美しい肌Vol.72

2013-04-05 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の漢方(生薬各論:蒼朮(ソウジュツ)または



白朮(ビャクジュツ))



科名:キク科/属名:オケラ属



和名:朮/生薬名:白朮(びゃくじゅつ)/



オケラまたはオオバナオケラの根茎



北海道を除く日本全土の日当たりのよい



山麓などに自生しています。



晩秋から初冬にかけて根を採取します。



根茎は水洗いしながら、茎やひげ根、土砂を



除き、コルク質の皮をはぎ取って、2~3日



位天日で干した後、日陰で完全に乾燥させます。



皮をはいで、乾燥させたものは



アトラクチロンの独特な芳香が出ます。



これを生薬の白朮(びゃくじゅつ)といいます。



有効成分:アトラクチロン



蒼朮はキク科のホソバオケラまたはその変種の



根茎です。



産地:河北、河南、山西省、吉林、遼寧省および



朝鮮半島北部で取れます。



成分:精油 (β-オイデスモール、ヒネソール



など) を含有します。



作用:健胃整腸、利尿薬。漢方でいう水毒



(水分代謝障害・不全)の要となる生薬です。



白朮(びゃくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)は



ともに漢方処方に配合する重要な生薬です。



体内の水分の代謝を正常に調節する働きがあり、



健胃、発汗、利尿の目的で用いられます。



白朮(びゃくじゅつ)と蒼朮(そうじゅつ)



には、作用に少しの違いがあります。白朮



(びゃくじゅつ)はとくに胃腸症状の激しくない、



虚弱体質の患者さん向きの生薬で、胃腸が弱く



腹がはるとか冷えて腸が悪く腹痛があるとか



いう場合や胃弱な下痢の場合に用います。



白朮(びゃくじゅつ)10グラムを、1日量



として、水0.4リットルを加えて、煎じ



ながら約半量まで煮詰めたものをこして、



1日3回に分けて食前に服用します。



白朮(びゃくじゅつ)が処方される漢方薬



には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、六君子湯



(りつくんしとう)、真武湯(しんぶとう)、



十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)など



があります。



蒼朮(そうじゅつ)は比較的胃腸に力のある人



の胃腸薬として用いますが、腎臓など泌尿器から



くるむくみや神経痛、リューマチのむくみや痛み



などの苦痛に天然の利尿剤として用います。



蒼朮(そうじゅつ)が配合される漢方処方には、



神経質でのめまいや動悸のする場合、息切れが



して頭が痛いときに用いる苓桂朮甘湯



(りょうけいじゅつかんとう)のほか、平胃散



(へいいさん)、五苓散(ごれいさん)、消風散



(しょうふうさん)、当帰芍薬散



(とうきしゃくやくさん)などがあります。



むくみは、美容の大敵です。むくみを天然の利尿剤



でとっていた昔の人の知恵に驚かされました。



今回はここまでとさせて頂きます。



朮に含まれる術を使う。笑



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美しい肌Vol.73

2013-04-05 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の漢方(生薬各論:沢瀉)



オモダカ科サジオモダ



寒地の沼沢地に自生する多年草です。国内では



本州の中部以北から北海道にかけて薬用植物として



栽培されています。日本を含むアジア、南北



アメリカ大陸と広範囲に分布し、クアイのように



食用に給されるものもあります。



漢方では、利尿剤とされるものに、茯苓、猪苓、



白朮、蒼朮(前回参照)、沢瀉(タクシャ)が



あり、茯苓は主に心臓や胃に、猪苓は主に腎臓系



に、沢瀉は、胃、腎に作用して本来の働きを元に



もどすことで利尿作用が現れます。



成分:トリテルペノイド、糖類、β-シトステロール、



アミノ酸、ビタミン類などを含む。



西洋医学的効能:利尿, 循環器系への作用, 



血液凝固抑制, 抗脂肪肝, コレステロール血症の改善,



性ホルモンヘの作用, 免疫賦活(抗菌作用), 



尿路結石予防などです。血糖・血圧の降下作用も合わせ



持っています。めまい、口渇、胃内停水(上腹部で



ポチャポチャ音がすること)などの症状を呈する方に



適しています。 血糖降下作用は、存在しますが、この生薬



単剤で、糖尿病の治療には用いられないようです。恐らく



西洋のお薬の方が、血糖降下作用が強く、生薬単剤での



治療効果が期待できないからではないかと思われます。



性ホルモンへの作用から美肌によいと言われています。



沢瀉を含む漢方薬としては、胃苓湯、茵陳五苓散、



牛車腎気丸、八味地黄丸半夏白朮天麻湯、竜胆瀉肝湯、



などがあります。この中で牛車腎気丸、八味地黄丸は、



糖尿病の合併症に用いられることがあるようです。



今回は、ここまでとさせて頂きます。



血糖と決闘できない、沢瀉でした。笑



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美しい肌Vol.74

2013-04-05 00:00:00

カテゴリー:女性の美容と健康

町医者のブログ



美肌の漢方(生薬各論:神秘の生薬茯苓)



