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2022-05-31 17:52:41

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診療マル秘裏話  号外Vol.2180 令和3年7月30日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)抗PD-1モノクローナル抗体単剤療法有効性,安全性検証
2)武漢熱感染抑制と重症化治療への適応ある薬剤

 
 
 
 
 
 
 
 
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から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 抗PD-1モノクローナル抗体単剤療法有効性,安全性検証

 
 
 
 
 
 
 2021年6月9日~17日、バーチ
ャルミーティングで開催された
第25回欧州血液学会議(EHA 20
21)にて、自家幹細胞移植もし
くは少なくとも2レジメン以上
の全身化学療法後に病勢進行ま
たは完全寛解を達成できなかっ
た再発/難治性古典的ホジキン
リンパ腫(cHL) 患者さんを対
象に抗PD-1モノクロナール抗体
薬であるTislelizumab(チスレ
リズマブ、BGB-A317)単剤療法
の有効性、安全性を検証した第
2相試験(NCT03209973)の3年
長期フォローアップ解析の結果
がPeking University Cancer H
ospitalのYuqin Song 氏らによ
り公表されました。

 本試験は、自家幹細胞移植も
しくは少なくとも2レジメン以
上の全身化学療法後に病勢進行
または完全寛解を達成できなか
った再発/難治性古典的ホジキ
ンリンパ腫(cHL)患者さん(N
=70人)に対して3週を1サイク
ルとしてTislelizumab(BGB-A3
17)200mg 単剤療法を投与し、
主要評価項目として独立審査委
員会(IRC) 判定に基づく客観
的奏効率(ORR),副次評価項目
として無増悪生存期間(PFS),
奏効持続期間(DOR),完全寛解
率(CR)、安全性などを検証し
た第2相試験です。

 本試験のフォローアップ期間
中央値33.8ヶ月 (3.4~38.6ヶ
月)における結果は下記の通り
です。主要評価項目である独立
審査委員会(IRC) 判定に基づ
く客観的奏効率(ORR) 87.1%
(N=61人、95%信頼区間:77.
0%~93.9%),奏効の内訳は完
全奏効率(CR)67.1% (N=47
人、95%信頼区間:54.9~77.9
%)を示しました。

 副次評価項目である無増悪生
存期間(PFS) 中央値は31.5ヶ
月 (95%信頼区間:16.53ヶ月
~未到達)、奏効持続期間(DO
R)中央値は,31.3ヶ月(95%信
頼区間:20.73ヶ月~未到達),
全生存期間(OS)中央値は未到
達でした。

 一方の安全性として、30%以
上の患者さんで確認された治療
関連有害事象(TRAE)は発熱57
.1%、上気道感染症38.6%、甲
状腺機能低下症37.1%、体重増
加34.3%でした。また、2人以
上の患者さんで確認されたグレ
ード3以上の治療関連有害事象
(TRAE)は非感染性肺炎、高血
圧、好中球減少症、リパーゼ増
加、体重増加、クレアチンホス
ホキナーゼ増加でした。

 全グレードの免疫関連有害事
象(irAE)発症率45.7%(N=3
2人)を示し、グレード3以上の
免疫関連有害事象(irAE)発症
率11.4%(N=8人)でした。

 以上の第2相試験の3年長期フ
ォローアップ解析の結果よりYu
qin Song氏らは 「再発/難治性
古典的ホジキンリンパ腫(cHL)
患者に対する抗PD-1モノクロナ
ール抗体薬Tislelizumab(BGB-
A317)単剤療法は、持続的で良
好な抗腫瘍効果を示し、無増悪
生存期間(PFS) も長期に渡り
改善しました。また長期投与に
よる安全性に関する新たな懸念
は認められませんでした」と結
論を述べています。

 免疫チェックポイント阻害剤

について解説している動画です。

 
 


 
 
 自称、有害事象が起こった人。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱感染抑制と重症化治療への適応ある薬剤

 
 
 
 
 
 
 帝京大学と国立国際医療研究
センター(NCGM)、東京大
学医科学研究所のグループは、
武漢熱ウイルスの感染抑制につ
ながりそうな薬剤を同定しまし
た。細胞膜流動性の低下作用が
あることを確認しており、別の
グループによる研究成果も踏ま
えると、感染抑制だけでなく、
重症化治療への適応も期待でき
そうです。今後、モデル動物を
使い有効性と安全性を検証し、
迅速な実用化を目指します。
同定したのは「フェンレチニ
ド」と呼ばれる薬剤です。抗ガ
ン剤として臨床研究が進んでお
り、安全性に関するデータも蓄
積されています。そのため、グ
ループは早急な実用化に結び付
くとしています。

 エンベロープウイルスの1種
である武漢熱ウイルスは、相手
の細胞に対して脂質二重膜を通
じた膜融合を起こすことで感染
していきます。このため、研究
グループは膜融合を阻害するこ
とで感染抑制が図れるのでない
かと考えました。実際、探索を
行った結果、フェンレチニドを
見いだしました。

 フェンレチニドで処理した細
胞に関しては、膜融合の抑制を
確認しました。細胞膜の流動性
が低下することで、感染を抑え
込んでいる可能性が高いとして
います。また、免疫が暴走し、
症状を悪化させるサイトカイン
ストームを抑制する機能も有す
ることが他の研究グループから
あがっているため、抗ウイルス
効果と重症化治療を併せ持つ薬
剤となる可能性があるともして
います。

 武漢熱治療薬の進展と飲み薬

について解説している動画です。

 
 


 
 
 艦船の中での感染予防を考え
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 2021年6月9日~17日、バーチ
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リズマブ、BGB-A317)単剤療法
の有効性、安全性を検証した第
2相試験(NCT03209973)の3年
長期フォローアップ解析の結果
がPeking University Cancer H
ospitalのYuqin Song 氏らによ
り公表されたのは、素晴らしい
業績です。この単剤療法は、持
続的で良好な抗腫瘍効果を示し、
無増悪生存期間(PFS) も長期
に渡り改善し恐るべき成果を得
たと言っても過言ではないでし
ょう。
 帝京大学と国立国際医療研究
センター(NCGM)、東京大
学医科学研究所のグループが、
武漢熱ウイルスの感染抑制につ
ながりそうな薬剤を同定したの
は、素晴らしい業績です。細胞
膜流動性の低下作用があること
を確認しており、別のグループ
による研究成果も踏まえると、
感染抑制だけでなく、重症化治
療への適応も期待できるという
ことですから、重症化しつつあ
る患者さんや、既に、重症化し
てしまった患者さんには、朗報
と言えるでしょう。特にインド
変異株の重症化に対して、今ま
で、なすすべがないという状態
でしたが、この薬剤を使えば、
感染抑制と重症化治療の両方で
すぐに臨床で成果を挙げられる
予感がします。抗ガン剤として
臨床研究が進んでおり、安全性
に関するデータも蓄積されてい
るので、安心して使えるという
感じがします。

 緊急事態宣言の状態が常態化
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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2022-05-30 18:53:46

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診療マル秘裏話  号外Vol.2179 令和3年7月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)肺葉切除術後内臓肥満と転帰の関連を調査する
2)リンパ節の胚中心の応答が高いレベルで維持される

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 肺葉切除術後内臓肥満と転帰の関連を調査する

 
 
 
 
 
 
 肺ガンの「肥満パラドックス」
を検証すべく、1/2期の非小
細胞性肺ガン(NSCLC) 患者さ
ん513 例を対象に、肺葉切除術
後の内臓肥満と転帰の関連を調
査しました。 肥満の評価にBMI
を用いることが「肥満パラドッ
クス」の原因の一つだと仮説を
立て、CT画像で内臓肥満を評価
しました。

 その結果、内臓脂肪指数(VF
I) が高いと無再発生存期間お
よび全生存期間が短いと言う結
果が出ました。VFI は腫瘍の炎
症性のトランスクリプトミクス・
シグネチャーと逆相関を示し、
これは食事性肥満がガンの進行
を促進し、腫瘍の微小環境(ニ
ッチ)の免疫抑制の増悪要素が
見られる免疫応答性マウスでの
観察結果と一致しました。

