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2013-08-23 14:59:56

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診療マル秘裏話 Vol.407 平成23年9月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

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目次

1) 血液のもとになる造血幹細胞の維持や増殖に、不可欠な特定のタンパク質
2) 進行期の肝臓ガンに鉄除去療法および鉄分の過剰蓄積を防ぐメカニズム

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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 血液のもとになる造血幹細胞の維持や増殖に、不可欠な特定のタンパク質

血液のもとになる造血幹細胞の維持や増殖に、特定のタンパク質が
不可欠であることを九州大の中山敬一(なかやま・けいいち)教授ら
のチームが突き止め、9月1日付の米科学誌セル・ステム・セル電子版に
発表しました。

このタンパク質のメカニズム解明が進めば、試験管内で大量の血液をつくる
輸血技術や、白血病治療などの再生医療への応用が期待できるということです。

このタンパク質は、造血幹細胞に多い「p57」です。細胞分裂を抑える
機能がありますが、詳しい役割は分かっていませんでした。

造血幹細胞は骨髄や臍帯血(さいたいけつ)中にある非常に少ない細胞です。
まれに細胞分裂することで、造血幹細胞自体を複製し、さらに血液細胞を
つくります。

チームの実験で、マウスの造血幹細胞からp57を取り除くと、異常な
細胞分裂が起き自己を複製できなくなりました。造血能力を失ったマウスに
p57を除いたマウスの骨髄を移植した実験では、正常な造血幹細胞の
約10分の1しか血液細胞をつくることができませんでした。

この結果、p57が細胞分裂を調節することで造血幹細胞が維持され、
血液細胞づくりが保たれていると判明しました。中山教授は「p57は
さまざまな幹細胞に存在しており、ほかの幹細胞の維持にも重要な働きを
している可能性がある」と話しています。

幹細胞の維持に意地でもこだわる医事ニュース 笑

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2】 進行期の肝臓ガンに鉄除去療法および鉄分の過剰蓄積を防ぐメカニズム

抗ガン剤が効かない進行期の肝臓ガンに対し、ガン細胞の増殖に
必要な鉄分を除去することで進行を抑えることに、山口大の坂井田功教授ら
のグループが成功しました。

患者さんの5割でガンが縮小したり進行しなくなったりしたということ
です。抗ガン剤に代わる新たな治療法で、米医学誌ニューイングランド・
ジャーナル・オブ・メディシンに報告しました。

肝臓ガンは切除しても再発しやすく、進行すれば抗ガン剤の治療効果が
なくなる場合も多いと言われています。

グループは、体内の鉄分を尿と一緒に排出する「鉄キレート剤」と呼ばれる
薬剤を患者の肝臓動脈に直接投与する臨床研究を実施しました。末期の
肝臓ガン患者10人に対し、隔日で平均2か月間注入したところ、2人で
ガンが縮小し、3人で進行がほぼ止まりました。重い副作用も確認されません
でした。残り5人には治療効果はみられませんでした。

鉄キレート剤を使った治療は、他の臓器のガンにも応用できると考えられ
ますが、肝臓は鉄分を蓄積する性質があるため、効果が表れやすいと
推測されています。

坂井田教授は「今回の方法は、今後のガン治療の選択肢の一つとして期待
できる」と話しています。

九州大生体防御医学研究所の中山敬一・主幹教授(分子生物学)らの
研究チームが、人などの細胞で鉄分の過剰蓄積を防ぐメカニズムを解明し
ました。過剰蓄積によって起こる肝ガンの発症を防ぐ薬などの開発に
つながるということです。米国科学誌「セル・メタボリズム」の電子速報版
に9月6日付で公開されました。

鉄分は酸素を運ぶ働きを持ち、不足すると貧血になります。逆に増え
すぎるとDNAやたんぱく質などを酸化し、肝障害や神経障害を引き
起こす恐れもあります。「IRP2」というたんぱく質が鉄分を細胞内に
取り込む働きを持つことは知られていましたが、抑制の仕組みは分かって
いませんでした。

研究チームは、細胞質に存在し、IRP2に結合する性質を持つ
たんぱく質「FBXL5」に着目しました。FBXL5が欠損したマウス
で実験したところ、鉄分の過剰蓄積で死にました。こうした実験を繰り返し、
鉄分が増えるとFBXL5が自動的に働き、IRP2を分解して鉄分の摂取
を抑制することが確認できたということです。

鉄は熱いうちに打て、同じ轍を踏むなと頑固一徹。笑

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編集後記

試験管内で大量の血液をつくる輸血技術や、白血病治療
などの再生医療への応用などとこうした遺伝子が見つかると
夢のような血液疾患の治療が実現するように思えます。実際
の道は険しくとも従来の治療がバカバカしくなるほどの進歩
を遂げて欲しいものです。鉄キレート剤を肝ガンの治療に
使うのは、素晴らしい発想です。しかし残り5割の人には
効かなかったというのも注目しなければなりません。なぜ
残り5割の人に効かないのかは、前述のFBXL5のような遺伝子
を徹底的に精査する必要があるでしょう。この遺伝子に変異
が起きて鉄過剰症が簡単に起こる環境では効かないのかも
しれません。

病気の性差を精査する。笑

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