美しい肌Vol.154

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2013-05-02 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の野菜&果物(各論:ドクダミ)



ドクダミは東アジア地域に分布する多年生草木で、



日本でも全国各地で見ることができ、6月の梅雨



の時季に黄色い穂状の花を咲かせます。一般的に



白い花びらのように見えるのは、植物学的には花



ではなく「蔀(ほう)」と呼ばれる部分です。



ドクダミは、生のドクダミが持つ特有の臭気が



まるで毒を溜めているようで「毒溜み、毒矯み



(ドクダミ)」に由来し命名されました。



ドクダミの漢方生薬名は「十薬」といい、



馬に食べさせると10もの効果があるということ



から命名されました。



ドクダミには特有の香りがあり、繁殖力が強い



地下茎は長く伸びて分岐するため、一度根づくと、



なかなか退治することができません。そのため、



ドクダミは除草しにくく、しぶとい草であること



から別名「シブト草」と呼ばれています。



ドクダミには強い独特な香りを持つデカノイル



アセトアルデヒドという精油成分やクエルシトリン、



イソクエルシトリン、ミネラルなどの成分を含んで



おり、デトックス効果、美肌効果など様々な効果



を持ちます。クエルシトリンは、お子様が嫌う



ピーマンの苦みおよび香り成分でした。ドクダミを



自宅で煎じたことがありますが、香りというよりは



強烈な臭いという印象を受けました。もし、自宅で



煎じようと考えている方は、換気扇を回し、窓を



全開にしてから、煎じるようにして下さい。



ドクダミは江戸時代の書物である『大和本草』や



『和漢三才図絵』に記載があるほど、古くから



健康効果が知られていました。



江戸時代の儒学者・本草学者である貝原益軒が著書



『大和本草』の中で、ドクダミは「和流ノ馬医用之馬



ニ飼フ、十種ノ薬ノ能アリトテ十薬ト号スト云



(わが国の馬医がこれを馬に用いると、十種の効能



があるので、十薬と呼ぶことにした)」と書かれて



います。



また古くからドクダミの強い殺菌・抗菌効果は



知られており、よく洗った新鮮なドクダミの生葉を



もみ、葉汁を膿んでいるところや痔などの患部に



直接塗るなどの民間療法としても使われていました。



日本では民間薬として、化膿性皮膚炎や水虫などの皮膚



に関する病気に用いられており、研究が進むにつれ、



ドクダミの色々な効果が解明されています。



ドクダミは、厚生労働省の発行する「日本薬局方」に



「十薬」という生薬名で書かれています。



「日本薬局方」は、薬事法によって医薬品の適正を図る



ために、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見



から定めた医薬品の規格基準書です。



ドクダミの収穫の最盛期は、開花時期である5月下旬



~6月頃です。この時期が最盛期とされているのは、



花をつけたドクダミが利尿作用や毛細血管の強化、炎症



を抑える効果を持つクエルシトリンを最も多く含んで



いるためです。



ドクダミの開花時期は2ヶ月程で、秋以降は葉や茎もなく



なるため、開花時期には1年分のドクダミが収穫されます。



ドクダミには、多くの種類のフラボノイドが含まれて



いますが、その中でも、クエルセチンには血管を拡張



させたり、尿の排出を促進したり、炎症を抑える効果



があり、ドクダミの効果を得るためには欠かせない成分



です。



ドクダミの葉は乾燥させると、揮発性成分のデカノイル



アセトアルデヒドが分解されるため、殺菌効果が失われ



ますが、乾燥ドクダミ(全草)にはフラボノイド成分で



あるクエルセチン、ルチンやクエルシトリンが含まれて



います。



ドクダミに含まれるルチンには、血管の透過性を適度に



保ち、血管を丈夫にする働きがあります。



血管は、体内の細胞との間で栄養や酸素などのやりとり



を行っていますが、その機能は血管が持つ透過性によって



維持されています。



透過性とは、物質を通り抜けさせることができる性質



のことです。血管の透過性は、高すぎても低すぎても体に



良い影響を与えません。血管の透過性が高すぎると



アレルギー疾患が増悪します。そこでアレルギー疾患の



治療には血管の透過性を低くすることが必要になります。



しかし、血管の透過性が低すぎると酸素や栄養素などが



全身にいきわたらなくなり、これも非常に問題です。そこで



酸素や栄養素など、細胞に与える物質の大きさに応じて



適度な透過性を保つことが必要です。ルチンは、



この血管が持つ透過性を適切に調節する作用があります。



また、ルチンは丈夫な血管に不可欠なコラーゲンの合成



を助けるビタミンCの吸収を促進し、血管の老化を抑制



します。ルチンには、記憶力をアップさせる作用



があり、動物実験と臨床試験でその効果は、認められて



います。ω-3系の不飽和脂肪酸(特にDHA)やニンニク



を加熱(100℃以下で)してできるアホエンなどとともに



記憶力をアップする数少ない栄養素です



このように、ドクダミに含まれる水溶性のビタミン様



物質であるルチンには、毛細血管の透過性を改善し、



さらにビタミンCの吸収を促進することで、血管を丈夫



にする働きがあります。



生のドクダミに含まれているデカノイルアセトアルデヒド



という成分は、非常に強力な殺菌・抗菌作用を持って



います。ドクダミには、食中毒や傷口の膿みの原因となる



黄色ブドウ球菌や、水虫などの原因となる糸状菌(カビの菌



すなわち真菌)などの細菌を抑制する働きがあります。



デカノイルアセトアルデヒドは蒸発しやすい性質を持つ



(揮発性が高い)ため、この効果は新鮮な生の葉のみに



限られます。



また、植物の色素成分であるフラボノイドも多く含み、



抗酸化作用や便秘の改善、血管の強化、老廃物の排泄促進



などの効果が期待されているため、血管を丈夫にする効果



や炎症を抑える効果があります。



ドクダミには、高血圧の要因となるナトリウムを排出する



カリウムが高濃度に含まれているため、血圧を下げる効果が



期待されます。もちろんカリウム以上にナトリウムの摂取



が多ければ、なかなか塩分は減りません。



肌荒れは、細菌が皮膚の毛穴などに詰まった油分や汚れを



栄養にし、繁殖した炎症のもととなる物質を分泌すること



で引き起こされます。また、便秘などにより肌荒れが引き



起こされます。



生のドクダミに含まれているデカノイルアセトアルデヒド



は、殺菌・抗菌効果があるため、肌荒れの原因となる細菌



の働きを抑制します。



ドクダミに含まれるクエルシトリンやイソクエルシトリン



には、利尿効果や毛細血管の強化作用があり、新陳代謝を



促すため、体のすみずみまで栄養を届け、肌の生まれ変わり



を促進します。



さらにドクダミは、体内に生じた老廃物や毒素を排泄する



効果(デトックス効果)があり、血液を浄化し、ニキビや



吹き出物などの肌トラブルも生じにくい体質へと改善する



といわれています。このように、ドクダミには美肌にする



効果があります。今回はここまでとさせて頂きます。



十日で透過性を改善する。笑



最後までお読み頂き、ありがとうございました。



女性の美容と健康についてのご相談は、当クリニック皮膚科



にて承ります。



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