 肺ガンの手術について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 基幹の機関で生存期間を調査
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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2】 リンパ節の胚中心の応答が高いレベルで維持される

 
 
 
 
 
 
 米・Washington University
School of MedicineのJackson
S. Turner 氏らは、新型コロナ
(武漢熱)ウイルスに対するフ
ァイザー製のメッセンジャーRN
A(mRNA) ワクチン・トジナメ
ランを2回接種した健康な成人4
1例の観察研究を実施しました。
その結果、ワクチン接種後に親
和性の高い抗体応答を長期維持
する上で重要な役割を果たすリ
ンパ節の胚中心(germinal cen
ter;GC)の応答が,1回目接種か
ら15週(2回目接種から12週)
経過後も低下することなく、高
いレベルで維持されていた、と
Nature (2021年6月28日オンラ
イン版)に発表しました。中で
も、武漢熱の感染歴がある人で
はより強い免疫力を獲得する可
能性が示されました。

 武漢熱クチン接種により、抗
体産生・分泌を担う免疫細胞の
形質芽細胞(PB)およびGCB 細
胞が誘導されますが、詳細な動
態は不明です。そこで、研究グ
ループはトジナメランを2回接
種した成人の末梢血を用いて検
討しました。

 研究対象は、トジナメランを
3週間隔で2回接種した健康な成
人41例(年齢中央値37歳、男性
56.1%)で、このうち8例が武
漢熱感染歴を有していた。

 41例の末梢血検体による評価
では、武漢熱ウイルススパイク
(S) 蛋白質に結合する抗体を
分泌するPB数が1回目接種から4
週間後(2回目接種から1週間後)
の時点で最大となりました。そ
の後は減少に転じ、3週間後に
は検出不能になりました。

 このPBは、武漢熱感染歴のな
い14例の腋窩リンパ節検体でも
全例で検出されました。これら
14例のリンパ節中のPBについて
調べたところ、1回目接種から5、
7,15週のいずれの時点でも全例
で検出されました。

 また、腋窩リンパ節検体によ
る検討では、1回目接種後に全
例で武漢熱ウイルスのS 蛋白質
に結合するGCB 細胞が検出され
ました。GCB細胞数は、1回目接
種から15週後(2回目接種から1
2週後)の時点で検体採取した1
0例中8例においても、最大値ま
たはほぼ最大値を維持していま
した。

 さらに、遺伝子組み換えモノ
クローナル抗体(mAb) を作製
して胚中心応答が標的とするド
メインを評価した結果、mAb 37
個中17個がS 蛋白質の受容体結
合(RBD)ドメイン、6個がN末
端ドメインを標的とし、3個が
季節性ベータコロナウイルスの
S 蛋白質と交叉反応性を示しま
した。 交叉反応性を示したmAb
は、武漢熱のS 蛋白質のみを認
識したmAb と比べて体細胞超変
異の発生頻度が高く、武漢熱へ
の抗体を産生するメモリーB 細
胞由来であることが示唆されま
した。

 また、武漢熱ウイルス感染歴
がない例に比べてある例では、
ワクチン接種後の血清中の中和
抗体価が急速かつ著明に上昇し
ており、より多くの抗体がつく
られていました。一方、英国型
変異(アルファ)株および南ア
フリカ型変異(ベータ)株に対
する中和抗体価は、米国におけ
る初期の流行株と比べて低いと
言う結果がでました。

 以上を踏まえ、Turner氏らは
「武漢熱に対するmRNAワクチン
接種は、持続的なGCB 細胞応答
を誘導し、強力な液性免疫の獲
得を可能にすることが示された」
と結論しています。

 熱が出た人の方が、免疫反応

が強かった(抗体量が多かっ

た)という動画です。

 
 


 
 
 強力な武力で協力を要請する。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 肺ガンの「肥満パラドックス」
を検証すべく、1/2期の非小
細胞性肺ガン(NSCLC) 患者さ
ん513 例を対象に、肺葉切除術
後の内臓肥満と転帰の関連を調
査したのは素晴らしい業績です。
その結果、内臓脂肪指数(VFI)
が高いと無再発生存期間および
全生存期間が短いと言う結果が
出たのは、至極、妥当な結果だ
と思います。内臓脂肪からくる
慢性炎症が、循環器疾患を始め
とするあらゆる病気に悪影響を
及ぼすとされているからです。
 米・Washington University
School of MedicineのJackson
S. Turner 氏らが、新型コロナ
(武漢熱)ウイルスに対するフ
ァイザー製のメッセンジャーRN
A(mRNA) ワクチン・トジナメ
ランを2回接種した健康な成人4
1例の観察研究を実施し、 その
結果、ワクチン接種後に親和性
の高い抗体応答を長期維持する
上で重要な役割を果たすリンパ
節の胚中心(germinal center;
GC)の応答が,1回目接種から15
週(2回目接種から12週)経過
後も低下することなく、高いレ
ベルで維持されていたというの
は、驚異的な結果だと思います。
やはり、ワクチンは、リスクが
あっても実施するべきだと思い
ました。

 桜桃の土産に応答する。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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2022-05-29 17:55:52

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診療マル秘裏話  号外Vol.2178 令和3年7月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)ユーグレナ経口摂取が,胃ガン初期過程に及ぼす影響
2)内シャントへの穿刺疼痛外用局所麻酔薬で緩和する

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
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1】 ユーグレナ経口摂取が,胃ガン初期過程に及ぼす影響

 
 
 
 
 
 
 東京大学は7月1日、胃ガンを
自然発症する疾病モデルマウス
(A4gnt 遺伝子欠損マウス)を
用いて、ユーグレナの経口摂取
が胃ガンの初期過程に及ぼす影
響について検討し、その結果を
発表しました。この研究は、同
大大学院農学生命科学研究科獣
医学専攻の平山和宏教授、角田
茂准教授らと、株式会社ユーグ
レナなどとの共同研究によるも
のです。研究成果は、「Scient
ific Reports」に掲載されてい
ます。

 胃ガンは世界的には2番目に
多いガンであり、日本では年間
約12万9,000人に発生し、約4万
3,000 人の死亡原因となってい
ます。今では胃ガンは必ずしも
死に直結する病ではなくなって
きていますが、生存率はいかに
早期にガンを発見できるかに依
存しています。胃ガンの発生や
進行を遅らせることができれば、
胃ガンによる死亡をさらに減ら
すことが期待できます。

 ユーグレナは動物と植物の両
方の性質を持つ微細藻類で、そ
の健康効果のために食品やサプ
リメントとして広く利用されて
います。研究グループは、胃ガ
ンを自然発症する疾病モデルマ
ウス(以下,胃ガンモデルマウス)
を用いて、ユーグレナまたはユ
ーグレナの成分の1つであるパ
ラミロンという物質の経口投与
が胃ガンの初期過程に及ぼす効
果について検討しました。雄お
よび雌の10週齢の胃ガンモデル
マウスにユーグレナまたはパラ
ミロンを3週間毎日投与して、
その効果を観察しました。

 このモデルマウスの胃ガンは、
「慢性的な炎症による胃粘膜の
増殖亢進(過形成)→異常な細
胞の増殖(異形成)→ガン」と
いうヒトの胃ガンによく見られ
る過程と同じ進行をするのが特
徴ですが、今回の研究で用いた
10~13週齢は、初期病変である
胃粘膜の異形成が見られる前ガ
ンステージでした。

 3週間にわたるユーグレナま
たはパラミロンの投与で、正常
なマウスに比べて胃ガンモデル
マウスの胃粘膜で顕著に増加す
るCD3陽性Tリンパ細胞の数が有
意に減っているのが観察されま
した。同じく炎症にかかわる多
形核白血球にも減少する傾向が
見られました。

