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診療マル秘裏話  号外Vol.1946 令和2年10月30日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍組織検査に,リキッドバイオプシーが勝る事を証明
2)2020年ノーベル化学賞は,ゲノム編集のクリスパー・キャス9

 
 
 
 
 
 
 
 
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から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 腫瘍組織検査に,リキッドバイオプシーが勝る事を証明

 
 
 
 
 
 国立ガン研究センターは10月
6日、消化器ガンにおいて、患
者さんの血液を用いてガンのゲ
ノム異常を検出する検査(リキ
ッドバイオプシー)を治験のス
クリーニングに取り入れた結果、
従来の腫瘍組織検査に比べてよ
り迅速に検査結果が返却され、
より多くの患者さんが治験に登
録されたことを世界で初めて示
したと発表しました。この研究
は、同センター東病院消化管内
科長の吉野孝之氏、同院トラン
スレーショナルリサーチ支援室・
消化管内科医員の中村能章氏ら
がGI-SCREEN-JapanおよびGOZIL
A Study を通じて行ったもので
す。研究成果は、「Nature Med
icine 」オンライン版に掲載さ
れています。

 ガンゲノム医療の実現のため、
ガンのゲノム異常に基づいて治
療薬の効果を検証する治験が世
界中で行われています。これら
の治験では、患者さんのガンゲ
ノム異常を同定するため、腫瘍
組織の解析が従来用いられてき
ました。しかし、必ずしも腫瘍
組織が採取できない患者さんが
いることや、腫瘍組織の解析に
時間を要することなどが、これ
らの治験促進の大きな障壁とな
っていました。

 一方、近年、リキッドバイオ
プシーの技術が目覚ましい進歩
を遂げています。リキッドバイ
オプシーは腫瘍組織を採取でき
ない患者さんでも、ゲノム異常
を解析することができ、検査結
果の返却も早いことから、従来
の腫瘍組織検査がもつ課題を克
服する可能性が示唆されてきま
した。しかし、消化器ガンにお
いて治験のスクリーニング検査
として、腫瘍組織検査とリキッ
ドバイオプシーの有用性を大規
模に比較した研究はこれまであ
りませんでした。そこで今回、
同院で、産学連携全国ガンゲノ
ムスクリーニング事業「SCRUM-
Japan(スクラム・ジャパン)」
の基盤を活用した、世界に類を
見ない大規模な比較研究が実施
されました。

 同センターでは、SCRUM-Japa
nを立ち上げ、2014年2月より「
GI-SCREEN-Japan(現:MONSTAR
-SCREEN )」に取り組んできま
した。GI-SCREEN-Japan は、国
内の主要なガン専門病院や大学
病院と協働して、進行消化器ガ
ン患者さんの腫瘍組織を遺伝子
パネル検査(Oncomine Compreh
ensive Assay)で解析し、治療
薬を届ける全国ガンゲノムスク
リーニングプロジェクトです。
さらに2018年1月より、GI-SCR
EEN-Japan の基盤を活用し、進
行消化器ガン患者さんの血液を
リキッドバイオプシー(Guarda
nt360(R)、Guardant AMEA Inc.)
で解析するスクリーニングプロ
ジェクト「GOZILA Study」を、
米国Guardant Health 社との共
同研究として開始しました。

 今回の研究では、2015年2月
から2019年4月まで(4年2か月)
にGI-SCREEN-Japan (腫瘍組織
検査)に登録された5,743 例と、
2018年1月から2019年8月まで(
1年7か月)にGOZILA Study(リ
キッドバイオプシー)に登録さ
れた1,787 例を比較しました。

 比較結果(GI-SCREEN-Japan
vs. GOZILA Study)は、以下の
通り。
プロジェクト登録後~検体到着
までの期間(中央値:14日 vs.
4日、P<0.0001)
検体到着後から解析結果が患者
さんに返却されるまでの期間(
中央値:19日 vs. 7日、P<0.00
01)
治療標的となるゲノム異常が同
定された患者さんの割合(54%
vs. 57%)
ゲノム異常に適合した薬剤の治
験に登録された患者の割合(4.
1% vs. 9.5%、P<0.0001)
治験治療で腫瘍が縮小した患者
さんの割合(16.7% vs. 20.0%、
P=0.69)
治験治療で病気が悪くなるまで
の期間(中央値:2.8か月 vs.
2.4か月、P=0.70)

 また、GOZILA Studyのリキッ
ドバイオプシーで同定されたゲ
ノム異常のプロファイリングの
結果、有用なバイオマーカーや
治療標的として将来的な臨床開
発につながる可能性のある新た
なドライバー遺伝子異常(食道
扁平上皮ガンのNFE2L2変異や膵
ガンのGNAS変異、胆道ガンのCT
NNB1変異など)が複数見出され
ました。

 今回の研究成果により、リキ
ッドバイオプシーがスクリーニ
ング検査としてより多くの治験
に活用されることで、より多く
の患者さんに最善の医療を提供
できることが期待されます。ま
た、新たなドライバー遺伝子異
常の発見により、これまで着手
されていなかったドライバー遺
伝子異常に対する治療開発が活
発化する可能性があります。GO
ZILA Studyでは、既にリキッド
バイオプシーの結果に基づく医
師主導治験が複数実施されてい
ます。今後も国立ガン研究セン
ター東病院は、1人でも多くの
患者さんが最善の治療を受けら
れるよう、リキッドバイオプシ
ーによるガンゲノム医療の実現
を目指していくとしています。

大腸ガンのリキッドバイオプシ

ーについて解説している動画で

す。

 
 


 
 
 
 最善の医療の最前線。  笑

 
 
 
 
 
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2】 2020年ノーベル化学賞は,ゲノム編集のクリスパー・キャス9

 
 
 
 
 
 スウェーデン王立科学アカデ
ミーは10月7日、2020年のノー
ベル化学賞を、全遺伝情報(ゲ
ノム)を効率良く改変できる「
ゲノム編集」で画期的な技術を
生み出したドイツ・マックスプ
ランク研究所のエマニュエル・
シャルパンティエ教授(51)=
フランス国籍=と米カリフォル
ニア大バークリー校のジェニフ
ァー・ダウドナ教授(56)=米
国籍=に授与すると発表しまし
た。
 2人が開発し2012年に発表し
た技術は「クリスパー・キャス
9」と呼ばれ、DNAの塩基配
列を狙った部分で切断し、挿入、
置換できます。遺伝子の操作を
従来の技術より高い精度で簡単
にできるため急速に普及しまし
た。ガンなどの遺伝子治療や創
薬、農作物の品種改良に応用が
進んでいます。
 ただ、人の受精卵を改変する
試みも行われるようになり、将
来は生まれつきの難病を防げる
と期待される一方、親が子の容
姿を好みに変える事態などが懸
念されます。2018年には中国の
賀建奎・南方科技大副教授(当
時)がエイズウイルス(HIV)
に感染しないよう受精卵を操作
し、双子を誕生させたと公表し
ました。安全性や有効性が確立
しない段階で実施したとして国
際的に激しく非難されました。

ゲノム編集、クリスパーキャス

9について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 
 有効性が確立する確率は低い。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 国立ガン研究センターが10月
6日、消化器ガンにおいて、患
者さんの血液を用いてガンのゲ
ノム異常を検出する検査(リキ
ッドバイオプシー)を治験のス
クリーニングに取り入れた結果、
従来の腫瘍組織検査に比べてよ
り迅速に検査結果が返却され、
より多くの患者さんが治験に登
録されたことを世界で初めて示
したと発表したのは非常に意義
深い業績だと思います。色々と
リキッドバイオプシーの利点が
示されていますが、一番は患者
さんの侵襲が少ないということ
です。患者さんの侵襲が少ない
上に、迅速に検査結果が返却さ
れ、より多くの患者さんが治験
に登録されたということから、
生検からリキッドバイオプシー
の時代に変遷したことを思い知
らされました。
 スウェーデン王立科学アカデ
ミーが10月7日、2020年のノー
ベル化学賞を、全遺伝情報(ゲ
ノム)を効率良く改変できる「
ゲノム編集」で画期的な技術を
生み出したドイツ・マックスプ
ランク研究所のエマニュエル・
シャルパンティエ教授(51)=
フランス国籍=と米カリフォル
ニア大バークリー校のジェニフ
ァー・ダウドナ教授(56)=米
国籍=に授与すると発表したの
は、本当に素晴らしいことです。
今年のノーベル医学生理学賞は、
C 型肝炎と過去の業績を称えた
ものですが、ノーベル化学賞は、
これからいろんな分野で応用が
模索される、未来の予想される
業績に対して与えられた点が、
評価できると私は考えています。

 氷菓の味を評価する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.1945 令和2年10月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)AMLで,KRAS遺伝子変異を持つ症例は、予後不良
2)酸性環境にガン細胞が自ら最適化する現象解明

 
 
 
 
 
 
 
 
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 AMLで,KRAS遺伝子変異を持つ症例は、予後不良

 
 
 
 
