美しい肌Vol.150

2013-05-01 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:エルダーベリー)



エルダーベリーとは、スイカズラ科ニワトコ属の



エルダーという落葉低木植物の果実です。



エルダーベリーの木の高さは3~10mで、葉は



フチにギザギザがある細長い楕円形です。



初夏にエルダーフラワーと呼ばれる小さな白い花



を各枝先に一斉に咲かせます。エルダーフラワー



が咲くとマスカットのような甘い香りが漂います。



その後、ビルベリーによく似た黒色を帯びた紫色



の果実をつけます。



日本のエルダーベリーは完熟すると赤くなりますが、



ヨーロッパのエルダーベリーは完熟すると黒くなります。



エルダーベリーの「エルダー」は、



アングロ・サクソン語で「炎」を意味する「エルド」から



きています。エルダーベリーの枝の芯を抜き取り、



ストロー状にしたものを火おこしの道具として使って



いたためです。



日本では、エルダーベリーの木の枝や幹などを打撲や



骨折、打ち身などの湿布薬として使用していたため、



折れた骨を接ぐ木という意味で「接骨木(せっこつぼく)」



とも呼ばれています。柔整師の木ですね。笑



エルダーベリーの歴史は古く、ヨーロッパでは石器時代



から食べられていました。



ギリシャ・ローマ時代には「万能の薬箱」や「田舎の薬箱」



と呼ばれ、エルダーベリーやエルダーフラワーは歯痛を



鎮めたり、風邪などの感染症の薬などに使用されて



いました。葉や幹、根の皮は傷や火傷の塗り薬として



使われており、捨てるところがありませんでした。



その当時、高価な薬や治療を受けることができなかった



人々にとってエルダーベリーの木は不可欠なものでした。



18世紀には、エルダーフラワーを入れた水が肌の美白や



そばかすの除去のために使われたため、ヨーロッパ



で流行しました。



現在では日本でもエルダーベリーのサプリメントなどが



販売されています。



エルダーベリーの原産地は、北米やヨーロッパです。フランス



中部のトゥレーヌ地方では、ロワール川沿いやシェール川



沿いに多く自生しています。



エルダーベリーには、ポリフェノールの一種である



イソケルセチンやルチン、アントシアニンが豊富に



含まれています。さらに、抗酸化物質を含むビタミンAや



ビタミンCも含まれるため、とても強い抗酸化作用が



あります。 イソケルセチンについて検索して調べました



が、よく分かりませんでした。もしご存じの方は、コメント



でご教示下さい。



抗酸化作用とは、体内のサビつきの原因となる活性酸素



を除去し、体が酸化することを防ぐ働きのことです。



酸化は体内で起きると、病気や老化、肌トラブルの原因



になってしまいます。



紫外線を浴びると、体内でシミやそばかすの原因となる



メラニン色素が生成されます。メラニン色素はアミノ酸の



一種であるチロシンからつくられます。



エルダーベリーに豊富に含まれるポリフェノールや



ビタミンCには、このチロシンの働きを抑えて、シミや



そばかすの原因となるメラニン色素の沈着を防ぐ効果



があります。



ビタミンCにはメラニン色素を早く分解する働きもあり、



日焼けをした肌を元の白い肌に戻すために力を発揮します。



今回は、ここまでとさせて頂きます。



エルダーベリーをくれて、サンキューベリーマッチ。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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美しい肌Vol.151

2013-05-01 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:ローズヒップ)



