美しい肌Vol.165

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2013-05-06 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:そば)



そばはタデ科そば属の植物です。普通種やダッタン種、



蒙古そばなどの種類があり、日本でよく食べられて



いるのは普通種です。そばの栄養分の特徴は、穀類の中



でもたんぱく質やビタミンB1、ビタミンB2の含有量が



多いということです。たんぱく質はトリプトファン



やスレオニン、リジンなどの必須アミノ酸を豊富に



含みます。なおかつ栄養価が質量ともに高くなって



います。



なお必須アミノ酸というのは、人間の体内で合成され



ないアミノ酸のことです。体内で合成されないので



食物から摂取することが不可欠であります。昔、医師



国家試験のために覚えた必須アミノ酸の語呂合わせを



披露させて頂きますと、「メスバトフロイリヒ」という



ものです。頭文字をとったものですが。メはメチオニン、



スはスレオニン、バはバリン、トはトリプトファン、



フはフェニルアラニン、ロはロイシン、イは



イソロイシン、リはリジン、ヒはヒスチジンです。笑



じゃがいもの花やトマト、たばこの葉にも含まれる



成分ルチンは、毛細血管を強くする働きを持ち、



高血圧の予防に効果的です。また、食物繊維を豊富に



含んでいるため、便秘の解消やコレステロールの排泄



を促し、動脈硬化の予防にも有効です。



そばの最も一般的な食べ方は、麺として食べるという



ものです。種実を脱穀し製粉したものをそば粉と呼んで



います。そのそば粉をこねて、少量のつなぎを入れ薄く



伸ばして細く切ったものがそばです。十割そばでは、



つなぎは、入れません。そば粉は小麦粉のように



グルテンを形成しないため、粘りが少なくなって



います。そのため、十割そばは、バサバサと切れて



しまいます。それがいいという人もいるので、好みの



問題でしょう。一般的には、つなぎには、小麦粉



山芋(じねんじょ)、長芋、れんこん、ヨモギ、海草



(ふのり)などを用います。つなぎ二割、そば粉八割が



有名な二八そばです。



長野県の信州そばや岩手県のわんこそば、島根県の



出雲そばなどが有名です。出雲そばは、そばの実を殻ごと



挽くため、普通のお蕎麦に比べて麺の色は黒っぽいのが



特徴です。そこで出雲そばのように、そばがら



が入ったそばの方が、精製された信州そばよりも後述の



GI値は低いと言われています。そばを茹でると、



有効成分もあるルチンやビタミン類がお湯の中に



溶け出してしまいますが、つけ汁(めんつゆ)を



そばの茹で汁(そば湯)で割って飲むことで、



溶け出した成分も摂ることができます。しかし、



同時に塩分も摂ることになるため、そば湯を飲む際



には注意が必要です。できれば、つゆは少しにして



そば湯を多くする方が無難でしょう。



そばの原産地は、バイカル湖、アムール河畔付近と



考えられています。日本では8世紀頃に初めて栽培



され、ヨーロッパへは15世紀頃に伝わったと



いわれています。現在、そばは世界的に栽培されて



おり、ロシアやポーランド、フランス、アフリカ、



カナダで多く生産されています。日本でよく



食べられているイメージですが、実際に日本で



生産されている量は少ないようです。



日本では主に長野県や北海道で栽培されます。



生育期間が50~70日と短く、やせた土地や寒冷地



でもよく育ちます。夏に白い花が咲き、秋に



三角すい形の実をつけます。収穫時期により夏そば



と秋そばがあり、収穫量、味、香り、色ともに



秋そばのほうが良いとされています。「新そば」



といわれるのは秋そばのことを指します。「新そば」



が美味しいのは、冷凍技術が進歩した現代でも



年末までとされています。それで年越しそばの風習



が生まれたのではないかと考えられています。



そばに含まれるフラボノイドの一種ルチンは、



欧米では薬としても利用されている成分で、血圧を



下げる働きがあります。フラボノイドの中でも



ビタミンPに分類されるルチンは、血栓ができる



ことを防いで、血液の流れをスムーズにする働き



があります。また、ビタミンCの吸収だけでなく、



その働きも高めるため、コラーゲン合成の促進や



血管の強化、抗酸化力の向上が期待できます。



毛細血管の血管壁を強化し、高血圧や動脈硬化を



予防することで、出血性疾患に対する効果もある



といわれています。また血管の透過性を調節する



ことで、人体には不可欠のビタミンといえましょう。



そばに含まれる亜鉛は、新陳代謝を促進する働き



があります。亜鉛の働きによって細胞や情報伝達



物質の生成が促進されるため、記憶力の向上



も期待できます。それは、動物実験で確認されて



います。そのため、DHAと並んで、発達の著しい



成長期のお子様にも欠かせない成分です。DHAは、



頭がよくなるという「お魚の歌」で有名ですが、



ω-3系の不飽和脂肪酸のことです。日本そばは、



麺類の中でも、最もGI値が低く、糖尿病の方には



お薦めの食材です。GI値というのは、グリセミック



インデックスというもので、糖質の吸収のスピード



を反映します。そばは、究極のスローフードであると



いえましょう。糖質の吸収のスピードが低いと



急激な血糖値の上昇がないため、インシュリン分泌



を必要としません。



また、そばのたんぱく質には、体脂肪の蓄積を抑える



作用があることもわかっています。豊富な食物



繊維によって、便秘の解消や、コレステロール



の排泄も促進されます。



そばに含まれるビタミンPは、ビタミンCの吸収を



高め、コラーゲンの生成や血管の強化など



ビタミンCの働きを促進します。また、ビタミンC



には酸化を防ぐ働きもあるため、活性酸素による



皮膚のトラブルも防いでくれます。ルチンと共存



することで、耐熱性のビタミンCにグレードアップ



し、抗酸化力も相乗的に作用します。今回はここ



までとさせて頂きます。そばにいて、そばを食べる。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



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にて承ります。



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