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診療マル秘裏話 号外Vol.74 平成26年11月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)難病のX連鎖慢性肉芽腫症に対する造血感細胞遺伝子治療
2)二つの最新の照射技術を持つ世界初の陽子線治療システム

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】難病のX連鎖慢性肉芽腫症に対する造血幹細胞遺伝子治療

 
 
 
 
 
 
国立成育医療研究センターは11月
7日、難病のX連鎖慢性肉芽腫症に対
する造血幹細胞遺伝子治療を、国内
で初めて実施したと発表しました。
6週間経過後も、血液の機能が一定
程度保たれていることが確認された
ため、同センターは「生着した」と
判断し、患者さんは全身状態良好で
退院しました。6週間を超えて機能
が一定程度保たれているのが確認さ
れたのは、世界で2例目だそうです。

治療は、患者さんから取り出した
造血幹細胞に遺伝子を導入して培養
した上で、体内に戻す手法です。
会見した同センター研究所成育遺伝
研究部長の小野寺雅史氏は、「造血
幹細胞移植が有効な疾病については、
同じような戦略が取れるのでは」と、
期待を示しました。

X連鎖慢性肉芽腫症は、1つの遺伝
子の異常で発症する単一遺伝病で、
血液成分のうち単球や好中球が作れ
ず、殺菌能力が低下します、国指定
の難病です。重篤な感染症に、度々
罹患します。従来の治療法として、
造血幹細胞の移植がありましたが、
白血球の型であるHLA適合ドナーが
見つからなかったり、見つかっても
全身状態が悪く、移植自体が危険な
場合も多いことが分かっています。

今回、同センターでは、患者さん
の末梢血を採取し、ウイルスベクター
を用いて、正常な遺伝子を挿入しま
した。培養後に、点滴にて患者さん
の体内に戻しました。実施日は、
今年の7月22日でした。結果として、
好中球や、殺菌能力を示す活性酸素
産生能が確認されました。現在まで
同様の治療は世界で4例実施され、
1例目を除いて、6週間以内に血液
の機能が、ほぼ失われていましたが、
今回は、6週目以降も、血液の機能
が一定程度、保たれていました。10
月下旬に退院し、現在抗生剤などで
フォローを続けています。

同センター研究所遺伝子診断治療
研究室長の河合利尚氏は、今回のケ
ースについて「生着した」と判断し
た上で、失敗した事例について、
「患者の体内に戻す際の幹細胞の
濃度が低かった可能性がある」と話
しています。

原発性免疫不全症に対する造血幹
細胞遺伝子治療としては、2003年の
アデノシン・デアミナーゼ欠損症
(ADL欠損症)に続いて2例目です。
遺伝子治療は、移植に比べて、免疫
応答による合併症の可能性が低く、
前処置が軽度で致死的な感染症を引
き起こす危険性が少ないということ
です。

小野寺氏は、今後、白血病などが
発症しないか見守りながら、5年間
で5例程度の実績を積み、ADL欠損症
やウィスコットアルドリッチ症候群
の患者さんに対しても、同様の手法
の治療を試みたいという考えを示し
ました。

このニュースに関して述べている動画

です。肉芽腫を「にくがしゅ」と読んで

いますが、この読みは、誤りで「にくげ

しゅ」が正しいことを申し述べておきま

す。



 
 
 
 
 
 
骨髄移植ではなく、異色の遺伝子
治療。笑

 
 
 
 
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2】二つの最新の照射技術を持つ世界初の陽子線治療システム

 
 
 
 
日立製作所は、北海道大学と共同
開発した陽子線治療システムが製造
販売承認を取得しました。動体追跡
照射技術とスポットスキャニング
照射技術の両方を搭載した世界初の
陽子線治療システム「PROBEA
T-RT」です。 北大の持つ動体
追跡照射技術と日立の持つスポット
スキャニング照射技術を組み合わせ
て開発されました。呼吸などで位置
が変動する腫瘍に対しても高精度な
陽子線の照射を実現し、正常部位へ
の照射を大幅に減らすことが可能と
なりました。

陽子線治療の流れを分かりやすく

解説した動画です。



 
 
 
 
 
商社が、瀟洒な新しい陽子線照射
の機械を輸出して、勝者となった。笑

 
 
 
 
 
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編集後記

アデノシンデアミナーゼ (ADA)
欠損症は原発性免疫不全症 (PID)
であると同時に先天性代謝異常と
しての側面をもつ常染色体劣性遺
伝疾患です。ADA欠損症は、20番
染色体q13.11にあるADA遺伝子の
変異が病因で発症します。歴史的
には1972年にGiblettが赤血球中
のADA酵素活性のスクリーニング
を行い、偶然にADA欠損症と重症
複合免疫不全症 (SCID) の関連を
発見しました。ウィスコット・ア
ルドリッチ症候群は先天性の免疫
不全の病気で、原発性免疫不全症
候群として分類され難病に指定さ
れています。主な症状としては、
血小板減少症による出血傾向、
原発性免疫不全症による易感染
傾向、アトピー性皮膚炎様の湿疹
が有り、悪性腫瘍を併発する事も
多いようです。X染色体の一部に
異常が有り、それが遺伝によって
継承されていきます(突然変異の
場合も有るようです)。この遺伝
子は、血小板や免疫系の蛋白の
形成に重要なのだそうです。血小
板は特徴として小さいものが多く
存在し、不完全な蛋白で形成され
ているため脾臓で壊されてしまう
そうです。でしたら、全部壊され
ても良さそうですが、なぜか年齢
が高くなると減少の度合いがひど
くなります(抗体の関係かもしれ
ません)。遺伝の仕方は、女性の
性染色体がX染色体2個、男性がX
染色体1個Y染色体1個で、女の
子の場合、異常なX染色体があっ
ても正常なX染色体が発現する
ため、発症は基本的にしません。
しかし、男の子はX染色体が1個
ですから、異常なX染色体を受け
継ぐと必ず発症します。そして、
ウィスコット・アルドリッチ症
候群の男の子の母親が保因者と
なります。この母親の子供は、X
染色体のうちどちら(正常・異常)
を受け継ぐかによって、男子が2
分の1の確率でウィスコット・ア
ルドリッチ症候群、女子が2分の
1の確率で保因者となります。
重症の免疫不全の病気にも色々
あるようです。この手法が全ての
重症免疫不全の病気に使えるよう
になって欲しいものです。
呼吸などで位置が変動する腫瘍
に対しても高精度な陽子線の照射
を実現し正常部位への照射を大幅
に減らすことが可能となる陽子線
の機械ができたことは、本当に喜
ばしいことだと思います。益々の
技術革新が進むことを期待したい
と思います。

養子を陽子線で治療する。笑
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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