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2021-02-12 23:06:41

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診療マル秘裏話  号外Vol.1773 令和2年4月11日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)新型コロナウイルス感染症に効く、膵炎治療薬
2)新型コロナウイルス感染症に有効な既存薬発掘

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 新型コロナウイルス感染症に効く、膵炎治療薬

 
 
 
 
 
 
 
 東京大学医科学研究所は3月
18日、新型コロナウイルス感染
症(COVID-19)の原因ウイルス
SARS-CoV-2の感染の最初の段階
であるウイルス外膜と、感染す
る細胞の細胞膜との融合を阻止
することで、ウイルスの侵入過
程を効率的に阻止する可能性が
ある薬剤としてナファモスタッ
ト (Nafamostat mesylate、商
品名:フサン)を同定したと発
表しました。この発表は、同研
究所アジア感染症研究拠点の井
上純一郎北京拠点長(分子発癌
分野教授)、山本瑞生助教、合
田仁特任講師、松田善衛特任教
授、川口寧拠点長(ウイルス病
態制御分野教授)によるもので
す。新型コロナウイルス(SARS
-CoV-2)が原因となる感染症(
COVID-19)は、2019年暮れに中
国・武漢で世界初の患者が確認
されてから、2か月あまりで世
界152 か国に拡散し、世界保健
機構(WHO)も2020年3月11日に
パンデミックを宣言しました。
日本では、感染者の多くが無症
候性キャリアもしくは軽症であ
るものの、重症化しさらに高齢
者や基礎疾患がある人の場合に
は死に至ることがあります。し
かし、現時点で効果が確認され
た治療薬は存在せず、その開発
は急務です。すでに全世界的に
SARS-CoV-2の感染が拡大してい
る現状を鑑みると、安全性が確
認された既存の薬から治療薬を
探す、いわゆる「ドラッグリポ
ジショニング」は極めて有効と
考えられます。

SARS-CoV-2などのコロナウイル
スは、脂質二重層と外膜蛋白質
からなるエンベロープ(外膜)
でウイルスゲノムRNA が囲まれ
ています。SARS-CoV-2はエンベ
ロープに存在するSpike 蛋白質
(S 蛋白質)が細胞膜の受容体
(ACE2受容体)に結合したあと、
ヒトの細胞への侵入を開始しま
す。S蛋白質はFurinと想定され
るヒト細胞由来のプロテアーゼ
(蛋白質分解酵素)によりS1と
S2に切断されます。その後S1が
受容体であるACE2受容体に結合
します。もう一方の断片S2はヒ
ト細胞表面のセリンプロテアー
ゼであるTMPRSS2 で切断され、
その結果膜融合が進行します。
Hoffmannらにより、SARS-CoV-2
の感染にはACE2とTMPRSS2 が気
道細胞において必須であること
が発表されています。井上氏ら
は2016年に、MERS-CoV S蛋白質、
受容体CD26、TMPRSS2 に依存し
た膜融合系を用いてセリンプロ
テアーゼ阻害剤であるナファモ
スタットが膜融合を効率よく抑
制してMERS-CoVの感染阻害剤に
なることを提唱しました。そこ
で今回、293FT 細胞(ヒト胎児
腎臓由来細胞)を用いてSARS-C
oV-2 S蛋白質、受容体ACE2、TM
PRSS2 に依存した膜融合測定系
を用いて、ナファモスタットが
SARS-CoV-2 S蛋白質による膜融
合を抑制するかどうかを検討し
ました。その結果、ナファモス
タットは10~1,000nM の濃度域
で濃度依存的に膜融合を抑制し
ました。次に、ACE2やTMPRSS2
を内在的に発現し、ヒトで感染
が起こる際に重要な感染細胞と
考えられる気道上皮細胞由来の
Calu-3細胞用いて同様の実験を
行った所、さらに低濃度の1~1
0nM で顕著に膜融合を抑制しま
した。この濃度域はMERS-CoV S
蛋白質による膜融合に対する抑
制濃度域とほぼ同じです。さら
に、ナファモスタットと類似の
蛋白質分解阻害剤であるカモス
タットの作用を比較検討した所、
SARS-CoV-2 S蛋白質による融合
において、ナファモスタットは
カモスタットのおよそ10分の1
の濃度で阻害効果を示すことが
明らかになりました。

これらのことから、臨床的に用
いられている蛋白質分解阻害剤
の中ではナファモスタットが最
も強力であり、COVID-19に有効
であると期待されます。ナファ
モスタット、カモスタットとも
に膵炎などの治療薬剤として日
本で開発され、すでに国内で長
年にわたって処方されてきた薬
剤です。ナファモスタットは臨
床では点滴静注で投与されます
が、投与後の血中濃度は今回の
実験で得られたSARS-CoV-2 S蛋
白質の膜融合を阻害する濃度を
超えることが推測され、臨床的
にウイルスのヒト細胞内への侵
入を抑えることが期待されます。
カモスタットは経口剤であり、
内服後の血中濃度はナファモス
タットに劣ると思われますが、
他の新型コロナウイルス薬剤と
併用することで効果が期待でき
る可能性があると、研究グルー
プはみています。なお、同研究
の成果は現時点では未発表です。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
 経口剤を携行する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 新型コロナウイルス感染症に有効な既存薬発掘

 
 
 
 
 
 