 ユーグレナの投与は胃粘膜上
皮細胞の増殖を促進するサイト
インであるIL-11 と炎症を促進
させ、ガン細胞の転移や浸潤の
能力を高めるケモカインである
Cxcl1 の遺伝子の発現を抑制し
ていたことも分かりました。し
かし、組織学的には、胃粘膜の
異形成や細胞の増殖に明らかな
効果を示しませんでした。

 一方、パラミロンを投与した
胃ガンモデルマウスでは、胃粘
膜のCD3陽性Tリンパ細胞を減少
させ、IL-11 と炎症にかかわる
ケモカインであるCcl2の遺伝子
発現を抑制しましたが、その効
果はユーグレナの投与ほど顕著
ではありませんでした。このこ
とは、ユーグレナの炎症を抑制
する効果はパラミロンだけでな
く、ユーグレナに含まれるさま
ざまな成分も重要な役割を持っ
ていることを示唆しています。
また、ユーグレナの投与は胃ガ
ンモデルマウスの小腸内のIgA
の産生を促進しました。

 今回の研究は、胃ガンモデル
マウスの初期病変に対するユー
グレナの効果を検討したもので、
胃ガンの発生を直接観察したも
のではありませんが、ユーグレ
ナの摂取が胃粘膜の炎症を抑制
することで、将来の胃ガンの発
症を抑えることができる可能性
を示唆しています。「今後、胃
ガンが発症するまで長期に効果
を観察する実験により、ユーグ
レナの抗ガン効果が明らかにさ
れることが望まれる」と、研究
グループは述べています。

 ユーグレナについて解説して

いるニュース動画です。

 
 


 
 
 放置では、化膿部も良くなる
可能性が少ない。     笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 内シャントへの穿刺疼痛外用局所麻酔薬で緩和する

 
 
 
 
 
 
 血液透析治療における内シャ
ントへの穿刺は頻回に行われま
すが、穿刺に伴う疼痛は強く、
患者さんのQOL を著しく低下さ
せるため、適切なケアが欠かせ
ません。内村内科・腎クリニッ
ク(横浜市)院長の内村英輝氏
は、疼痛の種類やメカニズムを
踏まえた上で、外用局所麻酔薬
リドカイン・プロピトカイン配
合クリーム(商品名エムラクリ
ーム)の特徴を概説しました。
従来の局所麻酔薬より優れた有
効性が確認されていると、第66
回日本透析医学会(6月4~6日、
ウェブ併催)で報告しました。

 シャント穿刺などがもたらす
表皮への機械的刺激は、有棘層
に中枢から達する自由神経終末
(受容器)で電気信号に変換さ
れ、神経伝導により脊髄後角に
入り、神経伝達物質によりシナ
プス間を伝達し、中脳、視床を
経由し大脳皮質の感覚野に到達
します。最終的に痛みの感覚と
して認識されます。

 しかし、こうした脊髄視床路
だけでなく機械的刺激は大脳辺
縁系にも至り、不快感や悲しみ
などをも生じさせます。そのた
め疼痛ケアにおいては、痛みそ
のものだけでなく情動的側面へ
の対応も必要となります。

 また、透析患者さんの穿刺痛
は侵害受容性疼痛(炎症や刺激
による痛み)に該当しますが、
糖尿病や手根管症候群、ガンな
どの合併症による神経障害性疼
痛(神経が障害されることで起
こる痛み)や心因性疼痛(心理
面、社会的な面で問題が生じる
ことで感じる痛み)が重なり、
複雑な臨床像を呈するケースも
あるということです。

 これらの点を踏まえ、内村氏
は「医師を含む多職種が多様な
アプローチを図り、総合的に疼
痛を緩和するのが現実的である」
と説明しています。「例えば、
患部に優しく触れる、さすると
いった行為で、触覚や圧覚を伝
達するAβ 線維を通じて上行性
疼痛抑制系を賦活させるなど、
生体に備わる内因性鎮痛機構に
働きかけることも1つの方策で
ある。痛みを”疾患”として捉え、
積極的に管理すべきである」と
強調しました。

 こうした多岐にわたる疼痛ケ
アの手法の1つとして、内村氏
は穿刺痛の緩和に用いるリドカ
イン・プロピトカイン配合クリ
ームの特徴や有効性について解
説しました。

 同薬は共融混合物を用いて製
剤化しているため、皮膚への透
過性や薬効分子の密度が高いと
いう特徴を有しています。加え
て、塗布部位をラップで覆い包
帯で固定する閉鎖密封法を用い
ることで、表皮の角質層を軟化
し、有棘層まで十分な濃度の薬
剤が到達します。有棘層まで達
した薬剤は、穿刺痛の刺激を最
初に受容する自由神経終末に対
し十分な麻酔効果を発揮します。

 その証左として、同氏が自施
設の透析患者さんに実施した検
討では、リドカインテープ使用
時と比べ、Numerical Rating S
cale(NRS) で評価した疼痛ス
コアが有意に低下し(P=0.0001)、
リドカイン・プロピトカイン配
合クリーム塗布による疼痛緩和
効果が示されたということです。
なお、閉鎖密封法のこつとして
は、薬剤を擦り込まず、厚く盛
り付けることであるとしました。

 同氏は「リドカイン・プロピ
トカイン配合クリームの導入後、
患者のQOL が上昇し、穿刺を行
う医療者の心理的抵抗感やスト
レスも減少したと感じている。
患者と医療者の信頼関係もこれ
まで以上に改善されたのではな
いか」と述べました。

 麻酔クリームの使い方(脱毛

に使う際の使い方)についての

動画です。

 
 


 
 
 定稿を出すことに抵抗を感じ
る。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 東京大学が7月1日、胃ガンを
自然発症する疾病モデルマウス
(A4gnt 遺伝子欠損マウス)を
用いて、ユーグレナの経口摂取
が胃ガンの初期過程に及ぼす影
響について検討し、その結果を
発表したのは、偉大な業績です。
今回の研究は、胃ガンモデルマ
ウスの初期病変に対するユーグ
レナの効果を検討したもので、
胃ガンの発生を直接観察したも
のではありませんが、ユーグレ
ナの摂取が胃粘膜の炎症を抑制
することで、将来の胃ガンの発
症を抑えることができる可能性
を示唆しているということです。
それゆえに、慢性炎症と発ガン
の関係を調査する必要があるよ
うです。
 血液透析治療における内シャ
ントへの穿刺は頻回に行われま
すが、穿刺に伴う疼痛は強く、
患者さんのQOL を著しく低下さ
せるため、適切なケアが欠かせ
ないのは、透析病院にパートに
行っていた私には、良く分かり
ます。血液透析は、流量を確保
するために、かなり極太の針を
穿刺するから、痛いのは当然と
言えましょう。リドカイン・プ
ロピトカイン配合クリームの導
入後、患者さんのQOL が上昇し、
穿刺を行う医療者の心理的抵抗
感やストレスも減少したと感じ
ているというのは、凄い効果で
あるなと思いました。

 戦史に残る血管穿刺。  笑

 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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2022-05-28 16:32:18

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診療マル秘裏話  号外Vol.2177 令和3年7月26日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)4F2hc前立腺ガンに特異的発現し転移や再発関与
2)山梨大SJS/TEN 新規発症メカニズム解明したと発表

 
 
 
 
 
 
 
 
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から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 4F2hc前立腺ガンに特異的発現し転移や再発関与

 
 
 
 
 
 
 千葉大学は6月2日、アミノ酸
を運ぶ役割を持つ蛋白質(アミ
ノ酸トランスポーター)4F2hc
が、前立腺ガンに特異的に発現
し、転移や再発に関わることを
解明したと発表しました。同大
大学院 医学研究院泌尿器科学
市川智彦教授らの研究グループ
によるものです。

 前立腺ガンの主な治療法の1
つとして、男性ホルモンを抑制
することでガンを抑制するホル
モン療法があります。しかし、
ホルモン療法を行っても効果が
なくなってくることがあり、こ
れを「去勢抵抗性前立腺ガン」
といいます。

