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2022-02-28 23:40:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.2101 令和3年4月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)子宮鏡での子宮体ガン自動診断システム開発に成功
2)既存薬3種類に武漢熱ウイルス含むRNAウイルス抑制効果

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 子宮鏡での子宮体ガン自動診断システム開発に成功

 
 
 
 
 東京大学医学部附属病院は4
月1日、子宮体ガン検診の重要
なデバイスとして子宮鏡検査を
一般化することを目的とし、人
工知能(AI)を用いた子宮鏡に
おける子宮体ガン自動診断シス
テムの開発に成功したと発表し
ました。この研究は、同大医学
部(産婦人科学講座)/同大医
学部附属病院女性診療科・産科
の曾根献文講師、同大大学院医
学系研究科 生殖・発達・加齢
医学専攻 髙橋優大学院生、同
大大学院医学系研究科 生殖・
発達・加齢医学専攻 産婦人科
学講座/同大医学部附属病院 女
性外科の大須賀穣教授ら、およ
びPredicthy 合同会社の野田勝
彦氏、吉田要氏らの研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「PLOS ONE」に掲載されていま
す。

 子宮体ガンは、婦人科ガンに
おいて最も罹患数が多い疾患で
あり、国内外問わず、近年増加
傾向にあります。早期であれば
ホルモン治療によって子宮温存
が可能ですが、進行期、再発症
例ですと難治性のことが多く、
早期発見が重要となります。し
かし、子宮体ガン検診に関して
は確立されたスクリーニング法
がないのが現状です。その理由
として、子宮体部の細胞診は盲
目的な操作であり、子宮頸ガン
の検診法である細胞診と比較し
て正診率が高くないことが挙げ
られます。

 一方、子宮鏡検査は、腟を経
由して子宮内腔を細径のファイ
バースコープを用いて観察する
内視鏡検査であり、外来で麻酔
をせずに行える簡便で有用な検
査法です。子宮鏡の一般的な用
途としては、子宮筋腫やポリー
プなどの良性腫瘍の診断や、着
床不全の原因検索が挙げられま
すが、子宮体ガンの診断に使用
する報告も散見されており、東
大病院においても子宮体ガンや、
その前ガン病変である子宮内膜
増殖症の診断補助に使用してい
る実績があります。

 このような背景のもと、研究
グループは、子宮体ガン検診の
重要なデバイスとして子宮鏡検
査を一般化することを目的とし、
深層学習を用いた子宮鏡におけ
る子宮体ガン自動診断システム
を開発しました。また、これま
で医療画像情報を用いた深層学
習研究については、良好な正診
率を得るために膨大な症例数が
必要であることから、疾患次第
では症例数を確保できない場合
もありました。この問題を解決
するため、同研究では、少ない
症例数でも正診率を向上させる
独自のアルゴリズムを開発しま
した。

 研究では、東大病院を受診し
た20歳以上の患者さんで、2011
年4月~2019年9月に子宮鏡を用
いて行われた177 症例(正常子
宮内膜:60例、子宮筋腫:21例、
子宮内膜ポリープ:60例、子宮
内膜異型増殖症:15例、子宮体
ガン:21例)を対象にしました。
177 例の動画を約40万の静止画
に変換し、それらの画像を悪性
グループ(子宮内膜異型増殖症、
子宮体ガン)、非悪性グループ
(正常子宮内膜、子宮内膜ポリ
ープ、子宮筋腫)に分けて、深
層学習を行いました。学習した
画像としては、全ての画像を含
むデータセットと子宮内腔の画
像のみを抽出したデータセット
の2種類を使用しました。また、
学習は3種類のネットワークモ
デル(Xception、MobileNetV2,
EfficientNetB0)を用いて、そ
れらの比較も行いました。

 まず、標準のアルゴリズムで
評価した所、正診率は約80%程
度となり、各ネットワークモデ
ル間の正診率に大きな差はあり
ませんでした。次に、少ない症
例数で正診率を上げる方法とし
て、連続法というアルゴリズム
を開発しました。連続法とは、
50枚以上連続で画像が悪性とし
て分類された場合、その症例を
悪性と判定する方法です。この
アルゴリズムを用いて正診率を
85%以上に向上させることがで
きたということです。さらに、
正診率を上げる方法として、ネ
ットワークモデル組み合わせ法
を開発しました。この方法は3
種類のネットワークモデルを複
数回学習させて得られた72個の
モデルを同時に稼働させて、ど
れか一つのモデルが悪性と判定
した場合、その症例を悪性と診
断する方法です。この方法によ
り、正診率を90%以上にまで向
上させることができたとしてい
ます。

