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2022-05-31 17:52:41

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診療マル秘裏話  号外Vol.2180 令和3年7月30日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)抗PD-1モノクローナル抗体単剤療法有効性,安全性検証
2)武漢熱感染抑制と重症化治療への適応ある薬剤

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 抗PD-1モノクローナル抗体単剤療法有効性,安全性検証

 
 
 
 
 
 
 2021年6月9日~17日、バーチ
ャルミーティングで開催された
第25回欧州血液学会議(EHA 20
21)にて、自家幹細胞移植もし
くは少なくとも2レジメン以上
の全身化学療法後に病勢進行ま
たは完全寛解を達成できなかっ
た再発/難治性古典的ホジキン
リンパ腫(cHL) 患者さんを対
象に抗PD-1モノクロナール抗体
薬であるTislelizumab(チスレ
リズマブ、BGB-A317)単剤療法
の有効性、安全性を検証した第
2相試験(NCT03209973)の3年
長期フォローアップ解析の結果
がPeking University Cancer H
ospitalのYuqin Song 氏らによ
り公表されました。

 本試験は、自家幹細胞移植も
しくは少なくとも2レジメン以
上の全身化学療法後に病勢進行
または完全寛解を達成できなか
った再発/難治性古典的ホジキ
ンリンパ腫(cHL)患者さん(N
=70人)に対して3週を1サイク
ルとしてTislelizumab(BGB-A3
17)200mg 単剤療法を投与し、
主要評価項目として独立審査委
員会(IRC) 判定に基づく客観
的奏効率(ORR),副次評価項目
として無増悪生存期間(PFS),
奏効持続期間(DOR),完全寛解
率(CR)、安全性などを検証し
た第2相試験です。

 本試験のフォローアップ期間
中央値33.8ヶ月 (3.4~38.6ヶ
月)における結果は下記の通り
です。主要評価項目である独立
審査委員会(IRC) 判定に基づ
く客観的奏効率(ORR) 87.1%
(N=61人、95%信頼区間:77.
0%~93.9%),奏効の内訳は完
全奏効率(CR)67.1% (N=47
人、95%信頼区間:54.9~77.9
%)を示しました。

 副次評価項目である無増悪生
存期間(PFS) 中央値は31.5ヶ
月 (95%信頼区間:16.53ヶ月
~未到達)、奏効持続期間(DO
R)中央値は,31.3ヶ月(95%信
頼区間:20.73ヶ月~未到達),
全生存期間(OS)中央値は未到
達でした。

 一方の安全性として、30%以
上の患者さんで確認された治療
関連有害事象(TRAE)は発熱57
.1%、上気道感染症38.6%、甲
状腺機能低下症37.1%、体重増
加34.3%でした。また、2人以
上の患者さんで確認されたグレ
ード3以上の治療関連有害事象
(TRAE)は非感染性肺炎、高血
圧、好中球減少症、リパーゼ増
加、体重増加、クレアチンホス
ホキナーゼ増加でした。

 全グレードの免疫関連有害事
象(irAE)発症率45.7%(N=3
2人)を示し、グレード3以上の
免疫関連有害事象(irAE)発症
率11.4%(N=8人)でした。

 以上の第2相試験の3年長期フ
ォローアップ解析の結果よりYu
qin Song氏らは 「再発/難治性
古典的ホジキンリンパ腫(cHL)
患者に対する抗PD-1モノクロナ
ール抗体薬Tislelizumab(BGB-
A317)単剤療法は、持続的で良
好な抗腫瘍効果を示し、無増悪
生存期間(PFS) も長期に渡り
改善しました。また長期投与に
よる安全性に関する新たな懸念
は認められませんでした」と結
論を述べています。

 免疫チェックポイント阻害剤

について解説している動画です。

 
 


 
 
 自称、有害事象が起こった人。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱感染抑制と重症化治療への適応ある薬剤

 
 
 
 
 
 
 帝京大学と国立国際医療研究
センター(NCGM)、東京大
学医科学研究所のグループは、
武漢熱ウイルスの感染抑制につ
ながりそうな薬剤を同定しまし
た。細胞膜流動性の低下作用が
あることを確認しており、別の
グループによる研究成果も踏ま
えると、感染抑制だけでなく、
重症化治療への適応も期待でき
そうです。今後、モデル動物を
使い有効性と安全性を検証し、
迅速な実用化を目指します。
同定したのは「フェンレチニ
ド」と呼ばれる薬剤です。抗ガ
ン剤として臨床研究が進んでお
り、安全性に関するデータも蓄
積されています。そのため、グ
ループは早急な実用化に結び付
くとしています。

 エンベロープウイルスの1種
である武漢熱ウイルスは、相手
の細胞に対して脂質二重膜を通
じた膜融合を起こすことで感染
していきます。このため、研究
グループは膜融合を阻害するこ
とで感染抑制が図れるのでない
かと考えました。実際、探索を
行った結果、フェンレチニドを
見いだしました。

 フェンレチニドで処理した細
胞に関しては、膜融合の抑制を
確認しました。細胞膜の流動性
が低下することで、感染を抑え
込んでいる可能性が高いとして
います。また、免疫が暴走し、
症状を悪化させるサイトカイン
ストームを抑制する機能も有す
ることが他の研究グループから
あがっているため、抗ウイルス
効果と重症化治療を併せ持つ薬
剤となる可能性があるともして
います。

 武漢熱治療薬の進展と飲み薬

について解説している動画です。

 
 


 
 
 艦船の中での感染予防を考え
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 2021年6月9日~17日、バーチ
ャルミーティングで開催された
第25回欧州血液学会議(EHA 20
21)にて、自家幹細胞移植もし
くは少なくとも2レジメン以上
の全身化学療法後に病勢進行ま
たは完全寛解を達成できなかっ
た再発/難治性古典的ホジキン
リンパ腫(cHL) 患者さんを対
象に抗PD-1モノクロナール抗体
薬であるTislelizumab(チスレ
リズマブ、BGB-A317)単剤療法
の有効性、安全性を検証した第
2相試験(NCT03209973)の3年
長期フォローアップ解析の結果
がPeking University Cancer H
ospitalのYuqin Song 氏らによ
り公表されたのは、素晴らしい
業績です。この単剤療法は、持
続的で良好な抗腫瘍効果を示し、
無増悪生存期間(PFS) も長期
に渡り改善し恐るべき成果を得
たと言っても過言ではないでし
ょう。
 帝京大学と国立国際医療研究
センター(NCGM)、東京大
学医科学研究所のグループが、
武漢熱ウイルスの感染抑制につ
ながりそうな薬剤を同定したの
は、素晴らしい業績です。細胞
膜流動性の低下作用があること
を確認しており、別のグループ
による研究成果も踏まえると、
感染抑制だけでなく、重症化治
療への適応も期待できるという
ことですから、重症化しつつあ
る患者さんや、既に、重症化し
てしまった患者さんには、朗報
と言えるでしょう。特にインド
変異株の重症化に対して、今ま
で、なすすべがないという状態
でしたが、この薬剤を使えば、
感染抑制と重症化治療の両方で
すぐに臨床で成果を挙げられる
予感がします。抗ガン剤として
臨床研究が進んでおり、安全性
に関するデータも蓄積されてい
るので、安心して使えるという
感じがします。

 緊急事態宣言の状態が常態化
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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