 研究グループは2020年に、去
勢抵抗性前立腺ガンの原因に関
わる分子としてアミノ酸トラン
スポーターである4F2hc を見出
しました。アミノ酸トランスポ
ーターは、細胞が必要とするア
ミノ酸を取り込むために必要な
蛋白質です。ガン細胞では、細
胞の増殖や活性化に必要なアミ
ノ酸を取り込むため、発現量が
増加することが明らかになって
いました。4F2hc は、特にガン
細胞に発現するアミノ酸トラン
スポーター「LAT1」と強固に結
合する際に必須アミノ酸を多く
取り込み、ガン細胞の増殖シグ
ナルをコントロールして、増殖
を促進することが分かっていま
す。

 さらなる4F2hc の研究を進め
るため、研究グループは前立腺
全摘標本を解析しました。4F2h
c の発現が低い患者さんの無再
発生存期間は59.5か月、高い患
者さんでは43.4か月と有意に再
発までの期間が短いことが明ら
かとなり、4F2hc の発現が前立
腺ガンの予後に関わることが示
されました。また、4F2hc のシ
グナル伝達の下流にある「SKP-
2」 という新たな標的分子を見
出し、4F2hcがSKP-2を通して細
胞の増殖をコントロールしてい
ることが明らかにしました。

 今回の研究結果により、4F2h
c が前立腺ガンの新しい腫瘍マ
ーカー・治療標的となる可能性
が示されました。研究グループ
は、去勢抵抗性前立腺ガン患者
さんに対する「LAT1」を標的と
した阻害薬の臨床試験を進めて
います。研究グループは今後の
展開として、次のように述べて
います。

 「本研究により、4F2hc が前
立腺ガンの新しい腫瘍マーカー
ならびに治療標的となる可能性
が示唆されました。現在、去勢
抵抗性前立腺ガン患者に対する
LAT1阻害剤(JPH203)の臨床試
験を大学院医学研究院泌尿器科
学・薬理学と医学部附属病院臨
床試験部との共同プロジェクト
として進めています。LAT1と強
固に結合する蛋白の4F2hc の臨
床的重要性が示されたことは、
アミノ酸トランスポーターを標
的とするJPH203臨床試験の意義
をさらに裏付けする証拠となり
ます。今後は、4F2hc の基礎的
解析ならびにLAT1阻害剤の臨床
試験を、前立腺ガンのみならず、
腎細胞ガン、膀胱ガンなど、他
のガンへ応用していきます」

 前立腺ガンの最新治療につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 臨床試験の意義に異議を唱え
る。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 山梨大SJS/TEN 新規発症メカニズム解明したと発表

 
 
 
 
 
 
 山梨大学は7月1日、スティー
ブンス・ジョンソン症候群(SJ
S)/中毒性表皮壊死症(TEN)
の新規発症メカニズムを解明し
たと発表しました。この研究は、
同大医学部附属病院皮膚科学講
座の木下真直助教、小川陽一講
師(責任著者)、川村龍吉教授
と新潟大学大学院医歯学総合研
究科皮膚科学分野の濱菜摘講師、
阿部理一郎教授らの研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「Science Translational Medi
cine」に掲載されています。

 SJS/TEN は、薬剤を使用する
ことによって全身の皮膚や粘膜
が壊死してしまい、診断・治療
が遅れれば死に至る疾患で、厚
生労働省の定める指定難病です。
これまでSJS/TEN は、原因とな
る薬剤に特異的な細胞傷害性T
細胞の産生する分子によって皮
膚や粘膜が傷害されると考えら
れてきました。一方、SJS/TEN
患者さんでは時に血液中の好中
球が減少します。このことから
研究グループは、好中球に何ら
かの異常があるのではないかと
考え、SJS/TEN 患者さんの血液・
皮膚における好中球を観察しま
した。

 まず、SJS/TEN 患者さんの血
液中の好中球を、健康な人や命
に関わらないタイプの薬剤アレ
ルギーの患者さんの好中球と比
較しました。その結果、明らか
な形態異常が存在することが分
かりました。また、この形態異
常は好中球のneutrophil extra
cellular traps(NETs)の形成
によるものであることが分かり
ました。

 NETsは、好中球が細菌などの
侵入に際して、自身の細胞内に
ある蛋白質を細胞外に放出し、
細菌を捕捉・死滅させるための
機構です。SJS/TEN 患者さんの
皮膚に好中球は存在しないとこ
れまで信じられてきましたが、
実際には発症早期から好中球が
侵入することが分かりました。
具体的には、皮膚に侵入した
好中球は、同様に皮膚に侵入し
た原因薬剤に特異的な細胞傷害
性T細胞の産生する分子lipoca
lin-2の 作用によってNETsを形
成します。NETsの中に含まれる
分子LL-37 が、表皮細胞に受容
体formyl peptide receptor1(
FPR1)の発現を誘導します。FP
R1を発現する表皮細胞は、単球
が産生する分子annexin A1の作
用によってネクロプトーシスと
いう細胞死に陥ります。ネクロ
プトーシスに陥った表皮細胞は、
さらにLL-37 を産生し、周囲の
表皮細胞にFPR1発現を誘導しま
す。連続的に、表皮細胞死のル
ープが発動することが分かった
ということです。

 LL-37は、lipocalin-2と同様
に、好中球や上皮細胞が産生す
るとされる抗菌作用のある蛋白
質です。今回の研究から、これ
までSJS/TEN に関わりがないと
思われていた好中球が、SJS/TE
N 発症・増悪に関与することが
明らかとなりました。

 SJS/TEN の死亡率の高さは、
早期診断の難しさが原因の1つ
とされています。今回、SJS/TE
N 発症に関与する新しい分子(
lipocalin-2、LL-37)が発見さ
れたことで、これらを測定し、
SJS/TEN 診断を早期に確定でき
るようになる可能性があります。

 「また、lipocalin-2、LL-37
機能を抑制する薬剤が開発でき
ればSJS/TEN の新規治療薬とな
ることが期待される」と研究グ
ループは述べています。

 SJS/TENについて解説している

動画です。

 
 


 
 
 各停電車での旅行が確定する。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 千葉大学が6月2日、アミノ酸
を運ぶ役割を持つ蛋白質(アミ
ノ酸トランスポーター)4F2hc
が、前立腺ガンに特異的に発現
し、転移や再発に関わることを
解明したと発表したのは、素晴
らしい業績です。PSA とは別の
腫瘍マーカーが、特に、転移や
再発に関わるものだということ
が、特に優れている所だと思い
ます。前立腺ガンの場合、骨へ
の転移の症状から、初めて検出
されるということが多いようで
す。何となく、腰が痛いだけで
前立腺ガンの症状がないのに、
精査してみたら、前立腺ガンだ
ったということが多い訳です。
転移巣がメインになっているな
ら、イマイチPSA の値も当てに
ならない気がします。そこで、
(アミノ酸トランスポーター)
4F2hc の出番となる訳です。
 山梨大学が7月1日、スティー
ブンス・ジョンソン症候群(SJ
S)/中毒性表皮壊死症(TEN)
の新規発症メカニズムを解明し
たと発表したのは、画期的なこ
とだと思います。私が医学生の
時代から、SJS/TEN の原因が薬
であること以外は、何も分かっ
ていないというように教えられ
てきました。今回の研究から、
これまでSJS/TEN に関わりがな
いと思われていた好中球が、SJ
S/TEN 発症・増悪に関与するこ
とが明らかとなったのは、コロ
ンブスの卵だと思います。今回、
SJS/TEN 発症に関与する新しい
分子(lipocalin-2、LL-37)が
発見されたことで、これらを測
定し、SJS/TEN 診断を早期に確
定できるようになる可能性があ
り、lipocalin-2、LL-37機能を
抑制する薬剤が開発できればSJ
S/TEN の新規治療薬となること
が期待されるのは、本当に画期
的な発見と言えるでしょう。

 足底の面積を測定する。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2176 令和3年7月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガン領域コンパニオン診断薬の戦略的な業務提携合意
2)武漢熱変異株(インド型)が10代の若者に急増

 
 
 
 
 
 
 
 
