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2022-02-19 22:45:57

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診療マル秘裏話  号外Vol.2093 令和3年4月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍抑制遺伝子異常ある膵管内乳頭粘液性腫瘍
2)蛋白質チチン尿中濃度でALS進行度や予後予測可能

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 腫瘍抑制遺伝子異常ある膵管内乳頭粘液性腫瘍

 
 
 
 
 膵臓ガンの発生メカニズムに
迫る、「STK11」 遺伝子に異常
のある膵管内乳頭粘液性腫瘍の
特徴が明らかになりました。ST
K11 遺伝子を標的とした膵臓ガ
ンの早期発見や新たな治療法の
開発が期待されます。

 東北大学は3月5日、STK11 遺
伝子異常がある膵管内乳頭粘液
性腫瘍の遺伝学的、臨床病理学
的な5つの特徴を明らかにした
ことを発表しました。同大大学
院医学系研究科病態病理学分野
の大森優子助教、古川徹教授ら
を中心とした研究グループによ
るものです。

 膵管内乳頭粘液性腫瘍は、膵
臓にできるのう胞性腫瘍の代表
的な1つです。膵管内部で盛り
上がるように増殖し、粘液分泌
が特徴的な腫瘍です。膵管内で
発生した腫瘍が、浸潤して膵臓
ガンを形成します。

 腫瘍抑制遺伝子であるSTK11
遺伝子は、膵臓ガンの発生や進
展に直接的にかかわる重要な役
割を果たす遺伝子ですが、膵管
内乳頭粘液性腫瘍における腫瘍
化への役割は明らかになってい
ませんでした。

 研究グループは、膵管内乳頭
粘液性腫瘍の手術切除標本につ
いて病理学的解析と次世代シー
ケンサーによる遺伝子解析を行
いました。その結果、STK11 遺
伝子異常がある膵管内乳頭粘液
性腫瘍の5つの特徴を突き止め
ました。その1つは、ガン遺伝
子の1つ「KRAS遺伝子」の機能
活性化変異と相助し、特徴的な
形状の膵管内乳頭粘液性腫瘍を
形成するということです。

 今回の研究成果により、膵管
内乳頭粘液性腫瘍の患者さんに
対し、STK11 を観察することで、
膵臓ガンの早期発見やSTK11 を
標的とした新規治療戦略の開発
が期待されます。

 膵臓ガンの危険因子としての

膵管内乳頭粘液性腫瘍について

解説している動画です。

 
 


 
 
 心機一転、新規治療戦略を練
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 蛋白質チチン尿中濃度でALS進行度や予後予測可能

 
 
 
 
 
 
 神経難病である筋萎縮性側索
硬化症(ALS) の治療法は限ら
れており、その理由として治療
の標的分子が同定されておらず、
重症度や進行度を反映するバイ
オマーカーが未確立であること
が挙げられます。名古屋大学大
学院神経内科学教授の勝野雅央
氏、山田晋一郎氏らの研究グル
ープは、「筋肉を構成する蛋白
質チチンの尿中濃度がALS の進
行度や予後予測のバイオマーカ
ーになりうることを突き止めた」
とJ Neurol Neurosurg Psychia
try(2021年3月18日オンライン
版)に発表しました。

 ALS は進行性の全身骨格筋の
萎縮および筋力低下により運動
機能障害、嚥下障害、呼吸筋麻
痺などを来します。進行は極め
て速く、発症後平均3~5年で死
亡または長期の人工呼吸管理が
必要となる神経難病です。

 研究グループは、筋ジストロ
フィーなどさまざまな疾患の患
者さんの尿中で、増加すること
が報告されているチチンに着目
しました。筋肉は力を入れると
収縮しますが、脱力したときそ
れを元に戻す役割を担っている
のがチチンです。横紋筋に特異
的に発現する蛋白質で、骨格筋
の損傷に伴い断片化されて筋外
に漏出、尿中から検出されこと
が知られています。研究グルー
プはチチンがALS の重症度や予
後を予測するマーカーになりう
るかを検討しました。

 ALS 患者さん、健常人、その
他の神経筋疾患患者さんの血清
や尿などの生体試料を収集しま
した。尿中チチン濃度を測定し
た所、健常人に比べALS 患者さ
んで有意に上昇していました。
さらに、ALS の運動機能評価尺
であるALSFRS-Rのスコアと尿中
チチン濃度の関連を調べた結果、
両者の数値が相関していました。
これらのことから、チチンはAL
S 患者さんの進行度を予測する
非侵襲的な指標になることが示
されました。尿中チチンが上昇
しているALS 患者さんでは予後
が不良で、チチンが予後予測マ
ーカーとしても有用であること
も分かりました。

 研究では、尿中チチンがALS
患者さんと健常者を見分ける指
標になりうるかについても検討
しました。既存のALS のバイオ
マーカーである尿中のp75ECDや
血清ニューロフィラメント軽鎖
(NfL) とチチンを比べた所、
チチンは血清NfL と同等の精度
でALS 患者さんと健常人を識別
できました。

 また、尿中のp75ECDはALSFRS
-Rと相関していましたが、予後
とは相関しなかったのに対し、
血清NfL はALSFRS-Rとの相関は
見られないものの予後と関連し
ていたことから、尿中チチンを
既存のバイオマーカーと組み合
わせることで、ALS の重症度や
進行度、予後予測のマーカーに
なりうることが示唆されました。

 これらの結果を踏まえ、研究
グループは「尿中チチンはALS
の診療や臨床試験などで活用可
能なマーカーと考えられる」と
結論づけました。「今後はチチ
ンがALS に対する治療薬の効果
予測や臨床試験の評価項目とし
て応用が可能かを検証し、ALS
の治療法の開発につなげていき
たい」としています。

 ALSについて解説している動

画です。

 
 


 
 
 新興国でALS の進行度を予測
するのは危険だ。     笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東北大学が3月5日、STK11 遺
伝子異常がある膵管内乳頭粘液
性腫瘍の遺伝学的、臨床病理学
的な5つの特徴を明らかにした
ことを発表したのは、素晴らし
い業績です。膵臓ガンの発生メ
カニズムに迫る、「STK11」 遺
伝子に異常のある膵管内乳頭粘
液性腫瘍の特徴が明らかになり
喜ばしいことだと思います。今
回の研究成果により、膵管内乳
頭粘液性腫瘍の患者さんに対し、
STK11 を観察することで、膵臓
ガンの早期発見やSTK11 を標的
とした新規治療戦略の開発に期
待したいと思います。膵臓ガン
は、進行してから見つかること
が多く、見つかった時には、手
遅れで、五年生存率は、数パー
セントとされています。「STK1
1」が膵臓ガンの患者さんにとっ
て一筋の光となることを祈念致
します。
 名古屋大学大学院神経内科学
教授の勝野雅央氏、山田晋一郎
氏らの研究グループが、「筋肉
を構成する蛋白質チチンの尿中
濃度がALS の進行度や予後予測
のバイオマーカーになりうるこ
とを突き止めた」とJ Neurol N
eurosurg Psychiatry(2021年3
月18日オンライン版)に発表し
たのは、素晴らしい業績です。
尿中チチンを既存のバイオマー
カーと組み合わせることで、AL
S の重症度や進行度、予後予測
のマーカーになりうることが示
唆されたということですから、
単独のバイオマーカーとしては、
不完全ですが、他のマーカーと
組み合わせることで、ALS の進
行度や予後予測が正確にできる
ようになることを期待してい止
みません。

 性格を正確に言い当てる。笑

 
 
 
 
 
 
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