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2022-02-28 23:40:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.2101 令和3年4月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)子宮鏡での子宮体ガン自動診断システム開発に成功
2)既存薬3種類に武漢熱ウイルス含むRNAウイルス抑制効果

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 子宮鏡での子宮体ガン自動診断システム開発に成功

 
 
 
 
 東京大学医学部附属病院は4
月1日、子宮体ガン検診の重要
なデバイスとして子宮鏡検査を
一般化することを目的とし、人
工知能(AI)を用いた子宮鏡に
おける子宮体ガン自動診断シス
テムの開発に成功したと発表し
ました。この研究は、同大医学
部(産婦人科学講座)/同大医
学部附属病院女性診療科・産科
の曾根献文講師、同大大学院医
学系研究科 生殖・発達・加齢
医学専攻 髙橋優大学院生、同
大大学院医学系研究科 生殖・
発達・加齢医学専攻 産婦人科
学講座/同大医学部附属病院 女
性外科の大須賀穣教授ら、およ
びPredicthy 合同会社の野田勝
彦氏、吉田要氏らの研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「PLOS ONE」に掲載されていま
す。

 子宮体ガンは、婦人科ガンに
おいて最も罹患数が多い疾患で
あり、国内外問わず、近年増加
傾向にあります。早期であれば
ホルモン治療によって子宮温存
が可能ですが、進行期、再発症
例ですと難治性のことが多く、
早期発見が重要となります。し
かし、子宮体ガン検診に関して
は確立されたスクリーニング法
がないのが現状です。その理由
として、子宮体部の細胞診は盲
目的な操作であり、子宮頸ガン
の検診法である細胞診と比較し
て正診率が高くないことが挙げ
られます。

 一方、子宮鏡検査は、腟を経
由して子宮内腔を細径のファイ
バースコープを用いて観察する
内視鏡検査であり、外来で麻酔
をせずに行える簡便で有用な検
査法です。子宮鏡の一般的な用
途としては、子宮筋腫やポリー
プなどの良性腫瘍の診断や、着
床不全の原因検索が挙げられま
すが、子宮体ガンの診断に使用
する報告も散見されており、東
大病院においても子宮体ガンや、
その前ガン病変である子宮内膜
増殖症の診断補助に使用してい
る実績があります。

 このような背景のもと、研究
グループは、子宮体ガン検診の
重要なデバイスとして子宮鏡検
査を一般化することを目的とし、
深層学習を用いた子宮鏡におけ
る子宮体ガン自動診断システム
を開発しました。また、これま
で医療画像情報を用いた深層学
習研究については、良好な正診
率を得るために膨大な症例数が
必要であることから、疾患次第
では症例数を確保できない場合
もありました。この問題を解決
するため、同研究では、少ない
症例数でも正診率を向上させる
独自のアルゴリズムを開発しま
した。

 研究では、東大病院を受診し
た20歳以上の患者さんで、2011
年4月~2019年9月に子宮鏡を用
いて行われた177 症例(正常子
宮内膜:60例、子宮筋腫:21例、
子宮内膜ポリープ:60例、子宮
内膜異型増殖症:15例、子宮体
ガン:21例)を対象にしました。
177 例の動画を約40万の静止画
に変換し、それらの画像を悪性
グループ(子宮内膜異型増殖症、
子宮体ガン)、非悪性グループ
(正常子宮内膜、子宮内膜ポリ
ープ、子宮筋腫)に分けて、深
層学習を行いました。学習した
画像としては、全ての画像を含
むデータセットと子宮内腔の画
像のみを抽出したデータセット
の2種類を使用しました。また、
学習は3種類のネットワークモ
デル(Xception、MobileNetV2,
EfficientNetB0)を用いて、そ
れらの比較も行いました。

 まず、標準のアルゴリズムで
評価した所、正診率は約80%程
度となり、各ネットワークモデ
ル間の正診率に大きな差はあり
ませんでした。次に、少ない症
例数で正診率を上げる方法とし
て、連続法というアルゴリズム
を開発しました。連続法とは、
50枚以上連続で画像が悪性とし
て分類された場合、その症例を
悪性と判定する方法です。この
アルゴリズムを用いて正診率を
85%以上に向上させることがで
きたということです。さらに、
正診率を上げる方法として、ネ
ットワークモデル組み合わせ法
を開発しました。この方法は3
種類のネットワークモデルを複
数回学習させて得られた72個の
モデルを同時に稼働させて、ど
れか一つのモデルが悪性と判定
した場合、その症例を悪性と診
断する方法です。この方法によ
り、正診率を90%以上にまで向
上させることができたとしてい
ます。

 「今後は、新たに開発した子
宮体ガン自動診断システムの正
診率を100%近くまで向上させる
ことを目的として、さらに症例
数を増やすため、多施設共同研
究を開始する予定です。また社
会実装に向けて、このAIエンジ
ンを搭載した子宮鏡の実用化も
目指す」と、研究グループは述
べています。同研究で新たに開
発されたシステムによって、将
来、より簡便で正診率の高い子
宮体ガン検診法が確立されるこ
とが期待されます。

 子宮体ガンについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 検診法が、確立される確率を
予想する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 既存薬3種類に武漢熱ウイルス含むRNAウイルス抑制効果

 
 
 
 
 
 
 京都大iPS細胞研究所など
の研究チームは、ウイルスに感
染させたヒトの人工多能性幹細
胞(iPS細胞)に既存薬50
0種類を投与した所、骨粗鬆症
治療薬「ラロキシフェン」など
3種類に武漢熱ウイルスを含む
RNAウイルスの感染を抑制す
る効果があったと発表しました。
論文が4月7日、欧州の科学誌
「フェブス・オープン・バイオ」
電子版に掲載されました。実際
の治療で効果があるかは臨床試
験で確認することが必要ですが、
研究チームは新たなウイルス治
療薬の開発に役立つとしていま
す。

 研究チームはまず、遺伝子治
療研究などに使われる「センダ
イウイルス」をiPS細胞に感
染させ、米食品医薬品局(FD
A)が承認する500種類の薬
剤を投与しました。その結果、
ラロキシフェンのほか、新型コ
ロナ治療薬として日本でも承認
済みの「レムデシビル」や糖尿
病治療薬「ピオグリタゾン」な
ど6種類で感染が抑えられまし
た。
 次に、この6種類をエボラウ
イルスに感染させたヒトの肝臓
由来細胞と、新型コロナに感染
させたアフリカミドリザルの腎
臓由来細胞に対してそれぞれ投
与しました。すると、ラロキシ
フェンとレムデシビルはエボラ
とコロナ両方、ピオグリタゾン
はコロナに対し抗ウイルス作用
が見られました。
 同研究所の井上治久教授は「
複数のRNAウイルスに共通し
て作用する薬剤があれば、新た
に出現する感染症に対しても有
効である可能性があるのではな
いか」と話しています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 米食品医薬品局が、違約した。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東京大学医学部附属病院が4
月1日、子宮体ガン検診の重要
なデバイスとして子宮鏡検査を
一般化することを目的とし、人
工知能(AI)を用いた子宮鏡に
おける子宮体ガン自動診断シス
テムの開発に成功したと発表し
たのは喜ばしいことです。AIを
使うことで画像の正診率が向上
し、更に、少ない症例数で正診
率を上げる連続法というアルゴ
リズムを採用したのは、慧眼で
あると言えるでしょう。正診率
を更に上げる方法として、ネッ
トワークモデル組み合わせ法を
開発し、3種類のネットワーク
モデルを複数回学習させて得ら
れた72個のモデルを同時に稼働
させて、どれか一つのモデルが
悪性と判定した場合、その症例
を悪性と診断する方法を採用す
るなど、スマートな技法を使っ
ているのは、本当に素晴らしい
ことです。
 京都大iPS細胞研究所など
の研究チームが、ウイルスに感
染させたヒトの人工多能性幹細
胞(iPS細胞)に既存薬50
0種類を投与した所、骨粗鬆症
治療薬「ラロキシフェン」など
3種類に武漢熱ウイルスを含む
RNAウイルスの感染を抑制す
る効果があったと発表したのは、
素晴らしい業績です。ドラッグ
リポジショニングを上手に使っ
て、既存薬を臨床試験に引き上
げるのは、素晴らしい手法と言
えるでしょう。ラロキシフェン
とレムデシビルはエボラとコロ
ナ両方、ピオグリタゾンはコロ
ナに対し抗ウイルス作用が見ら
れたということですから、これ
らの薬剤を使った臨床試験が行
われるのが待ち遠しい限りです。
複数のRNAウイルスに共通し
て作用する薬剤があれば、新た
に出現する感染症に対しても有
効である可能性は今後検証する
べきだと思います。

 両方の療法のいいとこ取りを
する。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
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2022-02-27 18:44:46

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診療マル秘裏話  号外Vol.2100 令和3年4月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)HRAS遺伝子変異陽性扁平上皮ガンにTipifarnib
2)柿タンニンが潰瘍性大腸炎の病態を改善可能と判明

 
 
 
 
 
 
 
 
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 HRAS遺伝子変異陽性扁平上皮ガンにTipifarnib
 
 
 
 
 2021年3月22日、医学誌『Jo
urnal of Clinical Oncology』
にてHRAS遺伝子変異陽性の再発
/転移性頭頸部扁平上皮ガン患
者さんに対する経口ファルネシ
ルトランスフェラーゼ選択的阻
害薬であるTipifarnib(チピフ
ァルニブ)単剤療法の有効性、
安全性を検証した第2相のKO-T
IP-001試験 (NCT02383927)の
結果がMemorial Sloan Ketteri
ng Cancer CenterのAlan L. Ho
氏らにより公表されました。

 本試験は、HRAS遺伝子変異陽
性の再発/転移性頭頸部扁平上
皮ガン患者さんに対して28日を
1サイクルとして1~7日目,15~
21日目に1日2回Tipifarnib600m
g/900mg 単剤療法を投与し、主
要評価項目として客観的奏効率
(ORR),副次評価項目として安
全性、無増悪生存期間(PFS)、
全生存期間(OS)などを検証し
たシングルアームオープンラベ
ルの第2相試験です。

