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2021-08-15 22:47:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.1932 令和2年10月13日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)永久染毛剤使用とガンリスクおよび死亡率との関連
2)インドの製薬大手が皮膚疾患の乾癬治療薬発売

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 永久染毛剤使用とガンリスクおよび死亡率との関連

 
 
 
 
 
 米国の看護師健康調査(Nurs
es’ Health Study)に参加した
女性11万7200人を対象に、永久
染毛剤(ヘアカラー)の個人的
使用とガンリスクおよび死亡率
との関連を前向きコホート研究
で検討しました。追跡期間は36
年でした。

 その結果、永久染毛剤の使用
者では非使用者に比べ、非悪性
黒色腫皮膚ガンを除く固形ガン
(2万805例:ハザード比0.98、
95%CI 0.96-1.01)、造血器ガ
ン全体(1807例:同1.00、0.91
-1.10 )、ほとんどの特定のガ
ン(皮膚扁平上皮ガン、膀胱ガ
ンなど)、ガン関連死(4860例:
同0.96、0.91-1.02 )のリスク
増加はありませんでした。基底
細胞ガンのリスクは永久染毛剤
使用者でわずかに増加しました
(2万2560例:同1.05、1.02-1.
08)。累積使用量と乳ガン(エ
ストロゲン受容体陰性、プロゲ
ステロン受容体陰性、ホルモン
受容体陰性)および卵巣ガンの
リスクに正の関連が認められま
した。

 大学院生は、検査陰性でした。


 
 
 
 
 
 
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2】 インドの製薬大手が皮膚疾患の乾癬治療薬発売

 
 
 
 
 
 
 インドの製薬大手サン・ファ
ーマシューティカル・インダス
トリーズは日本で、抗体医薬の
新薬を9月に発売します。印系
製薬会社が日本でバイオ新薬を
実用化するのは初めてというこ
とです。皮膚疾患の乾癬の治療
薬「イルミア」で、日本法人サ
ンファーマ(東京都品川区)が
約40人の専任営業組織を通じて
販促活動を行います。同社は最
優先で事業強化してきた皮膚科
に続き、2021年からガン分野の
事業立ち上げにも乗り出す予定
です。

 印サン・ファーマの事業規模
は約4900億円(2019年)で、売
り上げの多くを米国とインドで
稼ぐ国際製薬会社です。もとも
と後発医薬品を主力としていま
したが、2000年頃から「皮膚科」
「ガン」「眼科」に領域を絞り、
その診療科で処方される新薬、
後発薬を幅広く展開する事業モ
デルに転換しました。製品・企
業の買収や設備投資を加速し、
最初に強化してきた皮膚科では
米国で上位5社にランクされて
います。

 2012年に設立した日本法人も
国際戦略を踏襲し、まず皮膚科
の事業構築に乗り出しました。
治験してきた新薬イルミアの発
売に備え、皮膚科に強いポーラ
ファルマを2019年に買収、今年
1月に統合しました。現在、旧
ポーラ品のにきび治療薬「デュ
アック」など皮膚科向けを中心
に新薬や後発薬を計41成分扱い
ます。製品に加え国内2工場、
研究開発基盤も手に入れ、社員
数は約430人です。日本で皮
膚科事業の一貫体制を整えまし
た。

 皮膚科以外の長期収載品は田
辺三菱製薬に販売委託し、サン
ファーマは皮膚科の営業活動に
特化します。約140人抱える
医薬情報担当者(MR)のうち
約40人をイルミアの専任営業組
織として立ちあげました。全国
に600以上ある指定医療機関
に専任と通常のMRが連携して
情報提供を行い、処方機会につ
なげるということです。

 イルミアは炎症を起すサイト
カインなどを発現するインター
ロイキン(IL)-23 受容体の働
きを阻害する抗体医薬です。6
月に製造販売承認を取得し、8
月末に薬価収載されました。日
本向けは欧州で生産し、温度管
理など物流履歴を徹底して流通
させます。同社の中道淳一社長
によると、「9月中に発売する
計画だ」ということです。

 乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患
で既存薬が効かない場合、抗体
医薬を使います。IL23受容体を
阻害する抗体医薬は日本で米系
2製品が先行していますが、イ
ルミアは投与回数が少ない利便
性が特徴です。3週間に1回の
投与で治療でき、コロナ下で通
院頻度を減らせる利点もありま
す。

 中道社長は「現在も継続して
いる5年に渡る治験で有効性と
安全性のデータを積み上げてき
た。医師の評価につなげて一定
のポジションをつかみたい」と
バイオ新薬に成長期待をかけて
います。

 今後も皮膚科向けに継続的に
投入する方針で、イルミアは今
回承認を取得している尋常性乾
癬のほかに、関節症性乾癬や膿
疱性乾癬などに効能を広げるた
め、国際治験に日本開発を組み
入れる方針です。米国展開して
いる外用剤や経口剤5~10成分
も「日本に順次発売」(同)し
製品構成を充実します。

 第二の成長の柱として日本で
もガン事業の育成に乗り出し、
「2021年から製品群を発売する」
(同)。あらかじめ注射器に薬
剤を充填したプレフィルドシリ
ンジ製剤やバッグ製剤など製剤
工夫を加えた抗ガン剤を中心に
年間数品目ずつ投入する方針で
す。中道社長は「重点分野の強
化につながるM&A(合併・買
収)も積極的に検討していく」
と話しています。

 重点分野で充填製剤を使う。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 米国の看護師健康調査(Nurs
es’ Health Study)に参加した
女性11万7200人を対象に、永久
染毛剤(ヘアカラー)の個人的
使用とガンリスクおよび死亡率
との関連を前向きコホート研究
で検討し、追跡期間は36年間だ
ったというのは、凄い大規模の
疫学的調査であったと思います。
その結果、永久染毛剤の使用者
では、非使用者に比べ、非悪性
黒色腫皮膚ガンを除く固形ガン
(2万805例:ハザード比0.98、
95%CI 0.96-1.01)、造血器ガ
ン全体(1807例:同1.00、0.91
-1.10 )、ほとんどの特定のガ
ン(皮膚扁平上皮ガン、膀胱ガ
ンなど)、ガン関連死(4860例:
同0.96、0.91-1.02 )のリスク
増加はなかったのにも関わらず、
累積使用量と乳ガン(エストロ
ゲン受容体陰性、プロゲステロ
ン受容体陰性、ホルモン受容体
陰性)および卵巣ガンのリスク
に正の関連が認められたのは、
使えば使うほど、乳ガン卵巣ガ
ンのリスクが上がるということ
ですから、使用量と頻度を落と
すことが重要なリスク回避にな
るということでしょう。
 インドの製薬大手サン・ファ
ーマシューティカル・インダス
トリーズは日本で、抗体医薬の
新薬を9月に発売するというこ
とは、喜ばしいことです。抗体
医薬の分野では、協和発酵キリ
ンなどのメーカーがしのぎを削
っていることは知っていますが、
皮膚科に強いポーラファルマを
2019年に買収、今年1月に統合
したというのは、並々ならぬ気
合が感じられます。協和発酵キ
リンなど国内メーカーは、買収
されないよう注意した方が良さ
そうです。乾癬は慢性の炎症性
皮膚疾患で既存薬が効かない場
合、抗体医薬を使うということ
ですが、そこまでやらなくても
当クリニックでは、かなりの確
率でコントロール良好となって
います。IL23受容体を阻害する
抗体医薬は日本で米系2製品が
先行していますが、イルミアは
投与回数が少ない利便性を引っ
提げて、後から参入する不利な
状況を改善しようとしています。
第二の成長の柱として日本でも
ガン事業の育成に乗り出し重点
分野の強化につながるM&A(
合併・買収)も積極的に検討す
るということですから、国産の
製薬メーカーは、十分注意して
認識を改めるべきだと考えます。

 発酵製品の重要性が薄幸の人
に再認識された。     笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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