薬理効果:尿細管の再吸収を抑制するため利尿作用が高く、



ミネラル類(Na、K、Clなど)の排出量が増加します。



めまいや動悸やのぼせに有効です。更年期障害の実証型



に使われる桂枝茯苓丸は、とくにのぼせが有効です。



水製エキスは健康人、ウサギ、ラット、マウスなどに



経口投与してもほとんど利尿作用を示しませんが



生理食塩負荷マウスに経口投与すると軽度の利尿作用が



確認されました。このマウスと同様に、日本人も



塩分摂り過ぎとなっているので、利尿作用が認められるの



ではないかと推測されます。又Shay ラット経口投与で軽度の



胃潰瘍発生予防およびマウス経口投与で拘束水浸ストレス



胃潰瘍予防効果があり、マウス経口投与で塩化ピクリルに



よる接触性皮膚炎を抑制し、さらに水製エキス又は



エタノールエキスはウサギ経口投与で一過性の血糖上昇後



降下作用を示す、と報告されています。古くから薬用に活用



されてきました。



サルノコシカケ科の茯苓は、主に松林中の地中に生じる



木材腐朽菌です。松の根に寄生し、地下20~30センチメートル



あたりに菌核を形成します。形はイモに似ていて表皮は黒褐色



で、しわ状の凹凸があり、内部は白色でやや淡紅色を帯びて



います。生の時は硬めの芋状で、乾燥させると硬くなり



ます。菌核内部の白い部分は「白茯苓」、周辺近くの赤い部分



は「赤茯苓」、松の根を囲んでいる白い部分は「茯神」、



表皮は「茯苓皮」と呼ばれています。どの部分にも共通して、



利尿や健脾(胃腸の働きをよくする)作用、精神安定作用が



ありますが、それぞれ白茯苓は健脾(胃腸の働きをよくする)



作用、赤茯苓は利尿作用、茯神は精神安定作用に、特に



優れています。



一年を通して採取でき、地中から掘り出した茯苓は、まず泥土



を洗い落としてから風通しの悪い部屋に積んでおいて「発汗」



させ、水分を排出させます。次に日陰の涼しい場所に広げて置き、



表面が乾いたら再び発汗させ、この作業を数回繰り返して完全に



乾燥させた後、各部所ごとに赤茯片、赤茯塊、茯苓皮、白茯片、



自茯塊、茯神木に加工します。



中国では、河南省や湖北省、四川省、.雲南省、広東省、貴州省



などに多く分布する他、日本や朝鮮、北米にも自生しています。



アジアでは主に松の根に寄生していますが、北米ではマツやモミ



などの針葉樹以外に、モクレンやミカン、コナラなどの広葉樹の



根にも寄生しています。近年中国では茯苓の人工培養に成功して



いて、各地で栽培されています。



昔は、地中にできる茯苓は不思議な植物と思われていたらしく、



「松脂が地中で千年経ったもの」とか、「松の精気が変じたもの」



などと考えられていたようです。



茯苓という名前は、「松の神霊の気が伏してできたもの」という



意味があり、古くは「伏霊」と記されていたと言われています。



菌核が根を取り囲んでいる白い部分を「茯神」と呼びますが、



この名前にも同様の意味が込められています。



こうした茯苓の神秘的なイメージは中国の故事にも表れており、



仙人が好んで茯苓を食べ、いつまでも健康で長生きしたという伝説



があります。



また、中国では茯苓を使ったお菓子で北京特産の「茯苓餅」があり、



最近では茯苓から抽出したエキスを使った美容クリームなども登場



しています。美容クリームということは、美肌につながる化粧品にも



使われている可能性が高いものと考えられます。代表的漢方薬に



「五苓散」や「牛車腎気丸」、「苓桂朮甘湯」などがあります。



本日はここまでとさせて頂きます。



茯苓は、伏霊。笑



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