ローズヒップはハーブの一種で、ヨーロッパ産の



ドッグ・ローズをはじめとする、バラ科バラ属の



果実です。主に、ローズヒップティーでおなじみ



の方も多いと思います。



ドッグ・ローズとは野バラの一種で、ヨーロッパ



においては薬用のローズヒップとして重宝されて



いる品種です。



ドッグ・ローズは、ローマ時代には狂犬病に効



くとされたことから、ラテン語で「犬のバラ」を



意味する名称となり、英語でもドッグ・ローズ



と名づけられました。



ローズヒップは、バラが咲いた後に、緑色だった



丸い果実が橙色から濃い赤色に熟すると収穫され



ます。乾燥したローズヒップを熱湯で煎じてお茶



として飲むローズヒップティーは、爽やかな甘味



とほのかな酸味が人気で、ローズヒップティーを



昔から愛飲しているドイツでは、カルカーデ



(ハイビスカス)の花を乾燥させて一緒に飲む



のが一般的です。



また、ローズヒップのオイルには保湿効果がある



として、化粧品としても高い人気を誇っています。



ローズヒップが世界中に広まったきっかけは、



第二次世界大戦までさかのぼります。



第二次世界大戦中、物資の供給を絶つというドイツ軍



の戦略により、イギリスは柑橘類が不足していました。



柑橘類は当時、ビタミンCを補給する重要な食材で



あったため、イギリスはビタミンC不足による壊血病



が国中で起こるという危機感に覆われていました。



そこで、イギリス政府は国民がビタミンC不足に陥る



ことを予防するために、国全体にイギリス中のローズ



ヒップを摘むように呼びかけました。



そして、集めたローズヒップで幼児などに栄養補給



をしたそうです。



このような出来事がきっかけで、ローズヒップの高い



健康効果が世界中に知れわたるようになりました。



また、ドイツなどの北ヨーロッパでは、冬の間の



ビタミンC不足を補うためにローズヒップティーを



愛飲しており、ローズヒップは「北国のレモン」と



いわれていました。



ローズヒップは、「ビタミンCの爆弾」と呼ばれる程



ビタミンCを豊富に含んでおり、その量はレモンの



約20倍にも達します。



ローズヒップに含まれているビタミンCは、



バイオフラボノイドを20%含んだ天然のビタミンCです。



バイオフラボノイドとは、ビタミンPとも呼ばれている



フラボノイドの一種で、ヘスペリジン、ルチン、



ケルセチンなどの成分もバイオフラボノイドに属します。



本来は熱に弱い性質を持つビタミンCですが、



バイオフラボノイドにはビタミンCを壊れにくくする



作用があるため、ローズヒップのバイオフラボノイドを



含んだビタミンCは酸化されにくく、熱に強い性質を持ち、



体内でより効率的に吸収されます。そのため、ローズ



ヒップティーにして熱をかけてもビタミンCが大量に



失われることはありません。



また、ローズヒップには、赤色のカロテノイドである



リコピン、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンEなど



のビタミン類、ミネラル類などを豊富に含んでいるほか、



炎症促進酵素シクロオキシゲナーゼの働きを少なくする



作用が知られており、抗炎症効果も期待されています。



さらに、ローズヒップの種子にはポリフェノールの一種



であるティリロサイドが含まれています。



ティリロサイドには、ミトコンドリア]内で脂肪燃焼を



促進する作用があることが確認されているため、



ローズヒップの摂取によって、脂肪の燃焼効果が期待



できます。成熟したマウスにティリロサイドを与えた



ところ、摂取しなかったマウスに比べ、体重の増加が



抑えられました。ローズヒップサプリメントの摂取で、



健康な人の内臓脂肪が44%、皮下脂肪が20%も減少した



(腹部CTでの脂肪の面積比で計算)著効例もあった



ようです。植物ステロールのコレステロールを抑制する



メカニズムは、吸収の抑制ですが、ティリロサイドは



脂肪の燃焼効果によるものですから本当に凄いとしか



いいようがありません。美肌でなおかつ痩身効果がある



ので、美容にはもってこいの果実といえましょう。



ローズヒップに含まれる豊富なビタミンCは、肌に美しさ



を与えます。



ビタミンCは強力な抗酸化作用を持つため、体内に過剰に



発生した活性酸素を除去する働きがあります。



活性酸素は、人間の体内に存在している物質で、外界から



侵入してきたウイルスや細菌を撃退する力を持った酸素



です。しかし、喫煙やストレス、不規則な生活習慣や



紫外線などの外的要因によって増加しすぎた活性酸素は、



強力なパワーを持つ余り、体内のたんぱく質、脂質、DNA



などを傷つけるとされており、その結果、活性酸素は



肌細胞を劣化させることで、肌荒れや老化などの大きな原因



になります。さらにDNAを活性酸素が傷つけた場合、皮膚の



悪性腫瘍が発生する可能性が高くなります。肌は、表皮、



真皮、皮下組織の3層で成り立っており、この構造を



正常に維持することが、肌のハリおよび水分量を保つため



には必要不可欠です。しかし、活性酸素が体内で増加する



と、真皮を構成している主成分であるヒアルロン酸や



エラスチン、コラーゲンなどの成分を生成する力が減退し、



それらの成分は体内から減少していきます。その結果、



真皮の構造が崩れ、その部分がしわやたるみとなって



現れます。



ローズヒップに含まれているビタミンCやビタミンEには



強力な抗酸化力があるため、肌の構成成分である



ヒアルロン酸やエラスチン、コラーゲンなどの劣化を



抑制することができます。



また、ビタミンCにはコラーゲンの生成を促進する作用も



あるため、ローズヒップを摂取することによって、肌のハリ



および水分量を保つ効果も期待できます。



また、シミやくすみも日光に含まれる紫外線を浴びること



によって増加する活性酸素が原因です。



シミやくすみは、体内で生成されるメラニン色素が表面に



表れたものであり、メラニン色素は、皮膚の深部に存在



しているチロシナーゼいう酵素が、外界から侵入してくる



物質から身を守るために作る色素です。



チロシナーゼは紫外線が当たることによって、肌を守ろう



とし、メラニン色素を生成します。



ローズヒップに含まれているビタミンCは、チロシナーゼの



働きを阻害するため、メラニン色素の生成を抑えられます。



このような作用によって、ローズヒップを摂取することで



美肌を保つ効果が期待されます。



今回はここまでとさせて頂きます。



ヒップホップを踊りながらローズヒップティーを飲む。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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美しい肌Vol.152

