美しい肌Vol.180

2013-05-11 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

世界最高の@町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:リコリス、甘草)



リコリスとは、ヨーロッパやアジアが原産で、



地中海沿岸や中央アジア、北アフリカなどに



広く自生するマメ科の多年草です。地方に



よって種類が異なる場合もありますが、高さ



1~2mに成長し、夏に青~薄紫色の花を咲かせ、



概ね3~4年で収穫されます。リコリスの採取



は春と秋の2回で、秋物が良品ということです。



リコリスは、和名を甘草(カンゾウ)といい、



このハーブが甘みを持つため、名づけられました。



実際、リコリスの根に含まれるグリチルリチン



という成分は、砂糖の約150倍もの甘みがあります。



リコリスの歴史は人類が手にした薬草の中で



最も古く紀元前5世紀頃に編集されたヒポクラテス



の全集に記載がある程で、その後も世界中の薬典



に記載されています。



リコリスは、古くから伝統医学で利用されてきた



ハーブであり、特に漢方の処方においては頻繁に



使われる生薬です。漢方で用いられるのは、



ウラルカンゾウの根および根茎の部分を乾燥させた



もので、消化器の機能を高める作用や呼吸器の



潤肺(じゅんはい:咳など肺の乾燥した状態を改善



すること)作用、痛みを止める作用などが知られて



います。



紀元前200年頃に完成した「傷寒論」(しょうかんろん)



ではリコリスは113処方中の約80処方に、現在の



漢方処方の212処方中の約7割で使用されています。



漢方では甘草は百薬の毒を解毒するものと考え



られており、薬理作用や刺激を和らげ、生薬全体



の調和を目的に配合されていました。



リコリスには解毒作用の他に、胃潰瘍や肝機能障害



にも効果がありますが、第2次世界大戦中の1946年



に、オランダ人医師が消化性胃潰瘍に効果がある



という臨床報告を行ってから、その薬効に注目が



集まりました。



リコリスの根に含まれるグリチルリチンという成分



には、抗炎症作用、肝機能補強機能があり、関節炎



や気管支炎、アレルギー症状などに用いられます。



ハーブ先進国であるドイツでは、胃や十二指腸炎



の治療薬としての効果が認められており、



コミッションE(ドイツ連邦保険庁にある専門委員会



で、ハーブを医薬品として利用する場合の効果と



安全性を協議する、世界的権威をもつ委員会。



ドイツ連邦保険庁は日本でいうと、厚生労働省に相当



します)で承認されたハーブです。



日本ではグリチルリチン製剤は、肝機能異常や湿疹、



皮膚炎、口内炎を改善する医薬品として使われて



います。また、食品添加物の甘味料としての使用



も多く、醤油や漬物、水産加工品などに添加されて



います。リコリスは、日常生活に広く浸透し、



化粧品や医薬部外品にも使われています。



食品等に含まれる量であれば特に問題はありません。



短期間の摂取は問題ありませんが、4週間以上の



使用の場合は医師への相談が推奨されています。



リコリスには、過剰摂取による高血圧やむくみ、



頭痛、嘔吐といった副作用が示唆されています。



副腎皮質ホルモンの一種である「塩類代謝ホルモン」



と同じ構造を持っていることに、この副作用は由来



します。



そのため日本ではグリチルリチン(グリチルリチン酸)



の1日の摂取量を200㎎までとして容量が定められて



います。また、ハーブの利用法に関して世界的に権威



のあるドイツでは、リコリスを1日5~15g摂取する場合



は、医師が監視する場合を除き、使用期間を4~6週間



内としています。また、リコリスには特定のホルモン



活性を変化させる作用があり、それによって電解質



障害を起こし、不整脈や心臓発作、腎損傷などが



引き起こされます。



したがって、リコリスを摂取する際には、うっ血性



心不全、冠動脈心疾患、腎疾患、肝疾患などを



患っている方や、妊娠中または授乳期の方も注意が



必要です。



リコリスに含まれるフラボノイドには、シミや



そばかすの原因となるメラニン産生抑制や肌荒れ予防



の抗酸化作用などが注目されています。また、



グラブリジンという成分に美白作用があることが



わかり、化粧品等にも積極的に活用されています。



グラブリジンはフラボノイド類の物質で、メラニン



色素を作るチロシナーゼの活性阻害作用や、紫外線



吸収作用、過酸化脂質の生成を抑制する抗酸化作用



などがあることから、美白に効果を発揮し、特に



予防的な効果は大きいと言われています。グラブリジン



は親油性、グリチルリチン酸は水溶性の成分で、



全く違ったものであります。今回は、ここまでとさせて



頂きます。甘草は、肝臓に効く生薬です。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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美しい肌Vol.181

