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2022-02-13 18:12:06

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診療マル秘裏話  号外Vol.2088 令和3年4月13日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)白血病細胞の弱点である蛋白質の阻害剤を発見
2)高血圧治療アプリ平均収縮期血圧で降圧効果確認

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 白血病細胞の弱点である蛋白質の阻害剤を発見

 
 
 
 
 
 
 理化学研究所(理研)が3月
19日、白血病ヒト化マウスを用
いて、白血病細胞の「弱点」で
ある蛋白質の阻害剤を投与する
ことで、白血病細胞を効果的に
死滅させる方法を突き止めたと
発表しました。この研究は、理
研生命医科学研究センターヒト
疾患モデル研究チームの石川文
彦チームリーダー、齊藤頼子上
級研究員、橋本真里基礎科学特
別研究員らの共同研究グループ
によるものです。研究成果は、
「Nature Cancer」 オンライン
版に掲載されています。

 白血病を発症すると免疫が失
われることから、患者さんは感
染症など他の病気の危険性も高
まります。白血病の治療には、
抗ガン剤により白血病細胞を減
らし、さらに大量の抗ガン剤で
治療した後に、骨髄や臍帯血を
用いて造血幹細胞を移植する方
法が確立されています。しかし、
それでもなお根治できずに再発
し、命を失う患者さんも少なく
ありません。

 理研では、難治性白血病患者
さんの治療を牽引する虎の門病
院血液内科との15年間にわたる
共同研究のもと、これまでに、
急性骨髄性白血病の再発を引き
起こす細胞や再発の原因に関す
る研究を発表してきました。今
回研究グループは、虎の門病院
での診療において完全な治癒に
至らなかった患者さんの検体を
用いて、急性骨髄性白血病の再
発克服と根治の実現を目指しま
した。白血病など血液を専門と
する研究チームに加え、遺伝子
計測、遺伝子解析、蛋白質の構
造予測、機械学習など理研の3
つの研究センターからなる計7
研究チームで、虎の門病院血液
内科のチームとともに研究を進
めました。

 急性骨髄性白血病を根治する
には、増殖と生存を続ける悪性
化した白血病細胞を死滅させる
方法を見つける必要があります。
研究グループはまず、現在の治
療法では根治に至らなかった患
者さんの検体に集中して研究を
進めることにしました。今回、
患者さんの白血病細胞と正常な
血液を作り出す造血幹細胞の遺
伝子を比較し、造血幹細胞には
少なく、白血病細胞に多い遺伝
子を選出しました。そして、こ
れらの遺伝子から作られる蛋白
質を治療標的の候補として、正
常な血液や免疫を障害せず白血
病細胞を選択的に治療する方法
を探索しました。

 治療標的の候補となる蛋白質
の働きを停止させる阻害剤を白
血病細胞に与えた場合に、白血
病細胞が実際に生存・増殖でき
なくなるかについて、試験管内
で38種類の阻害剤を患者さん10
人の白血病細胞に対して調査し
ました。その結果に基づき5種
類の最も優れた阻害剤に絞り、
さらに患者さん97人の白血病細
胞を用いて検討を続けました。
その結果、73人(73/107=68%)
の患者さんで,IAPという蛋白質
の機能が阻害されたときに白血
病細胞が最も有効に死滅するこ
とを発見しました。さらに他の
患者さんでは、BCL2、MCL1、AU
RKB、CENPEなどの蛋白質を標的
とした場合にも白血病細胞が死
滅しました。つまり、これら5
つの蛋白質が白血病の「弱点」
であることを見出しました。

 次に、生体内の骨髄・脾臓・
血液などで、治療効果を正確に
定量的に評価することが重要と
考え、患者さんの白血病細胞を
用いて、患者さんそれぞれの白
血病の状態をマウスに再現した
「白血病ヒト化マウス」を作製
しました。白血病ヒト化マウス
では、骨髄で白血病細胞が増え
始め、次第に骨髄から血液中に
白血病細胞が出て、脾臓などの
骨髄以外の組織に浸潤します。
白血病ヒト化マウスが患者さん
白血病状態を再現したことを確
認した上で,IAP阻害剤とBCL2阻
害剤、IAP阻害剤とAURKB阻害剤
など、試験管内の検討で患者さ
んの白血病細胞が特に高い感受
性を示した阻害剤を2種類選ん
で投与しました。すると、血液
中だけでなく骨髄や脾臓に存在
していた白血病ヒト化マウスの
患者さん由来白血病細胞も完全
に死滅することが確認されまし
た。さらに、他の阻害剤の組み
合わせでも、それぞれ異なるメ
カニズムで患者さん由来白血病
細胞が有効に死滅することがわ
かったということです。

 同じ急性骨髄性白血病でも、
その原因となる遺伝子の異常は
患者さんごとに異なることが、
遺伝子研究で明らかになりつつ
あります。つまり、5つの蛋白
質の阻害剤に対して、全ての患
者さんの白血病細胞が一様な感
受性を示すわけではありません。
研究グループは最後に、患者さ
ん体内で発生した遺伝子異常の
種類と最適な治療を結びつける
ことを目指し、研究を行いまし
た。患者さんごとに発生してい
る染色体や遺伝子の異常(FLT3、
MLL、NRAS、IDH1など)を調べ、
どの染色体や遺伝子に異常があ
ると、5つのうちどの蛋白質の
阻害剤が有効であるかを関連付
けることに成功しました。

