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2021-08-29 21:20:12

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診療マル秘裏話  号外Vol.1944 令和2年10月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)白血病阻止因子が,ガン細胞増殖や細胞死に重要
2)次世代ドラッグデリバリーシステムで抗ガン剤の開発推進

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 白血病阻止因子が,ガン細胞増殖や細胞死に重要

 
 
 
 
 
 慶應義塾大学は10月2日、食
道扁平上皮ガン細胞が分泌する
IL-6ファミリーサイトカインの
一員である白血病阻止因子「LI
F」(leukemia inhibitory fac
tor )が、ガン細胞自身の細胞
増殖や細胞死に重要であること
をヒト食道扁平上皮ガン由来培
養細胞とマウス実験で明らかに
したと発表しました。 これは、
同大医学部微生物学・免疫学教
室の谷口浩二准教授、川副徹郎
訪問研究員らの研究グループと、
九州大学大学院消化器総合外科
の森正樹教授、群馬大学大学院
医学系研究科総合外科学講座の
佐伯浩司教授らとの共同研究に
よるものです。研究成果は、「
Molecular Cancer Research 」
(オンライン版)に掲載されて
います。

 食道ガンは、食道の粘膜から
発生する男性に多い悪性腫瘍で
す。日本では、食道ガンの90%
は食道扁平上皮ガンであり、そ
の発生には喫煙と飲酒が大きく
関係していることが知られてい
ます。早期発見例では、内視鏡
で切除することが可能です。一
方で進行ガンには手術、化学療
法などを含む集学的治療が行わ
れますが、これは進行ガンに対
して満足できる治療成績ではな
く、新規治療方法の開発が強く
望まれています。

 研究グループは初めに、ヒト
食道扁平上皮ガン細胞株におい
て、ガン細胞自身がLIF を発現
していることを発見しました。
LIF 発現の重要性を検討するた
めに、ヒト食道扁平上皮ガン細
胞株においてLIF の発現を抑制
した所、細胞増殖の抑制と細胞
死の亢進、細胞浸潤の抑制、ガ
ン幹細胞性の抑制が認められま
した。また、LIF の発現を抑制
したヒト食道扁平上皮ガン細胞
株を免疫不全マウスへ移植する
と、マウス内での腫瘍増殖が有
意に抑制されました。

次に、ヒト食道扁平上皮ガン
細胞株において、LIF がどのよ
うなシグナル伝達経路を活性化
しているかを検討しました。そ
の結果、これまで知られている
JAK-STAT3 経路に加えて、SFK-
YAP 経路を活性化していること
が明らかになりました。 また、
ヒト食道扁平上皮ガンの組織切
片においても、YAP 活性化とSF
K活性化、YAP活性化とLIF 発現
の関連が明らかになりました。
以上の結果は、食道扁平上皮ガ
ンにおけるYAP の活性化がガン
遺伝子であるSFK を介している
可能性を示唆しています。

 さらに研究グループは、上記
両経路を抑制するために、SFK
阻害剤とJAK 阻害剤を同時投与
した所、ガン細胞の増殖をほぼ
100%抑制できることを確認しま
した。以上の結果から、食道扁
平上皮ガン細胞自身が分泌する
LIF は、JAK-STAT3 経路に加え
て、SFK-YAP 経路を活性化する
ことでガンの進展を促進してい
ることが明らかになり、LIF-SF
K-YAP 経路が食道扁平上皮ガン
における新規治療標的となる可
能性が示されました。

 今回の研究で食道扁平上皮ガ
ンに対し高い抑制効果を示した
SFK 阻害剤とJAK 阻害剤は、す
でにヒトにおいて他疾患に使用
されている薬剤です。「今後の
研究により、SFK 阻害剤とJAK
阻害剤が食道ガンの治療にも応
用されることが期待されます。
さらに、LIF は他のガン種にお
いても発現が報告されており、
他のガン種においても今回の研
究結果を応用できる可能性があ
る」と、研究グループは述べて
います。

ガンの病気の成立に関わる因子

について解説している動画です。

 
 