 本試験が開始された背景とし
て、再発/転移性頭頸部扁平上
皮ガン患者さんの約4~8%はHR
AS遺伝子変異陽性を示していま
す。近年、再発/転移性頭頸部
扁平上皮ガンの治療成績は向上
しているものの、全生存期間(
OS)中央値は13~15ヶ月程度で
あり、予後は不良です。以上の
背景より、HRAS遺伝子変異陽性
の再発/転移性頭頸部扁平上皮
ガン患者さんに対する経口ファ
ルネシルトランスフェラーゼ選
択的阻害薬であるTipifarnib単
剤療法の有用性を検証する目的
で本試験が開始されました。

 本試験で評価可能であった患
者さんは20人です。主要評価項
目である客観的奏効率(ORR)
は55%(95%信頼区間:31.5-
76.9%)を示しました。副次評
価項目である無増悪生存期間(
PFS)中央値は5.6ヶ月(95%信
頼区間:3.6-16.4ヶ月),全生
存期間(OS)中央値は15.4ヶ月
(95%信頼区間:7.0-29.7ヶ月)
を示しました。

 一方の安全性として、最も多
くの患者さんで確認された治療
関連有害事象(TRAE)は貧血37
%、リンパ球減少症13%を示し
ました。

 以上のKO-TIP-001試験の結果
よりAlan L. Ho氏らは「HRAS遺
伝子変異陽性の再発/転移性頭
頸部扁平上皮ガン患者に対する
経口ファルネシルトランスフェ
ラーゼ選択的阻害薬Tipifarnib
単剤療法は、良好な抗腫瘍効果
を示し、治療選択肢に限りのあ
る本疾患に対して有望な治療選
択肢になり得る可能性が示唆さ
れました」と結論を述べていま
す。

 頭頚部扁平上皮ガンの光免疫

療法について解説している動画

です。

 
 


 
 
 両方の単剤療法は、失敗に終
わった。         笑

 
 
 
 
 
 
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2】 柿タンニンが潰瘍性大腸炎の病態を改善可能と判明

 
 
 
 
 
 
 奈良県立医科大学は4月2日、
柿より高純度に抽出した柿タン
ニン(柿渋)が、潰瘍性大腸炎
で増加する腸内の悪玉菌の増殖
と炎症反応を抑え、潰瘍性大腸
炎の病態を改善できることを動
物モデルにて実証したと発表し
ました。この研究は、同大免疫
学講座の伊藤利洋教授、畿央大
学健康科学部の栢野新市教授、
松村羊子教授らの共同研究グル
ープによるものです。研究成果
は、「Scientific Reports」に
オンライン掲載されています。

 潰瘍性大腸炎は、消化管に慢
性炎症を引き起こす原因不明の
疾患で、寛解と再燃を繰り返す
ことが知られています。近年、
患者数が増加しており、国内で
約20万人、欧米で約200 万人の
患者さんがいると推定されてい
ます。根治する治療法は確立さ
れておらず、一般的には症状改
善のために薬物による内科的治
療が行われますが、薬物療法が
効かない場合もあります。厚生
労働省指定難病にも指定されて
おり、患者数は指定難病の中で
は最多で、新規予防法・治療薬
の開発が望まれています。

 腸内には500~1,000種類、約
100 兆個の腸内細菌が共生して
おり、腸内の細菌は食物の代謝、
吸収だけでなく、腸内の免疫系
を制御していることが明らかと
なってきており、腸内細菌叢の
構成異常「dysbiosis」 が免疫
系の活性化と抑制のバランスを
崩し、潰瘍性大腸炎をはじめと
する炎症性腸疾患の発症を引き
起こすと考えられてきました。

 タンニンは、植物に含まれる
ポリフェノールの一種で、柿、
お茶、ぶどうなどに多く含まれ
る、渋みのもととなる成分です。
柿から抽出されたタンニンは、
古くから柿渋として、革や衣服
の防虫、防水や染色に利用され
てきましたが、近年、柿タンニ
ンは抗菌作用、抗ウイルス作用、
抗炎症作用、抗酸化作用などの
多様な作用を持つことが明らか
となってきており、さまざまな
疾患への応用が期待されていま
す。

 伊藤教授らの研究グループは
多様な活性を持つ柿タンニンに
着目し、柿より高純度に抽出し
た柿タンニン(柿渋)が、新型
コロナウイルス(武漢熱ウイル
ス)に対して不活化効果を有す
ることを2020年に発表していま
す。また、柿タンニンは非結核
性抗酸菌に対する抗菌作用やマ
クロファージの活性化を抑制す
る作用をもち、柿タンニンを含
有する餌をマウスに摂取させる
ことで、非結核性抗酸菌感染に
よる肺炎が改善することを明ら
かにしています。さらに、柿タ
ンニンは大腸の環境で発酵され
抗酸化活性を示すことから、潰
瘍性大腸炎のような大腸の炎症
を柿タンニンが抑制するのでは
ないかとの着想に至ったという
ことです。

 研究グループは今回、柿果実
より高純度に抽出した柿タンニ
ン(柿渋)を含有する餌をマウ
スに摂取させることで、デキス
トラン硫酸ナトリウムの投与に
よって誘発される大腸炎(潰瘍
性大腸炎モデル)の疾患活動性
ならびに炎症を軽減できること
を見出しました。

 このメカニズムとして、柿タ
ンニンは潰瘍性大腸炎をはじめ
とする炎症性腸疾患患者に見ら
れる、いわゆる悪玉菌(Entero
bacteriaceae科の細菌群)の増
加や、腸内細菌叢のdysbiosis
を抑えること、さらに免疫細胞
の活性化を抑えることが示唆さ
れました。「本成果から、潰瘍
性大腸炎の予防・治療や寛解維
持への柿渋の応用が期待される」
と、研究グループは、述べてい
ます。

 柿の健康効果と注意点につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 意地でも寛解維持を達成する。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 2021年3月22日、医学誌『Jo
urnal of Clinical Oncology』
にてHRAS遺伝子変異陽性の再発
/転移性頭頸部扁平上皮ガン患
者さんに対する経口ファルネシ
ルトランスフェラーゼ選択的阻
害薬であるTipifarnib(チピフ
ァルニブ)単剤療法の有効性、
安全性を検証した第2相のKO-T
IP-001試験 (NCT02383927)の
結果がMemorial Sloan Ketteri
ng Cancer CenterのAlan L. Ho
氏らにより公表されたのは、素
晴らしい業績です。HRAS遺伝子
変異陽性の再発/転移性頭頸部
扁平上皮ガン患者に対する経口
ファルネシルトランスフェラー
ゼ選択的阻害薬Tipifarnib単剤
療法は、良好な抗腫瘍効果を示
し、治療選択肢に限りのある本
疾患に対して有望な治療選択肢
になり得る可能性が示唆された
のは、本当に喜ばしいことです。
 奈良県立医科大学が4月2日、
柿より高純度に抽出した柿タン
ニン(柿渋)が、潰瘍性大腸炎
で増加する腸内の悪玉菌の増殖
と炎症反応を抑え、潰瘍性大腸
炎の病態を改善できることを動
物モデルにて実証したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
柿タンニンは大腸の環境で発酵
され抗酸化活性を示すことから、
潰瘍性大腸炎のような大腸の炎
症を柿タンニンが抑制するので
はないかとの着想に至ったとい
うのは、本当にユニークな考え
方であると思いました。本成果
から、潰瘍性大腸炎の予防・治
療や寛解維持への柿渋の応用を
追究して頂きたいものです。柿
特に渋柿のタンニンというのは、
色々な所で、色々な疾患に活用
できることを思い知らされまし
た。

 八甲田山で、発酵食品を作る。


 
 
 
 
 
 
 
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2022-02-26 22:25:29

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診療マル秘裏話  号外Vol.2099 令和3年4月26日作成
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目次

1)ワクチンで、免疫系に腫瘍の攻撃を行う指示を出す
2)加齢で衰えた脳の神経回路を修復させる受容体

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 ワクチンで、免疫系に腫瘍の攻撃を行う指示を出す

 
 
 
 
 「ガン」は、生涯で2人に1人
が罹患し、3人に1人が死亡する
と言われています。現在の医療
では、まだすべてのガンを治す
ことは出来ない状況です。しか
し、このガンさえも、人類は克
服することができるようになる
かもしれません。

 オズレム・トゥレシ氏と夫の
ウグル・サヒン氏によって設立
されたドイツのビオンテックは、
ファイザーとともに新型コロナ
ウイルスワクチンの開発に成功
し、世界的な評価を集めました。
『KABC News』によれば、2人は
体の免疫システムを利用して腫
瘍を治療する研究を長年行って
おり、今回のワクチン開発にそ
の技術を活かしました。メッセ
ンジャーRNA(mRNA) を使い、
特定のウイルスを攻撃するため
の蛋白質を作るように人体に指
示を出すものです。

 トゥレシ氏によると、この原
理を用いて、免疫系の腫瘍に対
して攻撃を行う指示を出すこと
も可能であるということです。
「私たちはmRNAをベースにした、
ガンのワクチンを数種類開発し
ています」と、AP通信の取材に
答えました。

 さらに、トゥレシ氏はガンの
ワクチンが実用化されるまでの
期間について、「革新的な技術
開発においてこういった時間を
予測するのはとても難しいこと
ですが、数年以内には私たちが
開発したワクチンを人々に提供
できるのではと期待しています」
と驚きの証言をしました。

 トゥレシ氏と夫のサヒン氏は
先月、ドイツのシュタインマイ
ヤー大統領から、メリット勲章
を与えられました。トゥレシ氏
は今回の受賞に「本当に名誉で
す」「夫も私も感動しています」
と答えましたが、ワクチンの開
発は多くの人の努力によって出
来上がったと述べました。「ビ
オンテックのチームとパートナ
ー企業、さらに政府関係者や規
制当局が危機感をもって協力し
た、多くの人の努力の賜物です」
とトゥレシ氏は言っています。
「これは努力が実を結んだもの
であり、科学を称えるものであ
ります」とも言っています。

 もしも人類がガンを克服する
ことができるようになれば、医
療はもちろん、社会のあり方そ
のものに大きな影響を与えるか
もしれません。今後のトゥレシ
氏らの活躍に期待したいもので
す。

 ガンワクチンについての講演

動画です。

 
 


 
 
 アフリカのコンゴで今後のこ
とを考える。       笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 加齢で衰えた脳の神経回路を修復させる受容体

 
 
 
 
 
 
