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2021-08-24 21:52:19

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診療マル秘裏話  号外Vol.1940 令和2年10月23日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)血中安定性と抗腫瘍効果高めたhLF 製剤を開発
2)ピロリ菌が胃炎を引き起こすメカニズムを解明と発表

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 血中安定性と抗腫瘍効果高めたhLF 製剤を開発

 
 
 
 
 
 東京工科大学は9月30日、ヒ
トラクトフェリン(hLF )にヒ
ト血清アルブミン(HSA )を融
合し、血中安定性と抗腫瘍効果
を高めたhLF 製剤を開発したと
発表しました。この研究は、同
大大学院バイオニクス専攻の佐
藤淳教授らの研究グループが、
国立医薬品食品衛生研究所、鳥
取大学農学部との共同研究とし
て行ったものです。研究成果は、
「European Journal of Pharma
ceutical Sciences 」オンライ
ン版に掲載されています。

 hLF は、自然免疫で機能する
蛋白質であり、その作用からバ
イオ医薬品としての応用が期待
されています。例えば、抗腫瘍
効果以外では、急速進行性糸球
体腎炎の主要因と考えられるNe
utrophil extracellular traps
(NETs)や、敗血症の主要因で
あるエンドトキシンと強く結合
することで、その毒性を中和し
ます。同研究グループの最近の
研究で、hLF が脊髄損傷での主
要因であるコンドロイチン硫酸
に結合し、その毒性を中和する
ことを発見しています。hLF は、
これら疾患への分子標的薬とし
ての展開が期待される一方、血
中安定性が低いという課題があ
りました。そこで今回の研究で
は、血中安定性を向上させる方
法として、HSA 融合技術に着目
し、ラットでHSA 融合hLF の血
中安定性と抗腫瘍効果(ガン細
胞の増殖阻害)を検証しました。

 まず、融合の向きを換えた2
種類のHSA融合hLFを遺伝子組換
え技術で作製してラットに投与
し、その血中安定性を検証しま
した。結果、hLF のみと比較し
て、両融合hLF(HSA-hLF、hLF-
HSA )ともに長い半減期を示し、
特にHSA-hLF は顕著な半減期の
延長を示しました。hLF のみ、
HSA のみの場合は、ヒト肺腺が
ん細胞株PC-14 の増殖を阻害し
なかったのですが、両融合hLF
はその増殖を顕著に阻害しまし
た。また、hLFとHSAを融合せず
同時に添加した場合は、その効
果が認められなかったことから、
HSAのhLFへの「融合」が、ガン
細胞増殖阻害活性に重要である
ことが示されました。HSA 融合
hLF のヒトガン細胞株に対する
増殖阻害効果は、正常ヒト肺細
胞株であるWI-38 には認められ
ないことから、ガン選択的であ
ると考えられ、今後抗ガン剤と
しての展開が期待されます。

 HSA融合技術により、hLFの血
中安定性、さらにその抗腫瘍効
果の向上が確認されました。HS
A融合によるhLF活性の増強効果
は、抗腫瘍作用以外でも認めら
れることから、種々の疾患に対
するバイオ医薬品としての実用
化が期待されます。既に、同製
剤を用いて、hLF のバイオ医薬
品開発に特化したベンチャー企
業であるS&K バイオファーマが、
急速進行性糸球体腎炎、脊髄損
傷、敗血症、ガンなどの治療薬
の開発に着手しています。

ラクトフェリンについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 糸球体腎炎は、至急、治療法
を見つける必要がある病気です。


 
 
 
 
 
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2】 ピロリ菌が胃炎を引き起こすメカニズムを解明と発表

 
 
 
 
 
 
 大阪大学微生物病研究所は9
月29日、ヘリコバクター・ピロ
リ(いわゆるピロリ菌)が胃炎
を引き起こすメカニズムを明ら
かにしたと発表しました。この
研究は、同研究所所山崎晶教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Journal of
Experimental Medicine」に掲
載されています。

 ピロリ菌は、世界人口の約50
%に感染している病原体です。
ピロリ菌が感染すると、胃炎、
胃ガンの発症リスクが高まるこ
とから、抗生物質による除菌が
推奨されています。ところが、
近年、除菌による耐性菌の出現
や、腸内細菌叢バランスの破綻
が問題となっており、併用や代
替可能な新たな治療法が望まれ
ていました。さらに、ピロリ菌
が胃炎を発症する機構も不明で
した。