 
 京都大学は10月2日、MLL(KM
T2A )再構成の急性骨髄性白血
病(AML )において、KRAS遺伝
子変異を持つ症例は予後不良で
あることを明らかにしたと発表
しました。これは、同大大学院
医学研究科の松尾英将助教、吉
田健一助教(研究当時、現:We
llcome Sanger Institute 研究
員)、小川誠司教授、足立壯一
教授らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「Blood
Advances」に掲載されています。

 AMLは,白血病細胞にみられる
染色体異常の種類等に応じてリ
スク分類され、リスクに応じた
治療が行われます。例えば、造
血幹細胞移植などの強力な治療
は感染症や晩期合併症といった
リスクも大きいため、全てのAM
L 患者さんに行うことは好まし
くなく、高リスクと考えられる
患者さんに限定して行われます。
しかし、低〜中間リスクとされ
た患者さんでも再発・死亡例が
相当数みられるなど、現在のリ
スク分類は決して満足できるも
のではありません。このことか
ら、患者さんの予後をより正確
に予測できる新しいマーカーの
同定が必要とされています。特
に乳児から小児で頻度が高い病
型であるMLL(KMT2A)再構成の
AML では、MLL 再構成のパター
ンによって予後が異なることは
知られていますが、共存する遺
伝子変異の予後への影響はほと
んど分かっていません。

 研究グループはまず、JCCG(
日本小児ガン研究グループ)に
よる臨床試験(AML-05)に登録
された56例の小児MLL再構成AML
症例の検体を用いて、次世代シ
ークエンサーを用いた網羅的遺
伝子解析を行いました。さらに、
104例の海外の小児AML患者さん
のデータセットを統合して解析
することで、MLL 再構成パター
ンごとの遺伝子変異の分布を明
らかにしました。

 次に、小児MLL再構成AMLにお
いて検出された各遺伝子変異の
予後への影響を調べた所、KRAS
遺伝子の変異が予後不良に関与
していることが判明しました。
さらに、ドイツのグループとの
共同研究により、81例の成人ML
L再構成AMLについても解析した
所、KRAS遺伝子変異を有する群
は予後不良だったことが明らか
になりました。一方、581例のM
LL再構成症例以外のAML 症例に
ついても解析を行いましたが、
KRAS遺伝子変異の予後との関連
はみられませんでした。

 最後に、高リスク(予後不良)
とされているMLL 再構成パター
ン(MLL-MLLT10、MLL-MLLT4、M
LL-MLLT1)を持つ症例と、それ
以外のMLL 再構成パターンを持
つ症例に分けて、KRAS遺伝子変
異の頻度と予後への影響を調べ
ました。その結果、KRAS遺伝子
変異は高リスクのMLL 再構成パ
ターンを持つ症例において約43
%と頻度が高く、それ以外の症
例では16%と頻度が低いこと、
さらにいずれの患者群において
もKRAS遺伝子変異が予後不良と
関連していることが明らかにな
りました。

 特定のMLL再構成パターン(M
LL-MLLT10、MLL-MLLT4、MLL-ML
LT1 )を持つ患者さんが高リス
クである理由の少なくとも一部
は、高頻度のKRAS遺伝子変異に
より説明される可能性があるこ
と、MLL 再構成パターンに基づ
くリスク分類にかかわらず、KR
AS遺伝子変異は予後不良に関与
することが示されました。

 MLL再構成AMLと診断された際
に、白血病細胞にKRAS遺伝子変
異がみられるか調べることで、
より正確なリスク分類が可能に
なり、リスクに応じた適切な治
療の選択につながる可能性が考
えられます。「今後は、さらに
多数の検体を用いてKRAS遺伝子
変異の予後因子としての意義を
より詳細に明らかにすること、
また今回予後不良であることが
判明した、KRAS遺伝子を伴うML
L再構成AMLに対する新規治療法
の開発を行うことを予定してい
る」と、研究グループは述べて
います。

急性骨髄性白血病について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 藩命を受けた義士が首謀者と
判明した。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 酸性環境にガン細胞が自ら最適化する現象解明

 
 
 
 
 
 大阪大学は2020年9月12日、
ガン組織内の酸性環境にガン細
胞が自らを最適化する現象「ac
id addiction(酸中毒)」を発
見し、その適応機構を解明した
と発表しました。同大学微生物
病研究所 教授の三木 裕明氏ら
の研究グループによる成果です。

 研究チームは、悪性ヒトガン
細胞で高発現するPRL 分子によ
り、細胞の増殖しやすい環境pH
が通常の7.4 前後からガン組織
でみられるpH6.5 前後(酸性側)
にシフトすることを発見しまし
た。ガン組織内の酸性環境では
増殖できますが、通常細胞にと
って最適なpH7.4 前後ではほと
んど増殖できなくなる現象を見
出し、これをacid addictionと
名付けました。

また、関連遺伝子の網羅的な
スクリーニングにより、酸性環
境下への適応機構を明らかにし
ました。具体的には、PRL の働
きにより、リソソームが細胞辺
縁部に移動して細胞膜と融合し、
リソソーム内にある高濃度のプ
ロトンを細胞外へと放出する現
象「lysosomal exocytosis」が
生じます。これによりガン細胞
は、酸性環境下でも細胞内のプ
ロトンを一定レベルに保ち、盛
んに増殖できます。

 従来の研究で、ガン組織内の
酸性化は明らかにされています
が、ガン細胞が酸性環境下で増
殖し続けられる仕組みは不明で
した。今回の研究により、酸性
環境への適応機構が明らかにな
ったことで、これをターゲット
とした新たなガン治療法開発へ
の応用が期待できるとしていま
す。

ガンの増殖の仕組みについて

解説している漫画動画です。

 
 


 
 
 
 酸性環境をアルカリ性環境に
変えることで、エネルギー産生
を増大させる。      笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 京都大学が10月2日、MLL(KM
T2A )再構成の急性骨髄性白血
病(AML )において、KRAS遺伝
子変異を持つ症例は予後不良で
あることを明らかにしたと発表
したのは、素晴らしい業績です。
今後は、さらに多数の検体を用
いてKRAS遺伝子変異の予後因子
としての意義をより詳細に明ら
かにすること、また今回予後不
良であることが判明した、KRAS
遺伝子を伴うMLL再構成AMLに対
する新規治療法の開発を行うこ
とにぜひ邁進して頂きたいと思
います。
 大阪大学が2020年9月12日、
ガン組織内の酸性環境にガン細
胞が自らを最適化する現象「ac
id addiction(酸中毒)」を発
見し、その適応機構を解明した
と発表したのは素晴らしい業績
です。今回の研究により、酸性
環境への適応機構が明らかにな
ったことで、これをターゲット
とした新たなガン治療法開発へ
の応用を推進して頂きたいと思
います。昔から分かっているの
は、MCT (モノカルボン酸トラ
ンスポーターを介した、乳酸の
細胞外排出やV-ATPaseを介した
プロトンの細胞外排出です。

 適応機構について専門家に、
聞こう。         笑

 
 
 
 
 
 
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2021-08-29 21:20:12

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診療マル秘裏話  号外Vol.1944 令和2年10月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)白血病阻止因子が,ガン細胞増殖や細胞死に重要
2)次世代ドラッグデリバリーシステムで抗ガン剤の開発推進

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 白血病阻止因子が,ガン細胞増殖や細胞死に重要

 
 
 
 
 
 慶應義塾大学は10月2日、食
道扁平上皮ガン細胞が分泌する
IL-6ファミリーサイトカインの
一員である白血病阻止因子「LI
F」(leukemia inhibitory fac
tor )が、ガン細胞自身の細胞
増殖や細胞死に重要であること
をヒト食道扁平上皮ガン由来培
養細胞とマウス実験で明らかに
したと発表しました。 これは、
同大医学部微生物学・免疫学教
室の谷口浩二准教授、川副徹郎
訪問研究員らの研究グループと、
九州大学大学院消化器総合外科
の森正樹教授、群馬大学大学院
医学系研究科総合外科学講座の
佐伯浩司教授らとの共同研究に
よるものです。研究成果は、「
Molecular Cancer Research 」
(オンライン版)に掲載されて
います。

 食道ガンは、食道の粘膜から
発生する男性に多い悪性腫瘍で
す。日本では、食道ガンの90%
は食道扁平上皮ガンであり、そ
の発生には喫煙と飲酒が大きく
関係していることが知られてい
ます。早期発見例では、内視鏡
で切除することが可能です。一
方で進行ガンには手術、化学療
法などを含む集学的治療が行わ
れますが、これは進行ガンに対
して満足できる治療成績ではな
く、新規治療方法の開発が強く
望まれています。

 研究グループは初めに、ヒト
食道扁平上皮ガン細胞株におい
て、ガン細胞自身がLIF を発現
していることを発見しました。
LIF 発現の重要性を検討するた
めに、ヒト食道扁平上皮ガン細
胞株においてLIF の発現を抑制
した所、細胞増殖の抑制と細胞
死の亢進、細胞浸潤の抑制、ガ
ン幹細胞性の抑制が認められま
した。また、LIF の発現を抑制
したヒト食道扁平上皮ガン細胞
株を免疫不全マウスへ移植する
と、マウス内での腫瘍増殖が有
意に抑制されました。