 加齢で衰えた脳の神経回路を
修復させる受容体を突き止め、
その仕組みを発見した、と国立
精神・神経医療研究センターな
どの研究グループが発表しまし
た。神経回路の機能を支える構
造「髄鞘(ずいしょう)」が脱
落しても修復されていました。
難病の多発性硬化症など、さま
ざまな疾患の治療薬開発につな
がる可能性があるということで
す。

 髄鞘は神経細胞で信号を伝え
る本体の「軸索」を取り囲む膜
で、絶縁体の役目をして信号の
高速伝達を支え、神経細胞の健
康維持に役立っています。髄鞘
は「オリゴデンドロサイト」と
呼ばれる細胞が神経細胞に巻き
ついてできます。

 脳や脊髄のさまざまな疾患で
は、髄鞘の脱落が起こっていま
す。また、加齢に伴ってオリゴ
デンドロサイトの前駆細胞は分
化が難しくなり、髄鞘が修復し
にくくなります。髄鞘の脱落は
健康な高齢者にもみられるとい
うことです。こうしたことが起
こる分子レベルの詳しい仕組み
はよく分かっていませんでした。

 そこで研究グループはマウス
を使い、遺伝子の発現を調べる
実験を行いました。その結果ま
ず、髄鞘が修復しやすい条件の
オリゴデンドロサイトでは、「
APJ受容体」 が豊富に発現する
ことを突き止めました。オリゴ
デンドロサイトに発現するAPJ
受容体を欠損したマウスでは、
髄鞘の脱落や運動機能の不調が
みられました。

 APJ 受容体に結合する分子の
一つに、さまざまな臓器で作ら
れるホルモン「アペリン」があ
ります。老齢のマウスでは体内
のアペリンが減っていることが
分かりました。APJ 受容体を活
性化させると傷ついた髄鞘の修
復が進みました。

 さらに、多発性硬化症になっ
たヒトの脳内のオリゴデンドロ
サイトにもAPJ 受容体が発現し
ていることも確認されました。
培養細胞を用いた実験で、APJ
受容体の活性化がヒトのオリゴ
デンドロサイトの分化も促すこ
とを見いだしました。

 一連の結果により髄鞘は、ア
ペリンとAPJ 受容体が働いて修
復されることを発見しました。
脳の神経回路の修復力低下や、
修復させる仕組みの一端を解明
できました。

 髄鞘の損傷は多発性硬化症の
ほか脊髄損傷、脳梗塞、アルツ
ハイマー型認知症、筋萎縮性側
索硬化症、統合失調症など、幅
広い疾患で起こると考えられて
います。髄鞘を修復させる治療
薬はまだありません。今後、ア
ペリンやAPJ 受容体の働きをさ
らに調べれば、将来的にこうし
た疾患の治療薬の開発や、高齢
者の脳機能向上に役立つ可能性
があるということです。

 研究グループの同センター神
経研究所神経薬理研究部の村松
里衣子部長(神経薬理学)は「
アペリンは脳の外で作られてい
る。脳の研究は脳内に特化した
話が多いが、さまざまな疾患な
どで起こる脳と他の臓器との関
係性は、非常に興味深い」と述
べています。

 研究グループは同センター、
大阪大学、筑波大学、日本医療
研究開発機構で構成されていま
す。成果は米国の老化研究専門
誌「ネイチャー・エイジング」
に日本時間3月16日に掲載され
ました。

 多発性硬化症の新薬について

解説している動画です。PMLと

は、進行性多巣性白質脳症(P

ML)のことです。治療薬を長

期に使うとPMLの発生リスク

が高くなるとされています。

 
 


 
 
 青果に特化したマーケティン
グにより、特価で販売する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 「ガン」は、生涯で2人に1人
が罹患し、3人に1人が死亡する
と言われており、現在の医療で
は、まだすべてのガンを治すこ
とは出来ない状況であることは、
周知の事実です。ただ、ガンワ
クチンについては、ペプチドワ
クチンが開発されているものの、
他の治療との併用という形でし
か実用化されていません。しか
し。武漢熱ウイルスのワクチン
を開発した開発者であれば、ガ
ンワクチンを開発する可能性は、
高いと思います。もう開発に長
い年月をかけているのならば、
動物実験から臨床試験へと進む
ことを期待したいと思います。
武漢熱で、ガンの治療を遅らせ
ている患者さんも多いと聞いて
います。ぜひ、商品化に向けて
素早く、行動して頂きたいもの
です。
 加齢で衰えた脳の神経回路を
修復させる受容体を突き止め、
その仕組みを発見した、と国立
精神・神経医療研究センターな
どの研究グループが発表したの
は、素晴らしい業績です。多発
性硬化症は、食事の影響が強い
と言われていますので食事療法
を行うことは絶対必要です。具
体的には、西洋風の食事を止め
るということです。更に詳しく
言えば小麦製品、乳製品、砂糖
製品を避けるということです。
その上で、今後、アペリンやAP
J 受容体の働きをさらに調べる
ことで、将来的に髄鞘の損傷が
原因と考えられる多発性硬化症
のほか脊髄損傷、脳梗塞、アル
ツハイマー型認知症、筋萎縮性
側索硬化症、統合失調症などの
治療薬の開発や、高齢者の脳機
能向上に役立つ可能性をぜひ追
究して頂きたいものです。

 清貧な環境で、豪華な製品を
開発する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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2022-02-25 22:39:49

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診療マル秘裏話  号外Vol.2098 令和3年4月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)共有結合型FGFR阻害薬,FDAが画期的治療薬指定
2)ヒト胃からのヘリコバクター・スイスの培養に,世界初成功

 
 
 
 
 
 
 
 
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り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 共有結合型FGFR阻害薬,FDAが画期的治療薬指定

 
 
 
 
 大鵬薬品および同社の子会社
である米・Taiho Oncology は4
月2日,共有結合型FGFR阻害薬fu
tibatinib(開発コード:TAS-1
20)について、前治療歴を有す
るFGFR2 遺伝子再構成(融合遺
伝子を含む)を伴う進行胆管ガ
ンを対象に,米食品医薬品局 (
FDA) よりブレークスルーセラ
ピー(画期的治療薬)指定を取
得したことを発表しました。

 同薬は, FGFR1、2、3、4の不
可逆的かつ選択的な低分子阻害
薬で、まだ世界で承認されてい
ない薬剤です。 今回のFDAによ
る判断は、第2相試験FOENIX-C
CA2 の有効性および安全性の結
果に基づくもので、詳細は今月
に開催される米国ガン研究協会
学術会議(AACR 2021) で発表
される予定であるということで
す。

  Growth Fa
ctor,線維芽細胞増殖因子)は,
線維芽細胞をはじめとするさま
ざまな細胞に対して発生,血管
新生,創傷治癒など広範な機能
性を示す蛋白質です。ヒトのFG
F受容体(FGFR)ファミリーはFGF
R1,GFR2, FGFR3,およびFGFR
4の4種類からなることが報告さ
れています。

 FGFR阻害薬について解説して

いる動画です。英語が苦手の方は

自動翻訳で日本語を選択してご覧

下さい。

 
 


 
 
 紅斑が広範に存在した。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 ヒト胃からのヘリコバクター・スイスの培養に,世界初成功

 
 
 
 
 
 
 日本医療研究開発機構(AMED)
は3月24日、ヒト胃からのヘリ
コバクター・スイスの培養に世
界で初めて成功し、マウス感染
実験によりヘリコバクター・ス
イスが胃の病原細菌であること
を証明したと発表しました。こ
の研究は、国立感染症研究所細
菌第二部の林原絵美子主任研究
官、柴山恵吾部長、同研究所薬
剤耐性研究センターの鈴木仁人
主任研究官、杏林大学の徳永健
吾准教授、北里大学の松井英則
講師らの研究グループらの研究
グループによるものです。研究
成果は、「Proceedings of the
National Academy of Science
s of the United States of Am
erica」 オンライン版に掲載さ
れています。

 ヘリコバクター・ピロリ(ピ
ロリ菌)はヒトの胃に感染し、
胃ガンや消化性潰瘍の原因とな
る病原細菌ですが、1983年にオ
ーストラリアのロビン・ウォレ
ンとバリー・マーシャルによる
培養が成功したことにより、病
原性解析、診断法の開発、治療
法の確立がされてきました。

 一方、ヒト胃に感染するピロ
リ菌以外のヘリコバクター属菌
は「ハイルマニイ菌」とも呼ば
れ、ピロリ菌が検出されない胃
疾患の発症原因であることが、
1980年代より示唆されていまし
た。現在ではハイルマニイ菌と
呼ばれていた菌の多くが、豚を
自然宿主とする「ヘリコバクタ
ー・スイス」であることが分か
ってきました。主に幼少期に感
染し、除菌すれば再感染はまれ
なピロリ菌と異なり、ヘリコバ
クター・スイスは成人でも感染
リスクのあることが分かってい
ます。ピロリ菌の国民総除菌時
代を迎え、ピロリ菌の感染率の
低下に伴い、ヘリコバクター・
スイスは胃関連疾患における重
要な病原体となることが予想さ
れます。しかし、これまでヘリ
コバクター・スイスは、ヒト胃
からの分離培養ができなかった
ため、病原性や感染経路などの
詳細を解明することが困難でし
た。

 ピロリ菌は中性条件を好みま
すが、ピロリ菌のもつ強力なウ
レアーゼ活性により自身の周り
の酸を中和することで、強酸性
の胃内でも生存することができ
ます。一方、ヘリコバクター・
スイスはpH5付近の弱酸性条件
を好みます。研究グループは今
回、ヘリコバクター・スイスが
中性条件下では短時間でその生
存性が顕著に低下することに着
目しました。胃生検組織を酸性
条件に保つことにより、ヒト胃
からヘリコバクター・スイスを
培養することに世界で初めて成
功しました。

 また、患者さんの胃から分離
されたヘリコバクター・スイス
を用いたマウス感染実験で、感
染4か月後のマウス胃粘膜に、
炎症性変化および化生性変化な
どの病態発症が確認されました。
さらに、ゲノム解析により、感
染マウスの胃から分離された菌
が感染させた患者さん由来のヘ
リコバクター・スイスと同じで
あることが明らかになりました。
つまり、コッホの原則により、
ヘリコバクター・スイスが胃の
障害を引き起こす病原細菌であ
ることが確認されました。

