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2016-09-17 01:39:21

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診療マル秘裏話  号外Vol.393 平成27年11月16日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)「多能造血前駆細胞」を無限増幅する培養技術
2)免疫調整剤ヒドロキシクロロキン 硫酸塩適正使用の手引

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 「多能造血前駆細胞」を無限増幅する培養技術

 
 
 
 
 
理化学研究所などの共同研究
チームは、「多能造血前駆細胞」
と呼ばれる細胞を生体外で無限
に増幅させる培養方法を開発し
ました。同細胞は血液のもとと
なる造血幹細胞のように自己複
製能は持たないが多能性を示す
もので、幹細胞様の細胞といえ
ます。分化を停止するだけで幹
細胞性を獲得できるというこれ
までの幹細胞性の概念を覆す新
たな手法を発見しました。免疫
細胞に分化させるなどして細胞
療法への応用が考えられます。

造血幹細胞は各種の血液細胞
を作りだすもので生体外で増幅
させる方法が盛んに研究されて
いるものの実用的な方法は確立
されていません。研究チームは、
E2Aという転写因子を欠損さ
せると免疫細胞であるB細胞の
分化が初期段階で停止し、B前
駆細胞が多能造血前駆細胞とし
ての特徴を示すという知見を更
に進めて研究しました。

E2Aの働きを一時的に阻害
するために、E2Aの阻害蛋白
であるId蛋白をマウスの造血
幹細胞群へ導入しました。 B
細胞への分化を誘導する条件下
でこれらの細胞を培養すると前
駆細胞段階で分化が停止し、多
能造血前駆細胞が、増幅(自己
複製)しました。この細胞は約
1カ月で、1万倍にまで増殖し
培養を続ける限り増え続けまし
た。 この前駆細胞をマウスに
移植すると、リンパ球や顆粒球
などさまざまな白血球を作りま
した。主に白血球を作り出す幹
細胞という意味で、この細胞を
「iLS(人工白血球幹)細胞」
と名づけました。

iLS細胞は赤血球や血小板
はあまり作らず生体内では自己
複製しないが体外では無限に増
やせます。これまでは、多分化
能と自己複製能の維持は幹細胞
だけが保持する特殊な能力と考
えられてきました。また、生体
外でこの状態をつくりだすには、
初期化などの手法により未分化
な状態に巻き戻す必要があると
思われてきました。今回の研究
によって、単に分化を停止させ
るだけで幹細胞性を獲得する事
が初めて示されたことになり、
「幹細胞性」の概念を変える可
能性がある発見だとしています。

応用例としては、患者さんの
造血前駆細胞からiLS細胞を
作製し、樹状細胞や、ガン抗原
特異的なキラーT細胞を大量に
作製することによる、ガン細胞
療法などがあり得ます。造血幹
細胞や免疫細胞を用いた遺伝子
治療の研究の進行にも役立つと
みられます。更には、単に分化
を停止させるという同様の方法
を用いて、他の組織においても、
幹細胞を増幅できる可能性があ
ります。

多能性幹細胞の大量培養に

ついての動画です。


ガン抗原特異的な、キラーT
細胞の得意な働き。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 免疫調整剤ヒドロキシクロロキン 硫酸塩適正使用の手引

 
 
 
 
 
 
日本皮膚科学会はこのほど、
ヒドロキシクロロキン適正使用
の手引きをまとめ、学会ホーム
ページで公開しました。
2015年7月に免疫調整剤「ヒ
ドロキシクロロキン硫酸塩」
(商品名:プラケニル錠)が、
全身性エリテマトーデス( SLE
)と皮膚エリテマトーデス( C
LE)の適応で承認されたことを
受けた対応で効能や効果、重要
な基本的注意、副作用等を海外
の情報も交えて詳述しています。
手引きでは、ヒドロキシクロ
ロキンの開発の経緯や日本で行
われた臨床試験の結果と、その
安全性について触れた他、警告
文や禁忌、使用上の注意などを
解説しています。 副作用の項
に、記載されている網膜症につ
いては眼底写真や視野検査等、
各種検査所見を提示して説明し
ています。

結語では、同薬が日本で新薬
として保険適用下で使用できる
環境が整い、皮膚科医がこれま
で以上に使用できる状況になっ
た一方で、眼科医との連携の必
要性や、投与量の決定方法など
留意すべき点が多いと指摘して
います。

全身性エリテマトーデスと皮膚

エリテマトーデスの新薬について

の動画です。



私的な指摘の詩的表現。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
分化を停止するだけで幹細胞
性を獲得できるというこれまで
の幹細胞性の概念を覆す新たな
手法を発見したのは、画期的な
発見と言えましょう。その応用
として、患者の造血前駆細胞か
らiLS細胞を作製し樹状細胞
やガン抗原特異的な、キラーT
細胞を大量に作製することによ
るガン細胞療法などにつなげて
頂きたいものです。
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
は、マラリアの薬と認識してい
ます。最近、抗膠原病薬として
使われているなんて、知りませ
んでした。昔から、眼の副作用
が有名でした。 その副作用の
せいで、内服せずにマラリアの
流行地に足を踏み入れ、熱帯熱
マラリアに罹った患者さんを知
っています。この眼の副作用は、
可逆的で内服を中止すると良く
なると教わりました。

注視を中止する。笑

 
 
 
 
 
 
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