次に、ヒト食道扁平上皮ガン
細胞株において、LIF がどのよ
うなシグナル伝達経路を活性化
しているかを検討しました。そ
の結果、これまで知られている
JAK-STAT3 経路に加えて、SFK-
YAP 経路を活性化していること
が明らかになりました。 また、
ヒト食道扁平上皮ガンの組織切
片においても、YAP 活性化とSF
K活性化、YAP活性化とLIF 発現
の関連が明らかになりました。
以上の結果は、食道扁平上皮ガ
ンにおけるYAP の活性化がガン
遺伝子であるSFK を介している
可能性を示唆しています。

 さらに研究グループは、上記
両経路を抑制するために、SFK
阻害剤とJAK 阻害剤を同時投与
した所、ガン細胞の増殖をほぼ
100%抑制できることを確認しま
した。以上の結果から、食道扁
平上皮ガン細胞自身が分泌する
LIF は、JAK-STAT3 経路に加え
て、SFK-YAP 経路を活性化する
ことでガンの進展を促進してい
ることが明らかになり、LIF-SF
K-YAP 経路が食道扁平上皮ガン
における新規治療標的となる可
能性が示されました。

 今回の研究で食道扁平上皮ガ
ンに対し高い抑制効果を示した
SFK 阻害剤とJAK 阻害剤は、す
でにヒトにおいて他疾患に使用
されている薬剤です。「今後の
研究により、SFK 阻害剤とJAK
阻害剤が食道ガンの治療にも応
用されることが期待されます。
さらに、LIF は他のガン種にお
いても発現が報告されており、
他のガン種においても今回の研
究結果を応用できる可能性があ
る」と、研究グループは述べて
います。

ガンの病気の成立に関わる因子

について解説している動画です。

 
 


 
 
 蛋白質の発現について発言す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 次世代ドラッグデリバリーシステムで抗ガン剤の開発推進

 
 
 
 
 
 東京電機大学の長原礼宗教授
らは、Passportが開発
する次世代ドラッグデリバリー
システム(DDS)技術「Pa
ssportSystem(パ
スポートシステム)」を用いて
抗ガン剤の開発を推進します。
日本医療研究開発機構(AME
D)の「橋渡し研究戦略的プロ
グラム 異分野融合型研究シー
ズ課題」に採択されました。パ
スポートシステムはデバイスを
用いて患部に容易な経皮投与を
可能にします。人体の免疫系を
制御する能力がある分子性化合
物のリダイフェンを組み合わせ
て簡便な化学療法の実現を目指
します。

 今回、橋渡し研究戦略的推進
プログラムの研究支援拠点であ
る東北大学病院臨床研究推進セ
ンター(CRIETO)の研究
テーマとして採択されました。
リダイフェンを共同で創出した
東京理科大学の椎名勇教授ら、
パスポートシステムの研究開発、
事業化を担当するPassPo
rt Technologie
s(PPTI、米カリフォルニ
ア州)とともに研究に取り組み
ます。

 パスポートシステムは、皮膚
表面に微細な孔を開けるマイク
ロポレーション技術と、微細な
孔を介した薬物の吸収を制御す
るパッチ組成技術を組み合わせ
ています。従来、注射剤、点滴
などに限定されていた薬剤を皮
膚から確実に吸収させることが
できます。ペプチド、核酸とい
った中分子医薬品、蛋白質のよ
うな高分子のバイオ医薬品にも
適用が可能です。

 一方、リダイフェンは免疫系
を制御する能力があり、生体内
の足場蛋白質の機能を活性化す
る新たなメカニズムによってさ
まざまな生物活性を発現させま
す。両者の組み合わせによって、
抗ガン剤のみならず抗ウイルス
感染症剤、抗菌剤などの開発が
期待できます。

 長原教授は「これまでに得て
いる化学や生物分野といった基
礎的な知見に工学技術を融合さ
せ、新たな医薬品、医療機器の
開発につなげていきたい」とコ
メントしました。

ナノカプセルによるドラッグデ

リバリーシステムについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 化学は、科学の一部分。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 慶應義塾大学が10月2日、食
道扁平上皮ガン細胞が分泌する
IL-6ファミリーサイトカインの
一員である白血病阻止因子「LI
F」(leukemia inhibitory fac
tor )が、ガン細胞自身の細胞
増殖や細胞死に重要であること
をヒト食道扁平上皮ガン由来培
養細胞とマウス実験で明らかに
したと発表したのは、素晴らし
い業績です。今後の研究により、
SFK 阻害剤とJAK 阻害剤が食道
ガンの治療に応用されることが
期待されています。これは、ド
ラッグリポジショニングが見事
にハマったケースであると考え
ます。LIF は他のガン種におい
ても発現が報告されており、他
のガン種においても今回の研究
結果を応用できる可能性を追究
して頂きたいものです。
 東京電機大学の長原礼宗教授
らが、Passportが開発
する次世代ドラッグデリバリー
システム(DDS)技術「Pa
ssportSystem(パ
スポートシステム)」を用いて
抗ガン剤の開発を推進するのは、
素晴らしい企画です。パスポー
トシステムは、皮膚表面に微細
な孔を開けるマイクロポレーシ
ョン技術と、微細な孔を介した
薬物の吸収を制御するパッチ組
成技術を組み合わせたものです。
リダイフェンは免疫系を制御す
る能力があり、生体内の足場蛋
白質の機能を活性化する新たな
メカニズムによってさまざまな
生物活性を発現させます。両者
の組み合わせによって、抗ガン
剤のみならず抗ウイルス感染症
剤、抗菌剤などの開発が期待で
きるというのは、魅力的な企画
と言えます。

 機体の回収に期待する。 笑

 
 
 
 
 
 
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発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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2021-08-28 21:50:18

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診療マル秘裏話  号外Vol.1943 令和2年10月26日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)小児胚細胞腫瘍の分子標的治療の対象の遺伝子
2)世界ADCアワードで最優秀ADCプラットフォーム技術賞受賞

 
 
 
 
 
 
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から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 小児胚細胞腫瘍の分子標的治療の対象の遺伝子

 
 
 
 
 
 東京大学医学部附属病院は9
月30日、小児の胚細胞腫瘍51例
のDNA メチル化や遺伝子発現、
コピー数、遺伝子変異などのゲ
ノム、エピゲノムに認められる
異常の全体像を解明し、分子標
的治療の対象となりうる遺伝子
を同定したと発表しました。こ
の研究は、同大医学部附属病院
小児科の久保田泰央医師、滝田
順子准教授(研究当時、現京都
大学大学院 医学研究科 発達小
児科学 教授)ら の研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「Communications Biology」に
掲載されています。

 胚細胞腫瘍は幼児期の小児と
若年成人に発症が多く認められ
る腫瘍性疾患ですが、未だ発症
の原因は明らかではありません。
胚細胞腫瘍には複数のサブタイ
プが存在し、サブタイプによっ
て多少の差はありますが、全体
的な治療成績としては7~8割程
度と悪性腫瘍の中では比較的良
好です。しかし、遠隔転移を伴
う例は、伴わない例と比較する
と治癒率が悪く、既存の治療に
抵抗を示す難治性の症例が存在
することが知られています。ま
た、悪性腫瘍に対して抗ガン剤
や放射線で治療を行った小児の
中には、後年になって晩期障害
を合併することが近年問題とな
ってきています。加えて、胚細
胞腫瘍は性腺に発症することが
多いことから、手術によって性
腺を摘出した場合は性腺機能の
低下やそれに伴う将来的な不妊
症も懸念されます。成人発症の
ものはその大部分が成人男性の
精巣に発症するものであり、成
人例は小児例よりも治癒率が悪
いことが知られています。これ
らの問題を克服するには、予後
の悪い群に対する新規治療や治
療の層別化に用いることのでき
る指標の開発が重要であり、そ
のためには胚細胞腫瘍の分子病
態の解明が必須だと考えられま
す。しかし、小児胚細胞腫瘍に
関しては、DNA のメチル化や遺
伝子の発現などを散発的に行っ
た研究はありますが、統合的な
ゲノム解析に関する研究はこれ
までありませんでした。

 そこで今回、研究グループは、
次世代シーケンサーとマイクロ
アレイを用いてDNA メチル化や
遺伝子発現、遺伝子変異、コピ
ー数などのゲノム、エピゲノム
に見られる異常の全体像を解明
しました。この解析は、小児胚
細胞腫瘍の大規模検体を用いた
統合的ゲノム・エピゲノム解析
としては世界で初めてであり、
腫瘍組織51検体からDNA、RNAを
抽出して、それぞれの解析を行
った結果、主に以下のようなこ
とが明らかとなりました。

(1)胚細胞腫瘍はサブタイプ
ごとに特徴的なDNA メチル化パ
ターンを有しており、このパタ
ーンはそれぞれの分化度に対応
していました。胚細胞腫瘍のサ
ブタイプの一つである卵黄嚢腫
瘍は年少児と年長児で異なるDN
A メチル化パターンを有してお
り、年少児と年長児では異なる
生物学的特徴を有していること
が示唆されました。

