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診療マル秘裏話 Vol.288 平成21年6月4日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次
1)  余分な脂肪のパラドックス
2) 膵島移植の成功率を高める方法

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 余分な脂肪のパラドックス

 
 
 
 
余分な脂肪は心疾患の発症
の原因となりますが、同時に
症状の悪化を抑える可能性が
あることが、これまでの心臓
研究のレビューで示されまし
た。
米オクスナーOchsnerメデ
ィカルセンター(ニューオー
リンズ)のCarl J. Lavie
博士はこの現象を「肥満パラ
ドックス(obesity paradox)」
と呼んでいます。「肥満は心
疾患リスクおよび死亡リスク
を大幅に増大させますが、高
血圧、冠動脈の閉塞、末梢
動脈障害(PAD)をいったん
発症すると、肥満の患者は痩
せた患者さんよりも、経過が
良好です。このパラドックス
は数年前から報告されている
が、未だ認識していない医師
も多い)」と同氏は述べてい
ます。このレビュー研究は、
医学誌「Journal of theAmer
ican College of Cardiology
(米国心臓病学会誌)」5月
26日号に掲載されました。

今回の報告は、心疾患患者
25万人を対象とする40の研究
のデータを検討したものです。
Lavie氏はこのパラドックス
について医師らの認識を促す
と同時に、肥満の心疾患患者
さんに減量させる必要はない
というような誤った解釈をし
ないよう警告しています。
「肥満は糖尿病や高血圧など
多数の危険因子(リスクファ
クター)をもたらすとともに、
それ自体が独立した危険因子
でもある」と同氏は指摘し、
心疾患の患者さんで最も経過
がよいのは体重を減らそうと
している肥満者であることを
指摘し、肥満がよいものとは
考えてほしくないと述べてい
ます。

このパラドックスにはいく
つかの説明が考えられるとい
うことです。一つは、肥満の
人は疲労感や呼吸困難などの
症状のために、早期に医師の
診察を受け、疾患を早期に
治療することができると推測
されます。また、体重のある
人ほど疾患と闘うエネルギー
の蓄えが大きいことも考えら
れます。さらに、肥満の人は
そもそも肥満でなければ心疾
患を発症しなかったはずです
が、やせた人が心疾患に罹患
するのは別の原因があるため、
重症になる可能性が高いと
Lavie氏は説明しています。

虚血性心疾患について分かり

やすく講義されている動画です。



 
 
 
 
 
 
軽貨は経過良好だった。笑

 
 
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2】 膵島移植の成功率を高める方法

 
ポリテトラフルオロエチレン
(polytetrafluorethylene、
PTFE)のカプセルに封入した
膵臓前駆細胞を移植すること
で、移植細胞への免疫系の
攻撃を防ぎ、血糖値コントロ
ールの機能をもつβ(ベータ)
細胞に成熟できることが米国
の研究で示されました。

マウスでの実験では、β
細胞に分化した細胞よりも
前駆細胞を用いたほうが移植
の成功率が高いことも示され
ました。1型糖尿病の新しい
治療アプローチにつながる、
この知見は、医学誌「Trans
plantation (移植)」4月15日
号に掲載されました。

研究を行った米カリフォル
ニア大学サンディエゴ校
(UCSD)医学部非常勤助教授
のPamela Itkin-Ansari氏ら
は、「期待を上回る結果だ」
と述べています。「T細胞は、
PTFEのカプセルを通り抜ける
ことはできないが、カプセル
の周りを取り囲むことが予測
されていました。しかし、
活発な免疫反応の証拠はみら
れず、カプセル内の細胞は、
免疫系に検知されないことを
示している」と説明していま
す。

1型糖尿病患者では、自身
の免疫系が膵臓でインスリン
を産生するβ細胞を攻撃して
死滅させてしまいます。治療
のためβ細胞を移植しても、
長期にわたって免疫抑制薬を
使用する必要があり、健康上
のリスクをもたらすことに
なります。移植β細胞を免疫
系から保護するデバイス
(カプセル)を用いることで、
免疫抑制薬の使用を抑制でき
ると著者らは述べています。

1型糖尿病について分かりやすく

解説している動画です。



 
 
 
 
 
 
 
異色のカプセルで膵島移植
は、成功した。笑

 
 
 
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編集後記

最も経過がよいのは、減量
しようとしている肥満の心疾
患患者さんであるということ
は、初めて知りました。次に
肥満で減量しない患者さん、
最後に痩せている心疾患の
患者さんの順で予後が悪くな
るというのは、不思議なもの
ですね。しかし、何らかの
メカニズムがあることは事実
でしょう。痩せた人の別の
原因は、喫煙ではないでしょ
うか?複雑にリスクファクター
が絡みあっているため、多変
量解析などの手段を用いて、
もう少し論理的な結論を出し
てほしいものです。β細胞の
先駆細胞の移植をカプセルに
入れて実際での臨床も行った
ら、良い結果が出るのではと
単純に考えてしまいます。

免疫の関与をカプセルにて
免役した。笑

 
 
 
 
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