2013-05-11 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

世界最高の@町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:ウーロン茶)



烏龍茶は中国が本場といわれ、「烏龍」「鉄観音」



「水仙」「色種」などの品種があります。



「烏龍茶」という名前は、茶葉が烏の羽のように



黒褐色で、龍のように曲がった形をしていること



から名付けられました。また、烏龍茶の龍は皇帝



を表す言葉であることから、その高い品質と高貴



さが分かります。



烏龍茶は、中国茶のうち青茶(チンチャア)に



分類され、発酵を途中で止め半発酵させた茶です。



青は中国語で「黒っぽい藍色」のことをいいます。



中国茶には1000種以上ともいわれるほど、多くの



種類がありますが、これらはツバキ・サザンカと



同じツバキ科の多年性植物である学名「カメリア・



シネンシス」(お茶の木)からつくられています。



茶葉の発酵度の違いによってさらに細かく分類され



ます。具体的には、発酵の度合いが低い順に「緑茶」



「白茶」「黄茶」「青茶」「紅茶」「黒茶」に分類



されます。お茶の木は、大別して、中国種



(バラエティシネンシス)とアッサム種



(バラエティアッサミカ)の2種に分けられます。



日本茶も中国種になります。この二つの違いは



究極的には、アッサム種は酸化酵素の活性が非常に



強く発酵しやすいため、紅茶に適しているという



ことです。話を戻して、烏龍茶は、中国種であり、



中程度の発酵を受けたものです。発酵させず



につくる緑茶とは異なる独自の性質があります。



烏龍茶は中国南部にある福建省武夷山で16世紀



に誕生しました。昼夜の気温差があり、霧も



よくかかる天候状況や、ミネラルを豊富に含む



土壌を有する福建省武夷山は、宋の時代から銘茶



の産地としてその名を轟かせていました。



清の時代には烏龍茶の製法が確立され、福建省南部



の安渓や広東省潮州、台湾に伝来され、現在四大



中国茶と呼ばれる武夷岩茶、安渓鉄観音、鳳凰単叢、



台湾茶の製茶が拡散していきました。かつては



嗜好品として貿易に使われていましたが、近年



健康茶としての有効性が研究され、脚光を浴びて



います。



烏龍茶には体を冷やす作用があるため、冷たい烏龍茶



はさらに体を冷やします。体への刺激は少ないですが、



飲みすぎにならないように、一度にたくさん飲む



のではなく、何回かに分けて、継続的に飲用する方が



好ましいでしょう。一度にたくさん飲むと茶葉の中に



含まれるカフェインの副作用が出ることがあります。



「えっカフェインは、コーヒーだけじゃないの」と



思っている人が、いらっしゃいますが、そんなことは、



ありません。お茶の葉にもカフェインは含まれて



います。茶園のお茶の木の下どうなっているか、見た



ことがある人いらっしゃいますか?お茶の木の下は、



雑草が生えません。それは、茶葉が下に落ちて、



カフェインが土壌に染み込み、雑草が生えられない



ようになっているからです。脱線はこれ位にして



本題に戻りたいと思います。



烏龍茶には、美肌効果があります。烏龍茶に含まれる



ウーロン茶ポリフェノールには、活性酸素を除去する



SOD酵素を活性化させます。活性酸素はもともと人間の



体内に存在する物質で、外界から侵入してきた病原体



(ウイルスや細菌やカビなど)を撃退する力を持って



います。しかし、喫煙やストレス、不規則な生活習慣



などの原因で活性酸素が過剰に発生すると、体内の



たんぱく質や脂質、DNAなどを傷つけます。



その結果、活性酸素は肌細胞を劣化させ、肌荒れや



老化の原因になるわけです。烏龍茶には、SOD酵素を



活性化させるウーロン茶ポリフェノール(主に



カテキン類)が多く含まれ、活性酸素を除去すること



(抗酸化作用)による美肌効果があります。今回は、



ここまでとさせて頂きます。



ちゃちゃっと、茶を摘む。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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美しい肌Vol.182

2013-05-11 00:00:00

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世界最高の@町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:ケール)