(2)DNA メチル化と同様に遺
伝子発現もサブタイプに応じた
パターンを有していましたが、
最も未分化なサブタイプである
ジャーミノーマと分化が進んだ
胎児性ガンは同様の発現パター
ンを有しており、共通の発ガン
メカニズムを有していると考え
られます。

(3)胚細胞腫瘍のサブタイプ
であるジャーミノーマ、奇形種、
卵黄嚢腫瘍はそれぞれ発症部位、
年齢によって異なるコピー数異
常を有しており、これらの異常
によって更に細分化できると考
えられます。

(4)ジャーミノーマはKIT 遺
伝子、胎児性ガンはTNFRSF8 遺
伝子、卵黄嚢腫瘍はERBB4 遺伝
子にそれぞれ特徴的な遺伝子変
異、発現パターンを有しており、
これらの遺伝子は分子標的治療
の対象となり得えます。

 今回、これまで明らかではな
かった小児胚細胞腫瘍それぞれ
のサブタイプのプロファイリン
グを行い、各サブタイプのゲノ
ム、エピゲノム異常の特性を明
らかにしたことは、分子病態の
理解に大きな進展をもたらすの
みならず、今後の治療を行う上
で極めて有用です。加えて、分
子標的治療の対象となる遺伝子
を見出したことは、抗ガン剤や
放射線の減量、抗ガン剤使用に
伴う晩期障害の軽減など、これ
らのサブタイプに対する治療の
最適化を目指す上で非常に重要
だと考えられます。

 なお、成人胚細胞腫瘍のDNA
メチル化に関する公開データを
用いて同様の解析を行った所、
成人胚細胞腫瘍においても同様
の結果が得られたことから、小
児胚細胞腫瘍と成人胚細胞腫瘍
はDNA メチル化においては共通
の生物学的特徴を有すると考え
られます。すなわち、小児のみ
ならず成人の胚細胞腫瘍に対す
る治療成績の向上も期待できま
す。研究グループは今後、今回
の研究によって明らかとなった
治療標的に対する分子標的治療
薬を用い、マウスなどの実験を
通じて有効性を検証し、有効性
が示されたものに対しては臨床
試験での導入を目指していく予
定です。

胚細胞腫瘍について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 工場の製品の品質向上を目指
す。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 世界ADCアワードで最優秀ADCプラットフォーム技術賞受賞

 
 
 
 
 
 抗体薬物複合体(ADC)を
手掛けるオランダのバイオテク
ノロジー企業のシナフィックス
は、第7回世界ADCアワード
で最優秀ADCプラットフォー
ム技術賞を受賞したと発表しま
した。同プラットフォームは、
あらゆる抗体に対して適合性を
持っています。部位特異的なペ
イロード(薬効薬物、特に抗ガ
ン剤)を結合するための結合技
術、疎水性ペイロードを実現す
るスペーサー技術、多くのペイ
ロード・クラスに対応するリン
カー技術で構成されます。同社
は現在、6種類のADCを開発
中で、うち2種が臨床試験段階
にあります。

 スペーサーとは、抗体薬物複
合体(ADC)でVal―Citの C
―末端側に直接薬物を結合させ
ると薬物のかさ高さから酵素の
基質ポケットに入らず、切断で
きなくなります。 したがって、
通常はスペーサーとよばれる部
分が連結されます。スペーサー
は、かさ高い薬物と酵素が認識
する部分の距離を離し、酵素の
基質ポケットに基質が入るため
に必要です。ADC から放出され
た薬物には、スペーサーは原理
的には残ってはいけません。こ
れらの要件を満たすものとして、
p – アミノカーバメート基/ カ
ーボネート基が一般的に使用さ
れます。

ガンと精密医療について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 条件を満たす要件は、洋犬の
飼育法を知っていること。 笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東京大学医学部附属病院が9
月30日、小児の胚細胞腫瘍51例
のDNA メチル化や遺伝子発現、
コピー数、遺伝子変異などのゲ
ノム、エピゲノムに認められる
異常の全体像を解明し、分子標
的治療の対象となりうる遺伝子
を同定したと発表したのは素晴
らしい業績です。今回、これま
で明らかではなかった小児胚細
胞腫瘍それぞれのサブタイプの
プロファイリングを行い、各サ
ブタイプのゲノム、エピゲノム
異常の特性を明らかにしたこと
は、分子病態の理解に大きな進
展をもたらすのみならず、今後
の治療を行う上で極めて有用と
考えられます。加えて、分子標
的治療の対象となる遺伝子を見
出したことは、抗ガン剤や放射
線の減量、抗ガン剤使用に伴う
晩期障害の軽減など、これらの
サブタイプに対する治療の最適
化を目指す上で非常に重要と考
えられます。
 抗体薬物複合体(ADC)を
手掛けるオランダのバイオテク
ノロジー企業のシナフィックス
は、第7回世界ADCアワード
で最優秀ADCプラットフォー
ム技術賞を受賞したと発表した
のは、素晴らしい業績です。こ
のような世界ADCアワードと
いうものが存在していたとは、
ADCも名実ともにメジャーな
治療薬物になったということで
しょう。同社プラットフォーム
は、あらゆる抗体に対して適合
性を持っている技術、部位特異
的なペイロード(薬効薬物、特
に抗ガン剤)を結合するための
結合技術、疎水性ペイロードを
実現するスペーサー技術、多く
のペイロード・クラスに対応す
るリンカー技術で構成されると
言うことですから、他社との差
別化が図られているということ
でしょう。同社は現在、6種類
のADCを開発中で、うち2種
が臨床試験段階ということです
から、後者の2種類については、
その内、上梓されるものと思わ
れます。

 厚生労働省の疾病対策チーム
の構成が明らかになる。  笑

 
 
 
 
 
 
 
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2021-08-27 23:00:21

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診療マル秘裏話  号外Vol.1942 令和2年10月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)胃ガンCP阻害剤薬効低下,RHOA遺伝子変異が原因
2)うつ病血液バイオマーカーの識別性能特定集団で向上

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 胃ガンCP阻害剤薬効低下,RHOA遺伝子変異が原因

 
 
 
 
 
 名古屋大学と国立ガン研究セ
ンターのグループは、胃ガンに
対して免疫チェックポイント(
CP)阻害剤の効果が下がる一
因がRHOA遺伝子の変異であ
ることを突き止めました。免疫
の邪魔をする制御性T細胞の増
加を増やしつつ、ガン細胞を攻
撃できるキラーT細胞を集まり
にくくしていました。効果を改
善する併用療法の開発につなが
りそうです。

 胃ガンに対しては代表的な免
疫CP阻害剤である抗PD-1
抗体「オプジーボ」が承認され
ていますが、効果に個人差があ
ります。検体を解析した結果、
制御性T細胞が多い患者さんほ
ど効きにくいこと、制御性T細
胞の量とRHOA変異の量が連
動していることが分かりました。

 まず、RHOA変異陽性ガン
の産出する脂肪酸が制御性T細
胞に取り込まれ、その増加につ
ながっていました。また、RH
OA変異は「PI3K-AKT
シグナル伝達経路」を活性化し、
キラーT細胞を集めるはずのケ
モカインの生成を下げていまし
た。その結果、ガンへの攻撃能
力が落ちるということです。

 そこで、同経路を阻害するP
I3K阻害剤を併用したところ、
抗PD-1抗体の薬効が向上す
ることが示唆されました。RH
OA変異は胃ガンの生存や増殖
にかかわるドライバー遺伝子変
異として知られていますが、免
疫抑制的な働きをすることは初
めて判明しました。

免疫チェックポイント阻害剤に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 班名が初めて判明する。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 うつ病血液バイオマーカーの識別性能特定集団で向上

 
 
 
 
 
 広島大学は10月1日、従来か
ら知られていたうつ病の血液バ
イオマーカーの識別性能が、特
定の性格を有する集団で飛躍的
に向上することを発見したと発
表しました。この研究は、同大
病院検査部の瀬戸山大樹助教と
康東天教授、同大山脇成人特任
教授および鳥取大学の岩田正明
准教授らの共同研究によるもの
です。研究成果は、「Journal
of Affective Disorders」に掲
載されています。

 うつ病は自殺に至る危険が最
も高い精神疾患であることから、
客観的にモニタリングすること
が可能なバイオマーカーの開発
が急務とされています。研究グ
ループは、これまでに質量分析
による血液メタボローム解析を
駆使することにより、血液中の
いくつかの代謝物がうつ病の判
別や重症度に関連していること
を報告してきました。一方、心
理学的研究から、うつ病の発症
や重症化に個々人の性格が影響
するということが長年示唆され
てきましたが、うつ病に関連す
る血液成分との関連については
ほとんど検証されていませんで
した。

 研究グループはまず、BIG-5
による性格検査により、未服薬
の大うつ病患者100人と健常者1
00人を、神経症傾向が高く外向
性が低い「うつ気質」と呼ばれ
る性格を有する集団、その真逆
の性格傾向の集団、そして、こ
のような性格の偏りが少ない集
団(患者さんと健常者が半数ず
つ含まれる86人)に層別化しま
した。

