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2021-08-27 23:00:21

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診療マル秘裏話  号外Vol.1942 令和2年10月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)胃ガンCP阻害剤薬効低下,RHOA遺伝子変異が原因
2)うつ病血液バイオマーカーの識別性能特定集団で向上

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 胃ガンCP阻害剤薬効低下,RHOA遺伝子変異が原因

 
 
 
 
 
 名古屋大学と国立ガン研究セ
ンターのグループは、胃ガンに
対して免疫チェックポイント(
CP)阻害剤の効果が下がる一
因がRHOA遺伝子の変異であ
ることを突き止めました。免疫
の邪魔をする制御性T細胞の増
加を増やしつつ、ガン細胞を攻
撃できるキラーT細胞を集まり
にくくしていました。効果を改
善する併用療法の開発につなが
りそうです。

 胃ガンに対しては代表的な免
疫CP阻害剤である抗PD-1
抗体「オプジーボ」が承認され
ていますが、効果に個人差があ
ります。検体を解析した結果、
制御性T細胞が多い患者さんほ
ど効きにくいこと、制御性T細
胞の量とRHOA変異の量が連
動していることが分かりました。

 まず、RHOA変異陽性ガン
の産出する脂肪酸が制御性T細
胞に取り込まれ、その増加につ
ながっていました。また、RH
OA変異は「PI3K-AKT
シグナル伝達経路」を活性化し、
キラーT細胞を集めるはずのケ
モカインの生成を下げていまし
た。その結果、ガンへの攻撃能
力が落ちるということです。

 そこで、同経路を阻害するP
I3K阻害剤を併用したところ、
抗PD-1抗体の薬効が向上す
ることが示唆されました。RH
OA変異は胃ガンの生存や増殖
にかかわるドライバー遺伝子変
異として知られていますが、免
疫抑制的な働きをすることは初
めて判明しました。

免疫チェックポイント阻害剤に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 班名が初めて判明する。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 うつ病血液バイオマーカーの識別性能特定集団で向上

 
 
 
 
 
 広島大学は10月1日、従来か
ら知られていたうつ病の血液バ
イオマーカーの識別性能が、特
定の性格を有する集団で飛躍的
に向上することを発見したと発
表しました。この研究は、同大
病院検査部の瀬戸山大樹助教と
康東天教授、同大山脇成人特任
教授および鳥取大学の岩田正明
准教授らの共同研究によるもの
です。研究成果は、「Journal
of Affective Disorders」に掲
載されています。

 うつ病は自殺に至る危険が最
も高い精神疾患であることから、
客観的にモニタリングすること
が可能なバイオマーカーの開発
が急務とされています。研究グ
ループは、これまでに質量分析
による血液メタボローム解析を
駆使することにより、血液中の
いくつかの代謝物がうつ病の判
別や重症度に関連していること
を報告してきました。一方、心
理学的研究から、うつ病の発症
や重症化に個々人の性格が影響
するということが長年示唆され
てきましたが、うつ病に関連す
る血液成分との関連については
ほとんど検証されていませんで
した。

 研究グループはまず、BIG-5
による性格検査により、未服薬
の大うつ病患者100人と健常者1
00人を、神経症傾向が高く外向
性が低い「うつ気質」と呼ばれ
る性格を有する集団、その真逆
の性格傾向の集団、そして、こ
のような性格の偏りが少ない集
団(患者さんと健常者が半数ず
つ含まれる86人)に層別化しま
した。

次に、血液メタボローム解析
で得た代謝物情報に基づく機械
学習モデルを作成し、うつ病か
否かを判別させると、全被験者
を対象とした場合に比べ、「性
格の偏りが少ない集団」に限定
した場合、その識別性能が飛躍
的に向上しました。この集団で
はトリプトファン、セロトニン、
キヌレニンなどのトリプトファ
ン経路の代謝物が判別に大きく
貢献していました。

 「うつ気質」では比較的弱い
ストレスでもうつ病になるリス
クが高いのですが、「うつ気質」
でなくても強いストレス下では
うつ病が引き起こされることが
まれではありません。今回のよ
うな「性格の偏りが少ない集団」
の中のうつ病患者さんはこのタ
イプである可能性があります。

 そこで、ストレスとうつ病と
血中代謝物との因果関係を探る
ために、ストレス誘発性うつ病
モデルとして知られる、社会的
敗北ストレスモデルマウスの血
中代謝物を測定した所、ストレ
ス負荷後に血中トリプトファン
が低下していました。

 今回の研究は、性格がうつ病
血液バイオマーカーの識別性能
と関連することを示した初めて
の報告となりました。うつ病と
言っても、病前性格によってさ
まざまなタイプに分類されます。
現在の抗うつ薬の多くは、トリ
プトファン経路の代謝物である
セロトニンをターゲットにして
いるが、効果の発現に個人差が
あります。

 同研究は、性格の違いにより、
うつ病のバイオタイプが異なる
可能性を示唆しており、今後、
バイオタイプの違いによって、
治療効果発現に違いがあるかの
大規模サンプルを用いた実証研
究が求められます。今後の研究
の発展により、性格検査や採血
により一人ひとりのバイオタイ
プを事前に把握することによる
個別化医療の実現が期待されま
す。

うつ病のバイオマーカーについ

て解説している動画です。

 
 


 
 
 治療効果発現について発言す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 名古屋大学と国立ガン研究セ
ンターのグループが、胃ガンに
対して免疫チェックポイント(
CP)阻害剤の効果が下がる一
因がRHOA遺伝子の変異であ
ることを突き止めたのは素晴ら
しい業績です。RHOA変異陽
性ガンの産出する脂肪酸が制御
性T細胞に取り込まれ、その増
加につながっており、RHOA
変異は「PI3K-AKTシグ
ナル伝達経路」を活性化し、キ
ラーT細胞を集めるはずのケモ
カインの生成を下げていました。
その結果、ガンへの攻撃能力が
落ちるというメカニズムの解明
は鮮やかという他、ありません。
 広島大学が10月1日、従来か
ら知られていたうつ病の血液バ
イオマーカーの識別性能が、特
定の性格を有する集団で飛躍的
に向上することを発見したと発
表したのは素晴らしい業績です。
この研究は、性格の違いにより、
うつ病のバイオタイプが異なる
可能性を示唆しており、今後、
バイオタイプの違いによって、
治療効果発現に違いがあるかの
大規模サンプルを用いた実証研
究が望まれるということです。
今後の研究の発展により、性格
検査や採血により一人ひとりの
バイオタイプを事前に把握する
ことによる個別化医療の実現に
期待したいと思います。

 正確に性格を言い当てる。笑

 
 
 
 
 
 
 
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