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診療マル秘裏話  号外Vol.389 平成27年11月11日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
 
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目次

1)抗疲労作用がある新しい香料混合物を研究開発
2)認知症高齢者の位置情報を、告知するシステム

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 抗疲労作用がある新しい香料混合物を研究開発

 
 
 
 
 
 
花王は大阪市立大学と共同で、
抗疲労作用がある、新しい香料
混合物を開発しました。抗疲労
作用のある香りに共通して応答
する6種の嗅覚受容体に対して
活性を持ち、パソコン作業に対
して疲労抑制効果があることを
確認しました。 これまで嗅覚
受容体と生理作用を調べた研究
はなく、花王では研究成果を基
に製品開発を行っていく計画だ
そうです。

花王の感性科学研究所と大阪
市立大学大学院 医学研究科の
渡辺 恭良特任教授、山野恵美
特任助教らのグループは、香り
による抗疲労作用の効果を調べ
る目的で、ヒトに存在する嗅覚
受容体の活性を調べました。用
いた香りは抗疲労効果が報告さ
れているcis-3ヘキサノー
ルとトランス-2-ヘキセナー
ルの混合物(グリーン香)とグ
レープフルーツ精油の2種類だ
そうです。約400種のヒト嗅
覚受容体を発現させた培養細胞
の評価系を用いて、どの受容体
が抗疲労作用を示す香りに応答
するか調査したところ、6種の
嗅覚受容体を特定できました。

次に6種類の嗅覚受容体すべ
てを活性化する、新しい香りを
探索しました。約170種類の
なかから見つかったのが「メチ
ルイソオイゲノール」「lカル
ボン」「メチルβナフチルケト
ン」「フェニルエチルアセテー
ト」の4種類の混合物で、はち
みつを感じる甘い花の香り(M
CMP)。このMCMPを用い
て約40分間のパソコン作業を
行ったところ、疲労抑制効果の
あることが示唆されたという事
です。

香りには覚醒や鎮静作用など
さまざまな生理作用があります
が、科学的にはグレープフルー
ツ精油の抗肥満作用やラベンダ
ー精油のリラックス作用が知ら
れているだけで、嗅覚受容体と
生理作用の関連を調べた研究は
ありませんでした。

花王では嗅覚の本質研究を進
めており、各種の製品開発に役
立てていくということです。

認知症に対するアロマテラピー

の効果についての動画です。



 
清貧な製品開発。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 認知症高齢者の位置情報を、告知するシステム

 
 
 
 
 
 
認知症の高齢者に、位置情報
を知らせる送信機を持ってもら
い、自宅周辺で行方が分からな
くなった際、速やかに見つけら
れるシステムを大阪市立大など
のチームが開発し、19日発表
しました。数キロ四方の地域に
位置情報受信用の装置を設置し
て網を掛ける仕組みで、比較的
低コストで運用可能だそうです。
チームの、辻岡哲夫准教授
(情報工学)は「地域での見守
り体制を構築し、家族の肉体的、
精神的負担を減らしたい」と話
しており、年内にも実証実験を
始める計画だそうです。
開発したのは歩数や進行方向
等位置を特定できる情報を電波
で定期的に発信する送信機と
受信装置です。電波信号を受信
装置で受け取り、現在地を推測
します。

在宅介護用緊急呼び出しシステム

についての動画です。



 
 
 
 
定期券の支給を提起する。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
疲労の研究の最先端をゆく、
大阪市立大と花王がコラボする
とは、思いもよりませんでした。
大阪市立大の教授の本の中で
グリーン香(若葉アルコールと
若葉アルデヒド)の話をしてい
たのは、記憶しています。但し
これらグリーン香の香料は揮発
性と可燃性を併せ持っているの
で、その利用の仕方には、充分
注意することが必要です。
犯罪捜査のドラマで良く見か
ける発信機が、認知症高齢者の
徘徊などの周辺症状が起こった
時のために使われるなんで夢に
も考えていませんでした。

綱領を記した紙に香料がかす
かに匂う。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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