美しい肌Vol.68

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2013-04-03 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の漢方(生薬各論:当帰)



ファイトケミカルとうまみ成分の話が一段落しました。



そこで漢方薬の生薬について、詳しく述べてゆきたいと



思います。まずは、女性の聖薬「当帰芍薬散」の構成生薬



当帰についてお話させて頂きたいと思います。山地に自生



し、または栽培される多年草、セリ科(学名:Umbelliferae)


トウキ(学名:Angelica sinensis (Oliv.) Diels)の根


の部分を用います。中国では甘粛省、四川、雲南、陜西など



で作られています。秋の終わり頃に掘り起こし、ひげ根や土を



取り除いて天日で半ば乾燥させた後、少しずつ束にして並べ



じっくりと干していきます。使用の際は薄く削いだ



ものを使います。漢方医学では、補血(血液を補充する)、



活血(血行を良くする)、調経(気の流れを調える)、止痛



(痛みを抑える)、潤腸(腸を滑らかにする)の作用がある



といわれています。



最近の研究では、赤血球の生成を促進し、貧血をなくし、



末梢の血管を広げる働きや、悪玉コレステロール値を



下降させたり、免疫力を高める、肝細胞の保護や



再生・回復を促進させるなどの作用があることが示されて



います。当帰は、四気(基本的な性質)は温(身体を



温める)、五味は甘・辛、帰経(主に作用する内蔵系)は



肝・心・脾に分類されます。

 

当帰は、血液を補充し、血行を良くする生薬として古来幅広く



使われてきました。民間のことわざに「漢方薬は十中八九、



当帰入り」といわれるほど数多くの漢方薬に用いられています。



守備範囲も広いのですが、総じて以下のようになります。



心臓や肝臓などの血液不足(血虚といいます)、貧血に



用います。代表的なものとしては、四物湯があります。



また「気」も不足している場合は朝鮮人参やオウギと



組合わせた当帰補血湯がよく使われます。



当帰は甘・温の性質のため、血行を良くする多くの滋養薬膳に



利用されています。



血液を補充し、血行を良くし、また月経を調整する作用もある



ので婦人科系の病気に対する重要な生薬となっています。



さまざまな生理痛・生理不順などの症状に有効で、ほとんど



全ての婦人科の漢方薬に使われています。中等症に用いる



加味逍遙散や実証に用いる桂枝茯苓丸にも用いられています。



冷えて気の流れが滞る(寒凝気滞)生理不順には当帰紅花酒



などの薬膳が効果的です。



現在は、血行を良くし痛みを抑える働きを利用して狭心症の



発作や血栓による脈管炎の治療に使われています。中国では



早くから「当帰注射液」による治療で狭心症や脳血栓に対して



良好な成績を収めています。副作用が少なく、特に慢性化



した症状に穏やかに効いて急性の発作の発生を防いでくれます。



その作用からさまざまな食材と組合わせて多様な薬膳料理に



使われます。有名なものには唐の時代から伝わる宮廷薬膳、



当帰生姜羊肉湯などがあります。現代の臨床に応用されている



薬膳の中で最もよく使われている生薬が当帰といえます。

 

日本産の当帰 日本産の当帰の起源には、ヤマトトウキ



(学名:A.acutiloba Kitagawa)とホッカイトウキ



(学名:A.acutiloba Kitagawa vae. sugiyama Hikino)



があります。ヤマトトウキは大和地方(奈良県)を中心



に古くから栽培されていました。ホッカイトウキは、



北海道に自生するエゾヨロイグサとトウキを交配して、



寒さに強い品種として改良したもので現在も北海道が



主な産地となっています。中国で生まれた漢方医学



ですが、昔は物流が未発達であったため、中国と同じ



植物を日本では入手できないケースが多々ありました。



そうした場合、似た性質を持つ別の植物で代用していました。



現在でも中国と日本とで異なる原料を用いている生薬が



数多くあります。トウキもその1つで、中国ではカラトウキ



が、日本ではニホントウキがトウキの原植物となっています。



本日は、ここまでとさせて頂きます。



当帰が陶器に入っていた。笑



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