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 ガン領域コンパニオン診断薬の戦略的な業務提携合意

 
 
 
 
 
 
 シスメックスは7月1日、ドイ
ツ・キアゲン社と、ガン領域コ
ンパニオン診断薬の共同開発・
グローバル事業に関する戦略的
な業務提携に合意したと発表し
ました。これにより、シスメッ
クスは次世代シーケンサー(NG
S) を用いた超高感度リキッド
バイオプシーであるPlasma-Saf
e-SeqS技術について、キアゲン
の有するコンパニオン診断薬開
発経験を活用することによりグ
ローバルに製薬企業との連携を
強化し、コンパニオン診断薬の
早期開発および臨床実装に向け
て取り組むということです。

 ガン治療では、治療薬に適し
た患者さんを特定するためのコ
ンパニオン診断薬が必要とされ
ています。また近年、患者さん
にとって身体的負担の少ない血
液検査(リキッドバイオプシー
検査)を用いたコンパニオン診
断薬が注目を集めています。シ
スメックスでは、高感度デジタ
ル PCR 技術を用いた「OncoBEA
MTM RAS CRC キット」を大腸ガ
ン治療薬に対するリキッドバイ
オプシーコンパニオン診断薬と
して、薬事承認および保険適用
を受けて国内市場に提供してい
ますが、今回の合意により、ガ
ンの分子標的治療薬を開発して
いる多くの製薬企業との共同化
を進め、超高感度リキッドバイ
オプシーコンパニオン診断薬の
早期臨床実用化を目指します。

 分子標的薬・コンパニオン診

断薬開発支援サービスについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 好感度への高感度アプローチ。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 武漢熱変異株(インド型)が10代の若者に急増

 
 
 
 
 
 
 東京都内で10歳代の感染者が
急増しています。厚生労働省の
集計では、6月26日までの1週
間の感染者が前週の1.7 倍とな
りました。同省の助言機関は、
感染力が強いとされるインド型
(デルタ型など)の変異ウイル
ス流行が一因とみています。

 同省によると、都内の10全世
代平均は19人から24人と1.3 倍
増で、感染者数、増加率ともに
平均を上回りました。

 施設内の感染も増えています。
都によると、6月28日までの1
週間で感染経路が判明した未成
年346人のうち、学校や保育
所など施設内で感染した人は44
%(153人)で、前週の30%
(56人)から大幅に増加しま
した。小中学校でのクラスター
(感染集団)や保育園児ら10歳
未満の感染者も目立ちました。

 10ヶ月前のこのニュースのニ

ュース動画です。

 
 


 
 
 
 班名が判明した。    笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 シスメックスが7月1日、ドイ
ツ・キアゲン社と、ガン領域コ
ンパニオン診断薬の共同開発・
グローバル事業に関する戦略的
な業務提携に合意したと発表し
たのは喜ばしいことです。遺伝
子検査でオーダーメイドの治療
を割り出し、患者さんに喜ばれ
るのは、良いのですが、なかな
か治療薬が見つからず、工夫の
ない三大治療に逆戻りする例も
あるようです。ようやく見つか
った治療法も、ガン細胞の耐性
で、全く無効なこともあります。
このような欠点を補う治療を考
えなければ、労多くして効果が
少ないということになりかねま
せん。
 東京都内で10歳代の感染者が
急増しているのは由々しきこと
です。厚生労働省の集計では、
6月26日までの1週間の感染者
が前週の1.7 倍となったという
ことですが、同省の助言機関は、
感染力が強いとされるインド型
(デルタ型など)の変異ウイル
ス流行が一因とみています。こ
のインド型には、更に、新しい
変異株が存在し、それをデルタ
プラスと呼ぶそうです。インド
の保健省は、感染力が高く、肺
胞に取り付きやすく、モノクロ
ーナル抗体治療に強い可能性が
あるとの研究結果を発表してい
ます。本当に恐ろしいことです。

 周径の長さを集計する。 笑

 
 
 
 
 
 
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2022-05-26 18:52:39

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診療マル秘裏話  号外Vol.2175 令和3年7月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)新規ミトコンドリア標的薬剤PTCLで製造販売承認申請
2)ALS 治療薬である経口フィルム製剤を米国にて販売

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 新規ミトコンドリア標的薬剤PTCLで製造販売承認申請

 
 
 
 
 
 
 ソレイジア・ファーマは6月
30日、新規のミトコンドリア標
的薬剤であるdarinaparsin(開
発コード:SP-02)について,再
発または難治性の末梢性T細胞
リンパ腫(PTCL)を適応として、
厚生労働省に対して製造販売承
認申請を行ったと発表しました。

 同承認申請は、昨年(2020年)
6月に公表されたアジア国際共
同第2相臨床試験の結果等に基
づき、世界に先駆け日本におい
て行われました。

 同薬の作用機序は、ミトコン
ドリア機能の障害、活性酸素種
の産生増加、および細胞内シグ
ナル伝達系への作用と推定され
ており、細胞周期の停止および
アポトーシスを誘導することで
抗腫瘍効果を示すと考えられて
います。

 ミトコンドリアのエネルギー

回路について解説している動画

です。

 
 


 
 
 身を挺して、機械を停止した。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 ALS 治療薬である経口フィルム製剤を米国にて販売

 
 
 
 
 
 
 田辺三菱製薬は7月1日、米国
における販売子会社Mitsubishi
Tanabe Pharma Americaが、筋
萎縮性側索硬化症(ALS) 治療
薬である経口フィルム製剤リル
ゾール(商品名エクサヴァン)
を同国にて発売したと発表しま
した。1日2回服用します。同薬
は2019年11月、米食品医薬品局
(FDA) の承認を受けていまし
た。

 経口フィルム製剤は舌にのせ
て服用し、飲食物がなくても素
早く溶解するため、嚥下障害を
併発しているALS 患者さんに対
しても用いやすいとされていま
す。

 この薬の経口製剤リルゾール
錠は、あすか製薬から2013年に
発売されています。筋萎縮性側
索硬化症では、重症になると嚥
下障害を伴うことが多く、錠剤
だと内服困難となることがしば
しばあります。そのような場合
でも経口フィルム製剤なら服用
可能ということでFDA が認可し
発売したということです。経口
フィルム化は、アクエスティブ
セラピューティクス社がPharmF
ilm®という革新的なドラッグデ
リバリー技術を活用して開発し
たのことで、経口フィルム製剤
を患者さんの舌の上に置くと溶
解されるということです。田辺
三菱製薬は、ALS 治療薬として
「ラジカヴァ」(エダラボン注
射剤)に続き,「MT-1186(治験
コード)」(エダラボン経口懸
濁剤)についても、現在、グロ
ーバル開発を実施していると言
うことです。

 ALS治療薬開発について解説

している動画です。

 
 


 
 
 妖怪が陽の光に溶解した。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 ソレイジア・ファーマが6月
30日、新規のミトコンドリア標
的薬剤であるdarinaparsin(開
発コード:SP-02)について,再
発または難治性の末梢性T細胞
リンパ腫(PTCL)を適応として、
厚生労働省に対して製造販売承
認申請を行ったと発表したのは、
喜ばしいことです。同承認申請
は、昨年(2020年)6月に公表
されたアジア国際共同第2相臨
床試験の結果等に基づき、世界
に先駆け日本において行われた
のも誇らしい限りです。悪性腫
瘍(ガン)細胞では、活性酸素
が毒ですので、その産生を行わ
せないために、ミトコンドリア
機能が低下しています。そこに
活性酸素種の産生増加、および
細胞内シグナル伝達系への作用
が追加されて、ガン細胞がノッ
クアウトされるということでし
ょう。
 田辺三菱製薬が7月1日、米国
における販売子会社Mitsubishi
Tanabe Pharma Americaが、筋
萎縮性側索硬化症(ALS) 治療
薬である経口フィルム製剤リル
ゾール(商品名エクサヴァン)
を同国にて発売したと発表した
のは、画期的なことだと思いま
す。このようにドラッグデリバ
リーシステムを改善することで
より重症なALS の患者さんが救
われるのは、本当に喜ばしいこ
とです。日本でも厚生労働省の
認可が早く下りることで、販売
にこぎつけたい所です。その他
にも、田辺三菱製薬が、ALS 治
療薬として「ラジカヴァ」(エ
ダラボン注射剤)に続き,「MT-
1186(治験コード)」(エダラ
ボン経口懸濁剤)についても、
現在、グローバル開発を実施し
ている姿勢は、評価するべきで
しょう。

