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2022-05-29 17:55:52

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診療マル秘裏話  号外Vol.2178 令和3年7月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)ユーグレナ経口摂取が,胃ガン初期過程に及ぼす影響
2)内シャントへの穿刺疼痛外用局所麻酔薬で緩和する

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ユーグレナ経口摂取が,胃ガン初期過程に及ぼす影響

 
 
 
 
 
 
 東京大学は7月1日、胃ガンを
自然発症する疾病モデルマウス
(A4gnt 遺伝子欠損マウス)を
用いて、ユーグレナの経口摂取
が胃ガンの初期過程に及ぼす影
響について検討し、その結果を
発表しました。この研究は、同
大大学院農学生命科学研究科獣
医学専攻の平山和宏教授、角田
茂准教授らと、株式会社ユーグ
レナなどとの共同研究によるも
のです。研究成果は、「Scient
ific Reports」に掲載されてい
ます。

 胃ガンは世界的には2番目に
多いガンであり、日本では年間
約12万9,000人に発生し、約4万
3,000 人の死亡原因となってい
ます。今では胃ガンは必ずしも
死に直結する病ではなくなって
きていますが、生存率はいかに
早期にガンを発見できるかに依
存しています。胃ガンの発生や
進行を遅らせることができれば、
胃ガンによる死亡をさらに減ら
すことが期待できます。

 ユーグレナは動物と植物の両
方の性質を持つ微細藻類で、そ
の健康効果のために食品やサプ
リメントとして広く利用されて
います。研究グループは、胃ガ
ンを自然発症する疾病モデルマ
ウス(以下,胃ガンモデルマウス)
を用いて、ユーグレナまたはユ
ーグレナの成分の1つであるパ
ラミロンという物質の経口投与
が胃ガンの初期過程に及ぼす効
果について検討しました。雄お
よび雌の10週齢の胃ガンモデル
マウスにユーグレナまたはパラ
ミロンを3週間毎日投与して、
その効果を観察しました。

 このモデルマウスの胃ガンは、
「慢性的な炎症による胃粘膜の
増殖亢進(過形成)→異常な細
胞の増殖(異形成)→ガン」と
いうヒトの胃ガンによく見られ
る過程と同じ進行をするのが特
徴ですが、今回の研究で用いた
10~13週齢は、初期病変である
胃粘膜の異形成が見られる前ガ
ンステージでした。

 3週間にわたるユーグレナま
たはパラミロンの投与で、正常
なマウスに比べて胃ガンモデル
マウスの胃粘膜で顕著に増加す
るCD3陽性Tリンパ細胞の数が有
意に減っているのが観察されま
した。同じく炎症にかかわる多
形核白血球にも減少する傾向が
見られました。

 ユーグレナの投与は胃粘膜上
皮細胞の増殖を促進するサイト
インであるIL-11 と炎症を促進
させ、ガン細胞の転移や浸潤の
能力を高めるケモカインである
Cxcl1 の遺伝子の発現を抑制し
ていたことも分かりました。し
かし、組織学的には、胃粘膜の
異形成や細胞の増殖に明らかな
効果を示しませんでした。

 一方、パラミロンを投与した
胃ガンモデルマウスでは、胃粘
膜のCD3陽性Tリンパ細胞を減少
させ、IL-11 と炎症にかかわる
ケモカインであるCcl2の遺伝子
発現を抑制しましたが、その効
果はユーグレナの投与ほど顕著
ではありませんでした。このこ
とは、ユーグレナの炎症を抑制
する効果はパラミロンだけでな
く、ユーグレナに含まれるさま
ざまな成分も重要な役割を持っ
ていることを示唆しています。
また、ユーグレナの投与は胃ガ
ンモデルマウスの小腸内のIgA
の産生を促進しました。

 今回の研究は、胃ガンモデル
マウスの初期病変に対するユー
グレナの効果を検討したもので、
胃ガンの発生を直接観察したも
のではありませんが、ユーグレ
ナの摂取が胃粘膜の炎症を抑制
することで、将来の胃ガンの発
症を抑えることができる可能性
を示唆しています。「今後、胃
ガンが発症するまで長期に効果
を観察する実験により、ユーグ
レナの抗ガン効果が明らかにさ
れることが望まれる」と、研究
グループは述べています。

 ユーグレナについて解説して

いるニュース動画です。

 
 


 
 
 放置では、化膿部も良くなる
可能性が少ない。     笑

 
 
 
 
 
 
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2】 内シャントへの穿刺疼痛外用局所麻酔薬で緩和する

 
 
 
 
 
 
 血液透析治療における内シャ
ントへの穿刺は頻回に行われま
すが、穿刺に伴う疼痛は強く、
患者さんのQOL を著しく低下さ
せるため、適切なケアが欠かせ
ません。内村内科・腎クリニッ
ク(横浜市)院長の内村英輝氏
は、疼痛の種類やメカニズムを
踏まえた上で、外用局所麻酔薬
リドカイン・プロピトカイン配
合クリーム(商品名エムラクリ
ーム)の特徴を概説しました。
従来の局所麻酔薬より優れた有
効性が確認されていると、第66
回日本透析医学会(6月4~6日、
ウェブ併催)で報告しました。

