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2013-04-12 00:00:00
カテゴリー:ブログ
診療マル秘裏話 Vol.388 平成23年5月12日作成作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
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目次
1) 学校の屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準
2) 難病「多発性硬化症」の悪化が抑制される新治療法
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
1】学校の屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準
福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動
制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを
目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任の
ための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が5月2日までに
「子供の発ガンリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全
とみなすことはできない」との声明を発表しました。
PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止
国際医師の会」の米国内組織です。
声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全な
レベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘
しました。「年間20ミリシーベルトは、子供の発ガンリスクを
200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、
子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線
許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」
と批判しました。
生命の危機を声明に乗せる。笑
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2】難病「多発性硬化症」の悪化が抑制される新治療法
免疫細胞にカルシウムが流入して特有のタンパク質が作られること
により、運動まひや感覚障害を主症状とする難病「多発性硬化症」
の悪化が抑制されることを大阪大と理化学研究所免疫・アレルギー
科学総合研究センター(横浜市)のチームがマウスで解明し、4月
28日付の米科学誌イミュニティー電子版に発表しました。
タンパク質はインターロイキン10(IL10)です。大阪大の
馬場義裕(ばば・よしひろ)特任准教授は「流入には、カルシウム
濃度を感知するセンサーが必須。センサーがよく働くようにして
IL10が多くできれば、多発性硬化症の治療法が開発できる
可能性がある」と話しています。
多発性硬化症では脳や脊髄、視神経などに炎症が発生します。
発症や悪化の原因はよく分かっていません。
チームは、免疫細胞の一種「制御性B細胞」にあるカルシウムセンサー
を欠損させたマウスと、普通のマウスに、多発性硬化症に似た症状が
出る物質を注射しました。欠損マウスでは歩けないぐらい重いまひが
起きました。
普通のマウスではセンサーが働くため、制御性B細胞にカルシウムが
流入し、IL10が作られて炎症が抑えられ、神経症状の悪化も抑制
されたと考えられました。
煙硝のにおいから延焼を知る。笑
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編集後記
福島の事故での屋外活動の可否に関する放射線量の基準
が妥当でないということから小佐古敏荘(こさこ・としそう)
東大大学院教授の内閣官房参与辞任があったということを
ニュースで知りました。アメリカ合衆国の権威有る医師の
団体ですらこの基準はおかしいと言っています。国民に
もっと分かるような形で文部科学省も発表するべきでは、
なかったかと思われます。将来の日本をしょってたつ学生
たちの健康に害を及ぼすような基準なら本当に罪作りな話
でしょう。多発性硬化症の新治療法が動物実験で成功
したのは喜ばしいことであると思います。ぜひ臨床試験
までこぎ着けられるといいなと思いました。
楽聖といわれた学生。笑
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