次に、血液メタボローム解析
で得た代謝物情報に基づく機械
学習モデルを作成し、うつ病か
否かを判別させると、全被験者
を対象とした場合に比べ、「性
格の偏りが少ない集団」に限定
した場合、その識別性能が飛躍
的に向上しました。この集団で
はトリプトファン、セロトニン、
キヌレニンなどのトリプトファ
ン経路の代謝物が判別に大きく
貢献していました。

 「うつ気質」では比較的弱い
ストレスでもうつ病になるリス
クが高いのですが、「うつ気質」
でなくても強いストレス下では
うつ病が引き起こされることが
まれではありません。今回のよ
うな「性格の偏りが少ない集団」
の中のうつ病患者さんはこのタ
イプである可能性があります。

 そこで、ストレスとうつ病と
血中代謝物との因果関係を探る
ために、ストレス誘発性うつ病
モデルとして知られる、社会的
敗北ストレスモデルマウスの血
中代謝物を測定した所、ストレ
ス負荷後に血中トリプトファン
が低下していました。

 今回の研究は、性格がうつ病
血液バイオマーカーの識別性能
と関連することを示した初めて
の報告となりました。うつ病と
言っても、病前性格によってさ
まざまなタイプに分類されます。
現在の抗うつ薬の多くは、トリ
プトファン経路の代謝物である
セロトニンをターゲットにして
いるが、効果の発現に個人差が
あります。

 同研究は、性格の違いにより、
うつ病のバイオタイプが異なる
可能性を示唆しており、今後、
バイオタイプの違いによって、
治療効果発現に違いがあるかの
大規模サンプルを用いた実証研
究が求められます。今後の研究
の発展により、性格検査や採血
により一人ひとりのバイオタイ
プを事前に把握することによる
個別化医療の実現が期待されま
す。

うつ病のバイオマーカーについ

て解説している動画です。

 
 


 
 
 治療効果発現について発言す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 名古屋大学と国立ガン研究セ
ンターのグループが、胃ガンに
対して免疫チェックポイント(
CP)阻害剤の効果が下がる一
因がRHOA遺伝子の変異であ
ることを突き止めたのは素晴ら
しい業績です。RHOA変異陽
性ガンの産出する脂肪酸が制御
性T細胞に取り込まれ、その増
加につながっており、RHOA
変異は「PI3K-AKTシグ
ナル伝達経路」を活性化し、キ
ラーT細胞を集めるはずのケモ
カインの生成を下げていました。
その結果、ガンへの攻撃能力が
落ちるというメカニズムの解明
は鮮やかという他、ありません。
 広島大学が10月1日、従来か
ら知られていたうつ病の血液バ
イオマーカーの識別性能が、特
定の性格を有する集団で飛躍的
に向上することを発見したと発
表したのは素晴らしい業績です。
この研究は、性格の違いにより、
うつ病のバイオタイプが異なる
可能性を示唆しており、今後、
バイオタイプの違いによって、
治療効果発現に違いがあるかの
大規模サンプルを用いた実証研
究が望まれるということです。
今後の研究の発展により、性格
検査や採血により一人ひとりの
バイオタイプを事前に把握する
ことによる個別化医療の実現に
期待したいと思います。

 正確に性格を言い当てる。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2021-08-26 20:11:04

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診療マル秘裏話  号外Vol.1941 令和2年10月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)ガン患者iPS細胞から免疫細胞作製し,ガン治療す
2)内膜症モデルマウスで,卵胞機能及び妊孕性低下解明

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
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1】 ガン患者iPS細胞から免疫細胞作製し,ガン治療す

 
 
 
 
 
 京都大iPS細胞研究所は10月1
日、ガン患者のiPS 細胞から大
量の免疫細胞をつくり、ガンを
治療する研究を、大阪大発ベン
チャー企業「KOTAI (コウタイ)
バイオテクノロジーズ」と始め
ると発表しました。研究期間は
3年間で、その後、実際に患者
さんに使う臨床研究をめざしま
す。

 研究では、患者さんのガン組
織に含まれる、ガンを攻撃する
免疫細胞を採取し、iPS 細胞を
つくります。iPS 細胞は様々な
細胞になるうえ、無限に増やせ
る性質があります。この性質を
いかして大量の免疫細胞に変化
させ、患者さんに戻して、ガン
を退治する方法の確立をめざし
ます。

 免疫細胞は一つの細胞ごとに
攻撃する対象が異なります。ガ
ン組織に含まれる免疫細胞はガ
ンを攻撃しているとみられ、治
療効果の高い免疫細胞を見つけ
やすいとされています。攻撃対
象を認識する仕組みはiPS 細胞
になっても保たれるため、再び
免疫細胞に変化させた後も、ガ
ンを攻撃することが期待できる
ということです。

 対象とするガンの種類は非公
表とされています。京大はiPS
細胞の作製や免疫細胞への変化
を担当し、KOTAI 社は免疫細胞
の解析を担います。

 免疫細胞を使ったガン治療は、
血液のガンに対するスイス・ノ
バルティス社の「キムリア」の
ように、保険適用となっている
ものもあります。

 京大iPS 研は今回の患者さん
自身のiPS 細胞を使う方法とは
別に、備蓄している他人のiPS
細胞を使う治療法の開発も進め
ており、2021年に臨床研究を始
めたい考えです。

この発展形の免疫療法について

解説している動画です。

 
 


 
 
 好評の原因は、非公表だった。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 内膜症モデルマウスで,卵胞機能及び妊孕性低下解明

 
 
 
 
 
 
 名古屋大学は10月1日、新規
に卵巣子宮内膜症モデルマウス
を開発し、鉄を介した酸化スト
レスによる卵胞への機能低下と
妊孕性低下を明らかにしたと発
表しました。この研究は、同大
大学院医学系研究科・産婦人科
学の林祥太郎大学院生、中村智
子講師、梶山広明准教授、同・
生体反応病理学の豊國伸哉教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、科学誌「Redo
x Biology 」電子版に掲載され
ています。

 子宮内膜症は、生殖可能年齢
女性の約10~15%が罹患すると
されています。骨盤内に逆流し
た子宮内膜が生着することで、
炎症、癒着、月経困難の原因と
なります。卵巣では嚢胞性病変
を形成することで、不妊症や一
部の卵巣ガンの発生母地にもな
ると考えられています。

 子宮内膜症の基礎研究におい
ては、若年患者さんの病変を卵
巣も含めて摘出することは倫理
的に認められていません。これ
まで、主な手法として腹膜病変、
深部内膜症のモデルマウスを用
いた報告はありましたが、卵胞
機能を評価できる卵巣に子宮内
膜症病巣を有するモデルマウス
を作製した報告はありませんで
した。そこで、今回研究グルー
プは、新たな手法を用いて卵巣
子宮内膜症モデルマウスを開発
しました。

 今回用いた新しい手法では、
マウスの卵巣嚢を除去し卵巣表
面を露出させたところに、別の
マウスから得た子宮を細切して
移植しています。この方法を行
って4週間後に解剖すると、卵
巣に付着する形で子宮内膜症病
変が形成されていました。また、
病変の間質に過剰鉄の沈着を認
めました。処置から1、2、4週
間後の病変を比較すると、時間
が経つにつれ卵巣周囲の線維化
が増加しました。このような所
見は、ヒトの卵巣子宮内膜症病
変と同様のものです。

 また、同モデルマウスでは、
子宮内膜症のある卵巣において
卵胞の酸化ストレスマーカー(
4-HNE、8-OHdG )のレベルが高
く、卵胞発育に必要なFSH 受容
体の発現低下を認めました。さ
らに、卵巣子宮内膜症モデルマ
ウスでは、妊娠仔数の有意な減
少を認めたということです。

 以上の結果から、卵巣子宮内
膜症の存在が、病変に含まれる
過剰鉄を介して、卵胞への酸化
ストレスの増加とFSH 受容体低
下を来し、妊孕性低下につなが
ることが示されました。

 研究グループは、同モデルを
使用して鉄や酸化ストレスの影
響を阻害するような薬剤によっ
て病態が改善するかを検討中で
す。また、卵巣子宮内膜症モデ
ルマウスを長期観察することに
より卵巣ガンを発症するかどう
かを検討するとしています。

 「今回の成果は、新たな卵巣
子宮内膜症モデルマウスの確立
であり、同モデルマウスが今後
の子宮内膜症に関連した不妊症
の病態解明、治療開発において
有用であると考えられる」と研
究グループは述べています。

スナック菓子特にポテトチップ

スに依存することで子宮内膜症

を発症しているのではと推測し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 不妊症治療のために赴任先を
変える。         笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 京都大iPS細胞研究所が10月1
日、ガン患者のiPS 細胞から大
量の免疫細胞をつくり、ガンを
治療する研究を、大阪大発ベン
チャー企業「KOTAI (コウタイ)
バイオテクノロジーズ」と始め
ると発表したのは、素晴らしい
企画です。攻撃対象を認識する
仕組みはiPS 細胞になっても保
たれるため、再び免疫細胞に変
化させた後も、ガンを攻撃する
ことが期待できるというのは、
便利な機能だと思います。先祖
がえりしても、もともとの性質
を失わないというのは、神秘的
と言えるでしょう。
 名古屋大学が10月1日、新規
に卵巣子宮内膜症モデルマウス
を開発し、鉄を介した酸化スト
レスによる卵胞への機能低下と
妊孕性低下を明らかにしたと発
表したのは素晴らしい業績です。
今回の成果は、新たな卵巣子宮
内膜症モデルマウスの確立であ
り、同モデルマウスが今後の子
宮内膜症に関連した不妊症の病
態解明、治療開発において有用
であることは明らかです。ぜひ
今後の研究で、このモデルマウ
スを使って、子宮内膜症に関連
した不妊症の病態解明と治療の
開発に繋げて頂きたいものです。