ケールとは、アブラナ科アブラナ属に属し、



キャベツやブロッコリーの原型とされている



植物です。別名「葉キャベツ」とも言われて



います。和名では、「羽衣甘藍(はごろも



かんらん)」「緑葉甘藍(りょくようかんらん)」



といいます。



原産地は南ヨーロッパの地中海沿岸です。



ケールはキャベツの原型とされていますが、



キャベツと違い丸く結球せずに成長します。



ケールはキャベツやブロッコリーの原種で、



紀元前からあったそうです。



約2,000年前にはギリシャ・ローマ地方で



ケールの栽培が始まっていたということです。



ケルト人が最初に作ったことから



「ケール」と名づけられました。ケルト人



(ケルトじん、Celt, Kelt)とは、中央アジアの



草原から馬と車輪付きの乗り物(戦車、馬車)



を持ってヨーロッパに渡来したインド・



ヨーロッパ語族ケルト語派の民族のことです。



10月末に行われるハロウィンは、もともとケルト



人のお祭りだったものが、キリスト教に取り入れ



られたものと言い伝えられています。



ケールが初めて日本に伝えられたのは、



18世紀の江戸時代初期です。



1709年に刊行された書物「大和本草(やまと



ほんぞう)」にケールと思われる「オランダナ」



「サンネンナ」が記載されています。長崎県の



オランダ人によって伝えられたことから



「オランダナ」と命名されていました。



当時は、オランダナを品種改良してつくられた



葉ぼたんが観賞用として作られ、食用としては



使われていませんでした。



食用としての歴史は、戦後間もなく日本が食糧難



であった時代にさかのぼります。栄養補給を目的



として病院食や給食用に青汁が考案されました。



岡山県倉敷市の遠藤仁郎博士が「健康維持には



清浄野菜を食べるべきだが、食べられる量には



限度がある。野菜を青汁にして飲用すれば、栄養



をバランス良くたくさん摂れる」と訴えたことが



青汁普及の始まりです。



当初はキャベツ、小松菜、水菜、だいこん葉などが



青汁の原料として試されましたが、栄養のバランス



がよく、一年中栽培が可能で収穫量が多いケールが



代表的な青汁の原料として定着していきました。



青汁の主成分、ケールや大麦若葉には、ビタミンKが



多く含まれています。ビタミンKは、血液凝固に重要



な働きを示す、ビタミンです。ビタミンKはそのため



ワーファリンの抗凝固作用を阻害します。そこで、



ワーファリンを内服している人は、青汁を飲んでは、



いけないことになっています。これを回避するには



ワーファリンを新薬の抗凝固薬に変えることが必要に



なります。



ケールは、3月下旬から10月下旬までいつでも種まき



ができます。ケールの種まき時期を2~3カ月ずつ



ずらすことで一年中収穫可能です。



ケールは、独特の香りと強い苦みを持つ野菜です。



日本では、ケールが野菜として食べられる機会は少なく、



「味はともかく体に良い」という理由で青汁などに



加工して飲まれています。



ヨーロッパでは加熱すると甘みが出て苦みが抑えられる



というケールの特徴を活かし、ロールキャベツや



ポタージュ、揚げ物などに姿を変えて食べられています。



ケールは「緑黄色野菜の王様」と呼ばれるほど、栄養価



が高いことが分かっています。



ケールには、カロテノイド系の色素であるルテインや



β-カロテンが豊富に含まれています。特にβ-カロテン



は、トマトの5倍も多く含まれています。



β-カロテンは、人間の体内で必要とされる量のみ



ビタミンAに変換されます。そのため、ビタミンA過剰症には



なりません。



また、ケールには牛乳の2倍ものカルシウムや自然な睡眠



を導くホルモンであるメラトニン、ビタミンE、ビタミンC、



食物繊維などの栄養素も多量に含まれています。



ビタミンEには、末梢血管を広げ血行を良くする働きが



あります。全身の血行が良くなることで細胞の入れ変わり



である新陳代謝が盛んになります。私たちの体は、約60兆個



もの細胞でできており、常に新陳代謝(細胞の入れ替わり)



が行われています。海外製のメラトニンサプリメントは



大抵、牛や豚などから抽出したメラトニンを用いているよう



です。そのため副作用が起こらないとも限りません。ケール



は天然の野菜ですので、動物由来の食物連鎖による毒素は



含まれておらず、安全にメラトニンを摂取することが



できます。日本では、メラトニンのサプリメントが店頭で



販売されないよう規制がかかっています。



ビタミンEが豊富に含まれているケールを摂ることで新陳代謝



が盛んになり、肌の生まれ変わりが促され美肌効果が期待



されます。ルテインは、お肌の構成要素であり、抗酸化作用



を発揮することで、常に消費されていってしまいます。



消費された分をケールなどで補うことが、美肌になるために



不可欠と言えましょう。今回はここまでとさせて頂きます。



ケールを食べに、家にけーる。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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