美しい肌Vol.151

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2013-05-01 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:ローズヒップ)



ローズヒップはハーブの一種で、ヨーロッパ産の



ドッグ・ローズをはじめとする、バラ科バラ属の



果実です。主に、ローズヒップティーでおなじみ



の方も多いと思います。



ドッグ・ローズとは野バラの一種で、ヨーロッパ



においては薬用のローズヒップとして重宝されて



いる品種です。



ドッグ・ローズは、ローマ時代には狂犬病に効



くとされたことから、ラテン語で「犬のバラ」を



意味する名称となり、英語でもドッグ・ローズ



と名づけられました。



ローズヒップは、バラが咲いた後に、緑色だった



丸い果実が橙色から濃い赤色に熟すると収穫され



ます。乾燥したローズヒップを熱湯で煎じてお茶



として飲むローズヒップティーは、爽やかな甘味



とほのかな酸味が人気で、ローズヒップティーを



昔から愛飲しているドイツでは、カルカーデ



(ハイビスカス)の花を乾燥させて一緒に飲む



のが一般的です。



また、ローズヒップのオイルには保湿効果がある



として、化粧品としても高い人気を誇っています。



ローズヒップが世界中に広まったきっかけは、



第二次世界大戦までさかのぼります。



第二次世界大戦中、物資の供給を絶つというドイツ軍



の戦略により、イギリスは柑橘類が不足していました。



柑橘類は当時、ビタミンCを補給する重要な食材で



あったため、イギリスはビタミンC不足による壊血病



が国中で起こるという危機感に覆われていました。



そこで、イギリス政府は国民がビタミンC不足に陥る



ことを予防するために、国全体にイギリス中のローズ



ヒップを摘むように呼びかけました。



そして、集めたローズヒップで幼児などに栄養補給



をしたそうです。



このような出来事がきっかけで、ローズヒップの高い



健康効果が世界中に知れわたるようになりました。



また、ドイツなどの北ヨーロッパでは、冬の間の



ビタミンC不足を補うためにローズヒップティーを



愛飲しており、ローズヒップは「北国のレモン」と



いわれていました。



ローズヒップは、「ビタミンCの爆弾」と呼ばれる程



ビタミンCを豊富に含んでおり、その量はレモンの



約20倍にも達します。



ローズヒップに含まれているビタミンCは、



バイオフラボノイドを20%含んだ天然のビタミンCです。



バイオフラボノイドとは、ビタミンPとも呼ばれている



フラボノイドの一種で、ヘスペリジン、ルチン、



ケルセチンなどの成分もバイオフラボノイドに属します。



本来は熱に弱い性質を持つビタミンCですが、



バイオフラボノイドにはビタミンCを壊れにくくする



作用があるため、ローズヒップのバイオフラボノイドを



含んだビタミンCは酸化されにくく、熱に強い性質を持ち、



体内でより効率的に吸収されます。そのため、ローズ



ヒップティーにして熱をかけてもビタミンCが大量に



失われることはありません。



また、ローズヒップには、赤色のカロテノイドである



リコピン、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンEなど



のビタミン類、ミネラル類などを豊富に含んでいるほか、



炎症促進酵素シクロオキシゲナーゼの働きを少なくする



作用が知られており、抗炎症効果も期待されています。



さらに、ローズヒップの種子にはポリフェノールの一種



であるティリロサイドが含まれています。



ティリロサイドには、ミトコンドリア]内で脂肪燃焼を



促進する作用があることが確認されているため、



ローズヒップの摂取によって、脂肪の燃焼効果が期待



できます。成熟したマウスにティリロサイドを与えた



ところ、摂取しなかったマウスに比べ、体重の増加が



抑えられました。ローズヒップサプリメントの摂取で、



健康な人の内臓脂肪が44%、皮下脂肪が20%も減少した



(腹部CTでの脂肪の面積比で計算)著効例もあった



ようです。植物ステロールのコレステロールを抑制する



メカニズムは、吸収の抑制ですが、ティリロサイドは



脂肪の燃焼効果によるものですから本当に凄いとしか



いいようがありません。美肌でなおかつ痩身効果がある



ので、美容にはもってこいの果実といえましょう。



ローズヒップに含まれる豊富なビタミンCは、肌に美しさ



を与えます。



ビタミンCは強力な抗酸化作用を持つため、体内に過剰に



発生した活性酸素を除去する働きがあります。



活性酸素は、人間の体内に存在している物質で、外界から



侵入してきたウイルスや細菌を撃退する力を持った酸素



です。しかし、喫煙やストレス、不規則な生活習慣や



紫外線などの外的要因によって増加しすぎた活性酸素は、



強力なパワーを持つ余り、体内のたんぱく質、脂質、DNA



などを傷つけるとされており、その結果、活性酸素は



肌細胞を劣化させることで、肌荒れや老化などの大きな原因



になります。さらにDNAを活性酸素が傷つけた場合、皮膚の



悪性腫瘍が発生する可能性が高くなります。肌は、表皮、



真皮、皮下組織の3層で成り立っており、この構造を



正常に維持することが、肌のハリおよび水分量を保つため



には必要不可欠です。しかし、活性酸素が体内で増加する



と、真皮を構成している主成分であるヒアルロン酸や



エラスチン、コラーゲンなどの成分を生成する力が減退し、



それらの成分は体内から減少していきます。その結果、



真皮の構造が崩れ、その部分がしわやたるみとなって



現れます。



ローズヒップに含まれているビタミンCやビタミンEには



強力な抗酸化力があるため、肌の構成成分である



ヒアルロン酸やエラスチン、コラーゲンなどの劣化を



抑制することができます。



また、ビタミンCにはコラーゲンの生成を促進する作用も



あるため、ローズヒップを摂取することによって、肌のハリ



および水分量を保つ効果も期待できます。



また、シミやくすみも日光に含まれる紫外線を浴びること



によって増加する活性酸素が原因です。



シミやくすみは、体内で生成されるメラニン色素が表面に



表れたものであり、メラニン色素は、皮膚の深部に存在



しているチロシナーゼいう酵素が、外界から侵入してくる



物質から身を守るために作る色素です。



チロシナーゼは紫外線が当たることによって、肌を守ろう



とし、メラニン色素を生成します。



ローズヒップに含まれているビタミンCは、チロシナーゼの



働きを阻害するため、メラニン色素の生成を抑えられます。



このような作用によって、ローズヒップを摂取することで



美肌を保つ効果が期待されます。



今回はここまでとさせて頂きます。



ヒップホップを踊りながらローズヒップティーを飲む。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



女性の美容と健康についてのご相談は、当クリニック皮膚科



にて承ります。



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