 モデルマウスを確立する確率
を計算する。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  Vol.826 令和1年10月9日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)砂糖過剰摂取惹起脂質代謝異常は脂肪蓄積促進
2)見た目は、うおのめによく似た疣のミルメシア

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】)砂糖過剰摂取惹起脂質代謝異常は脂肪蓄積促進

 
 
 
 
 
 名古屋大学は9月12日、砂糖
(ショ糖)の取り過ぎによって
起こる脂質代謝異常(脂肪肝、
高中性脂肪血症)は肝臓の脂質
代謝の概日リズムが乱されるこ
とにより、中性脂肪を蓄積しや
すくなるというメカニズムを明
らかにしたと発表しました。こ
の研究は、同大大学院生命農学
研究科の小田裕昭准教授らの研
究グループによるものです。研
究成果は「J. Biol.Chem. 」に
掲載されています。メタボリッ
クシンドロームはインスリン抵
抗性を基盤とする生活習慣病の
前段階の未病状態であり、生活
習慣の改善により元に戻ること
ができると考えられています。
これまで、メタボリックシンド
ロームの原因は、エネルギーの
過剰摂取や、動物性油脂の過剰
摂取などが主な要因であると考
えられてきましたが、最近にな
って、砂糖(ショ糖)や異性化
糖などの果糖を多く含む糖の取
り過ぎが主要な原因の一つであ
ることが分かってきました。実
際には、食品に元から含まれて
いる糖ではなく、後から添加す
る糖(加糖)の過剰摂取が問題
と考えられています。そのため、
2015年にWHOは、1日の砂糖の摂
取を摂取エネルギーの5%未満、
小さじ6杯分の砂糖(約24g)相
当にするよう指針を出していま
す。研究グループは、時間栄養
学的研究によって摂食時間を日
中の活動時間帯だけに制限する
ことにより、砂糖の過剰摂取に
よる脂質代謝異常(脂肪肝、高
脂血症)が改善されることを既
に報告しています。今回は、ラ
ットを用いて、砂糖の取り過ぎ
による脂質代謝異常のメカニズ
ムを調べました。その結果、肝
臓の脂質代謝は日周リズムを示
しますが、その脂質合成のリズ
ムの振幅が砂糖の取り過ぎによ
り増大し、脂質合成が促進する
ことが原因であると突き止めま
した。また、この作用は、ショ
糖を構成する果糖によることも
明らかにしました。さらに、シ
ョ糖を構成する果糖とブドウ糖
は、わずかな構造上の違いがあ
るだけにも関わらず、代謝にお
よぼす影響が大きく異なり、そ
れに体内時計が関係することも
分かりました。

「今回の研究成果は、生化学系
の教科書にある記載の修正につ
ながり、また、砂糖の取り過ぎ
によるメタボリックシンドロー
ムの予防への手がかりになるも
のと期待される」と、研究グル
ープは述べています。

糖分の取りすぎのサインについ

て解説している動画です。

 
 


 
 
 終生、自分の著書の修正に捧
げる。          笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 見た目は、うおのめによく似た疣のミルメシア

 
 
 
 
 
 いぼの中でも、主に足の裏や
手のひらにできる「ミルメシア」
は、見た目はうおのめによく似
ています。皮膚の奥まで病変が
進行すると強い痛みを生じるこ
ともあります。「痛みにより歩
きづらくなったり、鉛筆が持て
なくなったりします」と大阪医
科大学付属病院(大阪府高槻市)
皮膚科の森脇真一教授は話して
います。いぼの多くは、HPV
(ヒトパピローマウイルス)と
いうウイルスに感染して生じま
す。HPVには、150以上の
種類があり、ミルメシアはその
中のHPV―1(ヒトパピロー
マウイルス1型)により発症し
ます。HPV―1は皮膚に傷な
どがあるとそこから侵入します。
皮膚の最外層である角質層から
その下方にある表皮の層に達し、
角化細胞に感染して増殖します。
すると表皮が正常に形成されず、
分厚くなって盛り上がり、ミル
メシアとなります。

 ミルメシアの大きさは5ミリ
~1センチ程度で、中央は火山
の火口のようにへこんだ形をし
ています。通常は多発せず、1
個のみ出現するのが特徴です。

 森脇教授は「ミルメシアが大
きくなると、神経が通っている
真皮が圧迫されて痛みが生じる
のです」と説明しています。治
療は、マイナス196度の液体
窒素を使う凍結療法により、H
PV―1に感染している角化細
胞を壊死(えし)させて取り除
きます。凍結療法は2週間ごと
に行われ、いぼが小さければ数
回で済みますが、大きいと数カ
月かかることがあります。治療
に合わせて、皮膚の新陳代謝を
促す漢方薬のヨクイニンを服用
します。凍結療法で改善が難し
い場合は手術で摘出します。

 HPV―1は皮膚が健康な状
態なら感染の心配はありません
が、乾燥してがさがさしていた
り、アトピー性皮膚炎や傷など
があって皮膚の正常なバリアー
機能が破壊されていたりすると
感染しやすくなります。

 ミルメシアは、大きくなるま
で痛みはありませんが、小さく
ても違和感はあります。手足に
しこりのようなものを見つけた
ら、早めに皮膚科を受診するの
が望ましいとされています。森
脇教授は「足の裏や手のひらの
清潔を保ち、小さな異常でも手
当てをしましょう。乾燥してい
るようなら、夏でも保湿クリー
ムを塗るなど、スキンケアを心
掛けることがミルメシアの予防
につながります」と話していま
す。

疣について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 
 乾燥した道路を完走する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 名古屋大学が9月12日、砂糖
(ショ糖)の取り過ぎによって
起こる脂質代謝異常(脂肪肝、
高中性脂肪血症)は肝臓の脂質
代謝の概日リズムが乱されるこ
とにより、中性脂肪を蓄積しや
すくなるというメカニズムを明
らかにしたと発表したのは素晴
らしい業績です。これまで、メ
タボリックシンドロームの原因
は、エネルギーの過剰摂取や、
動物性油脂の過剰摂取などが主
な要因であると考えられてきま
したが、最近になって、砂糖(
ショ糖)や異性化糖などの果糖
を多く含む糖の取り過ぎが主要
な原因の一つであることが分か
ってきたことは、学問の進歩が
著しいことを示唆しています。
医学の指摘が正しくなればなる
程、対策は立てやすくなります。
 いぼの中でも、主に足の裏や
手のひらにできる「ミルメシア」
は、見た目はうおのめによく似
ています。皮膚の奥まで病変が
進行すると強い痛みを生じるこ
ともあります。うおのめに似て
いることから、患者さんが間違
えて、うおのめを切除するよう
に、カミソリで切ろうとする事
があります。しかし、厚くなっ
た角質層を削り取ったとしても、
ウイルスで起こる病気なので、
すぐ元に戻ってしまいます。ウ
イルスは、物質と生命の合いの
子のようなものなので、なかな
か液体窒素で皮膚の底まで凍ら
せることは難しいと考えられま
す。気温が高い、春から夏にか
けてウイルスの増殖が盛んにな
るので、治療に難渋する季節と
なるのは言うまでもありません。

 何重にも巻いたロープを解す
のに難渋する。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.1940 令和2年10月23日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)血中安定性と抗腫瘍効果高めたhLF 製剤を開発
2)ピロリ菌が胃炎を引き起こすメカニズムを解明と発表

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 血中安定性と抗腫瘍効果高めたhLF 製剤を開発

 
 
 
 
 
 東京工科大学は9月30日、ヒ
トラクトフェリン(hLF )にヒ
ト血清アルブミン(HSA )を融
合し、血中安定性と抗腫瘍効果
を高めたhLF 製剤を開発したと
発表しました。この研究は、同
大大学院バイオニクス専攻の佐
藤淳教授らの研究グループが、
国立医薬品食品衛生研究所、鳥
取大学農学部との共同研究とし
て行ったものです。研究成果は、
「European Journal of Pharma
ceutical Sciences 」オンライ
ン版に掲載されています。

 hLF は、自然免疫で機能する
蛋白質であり、その作用からバ
イオ医薬品としての応用が期待
されています。例えば、抗腫瘍
効果以外では、急速進行性糸球
体腎炎の主要因と考えられるNe
utrophil extracellular traps
(NETs)や、敗血症の主要因で
あるエンドトキシンと強く結合
することで、その毒性を中和し
ます。同研究グループの最近の
研究で、hLF が脊髄損傷での主
要因であるコンドロイチン硫酸
に結合し、その毒性を中和する
ことを発見しています。hLF は、
これら疾患への分子標的薬とし
ての展開が期待される一方、血
中安定性が低いという課題があ
りました。そこで今回の研究で
は、血中安定性を向上させる方
法として、HSA 融合技術に着目
し、ラットでHSA 融合hLF の血
中安定性と抗腫瘍効果(ガン細
胞の増殖阻害)を検証しました。

