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2022-05-14 21:59:57

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診療マル秘裏話  号外Vol.2165 令和3年7月12日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)第5のガン治療として期待されるBNCT開発経緯
2)武漢熱後遺症実態調査に関する中間報告を公表

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 第5のガン治療として期待されるBNCT開発経緯

 
 
 
 
 
 
 2025年の大阪・関西万博を前
に、世界に先駆けた新しい技術
が関西から次々と登場していま
す。2020年5月に始まった「BN
CT(ホウ素中性子捕捉療法)」
と呼ばれる、新しいガン治療も
その一つです。「第5のガン治
療」として期待されるBNCTの実
用化に貢献した、大阪府立大学
BNCT研究センター教授の切畑光
統さんとステラファーマ会長の
浅野智之さんに、開発の経緯を
聞きました。

 現在医療現場で行われている
ガン治療には、手術(外科治療)
・抗ガン剤などの薬物療法・放
射線治療・免疫療法の4つの方
法があります。どの方法を選択
するかは、ガンの種類や進行度、
患者さんの状態などを考慮して
決められますが、医療現場では
常に、より効果的で患者への負
担の少ないガン治療法が求めら
れています。

 そんな中、ガン治療の選択肢
を広げる「第5のガン治療」と
して注目されているのがBNCTで
す。BNCTはホウ素薬剤を投与し
中性子を照射することでガンを
治療します。体を傷つけること
なく、基本的に「1回(1日)」
で治療でき、他のガン治療法と
比べて患者さんへの負担が少な
いとされています。この特長は、
BNCTのメカニズムによるもので
す。

 BNCTとは、”Boron Neutron
Capture Therapy (ホウ素中性
子捕捉療法)”の略称です。そ
の名前が示す通り、BNCTでは、
ホウ素と中性子の2の粒子が「
主役」です。BNCTの治療では、
まず、ガン患者さんに、ホウ素
の同位体(ボロン10)の化合物
からなるホウ素医薬品を投与し
ます。この化合物はガン細胞に
選択的に取り込まれる性質を持
っています。その後、患部に弱
い中性子線を照射すると、ガン
細胞内のボロン10にぶつかり核
分裂を起こし、放射線(アルフ
ァ粒子とリチウム核)を発生し
ます。この放射線が、ガン細胞
内のDNA やミトコンドリアを破
壊し、ガン細胞を「死滅」させ
ます。細胞の大きさは約20マイ
クロメートルとすると、発生す
る放射線は10マイクロメートル
程度しか飛ばないため、ガン細
胞をピンポイントで破壊するこ
とができるわけです。

 「ガン組織の中では、ガン細
胞だけが塊になっているのでは
なく、ガン細胞と正常な細胞
が入り乱れて存在しています。
BNCTは、『ガン細胞選択的治療』
と呼ばれるとおり、ガン細胞を
死滅させ、正常な細胞への影響
を最小限にできます」と切畑さ
んはBNCTの特長を説明していま
す。BNCTで使うホウ素医薬品の
開発は切畑さんと浅野さんの出
会いから始まりました。

 大阪府を拠点とする化学メー
カー、ステラケミファは、1990
年代の終わり頃、独自のボロン
10濃縮技術を開発し、原子力発
電用の中性子吸収剤として販売
を開始しました。さらにボロン
10の利用先を開拓すべく、その
任務を任されたのが、当時、同
社の研究所にいた浅野さんです。

 「ボロン10の濃縮工場は(大
阪府)泉大津市にあるのですが、
すぐ近くの熊取市に京大の原子
炉実験所があったので、そこで
ボロン10を使ってもらえるかも
しれないと思って行ってみたん
です」浅野さんは、そこで、ボ
ロン10がBNCTの研究に使われて
いることを知りました。「BNCT
のホウ素薬は、うちの会社のす
ぐ近くにある、大阪府立大学の
切畑先生という人が開発してい
ると知り、すぐに切畑先生の研
究室に飛んでいきました。」

 浅野さんの突然の訪問に、切
畑さんはとても驚いたという。
大学のすぐ近くに入手が難しい
ボロン10の濃縮工場があること
など、夢にも思っていなかった
からです。切畑さんはそれまで、
アメリカの企業からボロン10を
輸入していましたが、納期は遅
く、高価なため、研究を進める
のに苦労していました。

