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2021-08-31 19:40:34

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診療マル秘裏話  号外Vol.1946 令和2年10月30日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍組織検査に,リキッドバイオプシーが勝る事を証明
2)2020年ノーベル化学賞は,ゲノム編集のクリスパー・キャス9

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 腫瘍組織検査に,リキッドバイオプシーが勝る事を証明

 
 
 
 
 
 国立ガン研究センターは10月
6日、消化器ガンにおいて、患
者さんの血液を用いてガンのゲ
ノム異常を検出する検査(リキ
ッドバイオプシー)を治験のス
クリーニングに取り入れた結果、
従来の腫瘍組織検査に比べてよ
り迅速に検査結果が返却され、
より多くの患者さんが治験に登
録されたことを世界で初めて示
したと発表しました。この研究
は、同センター東病院消化管内
科長の吉野孝之氏、同院トラン
スレーショナルリサーチ支援室・
消化管内科医員の中村能章氏ら
がGI-SCREEN-JapanおよびGOZIL
A Study を通じて行ったもので
す。研究成果は、「Nature Med
icine 」オンライン版に掲載さ
れています。

 ガンゲノム医療の実現のため、
ガンのゲノム異常に基づいて治
療薬の効果を検証する治験が世
界中で行われています。これら
の治験では、患者さんのガンゲ
ノム異常を同定するため、腫瘍
組織の解析が従来用いられてき
ました。しかし、必ずしも腫瘍
組織が採取できない患者さんが
いることや、腫瘍組織の解析に
時間を要することなどが、これ
らの治験促進の大きな障壁とな
っていました。

 一方、近年、リキッドバイオ
プシーの技術が目覚ましい進歩
を遂げています。リキッドバイ
オプシーは腫瘍組織を採取でき
ない患者さんでも、ゲノム異常
を解析することができ、検査結
果の返却も早いことから、従来
の腫瘍組織検査がもつ課題を克
服する可能性が示唆されてきま
した。しかし、消化器ガンにお
いて治験のスクリーニング検査
として、腫瘍組織検査とリキッ
ドバイオプシーの有用性を大規
模に比較した研究はこれまであ
りませんでした。そこで今回、
同院で、産学連携全国ガンゲノ
ムスクリーニング事業「SCRUM-
Japan(スクラム・ジャパン)」
の基盤を活用した、世界に類を
見ない大規模な比較研究が実施
されました。

 同センターでは、SCRUM-Japa
nを立ち上げ、2014年2月より「
GI-SCREEN-Japan(現:MONSTAR
-SCREEN )」に取り組んできま
した。GI-SCREEN-Japan は、国
内の主要なガン専門病院や大学
病院と協働して、進行消化器ガ
ン患者さんの腫瘍組織を遺伝子
パネル検査(Oncomine Compreh
ensive Assay)で解析し、治療
薬を届ける全国ガンゲノムスク
リーニングプロジェクトです。
さらに2018年1月より、GI-SCR
EEN-Japan の基盤を活用し、進
行消化器ガン患者さんの血液を
リキッドバイオプシー(Guarda
nt360(R)、Guardant AMEA Inc.)
で解析するスクリーニングプロ
ジェクト「GOZILA Study」を、
米国Guardant Health 社との共
同研究として開始しました。

 今回の研究では、2015年2月
から2019年4月まで(4年2か月)
にGI-SCREEN-Japan (腫瘍組織
検査)に登録された5,743 例と、
2018年1月から2019年8月まで(
1年7か月)にGOZILA Study(リ
キッドバイオプシー)に登録さ
れた1,787 例を比較しました。

 比較結果(GI-SCREEN-Japan
vs. GOZILA Study)は、以下の
通り。
プロジェクト登録後~検体到着
までの期間(中央値:14日 vs.
4日、P<0.0001)
検体到着後から解析結果が患者
さんに返却されるまでの期間(
中央値:19日 vs. 7日、P<0.00
01)
治療標的となるゲノム異常が同
定された患者さんの割合(54%
vs. 57%)
ゲノム異常に適合した薬剤の治
験に登録された患者の割合(4.
1% vs. 9.5%、P<0.0001)
治験治療で腫瘍が縮小した患者
さんの割合(16.7% vs. 20.0%、
P=0.69)
治験治療で病気が悪くなるまで
の期間(中央値:2.8か月 vs.
2.4か月、P=0.70)