 実子にワクチン注射を実施し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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2022-05-25 21:38:37

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診療マル秘裏話  Vol.865 令和2年7月8日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)抗ガン剤の腫瘍内炎症性変化が薬剤耐性の原因
2)うつ病発症に,幼い頃感染するヘルペスウイルスが関係

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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さい。

 
 
 
 
 
1】 抗ガン剤の腫瘍内炎症性変化が薬剤耐性の原因

 
 
 
 
 
 
 北海道大学は6月15日、抗ガ
ン剤による腫瘍内の炎症性変化
が血管に異常性をもたらし、薬
剤耐性の原因となることを明ら
かにしたと発表しました。これ
は同大病院の菊地央医員、樋田
泰浩准教授、同大大学院歯学研
究院の樋田京子教授、間石奈湖
助教、同大学院医学研究院の篠
原信雄教授らの研究グループに
よるものです。研究成果は、「
Cancer Research 」誌にオンラ
イン掲載されています。ガンが
局所で進行し手術不能となった
場合や転移症例には、多くの場
合、抗ガン剤治療が行われます
が、薬剤への耐性出現は予後不
良の大きな要因で、その克服は
治療上重要な課題の一つです。
一方、ガン組織内の血管は、ガ
ンに栄養・酸素を運び、転移の
経路にもなるためガンの悪性化
に重要な役割を果たしています。

これまで腫瘍内血管の内側を覆
う「腫瘍血管内皮細胞」は、遺
伝的に安定で薬剤耐性を獲得し
ないと考えられていました。し
かし、研究グループはこれまで
に、腫瘍血管内皮細胞がさまざ
まな異常性をもつことを明らか
にしています。マウスの腫瘍モ
デルにおいて、腫瘍血管内皮細
胞は抗ガン剤「パクリタキセル」
の排出ポンプABCB1 の発現レベ
ルが高く、パクリタキセルに対
して耐性があることを世界で初
めて明らかにしました。さらに
血管のABCB1 阻害により同剤の
治療効果が増強することを示し
ています。通常、薬剤耐性のメ
カニズムとしてがん細胞の異常
が広く知られていましたが、血
管も薬剤耐性に関与することが
示唆されました。ただし、ヒト
ではガンの薬剤耐性における血
管の関与は不明のままです。

これらのことから、研究グルー
プは今回、抗ガン剤の一次治療
が奏功せず、二次治療としてパ
クリタキセルが用いられること
の多いヒト尿路上皮ガンを用い
て、腫瘍血管内皮細胞における
ABCB1 発現の有無と薬剤耐性へ
の関与、さらに薬剤耐性克服に
むけて血管のABCB1 阻害の有用
性を検討しました。抗ガン剤治
療が行われた尿路上皮ガン患者
さんを対象とし、一次治療前後
の手術摘出組織標本を用いて免
疫染色により腫瘍血管における
ABCB1 発現を評価し、予後との
関連を解析しました。 続いて、
抗ガン剤治療が腫瘍血管におけ
るABCB1 発現に影響を及ぼすメ
カニズムについて、腫瘍血管内
皮細胞や膀胱ガン細胞を用いて
解析しました。さらに、膀胱ガ
ン担ガンマウスモデルを用いて、
一次化学療法としてゲムシタビ
ン/シスプラチンを投与後、二
次化学療法として投与するパク
リタキセルにABCB1 阻害剤を併
用し、ABCB1 阻害剤併用療法の
治療効果を検証しました。

その結果、抗ガン剤治療後の6
割以上の患者さんで、腫瘍血管
内皮細胞のABCB1 の発現量が増
加していました。さらにこうし
た症例では、ABCB1 の発現が変
化しなかった患者さんに比べて
予後が不良でした。一方で、ガ
ン細胞のABCB1 は、抗ガン剤治
療前後では発現量に有意な差は
認められませんでした。また、
腫瘍血管内皮細胞のABCB1 発現
が亢進するメカニズムとして、
抗ガン剤治療後のガン細胞にお
けるIL-8の分泌量増加が関与し
ていることが判明しました。膀
胱ガン担ガンマウスに二次化学
療法としてパクリタキセルを投
与する際、ABCB1 阻害剤を併用
すると血管新生が抑制され、腫
瘍の増殖と肺転移が抑制されま
した。

ガンの薬剤耐性克服に向けた治
療戦略として、ガン細胞のみな
らず、異常性を獲得した腫瘍血
管内皮細胞を標的にした治療が
必要と考えられます。その異常
性の一つ、腫瘍血管内皮細胞に
おいて発現量が増加したABCB1
を標的とする阻害剤の開発や効
果的な投与法について今後研究
が進むものと推測されます。「
抗ガン剤治療により誘導された
ガン細胞由来のIL-8が、腫瘍血
管内皮細胞の異常性獲得の一つ
のメカニズムであり、それを防
ぐ戦略展開も期待される」と、
研究グループは述べています。

 抗ガン剤が効かなくなる理由

について解説している動画です。

 
 


 
 
 天海和尚が戦略展開を提案し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 うつ病発症に,幼い頃感染するヘルペスウイルスが関係

 
 
 
 
 
 うつ病の発症に、多くの人が
幼い頃に感染する「ヘルペスウ
イルス」が関係している可能性
があるとする研究成果を東京慈
恵会医科大学のグループが発表
し、うつ病発症のメカニズムや
治療薬の開発などに役立つと期
待されています。

この研究を行ったのは、東京慈
恵会医科大学の近藤一博教授ら
のグループです。

グループでは、多くの人が子ど
もの頃に感染する「ヒトヘルペ
スウイルス6」というウイルス
が脳の一部に感染すると、ウイ
ルスが持つ「SITHー1」と
いう遺伝子が強く働くことを突
き止めました。

そこで、マウスの脳でこの遺伝
子を人為的に働かせたところ、
マウスの行動が変化し、うつに
よく似た症状がみられることが
確認されたということです。

さらにグループが、うつ病の患
者さん84人と健康な人82人の血
液を調べたところ、うつ病の患
者さんでは79.8%の人でこの遺
伝子が強く働いている反応があ
ったのに対し、健康な人では24.
4%だったということです。

このためグループでは、このウ
イルスの遺伝子が強く働くこと
が、うつ病の発症に関係してい
る可能性があるとしています。

近藤教授は「これまで、うつ病
の原因は、はっきりとは特定さ
れていなかったが、ウイルスが
関与している可能性が分かった。
さらに研究が進み、発症の詳し
いメカニズムが解明できれば、
新たな治療薬の開発などにつな
がるはずだ」と話しています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 姦計に載せられ、関係を解消
する。          笑

 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 北海道大学が6月15日、抗ガ
ン剤による腫瘍内の炎症性変化
が血管に異常性をもたらし、薬
剤耐性の原因となることを明ら
かにしたと発表したのは偉大な
業績です。ガンの薬剤耐性克服
に向けた治療戦略として、ガン
細胞のみならず、異常性を獲得
した腫瘍血管内皮細胞を標的に
した治療が必要と考えられます。
その異常性の一つ、腫瘍血管内
皮細胞において発現量が増加し
たABCB1 を標的とする阻害剤の
開発や効果的な投与法について
今後研究が進むものと推測して
います。
 うつ病の発症に、多くの人が
幼い頃に感染する「ヘルペスウ
イルス」が関係している可能性
があるとする研究成果を東京慈
恵会医科大学のグループが発表
し、うつ病発症のメカニズムや
治療薬の開発などに役立つと期
待されているのは、素晴らしい
業績です。そもそも、ヘルペス
ウイルスが活動性となるには、
宿主の免疫力の低下が必要にな
ります。免疫力の低下があるか
らヘルペスが発症して、さらに
そのヘルペスウイルスがうつ病
を惹起しているとは、夢にも思
いませんでした。

