美しい肌Vol.66

2013-04-03 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



うまみ成分各論(グアニル酸)



グアニル酸は、シイタケのうま味成分です。きのこ類には、多く



含まれるということです。イノシン酸と同じく核酸系のうま味



成分です。1960年にはグアニル酸のうま味が、国中明博士に



よって明らかになりました。化学調味料の中には、グアニル酸を



含むもの(ハイミー、いの一番)があります。グアニル酸に



ついては、これ以上あまり書くことは、少ないようですので、



シイタケにふくまれる、そのほかの薬効成分について書かせて



頂きます。干しシイタケのエリタデニンという成分は悪玉



コレステロールをすばやく体外に排出させ、動脈効果の予防



という効能があります。



干しシイタケの有効成分エリタデニンはグアニル酸と同じく、



核酸誘導体であり、悪玉コレステロール値を下げる効果があります。



さらに血小板の凝集を抑え、血液をサラサラにする働きが



あります。総じて動脈硬化予防には優れた成分といえましょう。



また特に干しシイタケの栄養成分で特記すべき点はエルゴステロール



という物質が含まれていて,このエルゴステロールは体内で



ビタミンDに変化しカルシウムの体内代謝に深く関与して



います。ビタミンDは不足するとくる病(骨が弱くなる病気)



になってしまいます。ビタミンDの過剰症は、高カルシウム血症、



腎障害(多尿)、石灰沈着、悪心、嘔吐、食欲不振、体重減少など



が報告されていますが、シイタケにはビタミンDは、微量しか



含まれていません(干しシイタケ100グラム中わずか17μg)



ので、過剰症がでるまでシイタケを食べるのは



困難です。またそうは言っても、グアニル酸は、核酸物質であり、



過ぎたるはおよばざるごとしですので、シイタケ単品を極めて



たくさん食べるのは、止めておいて下さい。



このように骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防にも重要な



働きをすることが分かっています。さらに、このエルゴステロール



はガンの転移増殖に必要な新生血管の発達を妨げる効果があると



いわれています。シイタケよりも干しシイタケに、菌床栽培



シイタケよりも原木栽培シイタケに、これらの優れた成分は



多く含まれています。



つまり生シイタケを乾燥する過程でグアニル酸の量が増える



ので、生シイタケよりも干しシイタケの方がうま味は強くなります。



また、調理するときの加熱や干しシイタケを水戻しすること



によってもグアニル酸の量は増えます。またシイタケには



グルタミン酸も多く含まれ、グアニル酸との相乗効果によって



うま味を引き立てています。これらの相乗効果も国中明博士に



よって明らかにされました。きのこ一般に含まれるβ-グルカンも



シイタケに多く含まれ、感染症予防には、強い力を発揮します。



お風邪を引いておられる方、引き始めたかなと感じられた方は



身近なシイタケを召し上がることをお薦めします。今回はここまで



とさせて頂きます。



天日干しにするシイタケ、しいたっけ。笑



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美しい肌Vol.67

2013-04-03 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



うまみ成分各論(北欧の食材)



