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2021-08-22 20:22:36

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診療マル秘裏話  号外Vol.1938 令和2年10月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)CML幹細胞がリゾリン脂質代謝酵素活性化して生存
2)肺ガン治療薬研究成果を,バーチャル形式ESMOで報告

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 CML幹細胞がリゾリン脂質代謝酵素活性化して生存

 
 
 
 
 
 広島大学は9月17日、慢性骨
髄性白血病(CML )の幹細胞が、
リゾリン脂質代謝酵素「Gdpd3」
という分子を活性化して生存を
維持しているメカニズムを発見
したと発表しました。これは、
同大原爆放射線医科学研究所幹
細胞機能学研究分野の仲一仁准
教授、自然科学研究支援開発セ
ンターの外丸祐介教授、韓国ソ
ウル国立大学校Seong-Jin Kim
教授、大島章教授、獨協医科大
学の三谷絹子教授、熊本大学の
荒木喜美教授、荒木正健准教授、
千葉大学の星居孝之講師、株式
会社島津テクノリサーチらの国
際共同研究グループによるもの
です。研究成果は、「Nature C
ommunications 」に掲載されて
います。

 CML 細胞のBCR-ABL1チロシン
キナーゼを標的とするTKI (イ
マチニブ、ダサチニブなど)の
開発により、患者さんの治療は
飛躍的に改善されました。しか
し、CML は根治せず再発を起こ
すため、患者さんは、高価なTK
I 治療を止めることができなく
なり、大きな問題となっていま
す。再発の原因としてCML 幹細
胞が注目されています。CML 幹
細胞は非常に多くのCML 細胞を
生み出すもとになる細胞であり、
増殖活性を低く抑えた休眠状態
を維持することで長期間の生存
を維持しています。そのため、
チロシンキナーゼを標的とする
TKI が効かず再発の原因になる
と考えられています。

 研究では、CML の動物モデル
から体内にわずかしかないCML
幹細胞を取り出し、CML 幹細胞
内での脂質代謝のメカニズムを
解析しました。その結果、リゾ
リン脂質代謝を行うGdpd3 とい
う酵素の発現が非常に高くなっ
ていることを発見しました。Gd
pd3 はリゾリン脂質を分解して
リゾホスファチジン酸(LPA )
を産生する酵素として知られて
います。しかし、CML 幹細胞に
おけるリゾリン脂質代謝の役割
は不明でした。そこで、ゲノム
編集技術によりGdpd3 遺伝子の
ノックアウトマウス(Gdpd3 欠
損マウス)を樹立し、CML 幹細
胞における機能を解析しました。

 その結果、Gdpd3 欠損マウス
から樹立したCML 幹細胞で、細
胞分裂が活性化していることが
確認されました。つまり、Gdpd
3 によるリゾリン脂質代謝は、
CML 幹細胞の休眠状態の維持に
重要な役割を担うことが分かり
ました。そこで、CML 幹細胞を
移植したマウスにTKI (ダサチ
ニブ)による治療を行った所、
Gdpd3欠損CML幹細胞を移植した
マウスの再発を改善できること
が判明しました。

 大多数を占めるCML 細胞はガ
ン遺伝子産物(BCR-ABL1)によ
って増殖しますが、そのもとで
あるCML 幹細胞はガン遺伝子産
物には依存しないメカニズムに
よって生存しています。今回の
研究により、世界で初めてリゾ
リン脂質代謝がCML 幹細胞の休
眠状態での生存維持に必須な役
割を担うことを解明しました。
重要なこととして、このリゾリ
ン脂質代謝のメカニズムは正常
な造血幹細胞において機能して
いないことから、今後、副作用
の少ない治療法へと発展するこ
とが期待され、同様に、ガン遺
伝子産物に依存しないメカニズ
ムで再発や転移を繰り返すさま
ざまなガンの治療への応用も考
えられるということです。「将
来、ガン幹細胞のリゾリン脂質
代謝を抑制する薬と抗ガン剤と
の併用により、ガンの再発を軽
減する新しい治療法へと発展す
ることが望まれる」と、研究グ
ループは述べています。

慢性骨髄性白血病について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
 依存症の治療に異存はない。


 
 
 
 
 
 
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2】 肺ガン治療薬研究成果を,バーチャル形式ESMOで報告

 
 
 
 
 
 
 武田薬品工業は、同社の肺ガ
ン治療薬研究の成果をバーチャ
ル形式の欧州臨床腫瘍学会(E
SMO)で報告したと発表しま
した。報告されたのは第3相A
LTA・1L試験で検討した未
分化リンパ腫キナーゼ遺伝子変
異陽性(ALK+)転移性非小
細胞肺ガン(NSCLC)治療
薬の「ALUNBRIG」(ブ
リガチニブ)と、第1、2相試
験で検討した上皮増殖因子受容
体(EGFR)エクソン20挿
入変異を有する転移性NSCL
C(mNSCLC)治療薬の「
モボセルチニブ」(TAK-7
88)です。サブ解析によれば、
ファーストライン治療薬として
米食品医薬品局(FDA)から
承認済みのALUNBRIGは
クリゾチニブと比較して、頭蓋
内病変の病勢進行までの期間が
有意に延長しました。10カ月間
の追跡調査から、モボセルチニ
ブによる奏功期間の延長が示さ
れ、既報の結果が再確認されま
した。

非小細胞ガンに対する薬物療法

について解説している動画です。

 
 


 
 
 商人が証人を承認した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 広島大学が9月17日、慢性骨
髄性白血病(CML )の幹細胞が、
リゾリン脂質代謝酵素「Gdpd3」
という分子を活性化して生存を
維持しているメカニズムを発見
したと発表したのは素晴らしい
業績です。今後、副作用の少な
い治療法へと発展することが期
待され、同様に、ガン遺伝子産
物に依存しないメカニズムで再
発や転移を繰り返すさまざまな
ガンの治療への応用も考えられ
るということですから、将来、
有望な治療法が出てくるかも知
れません。ただ既存の抗ガン剤
と組み合わせるのではなく蛋白
質分解化合物(TPD)などと
組み合わせる方が、良いと思い
ます。
 武田薬品工業が、同社の肺ガ
ン治療薬研究の成果をバーチャ
ル形式の欧州臨床腫瘍学会(E
SMO)で報告したと発表した
のは、喜ばしいことです。米食
品医薬品局(FDA)から承認
済みのALUNBRIGはクリ
ゾチニブと比較して、頭蓋内病
変の病勢進行までの期間が有意
に延長したとのことですから、
どうも完治を目指せる薬ではな
いようですね。10カ月間の追跡
調査から、モボセルチニブによ
る奏功期間の延長が示されたの
は素晴らしい成果だと思います。

 基幹の機関が制限期間を延長
した。          笑

 
 
 
 
 
 
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