 今回の研究では、専門家が明
らかにした結果を、議論・評価
し統合的に解析・解釈すること
で、白血病細胞を死滅させる方
法を突き止めることに成功しま
した。患者さんへの応用には、
引き続きさまざまな検証が必要
ですが、同成果をもとに、個々
の患者さんに最適な方法で急性
骨髄性白血病を完全に克服する
新しい治療が確立されることが
期待されます。

 「本研究における複数の科学を
融合させて難病を克服するアプ
ローチが、急性骨髄性白血病以
外の血液疾患や、さまざまな臓
器に発生する固形ガンの理解と
克服にも応用・展開されること
が期待できる」と、研究グルー
プは述べています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 秘蔵の薬品が脾臓に良い影響
を与える。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 高血圧治療アプリ平均収縮期血圧で降圧効果確認

 
 
 
 
 
 
 株式会社CureApp は、自治医
科大学循環器内科学教授の苅尾
七臣氏らと共同研究中の高血圧
治療アプリについて、国内第3
相多施設共同ランダム化比較試
験において主要評価項目である
24時間の平均収縮期血圧(SBP)
で降圧効果が確認されたと発表
しました。今後、同試験の結果
に基づき薬事承認申請を行う予
定です。

 高血圧は脳心血管疾患の最大
の危険因子であり、生活習慣の
改善や薬物治療による介入が行
われますが、薬物に拒否反応を
示す患者さんも一定数存在しま
す。そこで、このような課題に
対応するために同社が開発した
のが高血圧治療アプリです。

 高血圧治療アプリは、IoT 血
圧計を用いた血圧モニタリング
と生活習慣のログから最適化さ
れた食事、運動、睡眠などの知
識や行動改善を働きかける情報
など個々の患者さんに適した治
療ガイダンスを自動で直接患者
さんに提供します。患者さんの
意識・行動変容を促し正しい生
活習慣の獲得をサポートするこ
とで、薬物を使用せずに高血圧
の改善に導く仕組みとなってい
ます。

 2019年12月に開始された同試
験では、降圧薬未使用の本態性
高血圧患者さんを対象に、高血
圧治療アプリの有効性と安全性
を評価しました。『高血圧治療
ガイドライン2019』に沿った生
活習慣の修正のみを行う対照群
と生活習慣の修正に加え高血圧
治療アプリを使用する介入群に
分け、主要評価項目である治療
開始12週時点の自由行動下血圧
測定(ABPM)による24時間の平
均SBP の変化量を検討しました。

 その結果、対照群に比べて介
入群ではABPMのベースラインか
らの有意な低下が認められ、高
血圧治療アプリによる降圧効果
が示されました。苅尾氏は「主
要評価項目で降圧効果が認めら
れたことは、高血圧治療におい
て意義深い大きな一歩となった。
高血圧治療アプリによる『デジ
タル高血圧治療』は高血圧治療
の新たな領域として、今後の個
別最適化医療の社会実装および
非薬物治療の一翼を担うことが
期待される」とコメントしてい
ます。

 なお、同試験の詳細は、学会
および論文での発表が予定され
ています。

 同社代表取締役社長で医師の
佐竹晃太氏は「高血圧治療アプ
リの普及は高血圧治療に変化を
もたらすだけでなく、医療費削
減にも大きく貢献すると考えて
いる。昨年(2020年)、日本で
初めて保険適用されたニコチン
依存症治療アプリに引き続き、
高血圧治療アプリも薬事承認お
よび保険適用を目指していく」
と展望しています。

 高血圧治療の必要性について

解説している動画です。

 
 


 
 
 不朽の名作を普及させる。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 理化学研究所(理研)が3月
19日、白血病ヒト化マウスを用
いて、白血病細胞の「弱点」で
ある蛋白質の阻害剤を投与する
ことで、白血病細胞を効果的に
死滅させる方法を突き止めたと
発表したのは、素晴らしい業績
です。今回の成果をもとに、個
々の患者さんに最適な方法で急
性骨髄性白血病を完全に克服す
る新しい治療が確立されること
を期待したいと思います。また
本研究における複数の科学を融
合させて難病を克服するアプロ
ーチが、急性骨髄性白血病以外
の血液疾患や、さまざまな臓器
に発生する固形ガンの理解と克
服にも応用・展開されることを
同時に期待したいと思います。
白血病は、固形ガンに較べて、
転移という概念が当てはまらな
かったり、白血病幹細胞が増加
することで、抗ガン剤の効果が
著しく落ちたりするということ
が相違点として挙げられます。
それゆえに、固形ガンの克服に
応用するのは困難を伴うと予想
されます。
 株式会社CureApp が、自治医
科大学循環器内科学教授の苅尾
七臣氏らと共同研究中の高血圧
治療アプリについて、国内第3
相多施設共同ランダム化比較試
験において主要評価項目である
24時間の平均収縮期血圧(SBP)
で降圧効果が確認されたと発表
したのは、素晴らしい業績です。
前回、禁煙アプリの保険収載が
行われた後で、当クリニックも
導入を検討しようと思いました
が、価格が明示されていないの
を怪しく感じ、オンライン面談
の提案が株式会社CureApp さん
からメールにてありましたが、
スルーさせて頂きました。この
コロナ禍で喫煙が重症化のリス
クとなっているにも関わらず、
禁煙を希望する患者さんが激減
していることを考えれば、導入
コストが高いとそれを回収でき
ないことが、容易に想像できま
す。ただ、高血圧は、禁煙希望
の人よりは、需要が多いと思い
ますし、導入コストを下げて頂
ければ、導入することも可能で
ある気がします。

 改修後のゴミを回収する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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