 定価の低下を期待する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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2022-05-24 20:25:51

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診療マル秘裏話  号外Vol.2174 令和3年7月23日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ATLL適応症の新薬国内製造販売承認取得と発表
2)先天性巨大色素性母斑臨床研究で皮膚再生確認

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 ATLL適応症の新薬国内製造販売承認取得と発表

 
 
 
 
 
 
 6月24日、Meiji Seikaファル
マ株式会社は、ヒストン脱アセ
チル化酵素(HDAC)阻害薬であ
る「ハイヤスタ錠(開発コード:
HBI-8000、一般名:ツシジノス
タット、以下ハイヤスタ)につ
いて、再発または難治性の成人
T細胞白血病リンパ腫(ATLL)
を適応症として、提携先である
Huya Japan合同会社が6月23日
に国内における製造販売承認を
取得したと発表しました。

 ハイヤスタは、エピジェネテ
ィックな作用を持つイムノモジ
ュレーターであり、HDAC1/2/3/
10の酵素活性を阻害するベンズ
アミド系の経口薬です。HDAC活
性が阻害されることにより、ヒ
ストンなどの脱アセチル化が阻
害され、細胞周期の停止とアポ
トーシスが誘導され、細胞増殖
が抑制されると推測されていま
す。非臨床試験の結果から、腫
瘍細胞の増殖抑制のほか、免疫
調整作用も期待されているとい
うことです。

 今回の製造販売承認は第2b相
臨床試験の結果に基づくもので
す。同試験は、日本における再
発または難治性のATLL患者を対
象に、Huya Japanの親会社でMe
iji Seika ファルマと提携をし
ている米 HUYABIO Internation
al社が実施しました。

 なお、ハイヤスタは再発また
は難治性の末梢性T細胞リンパ
腫(PTCL)を適応症として一部
変更申請中で、単剤治療でのPT
CLならびにATLLの治療に係る希
少疾病用医薬品(オーファンド
ラッグ)の指定を受けています。
また、米国においては、固形ガ
ンを対象に第1/2 相臨床試験が
実施されています。

 成人T細胞性白血病について

解説している動画です。

 
 


 
 
 定型文を提携先に示す。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 先天性巨大色素性母斑臨床研究で皮膚再生確認

 
 
 
 
 
 
 京都大などは1日、ほくろが
直径20センチ以上になる「先天
性巨大色素性母斑(ぼはん)」
の臨床研究で、皮膚の再生を確
認し母斑の再発も起きなかった
と発表しました。研究グループ
は7月に医師主導の臨床試験(
治験)を始めます。論文は米国
の国際学術誌に掲載されました。
先天性巨大色素性母斑は、成
人になるとほくろが直径20セン
チ以上になる病気で、2万人に
1人の割合で発症し、皮膚ガン
が数%程度で起きるとされてい
ます。母斑を切除した場合、患
者さんから採取した皮膚を移植
するのが一般的ですが、母斑が
大きいと移植できる皮膚が限ら
れるため、完全に切除できない
場合もあります。
 研究グループは、切除した患
者さんの母斑組織を高圧処理し
て細胞を死滅させた後、母斑組
織があった皮膚を元の部位に移
植する方法を開発しました。20
16年2月~2019年6月に世界初
の臨床研究を行い、10例中9例
で、移植から1年後に母斑細胞
が残っていないことを確認しま
した。

 色素性母斑について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 異色の移植手術を行う。 笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 6月24日、Meiji Seikaファル
マ株式会社が、ヒストン脱アセ
チル化酵素(HDAC)阻害薬であ
る「ハイヤスタ錠(開発コード:
HBI-8000、一般名:ツシジノス
タット、以下ハイヤスタ)につ
いて、再発または難治性の成人
T細胞白血病リンパ腫(ATLL)
を適応症として、提携先である
Huya Japan合同会社が6月23日
に国内における製造販売承認を
取得したと発表したのは、喜ば
しいことです。当クリニックで
は、いつもお話している、メタ
ボジェニック療法が奏功した、
ATLLの症例があります。可溶性
IL-2Rcが、下がり次第、メタボ
ジェニック療法終了とする予定
です。
 京都大などが1日、ほくろが
直径20センチ以上になる「先天
性巨大色素性母斑(ぼはん)」
の臨床研究で、皮膚の再生を確
認し母斑の再発も起きなかった
と発表したのは素晴らしい業績
です。先天性巨大色素性母斑は、
成人になるとほくろが直径20セ
ンチ以上になる病気で、2万人
に1人の割合で発症し、皮膚ガ
ンが数%程度で起きるとされて
いるということで厄介な病気と
言えます。再生医療でこの厄介
な病気を治療することができる
のは、意外でした。10例中9例
で、移植から1年後に母斑細胞
が残っていないことが確認され
たのは、凄いとしか言いようが
ありません。

 再生医療が最盛となる。 笑

 
 
 
 
 
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2022-05-23 16:58:52

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診療マル秘裏話  号外Vol.2173 令和3年7月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガンの手術件数の大幅減は、由々しきことです
2)武漢熱の新細胞性免疫検査法の共同研究を開始

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
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1】 ガンの手術件数の大幅減は、由々しきことです

 
 
 
 
 
 
 公益財団法人ガン研究会は、
明治41年(1908年)に創立され
た日本初のガン専門の研究機関
です。付属病院の「ガン研有明
病院」も患者数が日本一のガン
専門病院として有名です。

 なお、東京のベイエリアにそ
びえるこの病院の外壁には「蟹
(かに)」のシンボルマークが
あり、印象的です。英語のガン
を意味するキャンサーは、もと
もと蟹や蟹座を指すことに由来
するからです。

 そのガン研有明病院でも、ガ
ンの手術件数が大幅に減ってい
ることが分かりました。例年、
胃ガンの手術は約500 件、乳ガ
ンの手術は約1200件も行われて
います。しかし、昨年1年間の
胃ガンの手術件数は前年より32
%も減少しています。とくに問
題なのは、最も早期のステージ
1Aでは半分にまで落ち込んでい
ることです。

 同院では乳ガンの手術件数も
減っています。昨年4~12月で
は、2019年の同じ期間に比べて、
全体で19%、ステージ1までの早
期乳ガンに限ると27%も減って
いました。その他のガンについ
ても、間違いなく手術が減って
いると思います。東京大学病院
や国立ガン研究センター中央病
院でも、胃ガンの手術件数は大
幅に減少しています。

 ガンは1センチの大きさにな
ってようやく発見することがで
きますが、この大きさになるに
は10~20年の年月がかかります。
しかし、1センチが2センチにな
るのはわずか1~2年です。この
時期には症状が出ることはまれ
ですから、ガンを早期に見つけ
るには、定期的な検査が欠かせ
ません。

 昨年は、新型コロナウイルス
の感染拡大で、ガン検診が大幅
に減っています。例年なら見つ
かっていたガンが診断されず、
早期ガンを中心に手術が減った
ものと思います。

 扁桃腺のガンがあごの骨や脳
の近くまで広がったケース、直
腸ガンが肛門から飛びだしてし
まったケースなど、これまでな
かったような「超進行ガン」を
目にすることが多くなっていま
す。

 「検診控え」による早期ガン
の減少と「受診控え」による進
行ガンの増加が同時に進んでい
ると心配しています。

 武漢熱とガン診療について解

説している動画です。

 
 


 
 
 感染拡大で、各題についての
意見交換が行われた。   笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 武漢熱の新細胞性免疫検査法の共同研究を開始

 
 
 
 
 
 