 シャント穿刺などがもたらす
表皮への機械的刺激は、有棘層
に中枢から達する自由神経終末
(受容器)で電気信号に変換さ
れ、神経伝導により脊髄後角に
入り、神経伝達物質によりシナ
プス間を伝達し、中脳、視床を
経由し大脳皮質の感覚野に到達
します。最終的に痛みの感覚と
して認識されます。

 しかし、こうした脊髄視床路
だけでなく機械的刺激は大脳辺
縁系にも至り、不快感や悲しみ
などをも生じさせます。そのた
め疼痛ケアにおいては、痛みそ
のものだけでなく情動的側面へ
の対応も必要となります。

 また、透析患者さんの穿刺痛
は侵害受容性疼痛(炎症や刺激
による痛み)に該当しますが、
糖尿病や手根管症候群、ガンな
どの合併症による神経障害性疼
痛(神経が障害されることで起
こる痛み)や心因性疼痛(心理
面、社会的な面で問題が生じる
ことで感じる痛み)が重なり、
複雑な臨床像を呈するケースも
あるということです。

 これらの点を踏まえ、内村氏
は「医師を含む多職種が多様な
アプローチを図り、総合的に疼
痛を緩和するのが現実的である」
と説明しています。「例えば、
患部に優しく触れる、さすると
いった行為で、触覚や圧覚を伝
達するAβ 線維を通じて上行性
疼痛抑制系を賦活させるなど、
生体に備わる内因性鎮痛機構に
働きかけることも1つの方策で
ある。痛みを”疾患”として捉え、
積極的に管理すべきである」と
強調しました。

 こうした多岐にわたる疼痛ケ
アの手法の1つとして、内村氏
は穿刺痛の緩和に用いるリドカ
イン・プロピトカイン配合クリ
ームの特徴や有効性について解
説しました。

 同薬は共融混合物を用いて製
剤化しているため、皮膚への透
過性や薬効分子の密度が高いと
いう特徴を有しています。加え
て、塗布部位をラップで覆い包
帯で固定する閉鎖密封法を用い
ることで、表皮の角質層を軟化
し、有棘層まで十分な濃度の薬
剤が到達します。有棘層まで達
した薬剤は、穿刺痛の刺激を最
初に受容する自由神経終末に対
し十分な麻酔効果を発揮します。

 その証左として、同氏が自施
設の透析患者さんに実施した検
討では、リドカインテープ使用
時と比べ、Numerical Rating S
cale(NRS) で評価した疼痛ス
コアが有意に低下し(P=0.0001)、
リドカイン・プロピトカイン配
合クリーム塗布による疼痛緩和
効果が示されたということです。
なお、閉鎖密封法のこつとして
は、薬剤を擦り込まず、厚く盛
り付けることであるとしました。

 同氏は「リドカイン・プロピ
トカイン配合クリームの導入後、
患者のQOL が上昇し、穿刺を行
う医療者の心理的抵抗感やスト
レスも減少したと感じている。
患者と医療者の信頼関係もこれ
まで以上に改善されたのではな
いか」と述べました。

 麻酔クリームの使い方(脱毛

に使う際の使い方)についての

動画です。

 
 


 
 
 定稿を出すことに抵抗を感じ
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 東京大学が7月1日、胃ガンを
自然発症する疾病モデルマウス
(A4gnt 遺伝子欠損マウス)を
用いて、ユーグレナの経口摂取
が胃ガンの初期過程に及ぼす影
響について検討し、その結果を
発表したのは、偉大な業績です。
今回の研究は、胃ガンモデルマ
ウスの初期病変に対するユーグ
レナの効果を検討したもので、
胃ガンの発生を直接観察したも
のではありませんが、ユーグレ
ナの摂取が胃粘膜の炎症を抑制
することで、将来の胃ガンの発
症を抑えることができる可能性
を示唆しているということです。
それゆえに、慢性炎症と発ガン
の関係を調査する必要があるよ
うです。
 血液透析治療における内シャ
ントへの穿刺は頻回に行われま
すが、穿刺に伴う疼痛は強く、
患者さんのQOL を著しく低下さ
せるため、適切なケアが欠かせ
ないのは、透析病院にパートに
行っていた私には、良く分かり
ます。血液透析は、流量を確保
するために、かなり極太の針を
穿刺するから、痛いのは当然と
言えましょう。リドカイン・プ
ロピトカイン配合クリームの導
入後、患者さんのQOL が上昇し、
穿刺を行う医療者の心理的抵抗
感やストレスも減少したと感じ
ているというのは、凄い効果で
あるなと思いました。

 戦史に残る血管穿刺。  笑

 
 
 
 
 
 
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