 研究グループは今回、胃炎に
T細胞活性化が必要なことに注
目しました。T細胞活性化には、
樹状細胞活性化が必要ですが、
ピロリ菌は樹状細胞を活性化さ
せる自然免疫受容体(TLR )の
リガンドの形を巧妙に変えて、
この受容体から逃れる能力を持
っていることから、どのように
して樹状細胞を活性化させてい
るのかは不明でした。研究グル
ープは、ピロリ菌が持つ樹状細
胞を活性化する物質を生化学的
に分離、精製することに成功し
ました。

 単離された活性化物質は、ピ
ロリ菌が宿主のコレステロール
を改変して産生するピロリ菌特
有の糖脂質,α-コレステリルグ
ルコシド(α-cholesterylgluc
oside、αCAG)で、宿主の免疫
受容体Mincleに認識されて免疫
系を活性化することも分かりま
した。さらにMincleを欠損する
マウスにピロリ菌を感染させる
と、抗原特異的T細胞活性化及
び胃炎が抑制されることが判明
しました。この胃炎抑制効果は、
野生型マウスに抗Mincle抗体を
投与することでも観察されたこ
とから、Mincleの阻害が治療に
つながることも示されました。

 また、αCAG と構造が類似す
るものの、これまで機能が全く
分かっていなかったピロリ菌糖
脂質,α-コレステリルホスファ
チジルグルコシド(α-cholest
eryl phosphatidylglucosides、
αCPG )が、Mincleと同じファ
ミリーに属する免疫受容体DCAR
に認識され、同様に免疫系を活
性化することが判明しました。
αCAGとαCPGの両方を合成でき
ないコレステリルグルコシルト
ランスフェラーゼ欠損ピロリ菌
を感染させたマウスでは、胃炎
が軽減されたことから、これら
の糖脂質が胃炎を引き起こす原
因物質であることが明らかにな
りました。すなわち、ピロリ菌
が宿主のコレステロールを取り
込み、菌体内でαCAGとαCPGと
いった炎症誘導化合物に変換す
ることで胃炎を引き起こす、と
いう一連の分子メカニズムが初
めて明らかになりました。

 研究グループは、「宿主側で
これらの受容体の働きをブロッ
クすることや、ピロリ菌でこの
糖脂質の生成に必要な酵素(コ
レステリルグルコシルトランス
フェラーゼ)を阻害することが、
抗生物質と併用可能な、あるい
は抗生物質に取って代わる、新
たに胃炎・胃ガン発症を抑える
治療標的として期待される」と、
述べています。

鳥肌胃炎について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 生成物を精製した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京工科大学が9月30日、ヒ
トラクトフェリン(hLF )にヒ
ト血清アルブミン(HSA )を融
合し、血中安定性と抗腫瘍効果
を高めたhLF 製剤を開発したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。HSA融合技術により、hLF
の血中安定性、さらにその抗腫
瘍効果の向上が確認されたのは、
注目すべきことと考えます。HS
A融合によるhLF活性の増強効果
は、抗腫瘍作用以外でも認めら
れることから、種々の疾患に対
するバイオ医薬品としての実用
化を期待したいと思います。既
に、同製剤を用いて、hLF のバ
イオ医薬品開発に特化したベン
チャー企業であるS&K バイオフ
ァーマが、急速進行性糸球体腎
炎、脊髄損傷、敗血症、ガンな
どの治療薬の開発に着手してい
るのは、目端が利くことだと思
います。
 大阪大学微生物病研究所が9
月29日、ヘリコバクター・ピロ
リ(いわゆるピロリ菌)が胃炎
を引き起こすメカニズムを明ら
かにしたと発表したのは素晴ら
しい業績です。宿主側でこれら
の受容体の働きをブロックする
ことや、ピロリ菌でこの糖脂質
の生成に必要な酵素(コレステ
リルグルコシルトランスフェラ
ーゼ)を阻害することが、抗生
物質と併用可能な、あるいは抗
生物質に取って代わる、新たに
胃炎・胃ガン発症を抑える治療
標的ということですが、パプラ
ールというサプリメントを内服
すれば、除菌は簡単にできるこ
とが分かっているので、あまり
新鮮味のない研究という気がし
ました。このパプラールの作用
は、特許も取られているので先
行きが分からない治療標的より
優秀だと思います。

 左様な作用が判明した。笑

 
 
 
 
 
 
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