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2021-08-28 21:50:18

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診療マル秘裏話  号外Vol.1943 令和2年10月26日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)小児胚細胞腫瘍の分子標的治療の対象の遺伝子
2)世界ADCアワードで最優秀ADCプラットフォーム技術賞受賞

 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 小児胚細胞腫瘍の分子標的治療の対象の遺伝子

 
 
 
 
 
 東京大学医学部附属病院は9
月30日、小児の胚細胞腫瘍51例
のDNA メチル化や遺伝子発現、
コピー数、遺伝子変異などのゲ
ノム、エピゲノムに認められる
異常の全体像を解明し、分子標
的治療の対象となりうる遺伝子
を同定したと発表しました。こ
の研究は、同大医学部附属病院
小児科の久保田泰央医師、滝田
順子准教授(研究当時、現京都
大学大学院 医学研究科 発達小
児科学 教授)ら の研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「Communications Biology」に
掲載されています。

 胚細胞腫瘍は幼児期の小児と
若年成人に発症が多く認められ
る腫瘍性疾患ですが、未だ発症
の原因は明らかではありません。
胚細胞腫瘍には複数のサブタイ
プが存在し、サブタイプによっ
て多少の差はありますが、全体
的な治療成績としては7~8割程
度と悪性腫瘍の中では比較的良
好です。しかし、遠隔転移を伴
う例は、伴わない例と比較する
と治癒率が悪く、既存の治療に
抵抗を示す難治性の症例が存在
することが知られています。ま
た、悪性腫瘍に対して抗ガン剤
や放射線で治療を行った小児の
中には、後年になって晩期障害
を合併することが近年問題とな
ってきています。加えて、胚細
胞腫瘍は性腺に発症することが
多いことから、手術によって性
腺を摘出した場合は性腺機能の
低下やそれに伴う将来的な不妊
症も懸念されます。成人発症の
ものはその大部分が成人男性の
精巣に発症するものであり、成
人例は小児例よりも治癒率が悪
いことが知られています。これ
らの問題を克服するには、予後
の悪い群に対する新規治療や治
療の層別化に用いることのでき
る指標の開発が重要であり、そ
のためには胚細胞腫瘍の分子病
態の解明が必須だと考えられま
す。しかし、小児胚細胞腫瘍に
関しては、DNA のメチル化や遺
伝子の発現などを散発的に行っ
た研究はありますが、統合的な
ゲノム解析に関する研究はこれ
までありませんでした。

 そこで今回、研究グループは、
次世代シーケンサーとマイクロ
アレイを用いてDNA メチル化や
遺伝子発現、遺伝子変異、コピ
ー数などのゲノム、エピゲノム
に見られる異常の全体像を解明
しました。この解析は、小児胚
細胞腫瘍の大規模検体を用いた
統合的ゲノム・エピゲノム解析
としては世界で初めてであり、
腫瘍組織51検体からDNA、RNAを
抽出して、それぞれの解析を行
った結果、主に以下のようなこ
とが明らかとなりました。

(1)胚細胞腫瘍はサブタイプ
ごとに特徴的なDNA メチル化パ
ターンを有しており、このパタ
ーンはそれぞれの分化度に対応
していました。胚細胞腫瘍のサ
ブタイプの一つである卵黄嚢腫
瘍は年少児と年長児で異なるDN
A メチル化パターンを有してお
り、年少児と年長児では異なる
生物学的特徴を有していること
が示唆されました。

(2)DNA メチル化と同様に遺
伝子発現もサブタイプに応じた
パターンを有していましたが、
最も未分化なサブタイプである
ジャーミノーマと分化が進んだ
胎児性ガンは同様の発現パター
ンを有しており、共通の発ガン
メカニズムを有していると考え
られます。

(3)胚細胞腫瘍のサブタイプ
であるジャーミノーマ、奇形種、
卵黄嚢腫瘍はそれぞれ発症部位、
年齢によって異なるコピー数異
常を有しており、これらの異常
によって更に細分化できると考
えられます。

(4)ジャーミノーマはKIT 遺
伝子、胎児性ガンはTNFRSF8 遺
伝子、卵黄嚢腫瘍はERBB4 遺伝
子にそれぞれ特徴的な遺伝子変
異、発現パターンを有しており、
これらの遺伝子は分子標的治療
の対象となり得えます。