 「浅野さんに『ボロン10をど
れくらい作っているのですか』
と聞くと、『トン単位の生産プ
ラントを持っています』と言う
のでさらに驚きました。それま
では数十グラムずつ輸入してい
ましたから」と切畑さん。「切
畑先生に『10グラムほど分けて
もらえますか』と言われたので
すが、『多いかもしれませんが
1キログラム持ってきます』っ
て答えました」と浅野さんは当
時のことを振り返ります。

 その約半年後にはBNCT開発を
目指す産学連携組織も発足し、
浅野さんは、BNCTホウ素医薬の
開発に着手します。そして、BN
CTが徐々に認知され、ホウ素医
薬品開発の道筋も見え始めた頃、
京都大学と研究開発を進めてい
た住友重機械工業が、病院併設
型の中性子発生装置開発に本格
的に取り組み始めたことを知り
ます。サイクロトロン型の小型
加速器で、これが完成すれば一
般の病院にもBNCTを導入するこ
とができます。

 浅野さんは「あれは私たちに
とっても大きな『ブレークスル
ー』でした」と言う。そこで、
BNCTホウ素医薬品開発に注力す
るために、親会社のステラケミ
ファから独立したのが、ステラ
ファーマです。

 このようにしてBNCTホウ素医
薬品の開発は始まりましたが、
当時は、BNCTはおろか、ガン治
療にホウ素を使った医薬品の先
例がない状況でした。厚生労働
省や、その下で医薬品や医療機
器の承認審査を担当する「医薬
品医療機器総合機構(PMDA)」
と議論を重ねながら、「一から
すべて」検証していく必要があ
ったということです。「例えば
抗ガン剤の開発なら、過去に大
手製薬会社がやったことを参考
にできますが、BNCTの場合はま
ったく先例がありませんでした
から、治験は徹底的にやる必要
がありました」と浅野さんは当
時の苦労を振り返ります。

 一般に、ひとつの抗ガン剤を
開発するには、数百億円から10
00億円かかるといわれています。
先例のないBNCTホウ素医薬品開
発は、さらにコストがかさむ恐
れもありました。初めて製薬に
参入する、従業員数十人の中小
企業にとって、とてつもなくリ
スクの大きい事業です。開発を
いつ断念しても不思議ではない
状況の中、さまざまな施策にも
助けられ、通常12カ月かかる承
認審査を6カ月で通過すること
ができました。

 もうひとつ、開発を続ける中
で大きな支えになったのは、親
会社であるステラケミファの当
時の会長、深田純子さんが背中
を押してくれたことです。「世
のため人のためにやれば、結局
それが会社の利益につながる」
という深田さんの考えは開発の
支えとなり、「ガンで苦しむ人
を救いたい。人のため、社会の
ために開発する」という気持ち
がより一層強くなったと2人は
言っています。

 このように、産学官の協力者
からさまざまな後押しを受けな
がら、切畑さんと浅野さんは、
BNCTの実現という大きな目標に
向かって着実に開発を進めてい
きました。そして、ついに2020
年3月、BNCTホウ素医薬品は、
サイクロン型加速器とともに、
頭頸部(とうけいぶ:顔や口、
鼻、喉などの部位)ガンを対象
とした薬事承認を取得、同年6
月には健康保険も適用され、福
島県の南東北BNCT研究センター
と、大阪府高槻市にある大阪医
科薬科大学関西BNCT共同医療セ
ンターの2カ所で、一般の患者
さんへのBNCT治療が始まりまし
た。両センターには全国から照
会があり、治療数も着実に増え
ています。

 「次は、治療対象を脳腫瘍な
どにも広げるとともに、BNCTが
受けられる医療機関も増やして
いきたいですね」と、浅野さん
はBNCTのさらなる拡大に注力す
る。切畑さんは「今はまだ1種
類の薬しかありませんが、将来
は、個人個人の特性に応じたホ
ウ素薬剤を作る『テーラーメイ
ド医療』を実現したい」と、さ
らに先を目指した研究を進めて
います。