 昭和電工マテリアルズは6月
28日、国立ガン研究センターと
新型コロナ(武漢熱)ウイルス
の新たな細胞性免疫検査法に関
する共同研究を開始したと発表
しました。

 共同研究契約を3月に締結、
4月から研究に着手しました。
既存の細胞性免疫検査で要する
時間を短縮し、検査当日に結果
を得る方法の確立、迅速検査キ
ットの製品化を目指します。

 同社グループから、体外診断
用医薬品などの事業を手がける
日立化成ダイアグノスティック
ス・システムズ(来月社名をミ
ナリスメディカルに変更予定)
と、米子会社昭和電工マテリア
ルズ・アメリカのリサーチ・セ
ンターが参画しました。細胞性
免疫検査の測定基盤技術などを
生かし、即日検査結果が得られ
る迅速検査キットの製品開発を
推進します。

 新型コロナ感染症でワクチン
効果判定などに用いられる抗体
検査は、抗原に対抗する液性免
疫の獲得状況を把握します。一
方、獲得免疫には免疫細胞自体
がウイルスなどに感染し異常細
胞を攻撃・排除する細胞性免疫
があります。細胞性免疫は液性
免疫より比較的長く免疫力を維
持できることが複数の研究で明
らかになり、感染防御に重要な
役割を持つと知られています。
細胞性免疫検査は変異株に対す
る獲得免疫の強さや、ワクチン
の有効性評価などで重視される
とみられています。

 しかし、既存の細胞性免疫検
査法は2日から1週間を要し、
多くの検体検査には適していま
せん。そのため、昭和電工マテ
リアルズと国立ガン研究センタ
ーは新規迅速検査方法の開発を
目指すこととしました。

 細胞性免疫について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
 心機一転、新規顧客の獲得を
狙う。          笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 ガン研有明病院でも、ガンの
手術件数が大幅に減っているこ
とが分かったのは残念なことで
す。例年、胃ガンの手術は約50
0 件、乳ガンの手術は約1200件
も行われています。しかし、昨
年1年間の胃ガンの手術件数は
前年より32%も減少していると
いうことで、とくに問題なのは、
最も早期のステージ1Aでは半分
にまで落ち込んでいることと言
うことですから、そうした早期
発見ができず。手術適応外の症
例が増えているということでし
ょう。進行ガンが増えてきたこ
とは、我々、代替医療の出番と
言えるでしょう。ただ、当クリ
ニックには、病床がないので、
余りに進行したガンが受けられ
ないのが残念です。
 昭和電工マテリアルズが6月
28日、国立ガン研究センターと
新型コロナ(武漢熱)ウイルス
の新たな細胞性免疫検査法に関
する共同研究を開始したと発表
したのは、喜ぶべきことです。
液性免疫については抗体の測定
ですので、これまでたくさん行
われて来たことは事実です。細
胞性免疫は液性免疫より比較的
長く免疫力を維持できることが
複数の研究で明らかになり、感
染防御に重要な役割を持つこと
が分かっています。その細胞性
免疫検査は変異株に対する獲得
免疫の強さや、ワクチンの有効
性評価などで重視されるという
ことですから、これからのパン
デミックの行方を占う検査と言
えるでしょう。

 獣脂の使用が重視される。笑

 
 
 
 
 
 
 
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最近の号外Vol.2172メルマガ

2022-05-22 14:51:30

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診療マル秘裏話  号外Vol.2172 令和3年7月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)minor BCR-ABL mRNA測定キット,製造販売承認取得
2)武漢熱ワクチン年末までに最大6000万人分生産体制

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 minor BCR-ABL mRNA測定キット,製造販売承認取得

 
 
 
 
 
 
 6月18日、大塚製薬株式会社
は、minor BCR-ABL mRNA測定キ
ット「オーツカ」について、体
外診断用医薬品としての製造販
売承認を取得したと発表しまし
た。minor BCR-ABL を有するフ
ィラデルフィア染色体陽性急性
リンパ性白血病の診断補助およ
び治療効果のモニタリングに使
用します。

 フィラデルフィア染色体は急
性リンパ性白血病(ALL) 患者
さんに発現する染色体異常のひ
とつであり、チロシンキナーゼ
阻害薬(TKI) と化学療法の併
用による治療が行われます。フ
ィラデルフィア染色体陽性ALL
患者さんにおいて、完全寛解時
やその後の経過を確認する際に、
フィラデルフィア染色体の融合
遺伝子であるBCR-ABL を用いた
微小残存病変(minimal residu
al disease:MRD) の観察が再
発の指標とされ、治療介入にお
いて有意義であるといわれてい
ます。そのため、BCR-ABL のサ
ブタイプのひとつであるminor
BCR-ABL の検出は、診断補助や
定期的な治療効果のモニタリン
グの指標として利用できるもの
と考えられています。

 minor BCR-ABLは、成人ではA
LL患者さんの20~30%、小児で
は3~4%が有していると推定さ
れていますが、定量的に把握で
きる体外診断用医薬品はこれま
でありませんでした。今回の承
認取得により、末梢血白血球ま
たは骨髄液有核細胞から抽出し
たRNA中のminor BCR-ABLを高感
度かつ定量的に測定することが
可能となります。また、急激な
病態変化を伴うALL において、
治療中ならびに治療終了後の定
期的なminor BCR-ABL の測定に
より、再発の早期発見に繋がり、
適切な治療機会の提供に結び付
けられると期待されます。

 急性リンパ性白血病(ALL:A
cute Lymphoblastic Leukemia)
とは、リンパ球が幼若な段階で
悪性化し、ガン化した細胞(白
血病細胞)が無制限に増殖する
ことで発症する疾患です。平成
29年の日本国内における患者数
は約5,000 人と報告されていま
す。病状の進行が速いため、早
期の診断と速やかな治療の開始
が求められます。

 誓言の文言を制限する。 笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 武漢熱ワクチン年末までに最大6000万人分生産体制

 
 
 
 
 
 
 塩野義製薬は6月28日、開発
中の新型コロナ(武漢熱)ウイ
ルスワクチンについて、年末ま
でに最大6000万人分の生産体制
が整うとの見通しを明らかにし
ました。3000万人分を目指して
きましたが、これまでの臨床試
験(治験)で、1人当たりの投
与量を抑えて倍の人数に接種で
きる可能性が出てきたというこ
とです。治験で有効性の確認を
さらに進めます。
 同社は昨年12月から国内で第
1・第2段階の治験を開始し、
214例の結果の解析を進めて
います。今後、国内で1000例規
模の追加試験を検討しています。
一定の有効性や安全性を確認し
た上で、発売後に再確認を行う
条件付きで早期承認を国から受
けられれば、年内にも提供が可
能になる見通しです。

 化膿箇所の治療が可能となる。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 6月18日、大塚製薬株式会社
は、minor BCR-ABL mRNA測定キ
ット「オーツカ」について、体
外診断用医薬品としての製造販
売承認を取得したと発表したの
は、喜ばしいことです。定量的
に把握できる体外診断用医薬品
はこれまでなかったことを考え
ると、末梢血白血球または骨髄
液有核細胞から抽出したRNA 中
のminor BCR-ABL を高感度かつ
定量的に測定することが可能と
なったのは、飛躍的進歩と言え
ましょう。治療中ならびに治療
終了後の定期的なminor BCR-AB
L の測定により、再発の早期発
見に繋がり、適切な治療機会の
提供に結び付けられることを期
待したいと思います。
 塩野義製薬が6月28日、開発
中の新型コロナ(武漢熱)ウイ
ルスワクチンについて、年末ま
でに最大6000万人分の生産体制
が整うとの見通しを明らかにし
たのは喜ばしいことです。今年
の年末には、収束している可能
性もありますが、武漢熱変異株
は、ワクチンの効果を減弱させ
るものが多いと聞いています。
そうなれば、追加のワクチンが
必要となる可能性が捨てきれま
せん。そうなった時の、最後の
砦として、国産ワクチンが年内
に最大6000万人分の生産体制が
整ったことは、心強いと言える
でしょう。外国製ワクチンは、
外国の都合により、供給が左右
される可能性があります。

 生産体制の態勢を整える。笑

 
 
 
 
 
 
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