 今回、これまで明らかではな
かった小児胚細胞腫瘍それぞれ
のサブタイプのプロファイリン
グを行い、各サブタイプのゲノ
ム、エピゲノム異常の特性を明
らかにしたことは、分子病態の
理解に大きな進展をもたらすの
みならず、今後の治療を行う上
で極めて有用です。加えて、分
子標的治療の対象となる遺伝子
を見出したことは、抗ガン剤や
放射線の減量、抗ガン剤使用に
伴う晩期障害の軽減など、これ
らのサブタイプに対する治療の
最適化を目指す上で非常に重要
だと考えられます。

 なお、成人胚細胞腫瘍のDNA
メチル化に関する公開データを
用いて同様の解析を行った所、
成人胚細胞腫瘍においても同様
の結果が得られたことから、小
児胚細胞腫瘍と成人胚細胞腫瘍
はDNA メチル化においては共通
の生物学的特徴を有すると考え
られます。すなわち、小児のみ
ならず成人の胚細胞腫瘍に対す
る治療成績の向上も期待できま
す。研究グループは今後、今回
の研究によって明らかとなった
治療標的に対する分子標的治療
薬を用い、マウスなどの実験を
通じて有効性を検証し、有効性
が示されたものに対しては臨床
試験での導入を目指していく予
定です。

胚細胞腫瘍について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 工場の製品の品質向上を目指
す。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 世界ADCアワードで最優秀ADCプラットフォーム技術賞受賞

 
 
 
 
 
 抗体薬物複合体(ADC)を
手掛けるオランダのバイオテク
ノロジー企業のシナフィックス
は、第7回世界ADCアワード
で最優秀ADCプラットフォー
ム技術賞を受賞したと発表しま
した。同プラットフォームは、
あらゆる抗体に対して適合性を
持っています。部位特異的なペ
イロード(薬効薬物、特に抗ガ
ン剤)を結合するための結合技
術、疎水性ペイロードを実現す
るスペーサー技術、多くのペイ
ロード・クラスに対応するリン
カー技術で構成されます。同社
は現在、6種類のADCを開発
中で、うち2種が臨床試験段階
にあります。

 スペーサーとは、抗体薬物複
合体(ADC)でVal―Citの C
―末端側に直接薬物を結合させ
ると薬物のかさ高さから酵素の
基質ポケットに入らず、切断で
きなくなります。 したがって、
通常はスペーサーとよばれる部
分が連結されます。スペーサー
は、かさ高い薬物と酵素が認識
する部分の距離を離し、酵素の
基質ポケットに基質が入るため
に必要です。ADC から放出され
た薬物には、スペーサーは原理
的には残ってはいけません。こ
れらの要件を満たすものとして、
p – アミノカーバメート基/ カ
ーボネート基が一般的に使用さ
れます。

ガンと精密医療について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 条件を満たす要件は、洋犬の
飼育法を知っていること。 笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京大学医学部附属病院が9
月30日、小児の胚細胞腫瘍51例
のDNA メチル化や遺伝子発現、
コピー数、遺伝子変異などのゲ
ノム、エピゲノムに認められる
異常の全体像を解明し、分子標
的治療の対象となりうる遺伝子
を同定したと発表したのは素晴
らしい業績です。今回、これま
で明らかではなかった小児胚細
胞腫瘍それぞれのサブタイプの
プロファイリングを行い、各サ
ブタイプのゲノム、エピゲノム
異常の特性を明らかにしたこと
は、分子病態の理解に大きな進
展をもたらすのみならず、今後
の治療を行う上で極めて有用と
考えられます。加えて、分子標
的治療の対象となる遺伝子を見
出したことは、抗ガン剤や放射
線の減量、抗ガン剤使用に伴う
晩期障害の軽減など、これらの
サブタイプに対する治療の最適
化を目指す上で非常に重要と考
えられます。
 抗体薬物複合体(ADC)を
手掛けるオランダのバイオテク
ノロジー企業のシナフィックス
は、第7回世界ADCアワード
で最優秀ADCプラットフォー
ム技術賞を受賞したと発表した
のは、素晴らしい業績です。こ
のような世界ADCアワードと
いうものが存在していたとは、
ADCも名実ともにメジャーな
治療薬物になったということで
しょう。同社プラットフォーム
は、あらゆる抗体に対して適合
性を持っている技術、部位特異
的なペイロード(薬効薬物、特
に抗ガン剤)を結合するための
結合技術、疎水性ペイロードを
実現するスペーサー技術、多く
のペイロード・クラスに対応す
るリンカー技術で構成されると
言うことですから、他社との差
別化が図られているということ
でしょう。同社は現在、6種類
のADCを開発中で、うち2種
が臨床試験段階ということです
から、後者の2種類については、
その内、上梓されるものと思わ
れます。

 厚生労働省の疾病対策チーム
の構成が明らかになる。  笑

 
 
 
 
 
 
 
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