 まず、融合の向きを換えた2
種類のHSA融合hLFを遺伝子組換
え技術で作製してラットに投与
し、その血中安定性を検証しま
した。結果、hLF のみと比較し
て、両融合hLF(HSA-hLF、hLF-
HSA )ともに長い半減期を示し、
特にHSA-hLF は顕著な半減期の
延長を示しました。hLF のみ、
HSA のみの場合は、ヒト肺腺が
ん細胞株PC-14 の増殖を阻害し
なかったのですが、両融合hLF
はその増殖を顕著に阻害しまし
た。また、hLFとHSAを融合せず
同時に添加した場合は、その効
果が認められなかったことから、
HSAのhLFへの「融合」が、ガン
細胞増殖阻害活性に重要である
ことが示されました。HSA 融合
hLF のヒトガン細胞株に対する
増殖阻害効果は、正常ヒト肺細
胞株であるWI-38 には認められ
ないことから、ガン選択的であ
ると考えられ、今後抗ガン剤と
しての展開が期待されます。

 HSA融合技術により、hLFの血
中安定性、さらにその抗腫瘍効
果の向上が確認されました。HS
A融合によるhLF活性の増強効果
は、抗腫瘍作用以外でも認めら
れることから、種々の疾患に対
するバイオ医薬品としての実用
化が期待されます。既に、同製
剤を用いて、hLF のバイオ医薬
品開発に特化したベンチャー企
業であるS&K バイオファーマが、
急速進行性糸球体腎炎、脊髄損
傷、敗血症、ガンなどの治療薬
の開発に着手しています。

ラクトフェリンについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 糸球体腎炎は、至急、治療法
を見つける必要がある病気です。


 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 ピロリ菌が胃炎を引き起こすメカニズムを解明と発表

 
 
 
 
 
 
 大阪大学微生物病研究所は9
月29日、ヘリコバクター・ピロ
リ(いわゆるピロリ菌)が胃炎
を引き起こすメカニズムを明ら
かにしたと発表しました。この
研究は、同研究所所山崎晶教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Journal of
Experimental Medicine」に掲
載されています。

 ピロリ菌は、世界人口の約50
%に感染している病原体です。
ピロリ菌が感染すると、胃炎、
胃ガンの発症リスクが高まるこ
とから、抗生物質による除菌が
推奨されています。ところが、
近年、除菌による耐性菌の出現
や、腸内細菌叢バランスの破綻
が問題となっており、併用や代
替可能な新たな治療法が望まれ
ていました。さらに、ピロリ菌
が胃炎を発症する機構も不明で
した。

 研究グループは今回、胃炎に
T細胞活性化が必要なことに注
目しました。T細胞活性化には、
樹状細胞活性化が必要ですが、
ピロリ菌は樹状細胞を活性化さ
せる自然免疫受容体(TLR )の
リガンドの形を巧妙に変えて、
この受容体から逃れる能力を持
っていることから、どのように
して樹状細胞を活性化させてい
るのかは不明でした。研究グル
ープは、ピロリ菌が持つ樹状細
胞を活性化する物質を生化学的
に分離、精製することに成功し
ました。

 単離された活性化物質は、ピ
ロリ菌が宿主のコレステロール
を改変して産生するピロリ菌特
有の糖脂質,α-コレステリルグ
ルコシド(α-cholesterylgluc
oside、αCAG)で、宿主の免疫
受容体Mincleに認識されて免疫
系を活性化することも分かりま
した。さらにMincleを欠損する
マウスにピロリ菌を感染させる
と、抗原特異的T細胞活性化及
び胃炎が抑制されることが判明
しました。この胃炎抑制効果は、
野生型マウスに抗Mincle抗体を
投与することでも観察されたこ
とから、Mincleの阻害が治療に
つながることも示されました。

 また、αCAG と構造が類似す
るものの、これまで機能が全く
分かっていなかったピロリ菌糖
脂質,α-コレステリルホスファ
チジルグルコシド(α-cholest
eryl phosphatidylglucosides、
αCPG )が、Mincleと同じファ
ミリーに属する免疫受容体DCAR
に認識され、同様に免疫系を活
性化することが判明しました。
αCAGとαCPGの両方を合成でき
ないコレステリルグルコシルト
ランスフェラーゼ欠損ピロリ菌
を感染させたマウスでは、胃炎
が軽減されたことから、これら
の糖脂質が胃炎を引き起こす原
因物質であることが明らかにな
りました。すなわち、ピロリ菌
が宿主のコレステロールを取り
込み、菌体内でαCAGとαCPGと
いった炎症誘導化合物に変換す
ることで胃炎を引き起こす、と
いう一連の分子メカニズムが初
めて明らかになりました。

 研究グループは、「宿主側で
これらの受容体の働きをブロッ
クすることや、ピロリ菌でこの
糖脂質の生成に必要な酵素(コ
レステリルグルコシルトランス
フェラーゼ)を阻害することが、
抗生物質と併用可能な、あるい
は抗生物質に取って代わる、新
たに胃炎・胃ガン発症を抑える
治療標的として期待される」と、
述べています。

鳥肌胃炎について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 生成物を精製した。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東京工科大学が9月30日、ヒ
トラクトフェリン(hLF )にヒ
ト血清アルブミン(HSA )を融
合し、血中安定性と抗腫瘍効果
を高めたhLF 製剤を開発したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。HSA融合技術により、hLF
の血中安定性、さらにその抗腫
瘍効果の向上が確認されたのは、
注目すべきことと考えます。HS
A融合によるhLF活性の増強効果
は、抗腫瘍作用以外でも認めら
れることから、種々の疾患に対
するバイオ医薬品としての実用
化を期待したいと思います。既
に、同製剤を用いて、hLF のバ
イオ医薬品開発に特化したベン
チャー企業であるS&K バイオフ
ァーマが、急速進行性糸球体腎
炎、脊髄損傷、敗血症、ガンな
どの治療薬の開発に着手してい
るのは、目端が利くことだと思
います。
 大阪大学微生物病研究所が9
月29日、ヘリコバクター・ピロ
リ(いわゆるピロリ菌)が胃炎
を引き起こすメカニズムを明ら
かにしたと発表したのは素晴ら
しい業績です。宿主側でこれら
の受容体の働きをブロックする
ことや、ピロリ菌でこの糖脂質
の生成に必要な酵素(コレステ
リルグルコシルトランスフェラ
ーゼ)を阻害することが、抗生
物質と併用可能な、あるいは抗
生物質に取って代わる、新たに
胃炎・胃ガン発症を抑える治療
標的ということですが、パプラ
ールというサプリメントを内服
すれば、除菌は簡単にできるこ
とが分かっているので、あまり
新鮮味のない研究という気がし
ました。このパプラールの作用
は、特許も取られているので先
行きが分からない治療標的より
優秀だと思います。

 左様な作用が判明した。笑

 
 
 
 
 
 
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2021-08-23 20:29:30

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診療マル秘裏話  号外Vol.1939 令和2年10月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)胸膜以外中皮腫にオブジーボ保険適応のため治験
2)プラスチックを最大で6倍の速さで分解可の酵素作製

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
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1】 胸膜以外中皮腫にオブジーボ保険適応のため治験

 
 
 
 
 
 兵庫医科大病院(兵庫県西宮
市)は10月から、腹膜や心膜、
精巣・鞘膜などの悪性中皮腫の
患者さんを対象に、ガン免疫治
療薬「オプジーボ」(一般名ニ
ボルマブ)の医師主導治験を始
めると発表しました。オプジー
ボは既に、胸膜の中皮腫には抗
ガン剤治療後の標準的な治療薬
として使われています。腹膜な
どの中皮腫にも効果が期待でき
るということです。

 中皮腫は患者数の少ない希少
ガンの一つで、アスベスト(石
綿)を吸い込むことなどで発症
します。国の統計によると、20
17年に新たに中皮腫と診断され
た患者さんは1738人です。

 中皮腫の80%以上は胸膜にで
き、抗ガン剤やオプジーボによ
る治療を保険で受けられます。
しかし、現状では胸膜以外の中
皮腫は保険がきかず、腹膜など
の中皮腫の患者は自費で抗ガン
剤を使わざるを得ないというこ
とです。

 治験には同病院を含む計5施
設が参加しました。腹膜などの
中皮腫の患者さん計23人にオプ
ジーボを投与し、腫瘍の縮小効
果や安全性などを確かめます。

 同病院の木島貴志・呼吸器内
科診療部長は「胸膜以外の中皮
腫は、予後が悪いのに患者が少
ないため、治験が行われてこな
かった。良い結果が出れば、オ
プジーボを保険で使えるように
したい」と話しています。

悪性中皮腫に対する免疫チェッ

クポイント阻害剤の可能性につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 主要な腫瘍の縮小効果。 笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 プラスチックを最大で6倍の速さで分解可の酵素作製

 
 
 
 
