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2021-02-11 00:51:48

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診療マル秘裏話  Vol.798 平成31年3月27日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)ドーピング検査で資格停止の選手処分を取り消す
2)腫瘍内免疫細胞を疲弊化する分子メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 ドーピング検査で資格停止の選手処分を取り消す

 
 
 
 
 
 
 
 日本アンチ・ドーピング機構
(JADA)は3月4日、ドーピ
ング検査で禁止薬物に陽性反応
を示したため、暫定的資格停止
処分になっていたレスリング男
子の阪部創選手(25)(自衛隊)
について処分を取り消すと発表
しました。選手が飲んでいた胃
腸薬から、本来含まれていない
はずの禁止物質が検出されたた
め、選手に過失はないと認定し
ました。

 発表によると、阪部選手は昨
年6月の検査で、利尿作用のあ
る禁止薬物のアセタゾラミドが
検出されました。身に覚えがな
かったため、所属チームの医師
から処方された薬等の成分分析
を検査機関に依頼したところ、
沢井製薬(本社・大阪市)の胃
腸薬「エカベトNa顆粒サワイ」
からアセタゾラミドが検出され
たということです。

 これを受けて同社は3月4日、
この薬の使用中止を呼びかける
とともに自主回収を行うと発表
しました。原料メーカーの製造
段階で混入した可能性があると
して調査を進めています。この
薬は月約100 万包が出荷されて
いるということです。アセタゾ
ラミドは緑内障などの治療薬と
して使われています。

 阪部選手は2016年の世界選手
権代表の実力者で、禁止薬物が
検出された昨年の全日本選抜選
手権では準優勝しました。処分
取り消しを受け、「資格停止が
なくなりチームでの練習も再開
しました。(2020年の)東京五
輪の代表選考を目指して努力し
ます」などとコメントしました。

阪部創選手の優勝インタビュー

の動画です。

 
 


 
 
 先行逃げ切りの代表選考。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 腫瘍内免疫細胞を疲弊化する分子メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 
 慶應義塾大学は2月28日、マ
ウスモデルを用いて、腫瘍内の
免疫細胞(T細胞)を疲弊化す
る分子メカニズムを解明し疲弊
した免疫を回復させることでよ
り効果的なガン治療へ応用でき
ることを証明したと発表しまし
た。この研究は、同大医学部微
生物学・免疫学教室の吉村昭彦
教授と、米ラホヤ免疫アレルギ
ー研究所のAnjana Rao教授らの
共同研究グループによるもので
す。研究成果は、英科学雑誌「
Nature」のオンライン速報版に
2月27日付で公開されました。

 近年、オプジーボ(抗PD-1抗
体)などの「免疫チェックポイ
ント阻害剤」が、ある種のガン
治療に有効であるとして注目さ
れています。また、ガン患者さ
んの腫瘍組織などから分離した
ガンに特異的なT細胞を試験管
内で大量培養し、患者さんへ再
び戻す「細胞移入療法」も有用
な治療法と考えられています。
しかしながら、ガン組織や試験
管内で何度も刺激を受けること
で、T細胞は「疲弊」と呼ばれ
る機能不全状態に陥ってしまい
ます。

 疲弊したT細胞の特徴は、PD
-1やTim3といったT細胞の活性
化を抑制する複数のチェックポ
イント分子を細胞表面に高度に
発現することと、インターフェ
ロン(IFN )γや腫瘍壊死因子
(TNF )αといった抗腫瘍性サ
イトカインの産生が低下するこ
とです。一旦疲弊状態に陥った
T細胞は、患者体内に戻しても
ガン細胞を攻撃する力が弱く、
十分な治療効果を得ることがで
きません。 これが、ガン免疫
療法の治療効果を減弱させる要
因の1つと考えられていますが、
これまで「T細胞の疲弊化」を
生み出す分子メカニズムは不明
でした。

 今回研究グループは、マウス
腫瘍モデルを用いて、腫瘍内で
疲弊化したT細胞に特徴的な遺
伝子の発現調節領域の性質を解
析しました。その結果、疲弊化
T細胞で発現が上昇する多くの
遺伝子の調節領域には、「Nr4a」
という転写因子の結合配列が認
められることが判明しました。
特にPD-1遺伝子では、上流のエ
ンハンサー領域にNr4aが結合し、
PD-1の発現を増大して安定化さ
せると分かりました。Nr4aには
3つの類似遺伝子があり、どれ
も似た機能を持ちますが、今回、
腫瘍に集積する疲弊化したT細
胞では、この3つすべての遺伝
子発現が高まっていました。ま
た、刺激を受けていないT細胞
にそれぞれのNr4a遺伝子を強制
的に発現させたところ、疲弊し
たT細胞に似た特徴的な変化が
誘導されました。