 また、GOZILA Studyのリキッ
ドバイオプシーで同定されたゲ
ノム異常のプロファイリングの
結果、有用なバイオマーカーや
治療標的として将来的な臨床開
発につながる可能性のある新た
なドライバー遺伝子異常(食道
扁平上皮ガンのNFE2L2変異や膵
ガンのGNAS変異、胆道ガンのCT
NNB1変異など)が複数見出され
ました。

 今回の研究成果により、リキ
ッドバイオプシーがスクリーニ
ング検査としてより多くの治験
に活用されることで、より多く
の患者さんに最善の医療を提供
できることが期待されます。ま
た、新たなドライバー遺伝子異
常の発見により、これまで着手
されていなかったドライバー遺
伝子異常に対する治療開発が活
発化する可能性があります。GO
ZILA Studyでは、既にリキッド
バイオプシーの結果に基づく医
師主導治験が複数実施されてい
ます。今後も国立ガン研究セン
ター東病院は、1人でも多くの
患者さんが最善の治療を受けら
れるよう、リキッドバイオプシ
ーによるガンゲノム医療の実現
を目指していくとしています。

大腸ガンのリキッドバイオプシ

ーについて解説している動画で

す。

 
 


 
 
 
 最善の医療の最前線。  笑

 
 
 
 
 
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2】 2020年ノーベル化学賞は,ゲノム編集のクリスパー・キャス9

 
 
 
 
 
 スウェーデン王立科学アカデ
ミーは10月7日、2020年のノー
ベル化学賞を、全遺伝情報(ゲ
ノム)を効率良く改変できる「
ゲノム編集」で画期的な技術を
生み出したドイツ・マックスプ
ランク研究所のエマニュエル・
シャルパンティエ教授(51)=
フランス国籍=と米カリフォル
ニア大バークリー校のジェニフ
ァー・ダウドナ教授(56)=米
国籍=に授与すると発表しまし
た。
 2人が開発し2012年に発表し
た技術は「クリスパー・キャス
9」と呼ばれ、DNAの塩基配
列を狙った部分で切断し、挿入、
置換できます。遺伝子の操作を
従来の技術より高い精度で簡単
にできるため急速に普及しまし
た。ガンなどの遺伝子治療や創
薬、農作物の品種改良に応用が
進んでいます。
 ただ、人の受精卵を改変する
試みも行われるようになり、将
来は生まれつきの難病を防げる
と期待される一方、親が子の容
姿を好みに変える事態などが懸
念されます。2018年には中国の
賀建奎・南方科技大副教授(当
時)がエイズウイルス(HIV)
に感染しないよう受精卵を操作
し、双子を誕生させたと公表し
ました。安全性や有効性が確立
しない段階で実施したとして国
際的に激しく非難されました。

ゲノム編集、クリスパーキャス

9について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 
 有効性が確立する確率は低い。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 国立ガン研究センターが10月
6日、消化器ガンにおいて、患
者さんの血液を用いてガンのゲ
ノム異常を検出する検査(リキ
ッドバイオプシー)を治験のス
クリーニングに取り入れた結果、
従来の腫瘍組織検査に比べてよ
り迅速に検査結果が返却され、
より多くの患者さんが治験に登
録されたことを世界で初めて示
したと発表したのは非常に意義
深い業績だと思います。色々と
リキッドバイオプシーの利点が
示されていますが、一番は患者
さんの侵襲が少ないということ
です。患者さんの侵襲が少ない
上に、迅速に検査結果が返却さ
れ、より多くの患者さんが治験
に登録されたということから、
生検からリキッドバイオプシー
の時代に変遷したことを思い知
らされました。
 スウェーデン王立科学アカデ
ミーが10月7日、2020年のノー
ベル化学賞を、全遺伝情報(ゲ
ノム)を効率良く改変できる「
ゲノム編集」で画期的な技術を
生み出したドイツ・マックスプ
ランク研究所のエマニュエル・
シャルパンティエ教授(51)=
フランス国籍=と米カリフォル
ニア大バークリー校のジェニフ
ァー・ダウドナ教授(56)=米
国籍=に授与すると発表したの
は、本当に素晴らしいことです。
今年のノーベル医学生理学賞は、
C 型肝炎と過去の業績を称えた
ものですが、ノーベル化学賞は、
これからいろんな分野で応用が
模索される、未来の予想される
業績に対して与えられた点が、
評価できると私は考えています。

 氷菓の味を評価する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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