 
 
 アメリカとイギリスの研究チ
ームは、プラスチックをこれま
でより最大で6倍の速さで分解
できる酵素を作製することに成
功したと発表しました。

 今回の研究のベースになった
のは2016年に日本の研究チーム
が報告した発見です。ペットボ
トルなどの素材として広く使わ
れているプラスチックであるPE
T (ペット)=ポリエチレンテ
レフタラートは、自然界では分
解しないと考えられてきました
が、京都工芸繊維大など日本の
研究者らは、PET を食べて、数
日で分解する細菌を発見しまし
た。大阪府堺市内のペットボト
ル処理工場で発見したことから、
研究者らは、その細菌を「イデ
オネラ・サカイエンシス」と名
付けました。

 今回、米英の研究チームはサ
カイエンシスから見つかったPE
T (ペット)を二段階で分解す
る2つの酵素を人工的に結合し、
“スーパー酵素”を作製しまし
た。これを用いると、従来に比
べて最大6倍の速さでPET(ペッ
ト)を分解することが確認され
たということです。

 プラスチックゴミは環境汚染
の大きな原因となっていますが、
こうした成果は、プラスチック
のリサイクルをより低コスト・
低エネルギーで実現することに
つながると期待されています。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
 最近の細菌は、ペットボトル
を分解できる。      笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 兵庫医科大病院(兵庫県西宮
市)が10月から、腹膜や心膜、
精巣・鞘膜などの悪性中皮腫の
患者さんを対象に、ガン免疫治
療薬「オプジーボ」(一般名ニ
ボルマブ)の医師主導治験を始
めると発表したのは、胸膜以外
の中皮腫の患者さんにとっては
希望の光と言えましょう。ただ
し、もともとの治療成績が悪い
だけではなく、他の悪性腫瘍で
オブジーボが、2~3割しか効か
ないということですので、過大
な期待は、禁物だと思います。
 アメリカとイギリスの研究チ
ームは、プラスチックをこれま
でより最大で6倍の速さで分解
できる酵素を作製することに成
功したと発表したのは、喜ばし
いことです。しかも、本は日本
人が発見した細菌ということで
すから、誇らしい限りです。プ
ラスチックの細かいゴミである
マイクロプラスチックが、公害
として問題になっていますが、
細菌で分解してしまえば、自然
に悪影響を及ぼすということが
なくなると推測されます。

 郊外で公害問題が勃発した。


 
 
 
 
 
 
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(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
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2021-08-22 20:22:36

カテゴリー:ブログ



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診療マル秘裏話  号外Vol.1938 令和2年10月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)CML幹細胞がリゾリン脂質代謝酵素活性化して生存
2)肺ガン治療薬研究成果を,バーチャル形式ESMOで報告

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 CML幹細胞がリゾリン脂質代謝酵素活性化して生存

 
 
 
 
 
 広島大学は9月17日、慢性骨
髄性白血病(CML )の幹細胞が、
リゾリン脂質代謝酵素「Gdpd3」
という分子を活性化して生存を
維持しているメカニズムを発見
したと発表しました。これは、
同大原爆放射線医科学研究所幹
細胞機能学研究分野の仲一仁准
教授、自然科学研究支援開発セ
ンターの外丸祐介教授、韓国ソ
ウル国立大学校Seong-Jin Kim
教授、大島章教授、獨協医科大
学の三谷絹子教授、熊本大学の
荒木喜美教授、荒木正健准教授、
千葉大学の星居孝之講師、株式
会社島津テクノリサーチらの国
際共同研究グループによるもの
です。研究成果は、「Nature C
ommunications 」に掲載されて
います。

 CML 細胞のBCR-ABL1チロシン
キナーゼを標的とするTKI (イ
マチニブ、ダサチニブなど)の
開発により、患者さんの治療は
飛躍的に改善されました。しか
し、CML は根治せず再発を起こ
すため、患者さんは、高価なTK
I 治療を止めることができなく
なり、大きな問題となっていま
す。再発の原因としてCML 幹細
胞が注目されています。CML 幹
細胞は非常に多くのCML 細胞を
生み出すもとになる細胞であり、
増殖活性を低く抑えた休眠状態
を維持することで長期間の生存
を維持しています。そのため、
チロシンキナーゼを標的とする
TKI が効かず再発の原因になる
と考えられています。

 研究では、CML の動物モデル
から体内にわずかしかないCML
幹細胞を取り出し、CML 幹細胞
内での脂質代謝のメカニズムを
解析しました。その結果、リゾ
リン脂質代謝を行うGdpd3 とい
う酵素の発現が非常に高くなっ
ていることを発見しました。Gd
pd3 はリゾリン脂質を分解して
リゾホスファチジン酸(LPA )
を産生する酵素として知られて
います。しかし、CML 幹細胞に
おけるリゾリン脂質代謝の役割
は不明でした。そこで、ゲノム
編集技術によりGdpd3 遺伝子の
ノックアウトマウス(Gdpd3 欠
損マウス)を樹立し、CML 幹細
胞における機能を解析しました。

 その結果、Gdpd3 欠損マウス
から樹立したCML 幹細胞で、細
胞分裂が活性化していることが
確認されました。つまり、Gdpd
3 によるリゾリン脂質代謝は、
CML 幹細胞の休眠状態の維持に
重要な役割を担うことが分かり
ました。そこで、CML 幹細胞を
移植したマウスにTKI (ダサチ
ニブ)による治療を行った所、
Gdpd3欠損CML幹細胞を移植した
マウスの再発を改善できること
が判明しました。

 大多数を占めるCML 細胞はガ
ン遺伝子産物(BCR-ABL1)によ
って増殖しますが、そのもとで
あるCML 幹細胞はガン遺伝子産
物には依存しないメカニズムに
よって生存しています。今回の
研究により、世界で初めてリゾ
リン脂質代謝がCML 幹細胞の休
眠状態での生存維持に必須な役
割を担うことを解明しました。
重要なこととして、このリゾリ
ン脂質代謝のメカニズムは正常
な造血幹細胞において機能して
いないことから、今後、副作用
の少ない治療法へと発展するこ
とが期待され、同様に、ガン遺
伝子産物に依存しないメカニズ
ムで再発や転移を繰り返すさま
ざまなガンの治療への応用も考
えられるということです。「将
来、ガン幹細胞のリゾリン脂質
代謝を抑制する薬と抗ガン剤と
の併用により、ガンの再発を軽
減する新しい治療法へと発展す
ることが望まれる」と、研究グ
ループは述べています。

慢性骨髄性白血病について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
 依存症の治療に異存はない。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 肺ガン治療薬研究成果を,バーチャル形式ESMOで報告

 
 
 
 
 
 
 武田薬品工業は、同社の肺ガ
ン治療薬研究の成果をバーチャ
ル形式の欧州臨床腫瘍学会(E
SMO)で報告したと発表しま
した。報告されたのは第3相A
LTA・1L試験で検討した未
分化リンパ腫キナーゼ遺伝子変
異陽性(ALK+)転移性非小
細胞肺ガン(NSCLC)治療
薬の「ALUNBRIG」(ブ
リガチニブ)と、第1、2相試
験で検討した上皮増殖因子受容
体(EGFR)エクソン20挿
入変異を有する転移性NSCL
C(mNSCLC)治療薬の「
モボセルチニブ」(TAK-7
88)です。サブ解析によれば、
ファーストライン治療薬として
米食品医薬品局(FDA)から
承認済みのALUNBRIGは
クリゾチニブと比較して、頭蓋
内病変の病勢進行までの期間が
有意に延長しました。10カ月間
の追跡調査から、モボセルチニ
ブによる奏功期間の延長が示さ
れ、既報の結果が再確認されま
した。

非小細胞ガンに対する薬物療法

について解説している動画です。

 
 


 
 
 商人が証人を承認した。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 広島大学が9月17日、慢性骨
髄性白血病(CML )の幹細胞が、
リゾリン脂質代謝酵素「Gdpd3」
という分子を活性化して生存を
維持しているメカニズムを発見
したと発表したのは素晴らしい
業績です。今後、副作用の少な
い治療法へと発展することが期
待され、同様に、ガン遺伝子産
物に依存しないメカニズムで再
発や転移を繰り返すさまざまな
ガンの治療への応用も考えられ
るということですから、将来、
有望な治療法が出てくるかも知
れません。ただ既存の抗ガン剤
と組み合わせるのではなく蛋白
質分解化合物(TPD)などと
組み合わせる方が、良いと思い
ます。
 武田薬品工業が、同社の肺ガ
ン治療薬研究の成果をバーチャ
ル形式の欧州臨床腫瘍学会(E
SMO)で報告したと発表した
のは、喜ばしいことです。米食
品医薬品局(FDA)から承認
済みのALUNBRIGはクリ
ゾチニブと比較して、頭蓋内病
変の病勢進行までの期間が有意
に延長したとのことですから、
どうも完治を目指せる薬ではな
いようですね。10カ月間の追跡
調査から、モボセルチニブによ
る奏功期間の延長が示されたの
は素晴らしい成果だと思います。

 基幹の機関が制限期間を延長
した。          笑

 
 
 
 
 
 
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