 
 
 蛋白質の発現について発言す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 次世代ドラッグデリバリーシステムで抗ガン剤の開発推進

 
 
 
 
 
 東京電機大学の長原礼宗教授
らは、Passportが開発
する次世代ドラッグデリバリー
システム(DDS)技術「Pa
ssportSystem(パ
スポートシステム)」を用いて
抗ガン剤の開発を推進します。
日本医療研究開発機構(AME
D)の「橋渡し研究戦略的プロ
グラム 異分野融合型研究シー
ズ課題」に採択されました。パ
スポートシステムはデバイスを
用いて患部に容易な経皮投与を
可能にします。人体の免疫系を
制御する能力がある分子性化合
物のリダイフェンを組み合わせ
て簡便な化学療法の実現を目指
します。

 今回、橋渡し研究戦略的推進
プログラムの研究支援拠点であ
る東北大学病院臨床研究推進セ
ンター(CRIETO)の研究
テーマとして採択されました。
リダイフェンを共同で創出した
東京理科大学の椎名勇教授ら、
パスポートシステムの研究開発、
事業化を担当するPassPo
rt Technologie
s(PPTI、米カリフォルニ
ア州)とともに研究に取り組み
ます。

 パスポートシステムは、皮膚
表面に微細な孔を開けるマイク
ロポレーション技術と、微細な
孔を介した薬物の吸収を制御す
るパッチ組成技術を組み合わせ
ています。従来、注射剤、点滴
などに限定されていた薬剤を皮
膚から確実に吸収させることが
できます。ペプチド、核酸とい
った中分子医薬品、蛋白質のよ
うな高分子のバイオ医薬品にも
適用が可能です。

 一方、リダイフェンは免疫系
を制御する能力があり、生体内
の足場蛋白質の機能を活性化す
る新たなメカニズムによってさ
まざまな生物活性を発現させま
す。両者の組み合わせによって、
抗ガン剤のみならず抗ウイルス
感染症剤、抗菌剤などの開発が
期待できます。

 長原教授は「これまでに得て
いる化学や生物分野といった基
礎的な知見に工学技術を融合さ
せ、新たな医薬品、医療機器の
開発につなげていきたい」とコ
メントしました。

ナノカプセルによるドラッグデ

リバリーシステムについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 化学は、科学の一部分。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 慶應義塾大学が10月2日、食
道扁平上皮ガン細胞が分泌する
IL-6ファミリーサイトカインの
一員である白血病阻止因子「LI
F」(leukemia inhibitory fac
tor )が、ガン細胞自身の細胞
増殖や細胞死に重要であること
をヒト食道扁平上皮ガン由来培
養細胞とマウス実験で明らかに
したと発表したのは、素晴らし
い業績です。今後の研究により、
SFK 阻害剤とJAK 阻害剤が食道
ガンの治療に応用されることが
期待されています。これは、ド
ラッグリポジショニングが見事
にハマったケースであると考え
ます。LIF は他のガン種におい
ても発現が報告されており、他
のガン種においても今回の研究
結果を応用できる可能性を追究
して頂きたいものです。
 東京電機大学の長原礼宗教授
らが、Passportが開発
する次世代ドラッグデリバリー
システム(DDS)技術「Pa
ssportSystem(パ
スポートシステム)」を用いて
抗ガン剤の開発を推進するのは、
素晴らしい企画です。パスポー
トシステムは、皮膚表面に微細
な孔を開けるマイクロポレーシ
ョン技術と、微細な孔を介した
薬物の吸収を制御するパッチ組
成技術を組み合わせたものです。
リダイフェンは免疫系を制御す
る能力があり、生体内の足場蛋
白質の機能を活性化する新たな
メカニズムによってさまざまな
生物活性を発現させます。両者
の組み合わせによって、抗ガン
剤のみならず抗ウイルス感染症
剤、抗菌剤などの開発が期待で
きるというのは、魅力的な企画
と言えます。

 機体の回収に期待する。 笑

 
 
 
 
 
 
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