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2021-08-13 21:57:10

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診療マル秘裏話  号外Vol.1930 令和2年10月11日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)IL-17A,胃ガン腹膜播種組織の線維化進行に影響
2)ペプチド医薬候補の慢性肝疾患向け第2相治験

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 IL-17A,胃ガン腹膜播種組織の線維化進行に影響

 
 
 
 
 
 金沢大学は9月15日、肥満細
胞から分泌される炎症誘発性低
分子蛋白質のインターロイキン
-17A(IL-17A)が、胃ガンの腹
膜播種における腫瘍組織の線維
化の進行に影響を与えているこ
とを明らかにしたと発表しまし
た。この研究は、同大医薬保健
研究域医学系の伏田幸夫准教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Gastric Ca
ncer」のオンライン版に掲載さ
れています。胃の粘膜の細胞か
ら発生するガンである胃ガンは、
徐々に大きくなりながら胃の内
側から外側へ向けて進行し、最
終的にはおなかの中にガン細胞
が散らばる腹膜播種と呼ばれる
状態に至ることがあります。一
度腹膜播種が起こると、ガン細
胞が転移した臓器が線維化する
ことで、腸閉塞や閉塞性黄疸を
引き起こすだけでなく、抗ガン
剤や免疫担当細胞がターゲット
とする腫瘍にまで届かず、期待
した効果が得られないという問
題があります。 しかしながら、
どのようなプロセスで線維化が
発生し進行していくのか、その
メカニズムは解明されておらず、
その阻止方法も分かっていませ
んでした。今回、研究グループ
は、播種巣における線維化が高
度になるに従い腫瘍に浸潤して
いる肥満細胞数が増加している
ことから、肥満細胞が腫瘍の線
維化に関係があると推定し調査
を実施しました。以前から全身
性硬化症やクローン病における
臓器の線維化にはIL-17Aが関係
していると報告されていたこと
もあり、播種巣におけるIL-17A
産生細胞を調べた所、肥満細胞
そのものであることが分かりま
した。そこで、腹腔内の臓器を
覆っている腹膜中皮細胞にIL-1
7Aを加えた所、腹膜中皮細胞は
線維芽細胞に形質転換し、コラ
ーゲンなどを分泌することが明
らかになりました。さらにマウ
スの腹腔内に胃ガン細胞株とIL
-17Aを同時に投与した場合、腹
膜播種巣の数やサイズが増大し、
腫瘍内の線維化の程度も増強す
ることも証明されました。

今回の研究成果は、肥満細胞の
IL-17Aの分泌を防ぐことが、播
種巣の線維化を防ぐことにつな
がることを示唆しています。研
究グループは、「今後は、マウ
スを用いた線維化を伴う腹膜播
種モデルを作製し、肥満細胞の
機能を抑制する抗アレルギー薬
などの薬剤によって腫瘍の増殖
や線維化を制御することで、胃
ガン腹膜播種の新しい治療法開
発につながることが期待される」
と、述べています。

腹膜播種について解説している

動画です。

 
 


 
 
 播種巣の繊維化で免疫細胞が
戦意を無くす。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ペプチド医薬候補の慢性肝疾患向け第2相治験

 
 
 
 
 
 
 ステムリム(大阪市)は、塩
野義製薬に導出したペプチド医
薬候補「レダセムチド」につい
て、慢性肝疾患向けの第2相臨
床試験(P2)を行う契約を、
新潟大学および塩野義製薬と結
んだと発表しました。新潟大で
医師主導治験を行い、ステムリ
ムと塩野義製薬が治験薬提供や
資料作成で協力します。

 レダセムチドを静脈注射する
と、骨髄中の間葉系幹細胞(M
SC)が損傷部位に誘導され、
各種疾患を治療するということ
です。すでに表皮水疱症、急性
脳梗塞、膝関節症の治験が始ま
っており、慢性疾患は4つめの
適応症となる可能性があります。
このうち表皮水疱症については
塩野義製薬が申請準備中という
ことです。

ステムリムとレダセムチドにつ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 新生血管についての研究費を
申請する。        笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 金沢大学が9月15日、肥満細
胞から分泌される炎症誘発性低
分子蛋白質のインターロイキン
-17A(IL-17A)が、胃ガンの腹
膜播種における腫瘍組織の線維
化の進行に影響を与えているこ
とを明らかにしたと発表したの
は素晴らしい業績です。今後は、
マウスを用いた線維化を伴う腹
膜播種モデルを作製し、肥満細
胞の機能を抑制する抗アレルギ
ー薬(TGF βを阻害する一般名
トラニラスト:商品名リザベン)
などの薬剤によって腫瘍の増殖
や線維化を制御することで、胃
ガン腹膜播種の新しい治療法開
発につなげて頂きたいものです。
 ステムリム(大阪市)が、塩
野義製薬に導出したペプチド医
薬候補「レダセムチド」につい
て、慢性肝疾患向けの第2相臨
床試験(P2)を行う契約を、
新潟大学および塩野義製薬と結
んだと発表したのは、喜ばしい
ことです。レダセムチドを静脈
注射すると、骨髄中の間葉系幹
細胞(MSC)が損傷部位に誘
導され、各種疾患を治療すると
いうことは、幹細胞移植が不要
ということでしょう。骨髄から
幹細胞を骨髄穿刺により採取し、
幹細胞だけを点滴で身体に戻す
という過程が省略できるのは、
本当に凄いことだと思います。

 間葉系幹細胞の研究に寛容な
態度を示す。       笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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