 臨床検体から分離されたヘリ
コバクター・スイスの完全ゲノ
ム配列を決定し、豚由来株のゲ
ノムと比較した所、ヒト由来株
のゲノムは豚由来株のゲノムに
類似しており、豚に感染してい
るヘリコバクター・スイスがヒ
トにも病原性を有する人獣共通
感染症の起因菌である可能性が
強く示されました。

 ヘリコバクター・スイスはピ
ロリ菌の持つ主要な病原因子で
あるCagAやVacAを保有しないこ
とから、ピロリ菌とは異なる機
序でその病態を発症すると考え
られています。今回の研究では、
ヒト由来ヘリコバクター・スイ
スのゲノム上には菌株特異的な
plasticity zone が存在してい
ることを明らかにしており、今
後、これらの領域を含む病原因
子の感染における役割の解明が
期待されます。

 また、ヘリコバクター・スイ
スなどのピロリ菌以外のヘリコ
バクター属菌は、ピロリ菌検出
法では検出できないため、主に
胃生検体から調製したDNA を材
料としたPCR 法で感染診断が行
われていましたが、今回ヘリコ
バクター・スイスが培養できる
ようになったことで、菌に特異
的な蛋白質を標的とした感染診
断法の開発が促進されることが
期待されます。「本研究ではヘ
リコバクター・スイスの薬剤感
受性測定法を確立しており、今
後ヘリコバクター・スイスの薬
剤感受性情報が蓄積されること
により、最適な治療法の確立に
有用な情報が得られると考えら
れる」と、研究グループは述べ
ています。

 化生(かせい)とは、後天的
におこる細胞の分化形質の異常
です。分化成熟したある細胞が
他の分化成熟した細胞の形態に
変化することであり、可逆的な
変化です。代表的な例として、
喫煙者によく見られる、気管支
の呼吸線毛上皮が重層扁平上皮
に変化する現象が挙げられます。
これは分化の異常ですが、ガン
化することはないと考えられて
います。しかし、化生が起こる
ような状況が続くと異形成が起
こりやすくなり、発ガンにつな
がるとされています。

 ヘリコバクター・スイスが弱

酸性(pH4.6)を好んで運動性

も高いという動画です。

 
 


 
 
 故宮博物館で呼吸困難を発症
した。          笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 大鵬薬品および同社の子会社
である米・Taiho Oncology が4
月2日,共有結合型FGFR阻害薬fu
tibatinib(開発コード:TAS-1
20)について、前治療歴を有す
るFGFR2 遺伝子再構成(融合遺
伝子を含む)を伴う進行胆管ガ
ンを対象に,米食品医薬品局 (
FDA) よりブレークスルーセラ
ピー(画期的治療薬)指定を取
得したことを発表したのは、喜
ばしいことです。進行胆管ガン
の予後は、非常に悪く、画期的
治療薬の開発が急務でした。し
かし、今回の研究結果をもとに、
画期的治療薬の開発が、進むこ
とを期待したいと思います。
 日本医療研究開発機構(AMED)
は3月24日、ヒト胃からのヘリ
コバクター・スイスの培養に世
界で初めて成功し、マウス感染
実験によりヘリコバクター・ス
イスが胃の病原細菌であること
を証明したと発表したのは、素
晴らしい業績です。機能性ディ
スペプシアFDは「腹部症状が慢
性的に続いているにもか関わら
ず、症状の原因となる異常が見
つからない病気」と定義されて
います。症状の原因となる異常
が見つからないのではなく、こ
のヘリコバクター・スイスが、
原因ではないかと考えられてい
るようです。

 最近発見の細菌は、病原細菌
とされることが多い。   笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2097 令和3年4月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ハイドロゲルが24時間でガン幹細胞を誘導する
2)褐色脂肪細胞体内時計障害で、太りやすくなる

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 ハイドロゲルが24時間でガン幹細胞を誘導する

 
 
 
 
 北海道大学は3月30日、ハイ
ドロゲルが24時間という極めて
短時間で、ガン細胞を先祖返り
させて、ガン幹細胞を誘導する
ことを発見したと発表しました。
この研究は、同大大学院医学研
究院腫瘍病理学教室兼北海道大
学化学反応創成研究拠点(WPI-
ICReDD)の田中伸哉教授、同大
大学院先端生命科学研究院の龔
剣萍(グンチェンピン)教授,
安田和則名誉教授、国立ガン研
究センター研究所の間野博行所
長らの研究グループによるもの
です。研究成果は、「Nature B
iomedical Engineering」 にオ
ンライン掲載されています。

 現在、日本のガン死亡者数は
年間38万人に達し、死因の第1
位であり、ガンの克服は医療の
最大の課題です。2019年からガ
ンゲノムパネル検査が開始され、
数多くのガン患者さんが分子標
的治療薬、免疫チェックポイン
ト阻害剤などで治療されていま
す。しかし、ガンの5年生存率
は約66%で根治には至っていま
せん。その理由は、ガン組織の
中に化学療法や放射線療法に耐
性を示すガン幹細胞が存在し、
遠隔転移や数年後の再発の原因
となるからです。

 現在、世界中でガン幹細胞を
検出する方法が盛んに研究され
ていますが、臨床応用されてい
るものはありません。実用化さ
れない原因として、ガンの種類
によってガン幹細胞の性質がさ
まざまで、多様性があることが
あげられます。今回の成果は、
短時間で簡単にガン幹細胞を誘
導することができるため、実臨
床への応用が期待されるもので
す。

 今回実験に用いたのは、龔教
授が開発した、アクリルアミド・
プロパンスルホン酸と、ジメチ
ルアクリルアミドが網目状に組
み合わさって作製されたダブル
ネットワーク(DN)ゲルです。
これらの化学物質は、乳液など
に使われている身近なものです。
方法は簡単で、特別な培養液は
必要なく、ゲルの上にガン細胞
をまくだけで、24時間以内に急
速に球状の形を形成して、ガン
幹細胞マーカーが増加すること
が分かりました。ガン幹細胞マ
ーカーとは SOX2、OCT3/4 など、
2012年ノーベル医学・生理学賞
を受賞した山中ファクターです。
DNゲルによって誘導されたガン
幹細胞は500 個という少数の細
胞でもマウスの体の中で大きな
腫瘍を作ることからガン幹細胞
性を持つことが分かりました。
この方法は、現在国内特許及び
国際特許が出願されています。

 DNゲルは、肺ガン、乳ガン、
肝ガン、膵ガン、大腸ガン、中
皮腫、肉腫、悪性脳腫瘍、髄膜
腫などの多くのガンで、ガン幹
細胞を誘導しました。詳しい解
析を行うと、ゲルによるガン幹
細胞誘導には、ゲルにまいてか
ら数時間の早い段階ではイオン
チャネル受容体の働きが重要で、
12時間以降は、オステオポンチ
ンの働きが必要なことが分かり、
ゲルからの段階的な刺激によっ
て先祖返り(リプログラミング)
が進行すると判明しました。こ
の現象は、ハイドロゲル活性化
リプログラミング(HARP)、す
なわちハープ現象と命名されま
した。

 悪性脳腫瘍の手術材料に由来
するガン細胞は、DNゲルの上で
培養すると血小板増殖因子受容
体を発現することが判明し、そ
れに対する分子標的薬を使用す
ると細胞死が誘導されました。
よって、この方法を用いれば、
患者さん個別に治療薬を選択で
きる可能性があります。また、
悪性脳腫瘍と膀胱ガンの細胞を
用いて、約400 種類の抗ガン剤
を調べた所、ガン幹細胞を選択
的に消滅させる治療薬の候補を
発見しました。今後、何万種類
という大規模な薬剤ライブラリ
ーをスクリーニングすることで、
ガン幹細胞に対する特効薬の開
発が期待されます。

 ガン幹細胞が極めて短時間で
誘導できることは、ガン患者さ
んの生検検体を用いて、再発の
もととなるガン幹細胞の性質を
明らかにすることができるため、
初発の段階で、患者さんごとに
個別に将来の再発予防薬がわか
る可能性があります。また、乳
ガンなど初回手術から10年後の
再発などということがあります
が、そのような再発を防止する
ガン幹細胞治療薬の開発に貢献
することが期待されます。さら
に、中皮腫、悪性脳腫瘍、肺ガ
ンなどのガン幹細胞を根絶する
治療薬を同定することにより、
これらの悪性腫瘍の予後の改善
の可能性があります。「このゲ
ル基盤は将来のガン医療のさま
ざまな方向での発展の基盤とな
ることが期待されると、研究グ
ループは述べています。

 ガン幹細胞を標的とするサプ

リメントについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 目的地への道程を同定した。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 褐色脂肪細胞体内時計障害で、太りやすくなる

 
 
 
 
 
 
 金沢大学は3月31日、褐色脂
肪細胞の体内時計が障害される
と太りやすくなることを明らか
にしたと発表しました。この研
究は、同大医薬保健研究域医学
系の安藤仁教授らの共同研究グ
ループによるものです。研究成
果は、「Molecular Metabolism」
にAccepted Articleとして掲載
されています。

 ヒトを含む動物の行動や生理
機能には、約24時間を1周期と
する概日リズム(サーカディア
ンリズム)が認められ、生体の
恒常性維持に役立っています。
近年、この概日リズムの発振機
構が解明され、個々の細胞にお
いて時計遺伝子群からなる体内
時計が時を刻んでいることが判
明しました。この体内時計が乱
れる、いわゆる時差ぼけの状態
では、身体に不調をきたします
が、慢性的に時差ぼけを繰り返
すシフトワーカーでは、肥満や
高血圧、糖尿病などの生活習慣
病も発症しやすいことが知られ
ています。しかし、体内時計が
障害されるとなぜ太りやすくな
るのか、その機序については十
分には分かっていません。

 褐色脂肪細胞は、脂肪のエネ
ルギーを熱に変えることで体温
を維持する特殊な細胞であり、
この細胞の機能は肥満度と関連
することが報告されています。
また、体温や褐色脂肪細胞の機
能には概日リズムが知られてい
ます。そこで研究グループは、
適切な熱産生には褐色脂肪細胞
の体内時計が重要であり、その
体内時計が障害された場合には
太りやすくなるのではないかと
の仮説を立て、詳細な研究を進
めました。

