリヌス菌の毒素は、毒性の強い神経毒素とそれ



を胃などの消化酵素から保護する無毒成分との複合体



として菌から放出されます。腸管から吸収されると



神経毒素が解離して毒性を示すようになります。



 乳児ボツリヌス症は生後3週~6ヶ月の乳児に



見られますが、1歳を越えると、正常な大腸細菌叢が



形成されるため発症しなくなります。初期症状としては、



便秘、活気がない、哺乳不良、泣き声が弱い、よだれ



が多い、首のすわりが悪くなるなどがあります。



皮肉にもこのボツリヌス毒素は、美容外科領域において



筋弛緩作用を応用した「しわ取り」や「輪郭補正



(エラ取り)」の目的で使用されていることが多い



そうです。



マヌカハニーは殺菌作用があるはちみつです。



はちみつの中でもヘリコバクター・ピロリ菌を唯一



殺菌できるのがマヌカハニーです。ピロリ菌は胃潰瘍や



胃炎、胃ガン、悪性リンパ腫、血小板減少性紫斑病など



の原因となっていることが分かっています。



はちみつは浸透性が高く、肌に少量塗ることで殺菌・



保湿・浸透性が高まるとされ、エステなどにも利用



されます。また、免疫力強化などの作用もあります。



はちみつは腸内環境を整える効果があります。はちみつ



の中には、ビフィズス菌、グルコン酸、オリゴ糖などの



善玉菌を増やす成分が多く含まれていますので、便秘や



下痢を解消へと導きます。今回はここまでとさせて頂き



ます。マヌカはマヌケではありません。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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美しい肌Vol.164

2013-05-05 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:サラシア)



サラシアは、インドやスリランカなど雨の多い



亜熱帯の森林に自生するニシキギ科サラシア属



のつる性低木です。これまでに約120種類以上



のサラシアが見つかっており、淡いグレー



またはオレンジ色の実がなります。



薬として使用されるもののほかに、建材として



利用されるものや果実を食用にするものがあり、



中でも天然薬効成分のあるものとして注目されて



いるのは、サラシアレチキュラータ、サラシア



オブロンガ、サラシアキネンシスなどがあります。



いずれも古くから糖尿病をはじめとして、自生地



の周辺で様々な病気の治療に利用され「奇跡の植物」



として現地の人々に重宝されてきました。



主に実を食べたり根や幹の抽出エキスが飲用されて



います。



サラシア属を総称して「サラシア」と呼んでいます



が、現在国内では「サラシア」という名称以外にも



「サラシノール」、「コタラヒムブツ」などの名称



で呼ばれます。



サラシアはスリランカ原産です。サラシア生息地



としては、スリランカやインドのほか、中国やタイ、



インドネシアがあげられ、昔から有用植物として珍重



されており、健康のために飲み継がれてきました。



アーユルヴェーダとは、サンスクリット語の



アーユス(Ayus;生命・寿命)とヴェーダ(Veda;



科学・知識)が組み合わさって出来た複合語で、



「生命科学」という意味です。いまやエステで



もてはやされている感じのアーユルヴェーダですが、



アーユルヴェーダはインドに伝わる伝統医学で、



漢方(中国医学)と並ぶ東洋医学の双璧をなすものです。



ギリシア医学、中国医学、アーユルヴェーダの3つを



称して世界3大伝統医学と呼びます。



古代インドを発祥として、約5千年の歴史を持ち、中国、



ギリシャ、アラビア、チベットの医学にも影響を与えた



そうです。現存する文献として最古のものは紀元前



6世紀頃に編纂された「チャラカ・サンヒター」があり



全8巻120章から成ります。1980年代初めにアーユル



ヴェーダの指導的な医師達が集まり、散逸して行った



アーユルヴェーダの知識が再編され、更にこれに現代医学



の立場から科学的な検討が加えられて、改めて世界で注目



されるようになりました。



アーユルヴェーダは、治療や治癒だけでなく生活全体に



アプローチすることで、健康を最高の状態に保ち、長寿を



図ろうとする考え方で、何よりも「より良く生きる」



ということをめざしています。



このアーユルヴェーダでは、つる性サラシア属の植物が



リウマチ、耳の疾患、ぜんそく、月経不順、湿疹、淋病、



口渇、糖尿病の薬として、あるいは殺菌力に優れた防腐剤



などに使われてきました。



中でも糖尿病に効く薬草として使われてきましたが、



最近の研究でサラシアにサラシノールという血糖値の



上昇を防ぐ成分が見つかり、長い歴史と臨床経験を



もつアーユルヴェーダ医学の一端が科学的にも解明



されました。



また中国の伝統医学「中医学」など各国の伝統医学でも



サラシアは用いられてきました。中医学の薬物書には



サラシアの根は「リウマチ性関節炎、腰痛の疲労、



体力の虚脱、無力を治す」と記載されています。



薬用として糖尿病の予防や治療に使われるサラシアは、



実を食べたり根や茎を使用します。今まではその根や茎



を砕いて煎じて飲む方法が一般的でしたが、



スリランカの王族はサラシアの根や幹をくりぬいて



コップをつくり、その中に水や酒を入れて飲むことで



糖尿病の予防と治療に役立ててきたという言い伝えが



あります。



腸内環境が悪化して悪玉菌が増加すると、悪玉菌が



たんぱく質を分解する際に出す有害物質が発生します。



便秘で有害物質が外に出にくくなると、大腸の毛細血管



を通じて血液に溶け込んで全身をめぐり、さまざまな



トラブルを引き起こします。便秘のため巨大結腸症という



病気になってしまった人は、腸が腐りかけていました。



腸内環境が悪いと肌に、悪影響がでます。



具体的には、肌にニキビや吹き出物ができたり、



シミが沈着しやすくなったり、皮膚炎を引き起こすことも



あり、腸内環境は肌に大きく影響します。



しかし、サラシアを摂取することで悪玉菌を減らして便通を



整えれば、肌トラブル改善が達成されます。



また活性酸素もシミやしわの原因になりますが、サラシア



に含まれる抗酸化成分が活性酸素をすみやかに消去し肌の



酸化を阻止します。その結果腸内環境の改善とともにサラシア



自体の抗酸化作用で美肌効果が期待されます。今回はここまで



とさせて頂きます。電燈の下、伝統医学を学んだ。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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