 次に3つのNr4a遺伝子をすべ
て欠損するT細胞を用いて腫瘍
マウスへの細胞移入実験を行い
ました。細胞表面マーカーで評
価したところ、通常のT細胞は
腫瘍内で50%以上が疲弊化しま
したが、Nr4a遺伝子をすべて欠
損するT細胞では疲弊化したの
は20%程度でした。T細胞移入
療法として、腫瘍に特異的なT
細胞を腫瘍モデルマウスに投与
すると、通常のT細胞でも若干
の腫瘍の退縮効果はみられるも
のの、投与90日後には全例死亡
しました。一方、Nr4a遺伝子欠
損T細胞では、腫瘍の退縮効果
が強く、投与90日後でも70%以
上のマウスが生存していました。
すなわちNr4aがT細胞の「疲弊」
にとって極めて重要な遺伝子で
あることと、これを取り除くこ
とで強力な抗ガン作用が得られ
ることが分かりました。

 研究グループは先行研究で、
Nr4a遺伝子が制御性T細胞を生
み出す重要な遺伝子であること
を報告しており、さらに、Nr4a
の活性を抑制する薬剤のスクリ
ーニングにより、抗ガン剤のカ
ンプトテシン(CPT-11、イリノ
テカン)がNr4aの転写活性を阻
害することを発見、マウス腫瘍
モデルでカンプトテシンが腫瘍
攻撃性のT細胞を増やし腫瘍保
護的な抑制性T細胞を減少させ
ることも報告しています。また、
別のグループからはカンプトテ
シンと免疫チェックポイント阻
害剤を併用すると抗ガン効果が
増強されることが報告されてい
ます。これらの結果から、Nr4a
を標的とする阻害剤はガン治療
の新たな標的になり得ることが
示されています。

 研究グループは、「次の課題
は、実際にヒト腫瘍内のT細胞
で同様の機構が認められるか、
Nr4a阻害剤がヒト腫瘍でも効果
があるかを確かめること」だと
しています。

ガン免疫療法についての講演

動画です。

 
 


 
 
 主要な腫瘍の縮小効果。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 日本アンチ・ドーピング機構
(JADA)は3月4日、ドーピ
ング検査で禁止薬物に陽性反応
を示したため、暫定的資格停止
処分になっていたレスリング男
子の阪部創選手(25)(自衛隊)
について処分を取り消すと発表
したのは喜ばしい事です。今度
出版の本「難病治療はなぜ成功
しないのか?」にも書きました
がこのような冤罪ともいえる例
は、多々あります。意図的に飲
み物に禁止薬物を混入させた例
が実際にあるのです。スポーツ
選手の選手寿命は、一般の職業
より短いことが知られています。
その短い選手寿命が削られて、
なおかつ一時の汚名を被せられ
る訳ですから、本当に辛かった
と思います。阪部選手これから
頑張って、失われた時間を取り
返して下さいね。応援していま
す。
 慶應義塾大学は2月28日、マ
ウスモデルを用いて、腫瘍内の
免疫細胞(T細胞)を疲弊化す
る分子メカニズムを解明し疲弊
した免疫を回復させることでよ
り効果的なガン治療へ応用でき
ることを証明したと発表したの
は素晴らしい業績です。しかし、
より効果的なガン治療へ応用で
きるかと言えば疑問です。なぜ
ならNr4aの活性を抑制する薬剤
のスクリーニングにより、抗が
ん剤のカンプトテシン(CPT-11、
イリノテカン)が、Nr4aの転写
活性を阻害することを発見、マ
ウス腫瘍モデルでカンプトテシ
ンが腫瘍攻撃性のT細胞を増や
し腫瘍保護的な制御性T細胞を
減少させることも報告したと言
うことなのですが、この抗ガン
剤のイリノテカンの添付文書を
読んでみると禁忌の場合が多く、
赤字の警告の文章が一杯並んで
いました。少なくとも私はこの
抗ガン剤を使う気がしません。
サプリで同じようなインターフ
ェロンの働きを増やすものを知
っており、免疫調整療法として
ガンや、難病の患者さんに臨床
研究を行っています。

 町政を調整する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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