 研究グループは、褐色脂肪細
胞で特異的に体内時計機能を欠
損する遺伝子改変マウス(BA-B
mal1 KOマウス) を作製し解析
しました。すると、予想に反し
て、BA-Bmal1 KO マウスの体温
の日内リズムは、体内時計機能
が保たれた対照マウスとほとん
ど変わりがなく、通常食を与え
た時には体重も同等だったこと
が分かりました。しかし、BA-B
mal1 KOマウスでは,褐色脂肪組
織の温度が低く、対照マウスよ
りも行動量が多いうえに、骨格
筋のシバリングも大であること
が判明しました。すなわち、BA
-Bmal1 KOマウスでは,褐色脂肪
細胞の熱産生が低下しているた
めに、代償的に行動量の増加や
シバリングで体温を維持してい
ることが示唆されました。

 また、対照マウスの褐色脂肪
細胞では、脂肪の利用に関連し
た分子群の発現に概日リズムが
認められた一方、BA-Bmal1 KO
マウスではこのリズムが乱れて
おり、細胞内のアセチルCoA 量
やエネルギー量も低下していま
した。さらに、高脂肪食を与え
た場合には、BA-Bmal1 KO マウ
スは対照マウスよりも太りやす
いことが明らかになりました。

 この結果から、褐色脂肪細胞
の体内時計は脂肪のエネルギー
を熱に変換するリズムを制御し
ており、このリズムが障害され
た場合に高脂肪食を摂取すると、
より太りやすくなることが分か
りました。

 現代は24時間社会であり、体
に悪いとわかっていても不規則
な生活を送らざるを得ない人が
います。体内時計の中枢(中枢
時計)は視床下部にあり、その
時刻は光刺激でセットされます
が、中枢時計は睡眠・覚醒のリ
ズムも制御することから、その
ような人では中枢時計の乱れは
やむを得ません。「一方、褐色
脂肪細胞の体内時計であれば、
適切な食事習慣や薬物治療など
により整えることができる可能
性がある。研究成果は、新しい
肥満の予防・治療法の開発につ
ながることが期待される」と、
研究グループは述べています。

 体内時計のリセットと腹筋運

動について解説している動画で

す。因みに体内時計は、24時間

と数十分といわれていて25時間

ではありません。

 
 


 
 
 週刊誌で、適切な食事習慣を
公開する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 北海道大学が3月30日、ハイ
ドロゲルが24時間という極めて
短時間で、ガン細胞を先祖返り
させて、ガン幹細胞を誘導する
ことを発見したと発表したのは、
素晴らしい発見です。ガンの5
年生存率は約66%で根治には至
っていないという意見には、異
論があります。生存率というの
は、今まさに亡くならんとする
心臓だけ動いている患者さんも
入れてのものだということが、
知られています。ガンの人を実
際に診ている身としては、根治
には至っていないどころか、根
治など夢のまた夢という感じが、
してなりません。それ程、ガン
細胞は、狡猾ですので、その上
をいく治療法を確立しなければ、
ガン患者さんが病気に打ち勝つ
ことは、難しいのではないかと
私は考えています。ただ、その
事実は、ガン幹細胞の研究を妨
げるものではないので、即効性
のみを追求する付け焼刃の治療
ではなくガン幹細胞の基礎研究
に基づいた、確固とした治療法
を見い出して頂きたいものです。
 金沢大学が3月31日、褐色脂
肪細胞の体内時計が障害される
と太りやすくなることを明らか
にしたと発表したのは、素晴ら
しい業績です。褐色脂肪細胞と
ベージュ脂肪細胞が、熱を産生
することが、分かっています。
今回は、褐色脂肪細胞について
だけの研究でしたが、ベージュ
脂肪細胞についても同様の研究
を行って頂きたいものです。太
りやすい要因を排除して、減量
に努めるというのは非常に賢明
なやり方ではないかと思います。
中枢時計は睡眠・覚醒のリズム
を制御することから、不規則な
生活を送る人には、中枢時計を
いじることでの肥満の解消は、
困難であると考えられます。し
かし、褐色脂肪細胞の体内時計
であれば、適切な食事習慣や薬
物治療などにより整えることが
できる可能性があるので、この
研究成果が、新しい肥満の予防・
治療法の開発につながることを
期待したいと思います。

 不安を解消することで、試合
に快勝した。       笑

 
 
 
 
 
 
************************

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発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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2022-02-23 17:29:34

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診療マル秘裏話  Vol.852 令和2年4月8日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)乳酸がILC2機能を弱める事でガン細胞増殖補助
2)子供の脳発達と知能が予測できる可能性を提示

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 乳酸がILC2機能を弱める事でガン細胞増殖補助

 
 
 
 
 
 理化学研究所は3月13日、が
ん細胞が産生した乳酸が2型自
然リンパ球(ILC2)の機能を弱
めることで、ガン細胞の増殖を
助けていることを発見したと発
表しました。この研究は、同研
究所生命医科学研究センター免
疫細胞システム研究チームの小
安重夫チームリーダーら、ベル
ゲン大学生命医科学部ワーグナ
ーマレック研究員らの研究グル
ープによるものです。研究成果
は、オンライン科学雑誌「Cell
Reports 」に掲載されています。
ILC2は、2010年に理研の茂呂和
世チームリーダー、小安重夫チ
ームリーダーらによって発見さ
れた新しいリンパ球で、寄生虫
の感染やアレルギーといった2
型免疫と呼ばれる免疫反応を司
ります。皮膚や粘膜など、体と
外界とのバリアを形成する上皮
細胞が、外界から危険シグナル
を受け取ると、体内への警鐘と
してサイトカインのインターロ
イキン-33(IL-33)が放出され
ます。その結果、ILC2がIL-33
に反応して大量の2型サイトカ
イン(IL-4、IL-5、IL-13など)
を産生し、IL-5が好酸球による
炎症反応を誘導することが明ら
かになっています。

近年、さまざまな自己免疫疾患
や炎症性疾患において、ILC2が
重要な役割を果たすことが報告
されており、これまで未解明だ
った疾患発症機構を明らかにす
る新たな免疫機構として注目さ
れています。しかし、ガンにお
いて、ILC2がどのように機能す
るかについては、よく分かって
いません。

研究グループは、上皮細胞系の
固形ガンの患者さんにおいて、
好酸球増多が認められることか
ら、ILC2がガン免疫に関与して
いるのではないかと考えました。
ガン細胞は、さまざまな方法で
免疫の監視を免れて体内で増殖
することが分かってきています。
これまでに知られていない、IL
C2の免疫監視を逃れるようなガ
ン細胞増殖の仕組みが存在する
のではと研究グループは仮定、
皮膚ガンの一種である悪性黒色
腫に着目し、ガン周囲の環境と
ILC2との関係を調べました。ま
ず、ILC2の抗腫瘍活性を検討す
るために、悪性黒色腫を植えた
マウスに3日ごとにIL-33 を投
与することで、ILC2を継続的に
刺激しながら、ガン細胞の増殖
を観察しました。その結果、が
ん組織の中へ多数の好酸球が浸
潤し、ガン細胞の増殖を劇的に
抑制することが分かりました。
このことは、ILC2が悪性黒色腫
に対して抗腫瘍活性を持つこと
を意味しています。

一方、悪性黒色腫周囲の皮膚や
脂肪組織を調べたところ、ガン
組織の周囲でILC2が減少してい
ること、悪性度の高いガンであ
るほどILC2の減少が著しいこと
が判明しました。また、ガン細
胞をILC2と一緒に培養すると、
ガン細胞の塊の周囲でILC2の増
殖や活性が低下したことから、
ガン細胞によってILC2の生存や
機能が抑制される可能性が示さ
れました。

さらに、研究グループは、ILC2
の活性低下がガン組織の産生す
る物質によって起こるのではな
いかと考え、ガン細胞の代謝に
注目しました。ガン細胞では活
発な細胞増殖に伴って、糖代謝
に関わる糖輸送体や乳酸産生に
必須な酵素が多く発現します。
また、ワールブルグ効果として
知られるように、ガン細胞では
糖代謝においてグルコースが解
糖系から乳酸へ代謝され、ガン
の周囲には乳酸が蓄積して、が
んの微小環境が酸性に傾くこと
が報告されています。

体内でガン細胞が産生する乳酸
の影響を調べるため、RNA 干渉
法を用いて、乳酸の産生に必須
な酵素の発現を低下させた悪性
黒色腫の細胞(乳酸低下型ガン
細胞)を作製しました。この乳
酸低下型ガン細胞と通常のガン
細胞をマウスの体内で比較した
ところ、乳酸低下型ガン細胞で
は、ILC2や好酸球が大量にガン
組織内へ浸潤し、ガン細胞の増
殖が著しく抑制されることが明
らかになりました。一方で、乳
酸産生を上昇させると、ガン細
胞の増殖が強まることも分かっ
たということです。

 自然リンパ球について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 酵素の発現について発言する。


 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 子供の脳発達と知能が予測できる可能性を提示

 
 
 
 
 
 金沢大学は2月26日、産学官
連携のプロジェクトで開発した
「幼児用脳磁計(MEG )」を活
用し、脳の大脳生理学的反応か
ら、子どもの典型的な発達にお
ける脳発達と知能が予測できる
可能性を示したと発表しました。
この研究は、同大子どものここ
ろの発達研究センターのアンキ
ョンミン特任助教、人間社会研
究域学校教育系の吉村優子准教
授、医薬保健研究域医学系精神
行動科学の菊知充教授らの研究
グループによるものです。研究
成果は、米国科学誌「Human Br
ain Mapping 」のオンライン版
に掲載されています。近年の脳
科学分野においては、子どもの
脳発達と知能の研究が注目され
ています。知能に関しては、歴
史的にさまざまな議論がされて
おり、人間の知能を究明するた
めの仮説が立てられてきました。
知能の研究に大きな影響を与え
た初期の心理学者であるGalton
とSpearmanは、感覚処理と知能
は共通の神経処理を共有するた
め、互いに緊密な関係があると
主張しました。しかし、このよ
うな仮説は行動的観察研究から
は証明されていましたが、脳科
学的にはほとんど明らかにされ
ていませんでした。また、さま
ざまな感覚処理の中でも、脳の
聴覚領域は他の脳領域と比べて
遅く成熟し、特に音声刺激に対
して脳の可塑性が大きいと報告
されてきました。

研究グループは今回、子どもの
脳発達と知能が大脳生理学的反
応から予測できることを明らか
にするため、幼児用MEG を用い
て、音声刺激に対する大脳生理
学的反応を調べました。

