2015-06-19 01:07:04

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診療マル秘裏話　Vol.302 平成21年9月10日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
 
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目次
1)　 メタボリック症候群の新治療物質
2）　精神疾患を判定できる血液中の分子

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 メタボリック症候群の新治療物質

 
 
細胞内で脂肪が作られるのを
抑え、肥満や脂肪肝を防ぐ効果
がある物質を京都大の上杉志成
（うえすぎ・もとなり）教授ら
のチームがマウス実験で発見し、
8 月27日付の米科学誌に発表し
ました。

そのままでは体内に吸収され
にくいのですが、化合物にすれ
ば薬として使える可能性がある
ということです。上杉教授は、
「将来はメタボリック症候群の
治療に役立つと期待できる」と
話しています。

物質に抗ガン作用があるのは、
分かっていましたが、チームは
今回、脂肪合成にかかわる遺伝
子の働きを邪魔するのを発見し
ました。そしてこの物質を「フ
ァトスタチン」と名付けました。
食欲が衰えず常に餌を食べ続け
る遺伝子操作マウスに投与する
と、投与しない場合に比べて
体重が１２％軽くなり、血糖値
も７０％改善しました。

高脂血症の治療薬としては、
酵素に働く「スタチン」が有名
です。チームによると、ファト
スタチンは働きが異なり、脂肪
の合成を遺伝子レベルで抑える
ということです。

メタボリック症候群の安全な

ダイエットに関する動画です。



 
 
 
 
 
 
 
ガンと脂肪を抑えれば、死亡
率は低くなる。笑

 
 
 
 
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2】 精神疾患を判定できる血液中の分子

 
大阪市大大学院医学研究科の
関山敦生・客員准教授（４３）
＝心身医学、分子病態学＝が
兵庫医科大と共同で、うつ病や
統合失調症などの、精神疾患を
判定できる血液中の分子を発見
しました。その手法を用いて、
血液検査に基づく判定法を確立
しました。問診や行動観察が
主流だった精神科診療で、客観
的な数値指標を診断に取り入れ
ることが可能になるかもしれま
せん。また疾患の判定だけでは
なくストレスの強度や回復程度
もわかるということです。関山
准教授は8 月27日午後、京都市
の立命館大学で開かれる、日本
心理学会で発表します。

関山准教授によると、ストレ
スや感染などを受けて、生成・
分泌されるたんぱく質「サイト
カイン」の血中濃度データの
差異を積み上げて分析しました。
データをパターン化することで、
心身の変調やうつ病、統合失調
症などを判定できることが分か
りました。

精神疾患の約８割を占める、
うつ病や統合失調症について
３０００人近くのデータから
疾患の判定式を作成しました。
別の４００人の診断に用いた
結果、うつ病の正診率は９５％、
統合失調症は９６％に達しまし
た。

精神疾患の判定だけではなく、
健常者に対するストレスの強度、
疲労からの回復スピードも数値
化しました。80人の男女を対象
に、計算作業で精神的ストレス、
エアロバイクなどで身体的スト
レスを加える実験を実施しまし
た。いずれのストレスを受けた
か１００％判別することに成功
し、ストレスの強度を数値で
評価できる方法も見つけ出した
ということです。

「精神疾患とともに、サイト
カインと関係の深い糖尿病、骨
粗しょう症などについて、早期
発見を含めて診断できるように
研究を進めたい」と話していま
す。関山准教授は「心身の健康
管理のためのツールに成りうる
のではないか」とも話していま
す。

うつ病の有力な原因とされている

副腎疲労についての動画です。



 
 
 
 
 
 
 
 
スト（ストライキ）がないと
ストレスです。笑

 
 
 
 
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編集後記

メタボリック症候群の治療は、
現在、対症療法がほとんどです。
それが一つの薬で解決できるな
らすごい発見だと思います。
ただし抗ガン作用はあるものの、
動物にしか通用しない場合もあ
り得るので、臨床試験の早期の
実施を希望します。
精神疾患は、訂正不可能な
思考で器質性疾患がないと定義
されてきました。サイトカイン
の異常であれば、器質性疾患が
全くないとは言えなくなると考
えられます。精神疾患の定義す
ら変えてしまう、エレガントな
発見と言えましょう。

誠心のため精神病となる。笑

 
 
 
 
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