日本料理の味の基本をなす「うま味」が、いま世界の



トップシェフをとりこにしています。「うま味」の



基本は、直近のブログでお話した、グルタミン酸、



イノシン酸、グアニル酸の3つでした。これら三種の



物質は、全て日本人が発見したため、日本人しか理解



のできないものと、欧米の人たちは、考えていました。



しかし、転機は2002年に舌の表面にグルタミン酸を感知



する受容体が見つかったことで訪れます。欧米では「うま味」



はそれまで他の味を引き立てる風味のようなもの、理解



できないもの考えられていました。しかし、独立した味



であることが解明されたため、シェフたちの意識の変化



が認められるようになりました。2005年、京都の料亭の



三代目・村田吉弘さんが、「うま味」を理論的に教える勉強会



を始めました。



世界のシェフが自費で参加し、5年で50人近くになった



ということです。勉強会で学んだシェフが現在、世界各地



でうま味運動を展開しています。うま味を強化した食事



は、世界の人たちを感動させ始めています。しかし、シェフ



たちは、西洋の食材事情に合ったふうに、日本食にアレンジ



を加えています。料理界のアカデミー賞といわれる



「世界のベストレストラン50」で3年連続世界一に選ばれた



コペンハーゲンのレストラン「Noma」のシェフも京都で学んで



いました。「Noma」は研究所をもっていて、北欧の食材から



うま味を引き出す研究もしています。そこのベン・リード



さんが取り出したのは、鰹節ではなく「鹿節」でした。



「鹿節」は、イノシン酸のうま味を出していると思われます。



シカの足をいぶして熟成させたもので、これを薄く削って



スープにします。エンドウ豆 の味噌もありました。



これは、グルタミン酸が主成分だと思われます。さらに、



グアニル酸は、マッシュルームで代用していると考えられて



います。上述のベン・リードさんは、デンマークの海藻を



煮出した汁を干し固めたものは、「うま味の塊だ」と言って



います。これもグルタミン酸が主成分と推測されます。



西洋の食材事情に合った



ということを考慮すれば、シェフたちにとっては、当たり前



のことでしょう。しかし、こうした工夫と努力が地域の人々



および世界の人々をうならせ、世界一のレストランとなった



というのは、素晴らしいことだと思います。おかげで一回の



コースが1,500クローネ(約25,000円)と高めであるにも



関わらずレストラン「Noma」は、予約をとれるまで、



一か月はかかるという大人気店に成長しました。しかし、



不幸なことに今年2月63人の食中毒を出し、非難の炎に



包まれてしまいました。



ウイルス性胃腸炎(ノロウイルスと思われる)で、原因が一人の



体調不良の従業員ということでしたが、残念です。少々脱線



いたしましたが、「Noma」がその後どうなったかは、分かり



ません。しかし世界中にうま味を求める人々がたくさん出現



している事実に変わりはないと思われます。そうした国のシェフ



たちは、海苔の代わりに、ベジタブルペーパーなどを用いて



いると言われています。うまみ強化食にも、日本でもこうした



素材が使われる日が来ることを確信しています。



今回はここまでとさせて頂きます。



今日か、明日かと待ち続ける強化合宿。笑



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美しい肌Vol.68

2013-04-03 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の漢方(生薬各論:当帰)



ファイトケミカルとうまみ成分の話が一段落しました。



そこで漢方薬の生薬について、詳しく述べてゆきたいと



思います。まずは、女性の聖薬「当帰芍薬散」の構成生薬



当帰についてお話させて頂きたいと思います。山地に自生



し、または栽培される多年草、セリ科(学名:Umbelliferae)


トウキ(学名:Angelica sinensis (Oliv.) Diels)の根


の部分を用います。中国では甘粛省、四川、雲南、陜西など



で作られています。秋の終わり頃に掘り起こし、ひげ根や土を



取り除いて天日で半ば乾燥させた後、少しずつ束にして並べ



じっくりと干していきます。使用の際は薄く削いだ



ものを使います。漢方医学では、補血(血液を補充する)、



活血(血行を良くする)、調経(気の流れを調える)、止痛



(痛みを抑える)、潤腸(腸を滑らかにする)の作用がある



といわれています。



最近の研究では、赤血球の生成を促進し、貧血をなくし、



末梢の血管を広げる働きや、悪玉コレステロール値を



下降させたり、免疫力を高める、肝細胞の保護や



再生・回復を促進させるなどの作用があることが示されて



います。当帰は、四気(基本的な性質)は温(身体を



温める)、五味は甘・辛、帰経(主に作用する内蔵系)は



肝・心・脾に分類されます。

 

当帰は、血液を補充し、血行を良くする生薬として古来幅広く



使われてきました。民間のことわざに「漢方薬は十中八九、



当帰入り」といわれるほど数多くの漢方薬に用いられています。



守備範囲も広いのですが、総じて以下のようになります。



心臓や肝臓などの血液不足(血虚といいます)、貧血に



用います。代表的なものとしては、四物湯があります。



また「気」も不足している場合は朝鮮人参やオウギと



組合わせた当帰補血湯がよく使われます。



当帰は甘・温の性質のため、血行を良くする多くの滋養薬膳に



利用されています。



血液を補充し、血行を良くし、また月経を調整する作用もある



ので婦人科系の病気に対する重要な生薬となっています。



さまざまな生理痛・生理不順などの症状に有効で、ほとんど



全ての婦人科の漢方薬に使われています。中等症に用いる



加味逍遙散や実証に用いる桂枝茯苓丸にも用いられています。



冷えて気の流れが滞る(寒凝気滞)生理不順には当帰紅花酒



などの薬膳が効果的です。



現在は、血行を良くし痛みを抑える働きを利用して狭心症の



発作や血栓による脈管炎の治療に使われています。中国では



早くから「当帰注射液」による治療で狭心症や脳血栓に対して



良好な成績を収めています。副作用が少なく、特に慢性化



した症状に穏やかに効いて急性の発作の発生を防いでくれます。



その作用からさまざまな食材と組合わせて多様な薬膳料理に



使われます。有名なものには唐の時代から伝わる宮廷薬膳、



当帰生姜羊肉湯などがあります。現代の臨床に応用されている



薬膳の中で最もよく使われている生薬が当帰といえます。

 

日本産の当帰 日本産の当帰の起源には、ヤマトトウキ



(学名:A.acutiloba Kitagawa)とホッカイトウキ



(学名:A.acutiloba Kitagawa vae. sugiyama Hikino)



があります。ヤマトトウキは大和地方(奈良県)を中心



に古くから栽培されていました。ホッカイトウキは、



北海道に自生するエゾヨロイグサとトウキを交配して、



寒さに強い品種として改良したもので現在も北海道が



主な産地となっています。中国で生まれた漢方医学



ですが、昔は物流が未発達であったため、中国と同じ



植物を日本では入手できないケースが多々ありました。



そうした場合、似た性質を持つ別の植物で代用していました。



現在でも中国と日本とで異なる原料を用いている生薬が



数多くあります。トウキもその1つで、中国ではカラトウキ



が、日本ではニホントウキがトウキの原植物となっています。



本日は、ここまでとさせて頂きます。



当帰が陶器に入っていた。笑



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