今回の研究で用いた幼児用MEG
は、超伝導センサー技術を用い
て、体に全く害のない方法で、
頭皮上から脳の微弱磁場を計測
する装置です。超伝導センサー
を幼児の頭のサイズに合わせ、
頭全体をカバーするように配置
することにより、神経の活動を
高感度で記録することが可能で
す。MEG は、神経の電気的な活
動を直接捉えることが可能であ
り、その優れた時間分解能と高
い空間分解能から、脳の機能を
評価する方法として期待されて
います。さらに、放射線を用い
らず、狭い空間に入る必要がな
いことから、幼児期の脳機能検
査として存在意義が高まってい
ます。研究グループは3~8歳の
健常児49人に対し、MEG を用い
て「ね」という音声刺激を聞い
ている時の大脳生理学的反応を
調べ、脳反応と子どもの月齢や
標準化された知能検査(カウフ
マンアセスメントバッテリー:
K-ABC )によって測定された知
的能力の関係を分析しました。
その結果、音声に対する左脳の
脳反応は子どもの月齢と高い相
関があり、右脳の脳反応は、子
どもの流動性知能と高い相関が
あることが明らかになりました。

今回の研究成果により、子ども
の脳神経および認知的な発達を、
行動的反応からだけでなく、6
分程度の脳磁計測によって、大
脳生理学的反応から予測できる
可能性が示されました。幼児期
はさまざまな学習が進む時期で
あり、脳神経や認知発達の程度
や速度は子どもによって異なり
ます。同手法を用いることで、
子どもの発達の程度や特徴につ
いて客観的に捉えることが可能
となり、子どもの発達および認
知的な程度に合わせた学習支援
や教育に、より早くつながるこ
とが期待されます。

 脳の発達や病気に影響を与え

る食事について解説している動

画です。

 
 


 
 
 
 楊枝を買う用事を幼児に押し
つけてはなりません。   笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 理化学研究所が3月13日、が
ん細胞が産生した乳酸が2型自
然リンパ球(ILC2)の機能を弱
めることで、ガン細胞の増殖を
助けていることを発見したと発
表したのは素晴らしい業績です。
ガンの微小環境を解き明かす事
で、ガン細胞が免疫細胞から、
逃避していることは、明らかで
す。 その新しい機序が解き明
かされるのは、素晴らしいこと
です。その機序を利用してガン
細胞を苦しめることが可能にな
るからです。
 金沢大学が2月26日、産学官
連携のプロジェクトで開発した
「幼児用脳磁計(MEG )」を活
用し、脳の大脳生理学的反応か
ら、子どもの典型的な発達にお
ける脳発達と知能が予測できる
可能性を示したと発表したのは、
素晴らしい業績です。今回の研
究で用いた幼児用MEG は、超伝
導センサー技術を用いて、体に
全く害のない方法で、頭皮上か
ら脳の微弱磁場を計測する装置
なので、子どもの脳に影響を与
えない形で研究が進んだのは、
非常にエレガントな手法である
と感じました。

 主峰を制覇する手法に長けた
冒険家。         笑

 
 
 
 
 
 
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2022-02-22 23:10:02

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診療マル秘裏話  号外Vol.2096 令和3年4月23日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)高精度放射線治療装置が国内初熊本市病院導入
2)女性ホルモンエストロゲンが,妊婦を妊娠糖尿病から防御

 
 
 
 
 
 
 
 
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さい。

 
 
 
 
1】 高精度放射線治療装置が国内初熊本市病院導入

 
 
 
 
 ガン患者さんへの放射線治療
を従来よりも早く正確に行うこ
とのできるロボット型放射線治
療機器が国内で初めて熊本市の
病院に導入されました。熊本市
中央区の熊本放射線外科が導入
したのは高精度放射線治療装置
「サイバーナイフS7」で、3
月30日に見学会が開かれました。「
サイバーナイフS7」はロボッ
トのアームが病巣に対して正確
に放射線を照射し、周囲の正常
な臓器への影響を低く抑えるこ
とができます。治療中も体の動
きや呼吸に合わせて、細かく位
置を補正することが可能です。
従来より短い期間で高度な治療
が可能になり、これまで肺ガン
で6週間、前立腺ガンで9週間
かかっていた治療がどちらも1
週間で済むようになります。ま
た入院の必要もなくなるという
ことで、熊本放射線外科では患
者さんの負担の軽減を目指すと
しています。

 サイバーナイフについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 保清に気を使って、消毒薬の
位置を補正する。     笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 女性ホルモンエストロゲンが,妊婦を妊娠糖尿病から防御

 
 
 
 
 
 
 富山大学は3月31日、女性ホ
ルモンのエストロゲンが妊娠中
にTリンパ球の免疫機能を調節
することで、インスリン分泌を
支持して妊娠糖尿病から防御す
ることを発見したと発表しまし
た。この研究は、同大学術研究
部薬学・和漢系の笹岡利安教授、
和田努講師、医学系の田中智子
診療助手らの研究グループによ
るものです。研究成果は、科学
専門誌「Diabetologia」電子版
に掲載されています。

 妊娠中、母体では血糖や栄養
素を細胞に取り込ませるインス
リンの作用が低下し、母体から
胎児への潤滑な栄養素の分配が
行われます。一方で、母体の膵
臓ではインスリンを産生するラ
ンゲルハンス島が肥大化し、イ
ンスリン分泌能が高まります。
しかし、インスリン作用とイン
スリン分泌のバランスが崩れる
と糖代謝が悪化し、妊娠糖尿病
を発症します。

 エストロゲンは糖脂質代謝の
調節に重要な機能を示します。
実際に、女性はエストロゲンが
減少する閉経期以降、体重の増
加や糖脂質代謝異常を示す人の
割合が増加します。しかし妊娠
中に胎盤から産生される高濃度
のエストロゲンは、他の胎盤ホ
ルモンとともにインスリンの作
用低下を誘導します。

 また、妊娠糖尿病ではTh17や
TregなどによるTリンパ球の異
常が報告されています。エスト
ロゲンはTリンパ球やマクロフ
ァージなどの免疫細胞の正常な
発達や機能に影響することが知
られていますが、エストロゲン
がTリンパ球を介して糖代謝に
影響するかについてはこれまで
未知でした。

 研究グループでは、女性ホル
モンによる糖代謝調節機構を長
年研究してきました。そこで今
回、Tリンパ球だけでエストロ
ゲン受容体を欠損するマウスを
解析し、妊娠糖尿病でのエスト
ロゲンのTリンパ球を介した機
能を探究しました。

 Tリンパ球だけでエストロゲ
ン受容体を欠損するマウスを妊
娠させた、妊娠糖尿病モデルマ
ウスは、妊娠糖尿病患者さんと
類似する表現型を呈しました。
この結果から、エストロゲンは
Tリンパ球に作用し、さまざま
な代謝組織で免疫学的に環境を
調整することで、糖代謝の維持
に寄与すると考えられました。

 特に、通常妊娠中は膵臓での
インスリン分泌が高まりますが、
同マウスでは逆にインスリン分
泌が低下し、糖代謝は悪化しま
した。また、妊娠糖尿病で増加
するTh17が産生するIL17が、膵
臓でのインスリン分泌を直接抑
制することも明らかになりまし
た。

 さらに、同マウスの内臓脂肪
ではTh17の増加に伴い慢性炎症
の増悪を、肝臓では妊娠糖尿病
患者さんで報告されているヘパ
トカインの異常を認めました。
母子免疫系を調節するTregの減
少は習慣性流産の一因とされて
いますが、同マウスでは、Treg
が全身では変化せず子宮で減少
しましたが、流産率や妊娠率に
は影響しませんでした。

 これらのことから、エストロ
ゲンはTregの分化を直接誘導す
るものの、その分化には必須で
はなく、Tリンパ球へのエスト
ロゲン作用は妊娠の継続には直
接関連しないことが明らかとな
りました。

 同研究により、エストロゲン
のTリンパ球を介した新たな糖
代謝制御機能が示されました。
妊娠糖尿病で増加するTh17およ
びIL17は膵臓のインスリン分泌
を抑制することから、IL17はイ
ンスリン分泌低下を伴う妊娠糖
尿病に対する新たな治療標的と
考えられます。

 「エストロゲンのTリンパ球を
介した代謝維持機構」の解明が
進んだことに基づき、研究グル
ープは今後、その機序をさらに
解明すると共に、臨床応用とし
てIL17を標的とした妊娠糖尿病、
および肥満2型糖尿病での早期
診断と治療法の開発を追究して
いきたいとしています。

 妊娠糖尿病とは妊娠をきっか
けに初めて発見、発症した糖代
謝異常のことで妊娠前は何も異
常がなくても、妊娠後ホルモン
分泌の変化により血糖値が上っ
てしまうことがあります。妊娠
糖尿病は通常の糖尿病とは違い
出産が終わるとほとんどの場合
正常に戻ります。しかし妊娠糖
尿病になると母体、胎児に影響
が出ることがあるため注意が必
要となってきます。

 妊娠糖尿病について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 以上のような、糖代謝異常を
指摘する。        笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 ガン患者さんへの放射線治療
を従来よりも早く正確に行うこ
とのできるロボット型放射線治
療機器が国内で初めて熊本市の
病院に導入されたのは、喜ばし
いことです。ロボットのアーム
が病巣に対して正確に放射線を
照射し、周囲の正常な臓器への
影響を低く抑えることができ、
治療中も体の動きや呼吸に合わ
せて、細かく位置を補正するこ
とが可能というのは、本当に魅
力的な機能だと思います。また、
従来より短い期間で高度な治療
が可能になり、これまで肺ガン
で6週間、前立腺ガンで9週間
かかっていた治療がどちらも1
週間で済むようになるというの
は、驚異的な期間の短縮である
と感じました。
 富山大学が3月31日、女性ホ
ルモンのエストロゲンが妊娠中
にTリンパ球の免疫機能を調節
することで、インスリン分泌を
支持して妊娠糖尿病から防御す
ることを発見したと発表したの
は、素晴らしい業績です。エス
トロゲンはTregの分化を直接誘
導するものの、その分化には必
須ではなく、Tリンパ球へのエ
ストロゲン作用は妊娠の継続に
は直接関連しないことが明らか
となったということですから、
非常に興味深い結果が得られた
と感じました。臨床応用として
IL17を標的とした妊娠糖尿病、
および肥満2型糖尿病での早期
診断と治療法の開発を追究して
頂きたいものです。