2013-05-01 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:カムカム)



カムカムとは、フトモモ科キブドウ属に属する



常緑低木植物です。成木になるまで約8年かかり、



樹高は平均2~3m、中には5m程度まで成長する



個体もあります。



さくらんぼのような直径2~3cmの赤い果実と



大きな葉がトレードマークです。果実の表面は



熟すにつれて緑色から赤色に変化し、果肉は



ピンク色です。



カムカムはペルーのアマゾン川上流域を原産地



とし、標高200m程の熱帯湿地帯に自生しています。



この地域の強烈な日照や1日に10℃以上ある



寒暖の差、年間を通しての平均気温が25℃である



ことなどがカムカムの生育に適しているとされて



います。また、雨季の増水により、栄養成分に



富んだ土壌が蓄積されるため、栄養価の高い



カムカムが育つといわれています。



完熟したカムカムの果実がアマゾン川に落下し、



この実を群って食べる魚たちからいつも



「キャムキャム」や「ヒャムヒャム」という音



が聞こえてきていたため、いつの間にか



「カムカム」と呼ばれるようになったといわれて



います。



野生のカムカムは古くからアマゾン川上流域の



先住民に食べられてきました。



カムカムの栽培は、1990年頃にアマゾン川流域で



始められました。



当時、世界的に問題となっていたコカインの原料



となるコカ栽培の代わりに、ペルー政府によって



カムカムの栽培が推奨されたことがきっかけでした。



最近では、カムカムの栽培がアマゾン川流域で問題



となっている森林伐採による地球温暖化や砂漠化



の歯止めになるのではないかと、世界の自然保護



団体などから注目されています。ここでもアサイー



と同様にアグロフォレストリーが進行しています。



日本では2004年の浜名湖花博で初めてカムカムの木



が一般に公開されました。



以前はカムカムの果実の加工品を除き、生の果実や



木、種子などのペルー国外への持ち出しが禁止されて



いましたが、アマゾン川流域で広くカムカムが栽培



されるようになってからは、カムカムの種子や苗木の



輸出が解禁され日本でも手に入るようになりました。



カムカムはアマゾン地域が雨季になる12月から5月に



かけて収穫されます。それ以外の時期にも1年を通して



収穫可能ですが、この時期に収穫されるカムカムが、



最も多くのビタミンCを含んでいます。



カムカムは現在知られている植物の中で最も多くの



ビタミンCを含んでいる植物です。カムカムの果実



100g中に2800mgものビタミンCが含まれています。その



ビタミンCの量はレモンの約56倍、アセロラの約1.7倍、



いちごやキウイフルーツの約40倍にも匹敵します。



カムカムに非常に多く含まれているビタミンCは、強い



抗酸化作用を持っています。



抗酸化作用とは、紫外線や喫煙、ストレスなど生活の



様々な場面で発生する活性酸素を除去し、体が酸化



することを防ぐ働きのことです。



人間の体内で酸化が起こると、病気や老化、肌トラブル



が引き起こされます。カムカムに含まれるビタミンCが



体内で強い抗酸化作用を発揮して酸化から体を守ること



で、病気や老化、肌トラブルの予防効果を出します。



他にも、カムカムはエネルギーをつくり出すために



必要不可欠なビタミンB₁、ビタミンB₂、ナイアシンや



疲労回復や老化予防に効果があるクエン酸、体を構成



するために欠かせないミネラルであるカルシウム、リン



なども豊富に含んでいます。クエン酸は、体内で



ミネラルを包み込み吸収されやすくする働きもあります。



カムカムに豊富に含まれるビタミンCには、シミや



そばかすを予防し、ハリのある若々しい肌を保つ効果が



あります。



日光に当たり続けると、紫外線が原因となってメラニン



色素がつくられます。その際チロシンと呼ばれるアミノ酸



からメラニン色素が作られます。このメラニン色素が皮膚



に沈着することでシミやそばかすができるわけです。



ビタミンCには、チロシンに働く酵素の作用を抑制し



メラニン色素の沈着を防ぐ働きがあるため、



シミ・そばかすの予防に効果があります。ビタミンCには



メラニン色素を素早く分解する作用もあるため、日焼けを



した肌をできるだけ早くもとの状態に戻す美白効果も



期待できます。



また、カムカムには抗炎症作用を持つことが報告されている



ことから、紫外線による炎症にも予防に役立つことも期待



されています。



カムカムにはビタミンB₁やビタミンB₂、ナイアシンも多く



含まれており、細胞の新陳代謝を促進し、肌や爪、髪の毛



の健康を維持する作用があります。今回はここまでとさせて



頂きます。カムカムをよく噛んで食べた。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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