 「治療ができずにあきらめて
いた人に希望を与え、一人でも
多くの人を救いたい。BNCTを、
ガンと闘う人々にとって新しい
光にしたい」。その強い思いを
胸に、切畑さんと浅野さんの挑
戦はこれからも続きます。

 BNCTの基礎知識について解

説している動画です。

 
 


 
 
 北朝鮮の圧政改革に挑戦する。


 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱後遺症実態調査に関する中間報告を公表

 
 
 
 
 
 厚生労働省は、新型コロナウ
イルス感染症で生じる後遺症実
態調査に関する中間報告を公表
しました。呼吸器と精神状態に
ついて実施し、一部では症状が
長引き、生活の質(QOL)な
どに影響を与えていることが判
明しました。いずれも診断・退
院から3~6カ月の症例が対象
であることから、同省は継続調
査を行い、後遺症に関してより
詳細な実態解明・解析を進めて
いく方針です。

 同省の支援の下、肺を中心と
した呼吸器については高知大学
の横山彰仁教授(日本呼吸器学
会理事長)らが、精神面に関し
ては慶応義塾大学の福永興壱教
授らがそれぞれ担当しました。

 肺をはじめとした呼吸器の場
合、中等症以上で退院から3カ
月以上を経過した512例を対
象に解析しました。退院3カ月
後のコンピューター断層撮影(
CT)を分析すると、すりガラ
ス影など何らかの変化が生じて
いた割合が54%と過半を超え
ました。また、重症度が高いほ
ど肺機能の低下が長引くことも
分かりました。

 自覚症状でみると、発症初期
と3カ月後で傾向が異なること
も浮かび上がりました。とりわ
け「筋力低下」「息苦しさ」の
2つの症状で、重症度に明確に
依存していることも明らかにな
りました。

 精神状態に関する後遺症では、
昨年1月から今年2月にかけて
入院した522例を対象に解析
を加えました。その結果、「疲
労感」「倦怠感」「息苦しさ」
「筋力低下」「睡眠障害」「思
考力・集中力低下」「脱毛」に
ついては、退院時に認めた患者
さんの3割以上で、診断6カ月
後も続いていることが判明しま
した。そうした症状が一つでも
存在すると、QOLが低下し、
不安や抑うつを示す傾向が強ま
っているとも述べています。さ
らに睡眠障害の自覚傾向も高い
という結果が出ました。

 半面、症状の有無にかかわら
ず、診断6カ月後に行ったアン
ケート結果からは約8割で罹患
前の健康状態に戻ったと自覚し
ていることも分かりました。そ
のため、今後、どのような症状
がQOL低下や精神状態に影響
を与えるかに関して検討してい
きたいとしています。

 武漢熱後遺症について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 痔核を自覚した。    笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 「第5のガン治療」として期
待されるBNCTの実用化に貢献し
た、大阪府立大学BNCT研究セン
ター教授の切畑光統さんとステ
ラファーマ会長の浅野智之さん
は、素晴らしい業績を残された
と思います。艱難辛苦の道が、
あったことと推察致します。こ
のBNCTという治療を頭頚部ガン
だけではなく、たくさんのガン
種に適応されることを期待した
いと思います。頭頚部ガンに、
適応が限られているのは、患者
さんが眼でみて、成果が分かる
という理由ではないかと推察し
ています。日本全国津々浦々に
BNCTができる施設が建設される
ことを期待したいと思います。
 厚生労働省が、新型コロナウ
イルス感染症で生じる後遺症実
態調査に関する中間報告を公表
しました。呼吸器と精神状態に
ついて実施し、一部では症状が
長引き、生活の質(QOL)な
どに影響を与えていることが判
明したのは、由々しきことだと
思います。精神状態については、
副腎疲労が関与しているものと
推察致します。武漢熱に感染す
るだけで大きなストレスになっ
ているのは、間違いないと思い
ます。ストレスに対して強くな
る方策(副腎疲労の治療)がな
されなければ、こうした後遺症
がかなり長く続くのではないか
と思います。実態調査で判明し
たのは、氷山の一角と私は考え
ています。

 十体の動物の生息実態を調査
する。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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