 候補が指示を出して、選挙戦
を支持してくれる人を大事にし
た。           笑

 
 
 
 
 
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2022-02-21 22:16:26

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診療マル秘裏話  号外Vol.2095 令和3年4月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)前立腺ガンPET検査薬の医師主導治験を開始
2)難治性骨髄腫に用いるCAR-T療法をFDAが承認

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 前立腺ガンPET検査薬の医師主導治験を開始

 
 
 
 
 豪テリックス・ファーマシュ
ーティカルズは金沢大学附属病
院と協力し、前立腺ガンのPE
T検査薬の医師主導治験を始め
ました。前立腺ガンの細胞表面
に高発現する膜蛋白のPSMA
に結合するPSMA-11とガリ
ウム68を組み合わせた放射性医
薬品「TLX591ーCDx」
で、高い検出力で転移を発見で
きます。使い捨てキットと小型
容器で簡易に製造できるのも特
徴で、同社は核医学市場の変革
にもつなげます。

 医師治験は第1相臨床試験で、
新規あるいは再発疑いなどの患
者さん10人に投与し、薬物動態
や安全性を評価します。来年11
月まで治験を行います。先行し
ている海外治験との同等性を確
認し、日本で承認を目指します。

 前立腺ガンの画像診断は、欧
米で診療指針に掲載されるなど、
新たな標準技術として整備が進
んでいます。TLX591ーC
Dxは欧米で承認申請中です。
日本でガリウムを用いた前立腺
ガンに対する画像診断薬の治験
は初めてです。

 豪テリックスのクリスチャン・
べーレンブラックCEOはオン
ライン会見で「今回の治験は、
日本のみならず、アジア開発を
進めるうえで大きな第一歩」と
話しました。

 ガリウム68は半減期が68分と
短く、院内製造を行います。テ
リックスが提供する使い捨ての
キットとジェネレーターと呼ぶ
小型容器があれば5分で製剤が
できるということです。

 放射性医薬品で従来必要だっ
た大がかりな設備を必要とせず、
テリックスは核医学検査や治療
のビジネス構造を変革していき
ます。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 幸三さんが構造改革した。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 難治性骨髄腫に用いるCAR-T療法をFDAが承認

 
 
 
 
 
 
 米国食品医薬品局(FDA)は3
月27日、4回以上の治療で効果
が見られない成人の難治性また
は再発多発性骨髄腫(MM)の治
療にB細胞成熟抗原(BCMA) を
標的としたCAR-T細胞療法ideca
btagene vicleucel(商品名Abe
cma、Celgene社)を承認しまし
た。MMに用いるCAR-T 細胞療法
の承認は今回が初めてです。米
国立ガン研究所(NCI) によれ
ば、骨髄腫は、2020年に米国で
新規にガンと診断された症例の
1.8%(3万2000件)を占めてい
ます。

 idecabtagene vicleucelの安
全性および有効性は、3回以上
の治療歴のある再発・難治性MM
患者さん127 例を対象とした多
施設共同研究で検証されていま
す。被験者の88%は4回以上の
骨髄腫治療を受けていました。
その結果、奏効率(部分奏効ま
たは完全奏効)は72%でした。
28%が完全奏効(MMの徴候が全
て消失)を得、このうち65%で
は12カ月以上奏効が持続しまし
た。

 idecabtagene vicleucelによ
る治療は、重篤な副作用を引き
起こす可能性があります。添付
文書には、サイトカイン放出症
候群(CRS),血球貪食性リンパ
組織球症(HLH)/マクロファー
ジ活性化症候群(MAS),神経毒
性、遷延性血球減少などの致命
的または生命を脅かす副作用の
リスクに関する枠組み警告が明
記されています。CRSおよびHLH
/MASはT細胞の活性化や増殖へ
の全身反応で、高熱やインフル
エンザ様症状を引き起こします。
このほか、遷延性血球減少は、
特定の血球細胞数が長期にわた
り減少します。idecabtagene v
icleucelによく見られた副作用
は、CRS,感染症、倦怠感、筋骨
格痛、免疫力の低下などでした。

 idecabtagene vicleucelはCR
S と神経毒性のリスクがあるた
め、安全な使用を保証するリス
ク評価と緩和戦略(REMS)制度
下で承認を受けています。同薬
を取り扱う医療機関や関連クリ
ニックは認定を受け、処方や調
剤、投与に携わる医療スタッフ
はCRS や神経毒性などの副作用
管理に関する訓練を受ける必要
があります。また、患者に対し
ては、重篤な副作用発現の可能
性に加えて、副作用が発現した
場合は速やかに医療機関を受診
する必要性を伝えなければなり
ません。さらにFDA は、長期的
な安全性を評価するため、製薬
企業に対して市販後調査の実施
を求めています。

 多発性骨髄腫の治療薬につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 新しい企業を起業する。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 豪テリックス・ファーマシュ
ーティカルズが金沢大学附属病
院と協力し、前立腺ガンのPE
T検査薬の医師主導治験を始め
たのは、素晴らしい試みです。
前立腺ガンの細胞表面に高発現
する膜蛋白のPSMAに結合す
るPSMA-11とガリウム68を
組み合わせた放射性医薬品「T
LX591ーCDx」で、高い
検出力で転移を発見できると言
うことですから、転移の有無で
それからの治療方針を立てるの
が容易になるということでしょ
う。ガリウム68は半減期が68分
と短く、院内製造を行います。
テリックスが提供する使い捨て
のキットとジェネレーターと呼
ぶ小型容器があれば5分で製剤
ができるということで、大がか
りな設備を必要としないことが、
最も優秀な点と言えるでしょう。
 米国食品医薬品局(FDA)が3
月27日、4回以上の治療で効果
が見られない成人の難治性また
は再発多発性骨髄腫(MM)の治
療にB細胞成熟抗原(BCMA) を
標的としたCAR-T細胞療法ideca
btagene vicleucel(商品名Abe
cma、Celgene社)を承認したの
は、素晴らしいことです。難治
性または、再発多発性骨髄腫の
治療は、難渋します。 現在の
治療の主流は、抗ガン剤治療と
いうことですが、抗ガン剤は、
分裂が盛んなガン細胞に、良く
効きますが、骨髄腫のような高
分化型の分裂スピードが遅い、
悪性腫瘍には、効きが悪いとさ
れています。この治療の奏効率
(部分奏効または完全奏効)は
72%であり、28%が完全奏効(
MMの徴候が全て消失)を得、こ
のうち65%では12カ月以上奏効
が持続したという結果は、素晴
らしいのですが、副作用には十
分注意するべきだと思います。

 そうこうしている内に装甲車
による攻撃が奏功した。  笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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診療マル秘裏話  号外Vol.2094 令和3年4月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)急性骨髄性白血病対象,CAR-T療法医師主導治験
2)「後縦靭帯骨化症」の経過や治療法につき解説

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 急性骨髄性白血病対象,CAR-T療法医師主導治験

 
 
 
 
 信州大学は、急性骨髄性白血
病(AML)などを対象にした
CAR-T療法の医師主導治験
を始めると発表しました。CA
R-T療法薬は「キムリア」「
イエスカルタ」、3月23日承認
の「ブレヤンジ」ともリンパ系
腫瘍が対象で、AMLには効き
ません。同大はこれら3品と異
なる標的抗原を狙います。ウイ
ルスなしでつくるのも特徴です。

 同大の中沢洋三教授のグルー
プが、AMLおよび若年性骨髄
単球性白血病(JMML)向け
の治験を行います。AMLは日
本の白血病では最も患者数が多
いのですが、治療法が限られま
す。JMMLは乳幼児の希少疾
患で疾患自体がほとんど知られ
ていません。

 キムリアなど既存のCAR-
T療法薬は抗原「CD19」が
標的です。今回は「顆粒球マク
ロファージコロニー刺激因子(
GM-CSF)受容体」(CD
116/CD131複合体)が
標的でAML細胞の6~8割、
JMML細胞すべてに発現しま
す。

 またCAR-T療法薬はT細
胞にウイルスベクターでCAR
遺伝子を導入して作成するのが
一般的ですが、コスト増につな
がります。中沢教授らはトラン
スポゾンという酵素による導入
法に着目しました。蛾のトラン
スポゾン「PiggyBac」
なら、ウイルスベクターに匹敵
する効率を安価に達成できると
いうことです。

 CD116陽性の骨髄系腫瘍
患者さんを対象に約2年で安全
性や有効性を確認します。治験
薬は病院内の施設で作ります。
中沢教授は「シーズ開発からヒ
ト初回投与まで単一の大学で行
うのは画期的。今後の薬剤開発
のモデルとなり得る」と語りま
した。

このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 私設の施設を運営した。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 「後縦靭帯骨化症」の経過や治療法につき解説

 
 
 
 
 
 
 「後縦靭帯骨化症」は、背骨
(椎骨)の後ろ側を上下につな
ぐ「後縦靭帯」が厚みを増して
硬くなり(骨化)、脊髄などの
神経を圧迫して、運動障害や感
覚障害を引き起こします。この
病気に詳しい横浜南共済病院(
横浜市)整形外科の三原久範部
長に経過や治療法を聞きました。

 後縦靭帯骨化症は40代以降の
中高年に発生し、男性にやや多
く見られます。原因は不明です
が、遺伝的因子のほか、肥満や
糖尿病の合併が多いため生活習
慣病が関与すると考えられてい
ます。

 骨化する部位によって症状は
異なります。頸椎(けいつい)
部の靭帯が骨化すると、手指の
しびれから始まり、物を持った
感覚がなくなるなどの感覚障害、
字がうまく書けなくなるなどの
運動障害が起こります。胸椎部
や腰椎部の場合は、脚のしびれ
など下半身に症状が出ます。重
症になると、歩行障害や排尿・
排便の障害が生じ、生活に大き
な支障を来す例もあります。

 ただし、骨化が認められても
全く症状がない人が多いという
ことです。国内の調査で頸椎の
レントゲン撮影を行った患者さ
んの3%程度に骨化が認められ
たとの報告がありますが、「私
の臨床経験では、画像で異常が
あっても症状が出た人は1割程
度で、進行した人はその10分
の1程度でした」と三原部長は
説明しています。

