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診療マル秘裏話  Vol.825 令和1年10月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)経皮感作コムギなりやすいか否か関連遺伝子発見
2)免疫チェックポイント療法の効果予測血清バイオマーカー発見

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】経皮感作コムギなりやすいか否か関連遺伝子発見

 
 
 
 
 
 化粧品の成分にも含まれ皮膚
から入ってアレルギーを起こす
症例が報告される加水分解コム
ギ(コムギ)について、筑波大
学医学医療系の野口恵美子教授、
藤田医科大学の松永佳世子教授、
矢上晶子教授、国立成育医療研
究センター研究所などの共同研
究グループは、アレルギー患者
さんのゲノム解析を行い、なり
やすさと、なりにくさに関わる
遺伝子を特定しました。化粧品
関連の副反応とコムギアレルギ
ーに全ゲノム関連解析を応用し
た初めての成果となります。

 今回の成果によれば、共同研
究グループは全国のアレルギー
疾患を医師の協力の下、525
例の経皮感作コムギアレルギー
患者さんと日本人一般集団32
44人から得た遺伝子型情報を
使用して、全ゲノム関連解析と
追認解析を行いました。 その
結果、病気のなりやすさ、なり
にくさに関わる遺伝子がHLA
-DQ領域とRBFOX1領域
に存在することを見出し、発症
に関連するHLA-DQアレル
型を同定しました。

 HLAは免疫応答のカギとな
る遺伝子で、多くの種類と個人
差があります。 アレルゲン(
抗原)が体内に入ると、抗原提
示細胞などによりペプチドに分
解され、HLAとともにT細胞
に提示され、免疫反応が活性化
されます。個人が持つHLA型
により結合できるペプチドが異
なるため、個人のHLA型の違
いが経皮感作コムギアレルギー
のなりやすさ、なりにくさに関
係していると考えられるとして
います。

 成果を基に経皮感作ではない
従来型のコムギアレルギー患者
さんとの比較を行い、食物アレ
ルギーの発症機序の解明や、よ
り良い治療法、発症予測法の開
発が見込まれます。成果は国際
科学誌「ジャーナル・オブ・ア
レルギー・アンド・クリニカル・
イミュノロジー」にオンライン
公開されました。

経皮吸収のアレルギーについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 
 皮革製品の比較を行う。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 免疫チェックポイント療法の効果予測血清バイオマーカー発見

 
 
 
 
 
 
 川崎医科大学、長崎大学、広
島大学、理化学研究所等の共同
研究グループは、9月6日、小野
薬品工業の「オプジーボ」や米
メルクの「キイトルーダ」など
体に備わる免疫の仕組みを生か
す「免疫チェックポイント療法
(抗PD-1抗体療法)」につ
いて、非小細胞肺ガンに対する
効果を予測し、モニタリングす
る血清バイオマーカーを世界で
初めて同定したと発表しました。
効く患者の選択や予後予測など
が可能になるとみられます。患
者さんの身体的または経済的な
負担軽減や、医療費の抑制につ
ながることも期待されます。

 研究グループは、肺腺ガンに
特異的に発現するXAGE1抗
原と、肺扁平上皮ガンに発現す
るNY-ESO-1抗原に着目
しました。これら抗原に対する
患者さんの血清中の抗体を測定
しました。

 抗PD-1抗体療法を行った
非小細胞肺ガン75例を解析した
結果、抗体を有する肺ガン患者
さんの65%に奏効しました。抗
体を持たない患者さんでは19%
に奏効し、両者の間に有意な差
がみられました。抗体陽性患者
では生存期間も延長したという
ことです。非喫煙者には抗PD
-1抗体療法が効かないとされ
ていましたが、非喫煙の抗体陽
性患者さんには奏効し、うち1
例では完全にガンが消失しまし
た。

 抗PD-1抗体療法は世界的
に注目が高まるなか、単剤での
効果が限定的(肺ガンでは約20
%)で高額なため、治療が有効
な患者さんを事前に予測するバ
イオマーカーの探索研究は激し
さを増しています。研究グルー
プは今後、産学連携により開発
を加速させたい意向で、公的研
究費の獲得にも取り組んでいく
予定です。

免疫チェックポイント阻害剤の

効果を高める方法について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
 後学のため、高額の所以を問
う。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 化粧品の成分にも含まれ皮膚
から入ってアレルギーを起こす
症例が報告される加水分解コム
ギ(コムギ)について、筑波大
学医学医療系の野口恵美子教授、
藤田医科大学の松永佳世子教授、
矢上晶子教授、国立成育医療研
究センター研究所などの共同研
究グループが、アレルギー患者
さんのゲノム解析を行い、なり
やすさと、なりにくさに関わる
遺伝子を特定したのは、偉大な
業績です。 月のしずく石鹸の
アレルギーの事件が生じて以来、
経皮感作コムギのアレルギーは
世間で大きく取り上げられる事
になりました。同じように石鹸
のような経皮感作コムギを含む
製品を使っていても、アレルギ
ーになりやすい人となりにくい
人がいるのは、おそらく遺伝子
のせいだと感づいていましたが、
はっきりとHLA が関与している
ことが分かるなんて予想できま
せんでした。まさに医学の進歩
は日進月歩であることを実感せ
ざるを得ませんでした。
 川崎医科大学、長崎大学、広
島大学、理化学研究所等の共同
研究グループが、9月6日、小野
薬品工業の「オプジーボ」や米
メルクの「キイトルーダ」など
体に備わる免疫の仕組みを生か
す「免疫チェックポイント療法
(抗PD-1抗体療法)」につ
いて、非小細胞肺ガンに対する
効果を予測し、モニタリングす
る血清バイオマーカーを世界で
初めて同定したと発表したのは
素晴らしい業績です。抗PD-
1抗体療法は世界的に注目が高
まるなか、単剤での効果が限定
的(肺ガンでは約20%)で高額
なため、治療が有効な患者さん
を事前に予測するバイオマーカ
ーの探索研究は激しさを増して
いるということで、抗体を有す
る肺ガン患者さんの65%に奏効
し、抗体を持たない患者さんで
は、19%に奏効し、両者の間に
有意な差がみられ抗体陽性患者
さんでは生存期間も延長したと
いうことですからバイオマーカ
としての実力は証明されたと私
は考えています。 欲を言えば、
抗体を有する肺ガン患者さんの
80%に奏功してもらいたかった
なと思う次第です。

 走行中の工夫が奏功して、低
燃費が実現した。     笑

 
 
 
 
 
 
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