 「今後は、新たに開発した子
宮体ガン自動診断システムの正
診率を100%近くまで向上させる
ことを目的として、さらに症例
数を増やすため、多施設共同研
究を開始する予定です。また社
会実装に向けて、このAIエンジ
ンを搭載した子宮鏡の実用化も
目指す」と、研究グループは述
べています。同研究で新たに開
発されたシステムによって、将
来、より簡便で正診率の高い子
宮体ガン検診法が確立されるこ
とが期待されます。

 子宮体ガンについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 検診法が、確立される確率を
予想する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 既存薬3種類に武漢熱ウイルス含むRNAウイルス抑制効果

 
 
 
 
 
 
 京都大iPS細胞研究所など
の研究チームは、ウイルスに感
染させたヒトの人工多能性幹細
胞(iPS細胞)に既存薬50
0種類を投与した所、骨粗鬆症
治療薬「ラロキシフェン」など
3種類に武漢熱ウイルスを含む
RNAウイルスの感染を抑制す
る効果があったと発表しました。
論文が4月7日、欧州の科学誌
「フェブス・オープン・バイオ」
電子版に掲載されました。実際
の治療で効果があるかは臨床試
験で確認することが必要ですが、
研究チームは新たなウイルス治
療薬の開発に役立つとしていま
す。

 研究チームはまず、遺伝子治
療研究などに使われる「センダ
イウイルス」をiPS細胞に感
染させ、米食品医薬品局(FD
A)が承認する500種類の薬
剤を投与しました。その結果、
ラロキシフェンのほか、新型コ
ロナ治療薬として日本でも承認
済みの「レムデシビル」や糖尿
病治療薬「ピオグリタゾン」な
ど6種類で感染が抑えられまし
た。
 次に、この6種類をエボラウ
イルスに感染させたヒトの肝臓
由来細胞と、新型コロナに感染
させたアフリカミドリザルの腎
臓由来細胞に対してそれぞれ投
与しました。すると、ラロキシ
フェンとレムデシビルはエボラ
とコロナ両方、ピオグリタゾン
はコロナに対し抗ウイルス作用
が見られました。
 同研究所の井上治久教授は「
複数のRNAウイルスに共通し
て作用する薬剤があれば、新た
に出現する感染症に対しても有
効である可能性があるのではな
いか」と話しています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 米食品医薬品局が、違約した。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東京大学医学部附属病院が4
月1日、子宮体ガン検診の重要
なデバイスとして子宮鏡検査を
一般化することを目的とし、人
工知能(AI)を用いた子宮鏡に
おける子宮体ガン自動診断シス
テムの開発に成功したと発表し
たのは喜ばしいことです。AIを
使うことで画像の正診率が向上
し、更に、少ない症例数で正診
率を上げる連続法というアルゴ
リズムを採用したのは、慧眼で
あると言えるでしょう。正診率
を更に上げる方法として、ネッ
トワークモデル組み合わせ法を
開発し、3種類のネットワーク
モデルを複数回学習させて得ら
れた72個のモデルを同時に稼働
させて、どれか一つのモデルが
悪性と判定した場合、その症例
を悪性と診断する方法を採用す
るなど、スマートな技法を使っ
ているのは、本当に素晴らしい
ことです。
 京都大iPS細胞研究所など
の研究チームが、ウイルスに感
染させたヒトの人工多能性幹細
胞(iPS細胞)に既存薬50
0種類を投与した所、骨粗鬆症
治療薬「ラロキシフェン」など
3種類に武漢熱ウイルスを含む
RNAウイルスの感染を抑制す
る効果があったと発表したのは、
素晴らしい業績です。ドラッグ
リポジショニングを上手に使っ
て、既存薬を臨床試験に引き上
げるのは、素晴らしい手法と言
えるでしょう。ラロキシフェン
とレムデシビルはエボラとコロ
ナ両方、ピオグリタゾンはコロ
ナに対し抗ウイルス作用が見ら
れたということですから、これ
らの薬剤を使った臨床試験が行
われるのが待ち遠しい限りです。
複数のRNAウイルスに共通し
て作用する薬剤があれば、新た
に出現する感染症に対しても有
効である可能性は今後検証する
べきだと思います。

 両方の療法のいいとこ取りを
する。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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