 症状がなくても、転倒などの
外傷がきっかけで症状が表れる
場合もあります。適切な治療で
改善や進行を止めるには、「定
期的に受診して、経過を見るこ
とが重要です」と指摘していま
す。

 無症状、あるいは症状があっ
ても軽度の場合は、頸椎の安定
を保つ装具(頸椎カラー)の装
着、消炎鎮痛剤の内服など保存
療法が中心となります。三原部
長は「カラーは柔らかい素材で
首の負担を減らす構造のものを
選びましょう。けん引療法が行
われることがありますが、症状
を悪化させる恐れがあるため慎
重を要します」と助言していま
す。

 症状が重い場合は神経の圧迫
を除く手術を行います。骨化部
位を摘出し、その部位を患者さ
ん自身の骨などで固定する「前
方法」と、骨化部位には手を付
けず脊髄が収まっている空間(
脊柱管)を広げる「後方法」が
あります。骨化が大きい場合に
は前方法が必要となりますが、
慣れた施設でないと難易度が高
くなるため、一般的には後方法
が多く行われています。一方、
日常生活での注意点としては、
首を過度に後ろに反らす姿勢を
取らない、ジョギングやジャン
プなど振動で首に負担をかける
運動を避けることが大切だとい
うことです。

 後縦靭帯骨化症について解説

している動画です。

 
 


 
 
 神童が作る、心地よい音楽の
振動を感じた。      笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 信州大学が、急性骨髄性白血
病(AML)などを対象にした
CAR-T療法の医師主導治験
を始めると発表したのは素晴ら
しい業績です。一般的なCAR
-T療法薬はT細胞にウイルス
ベクターでCAR遺伝子を導入
して作成するのが一般的ですが、
コスト増につながることが知ら
れています。中沢教授らはトラ
ンスポゾンという酵素による遺
伝子導入法に着目し、蛾のトラ
ンスポゾン「PiggyBac」
なら、ウイルスベクターに匹敵
する効率を安価に達成できると
いうことですので、できた薬剤
も安価で競争力のあるものとな
ることでしょう。シーズ開発か
らヒト初回投与まで単一の大学
で行うのは画期的であり、今後
の薬剤開発のモデルとなり得る
貴重な薬剤となることでしょう。
 「後縦靭帯骨化症」は、背骨
(椎骨)の後ろ側を上下につな
ぐ「後縦靭帯」が厚みを増して
硬くなり(骨化)、脊髄などの
神経を圧迫して、運動障害や感
覚障害を引き起こす病気です。
骨化が認められても全く症状が
ない人が多いのは、厄介です。
症状がなくても、外傷などを契
機として、症状が出現する可能
性があるため、経過観察が必要
であることは、理解できます。
日常生活での注意点としては、
首を過度に後ろに反らす姿勢を
取らない、ジョギングやジャン
プなど振動で首に負担をかける
運動を避けることが大切という
ことですので、皆さん注意しま
しょう。一旦、症状が現れたら、
軽傷であっても、専門家の指示
にしたがって下さい。

 軽傷についても、重傷化の可
能性ありと警鐘を鳴らす。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2093 令和3年4月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍抑制遺伝子異常ある膵管内乳頭粘液性腫瘍
2)蛋白質チチン尿中濃度でALS進行度や予後予測可能

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 腫瘍抑制遺伝子異常ある膵管内乳頭粘液性腫瘍

 
 
 
 
 膵臓ガンの発生メカニズムに
迫る、「STK11」 遺伝子に異常
のある膵管内乳頭粘液性腫瘍の
特徴が明らかになりました。ST
K11 遺伝子を標的とした膵臓ガ
ンの早期発見や新たな治療法の
開発が期待されます。

 東北大学は3月5日、STK11 遺
伝子異常がある膵管内乳頭粘液
性腫瘍の遺伝学的、臨床病理学
的な5つの特徴を明らかにした
ことを発表しました。同大大学
院医学系研究科病態病理学分野
の大森優子助教、古川徹教授ら
を中心とした研究グループによ
るものです。

 膵管内乳頭粘液性腫瘍は、膵
臓にできるのう胞性腫瘍の代表
的な1つです。膵管内部で盛り
上がるように増殖し、粘液分泌
が特徴的な腫瘍です。膵管内で
発生した腫瘍が、浸潤して膵臓
ガンを形成します。

 腫瘍抑制遺伝子であるSTK11
遺伝子は、膵臓ガンの発生や進
展に直接的にかかわる重要な役
割を果たす遺伝子ですが、膵管
内乳頭粘液性腫瘍における腫瘍
化への役割は明らかになってい
ませんでした。

 研究グループは、膵管内乳頭
粘液性腫瘍の手術切除標本につ
いて病理学的解析と次世代シー
ケンサーによる遺伝子解析を行
いました。その結果、STK11 遺
伝子異常がある膵管内乳頭粘液
性腫瘍の5つの特徴を突き止め
ました。その1つは、ガン遺伝
子の1つ「KRAS遺伝子」の機能
活性化変異と相助し、特徴的な
形状の膵管内乳頭粘液性腫瘍を
形成するということです。

 今回の研究成果により、膵管
内乳頭粘液性腫瘍の患者さんに
対し、STK11 を観察することで、
膵臓ガンの早期発見やSTK11 を
標的とした新規治療戦略の開発
が期待されます。

 膵臓ガンの危険因子としての

膵管内乳頭粘液性腫瘍について

解説している動画です。

 
 


 
 
 心機一転、新規治療戦略を練
る。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 蛋白質チチン尿中濃度でALS進行度や予後予測可能

 
 
 
 
 
 
 神経難病である筋萎縮性側索
硬化症(ALS) の治療法は限ら
れており、その理由として治療
の標的分子が同定されておらず、
重症度や進行度を反映するバイ
オマーカーが未確立であること
が挙げられます。名古屋大学大
学院神経内科学教授の勝野雅央
氏、山田晋一郎氏らの研究グル
ープは、「筋肉を構成する蛋白
質チチンの尿中濃度がALS の進
行度や予後予測のバイオマーカ
ーになりうることを突き止めた」
とJ Neurol Neurosurg Psychia
try(2021年3月18日オンライン
版)に発表しました。

 ALS は進行性の全身骨格筋の
萎縮および筋力低下により運動
機能障害、嚥下障害、呼吸筋麻
痺などを来します。進行は極め
て速く、発症後平均3~5年で死
亡または長期の人工呼吸管理が
必要となる神経難病です。

 研究グループは、筋ジストロ
フィーなどさまざまな疾患の患
者さんの尿中で、増加すること
が報告されているチチンに着目
しました。筋肉は力を入れると
収縮しますが、脱力したときそ
れを元に戻す役割を担っている
のがチチンです。横紋筋に特異
的に発現する蛋白質で、骨格筋
の損傷に伴い断片化されて筋外
に漏出、尿中から検出されこと
が知られています。研究グルー
プはチチンがALS の重症度や予
後を予測するマーカーになりう
るかを検討しました。

 ALS 患者さん、健常人、その
他の神経筋疾患患者さんの血清
や尿などの生体試料を収集しま
した。尿中チチン濃度を測定し
た所、健常人に比べALS 患者さ
んで有意に上昇していました。
さらに、ALS の運動機能評価尺
であるALSFRS-Rのスコアと尿中
チチン濃度の関連を調べた結果、
両者の数値が相関していました。
これらのことから、チチンはAL
S 患者さんの進行度を予測する
非侵襲的な指標になることが示
されました。尿中チチンが上昇
しているALS 患者さんでは予後
が不良で、チチンが予後予測マ
ーカーとしても有用であること
も分かりました。

 研究では、尿中チチンがALS
患者さんと健常者を見分ける指
標になりうるかについても検討
しました。既存のALS のバイオ
マーカーである尿中のp75ECDや
血清ニューロフィラメント軽鎖
(NfL) とチチンを比べた所、
チチンは血清NfL と同等の精度
でALS 患者さんと健常人を識別
できました。

 また、尿中のp75ECDはALSFRS
-Rと相関していましたが、予後
とは相関しなかったのに対し、
血清NfL はALSFRS-Rとの相関は
見られないものの予後と関連し
ていたことから、尿中チチンを
既存のバイオマーカーと組み合
わせることで、ALS の重症度や
進行度、予後予測のマーカーに
なりうることが示唆されました。

 これらの結果を踏まえ、研究
グループは「尿中チチンはALS
の診療や臨床試験などで活用可
能なマーカーと考えられる」と
結論づけました。「今後はチチ
ンがALS に対する治療薬の効果
予測や臨床試験の評価項目とし
て応用が可能かを検証し、ALS
の治療法の開発につなげていき
たい」としています。

 ALSについて解説している動

画です。

 
 


 
 
 新興国でALS の進行度を予測
するのは危険だ。     笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東北大学が3月5日、STK11 遺
伝子異常がある膵管内乳頭粘液
性腫瘍の遺伝学的、臨床病理学
的な5つの特徴を明らかにした
ことを発表したのは、素晴らし
い業績です。膵臓ガンの発生メ
カニズムに迫る、「STK11」 遺
伝子に異常のある膵管内乳頭粘
液性腫瘍の特徴が明らかになり
喜ばしいことだと思います。今
回の研究成果により、膵管内乳
頭粘液性腫瘍の患者さんに対し、
STK11 を観察することで、膵臓
ガンの早期発見やSTK11 を標的
とした新規治療戦略の開発に期
待したいと思います。膵臓ガン
は、進行してから見つかること
が多く、見つかった時には、手
遅れで、五年生存率は、数パー
セントとされています。「STK1
1」が膵臓ガンの患者さんにとっ
て一筋の光となることを祈念致
します。
 名古屋大学大学院神経内科学
教授の勝野雅央氏、山田晋一郎
氏らの研究グループが、「筋肉
を構成する蛋白質チチンの尿中
濃度がALS の進行度や予後予測
のバイオマーカーになりうるこ
とを突き止めた」とJ Neurol N
eurosurg Psychiatry(2021年3
月18日オンライン版)に発表し
たのは、素晴らしい業績です。
尿中チチンを既存のバイオマー
カーと組み合わせることで、AL
S の重症度や進行度、予後予測
のマーカーになりうることが示
唆されたということですから、
単独のバイオマーカーとしては、
不完全ですが、他のマーカーと
組み合わせることで、ALS の進
行度や予後予測が正確にできる
ようになることを期待してい止
みません。

 性格を正確に言い当てる。笑

 
 
 
 
 
 
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