 
 アジアから欧米にも感染が急
拡大した新型コロナウイルス感
染症(COVID-19)は、
世界的な大流行を意味する「パ
ンデミック」の段階に達しまし
た。ワクチンの実用化には1年
から1年半程度かかるとされる
ため、求められているのが治療
薬です。新薬の開発を目指すと
ともに、より早く使える既存の
薬の中から新型コロナウイルス
に有効な薬を探し出そうという
動きも進んでいます。現在、各
地の医療機関で試験的に治療に
使われている薬が複数あります。
既に複数の医療機関で使われ、
経緯が報告されているのがHI
V治療に使われ、同じコロナウ
イルスによる呼吸器感染症であ
る「中東呼吸器症候群(MER
S)」への有効性が示唆された
ロピナビル・リトナビル(商品
名「カレトラ」)です。投与さ
れた患者さんの症状が改善した
と、複数の医療機関が報告して
います。ただし、中国で行われ
た臨床試験の結果は、芳しくな
く有意な差は、得られなかった
そうです。

 一方で、早期からこの疾患の
治療に携わり、8人ほどの患者
さんにカレトラを投与してきた
国立国際医療研究センターの忽
那賢志(くつな・さとし)国際
感染症対策室長は「既に使われ
てきた薬なので、投与法や副作
用対策などが確立されている点
は大きい」とした上で、「確か
に投与により症状が改善した患
者もいるが、投与後に劇的に症
状が消えた、というような事例
はなかった。有効な治療薬にな
るかどうかの判断は、時期尚早
だ」と釘を指しています。

 同時に「この薬のウイルス増
殖を抑える作用は、肺炎などが
重症化した患者よりも、重症化
の兆候を示した患者に投与した
方が有効と考えられる」としつ
つ、「薬を使って症状が改善し
た患者もいたが、薬の効果なの
か、自然治癒だったのか見極め
るためには、より多くの投与患
者に対する長期にわたる研究が
必要だ」と強調しています。も
う一つ注目を集めているのが、
気管支ぜんそくの治療薬として
使われている吸入ステロイド剤
のシクレソニド(商品名「オル
ベスコ」)です。クルーズ船「
ダイヤモンド・プリンセス」か
ら8人の患者さんを受け入れた
第2種感染症指定医療機関の神
奈川県立足柄上病院(神奈川県
松田町)は、酸素吸入などが必
要でCT画像検査により肺炎が
認められた患者さん3人にこの
薬を投与して良好な経過を得た、
と報告しています。

 投与された患者さんの一人は
73歳の女性です。入院時から酸
素吸入が必要で、強い倦怠(け
んたい)感のためほとんど寝た
きりの状態でした。回復後に尋
ねると「入院前後の記憶はない」
と話しました。

 この患者さんは、さまざまな
治療を施しても大きな効果はな
く、抗HIV薬のカレトラも投
与されました。しかし、解熱や
呼吸状況のある程度の回復はあ
った一方で、食欲は改善せず、
倦怠感も強いままの上に、下痢
など副作用も出て投与は中断さ
れました。

 このためステロイド剤シクレ
ソニドの吸入を開始したところ、
2日程度で37.5度以上の発熱は
なくなりました。呼吸の状況も
良くなり、低酸素血症も改善し
ました。食欲も大きく回復し、
全身のだるさも消え、退院に至
りました。残りの2人の患者さ
んも同様の経緯をたどって回復
したということです。足柄上病
院からの報告では、吸入ステロ
イド剤が抗ウイルス効果による
増殖抑制だけでなく、増殖時に
起きた肺の局所的炎症を抑制し
た可能性がある、とされていま
す。また、未熟児・新生児から
高齢の症例まで広く用いられる
安全な薬剤であること、使用が
簡便であること、比較的安価な
ことなどを利点としてあげてい
ます。

 投与のタイミングとしては、
早期のウイルス増殖や重症肺炎
への進展の防止効果を期待して、
重症化する前の感染早期から中
期、あるいは肺炎初期の投与が
望ましいとしています。その上
で、今回の症例だけで効果を判
断することは難しいとして、厚
生労働省や感染症学会など関係
団体の協力を得て、多施設での
観察研究を開始しました。こう
した動きに伴い日本感染症学会
も「抗ウイルス薬による治療の
考え方第1版」を作成していま
す。「考え方」は投与対象を、
肺炎を発症して「低酸素血症を
発症し、酸素投与が必要である」
状態の患者で、重篤な呼吸不全
を起こす可能性が高い50歳以上
か、糖尿病や心血管疾患、慢性
の肺疾患や閉塞(へいそく)性
肺疾患(COPD)、臓器移植
やリウマチ治療などで免疫抑制
状態にあるなどの条件を満たし
ている場合に投与する、として
います。

 「考え方」の中でカレトラと
並んで挙げられている抗ウイル
ス薬が、ファビピラビル(商品
名「アビガン」)です。この薬
は「新型または再興型で、他の
抗ウイルス薬が無効または効果
不十分なもの」に投与対象が限
られ、エボラ出血熱にも効果が
期待されていました。今回の流
行でも、中国の複数の医療機関
で患者さんに投与され、本格的
な臨床試験が始まっています。

ただ、この薬は動物実験で妊
娠初期の胎児の死亡や奇形の発
生率を高めることが報告される
など副作用への危惧もあります。
このため同学会も投与の前に文
書で患者から同意を得ることを
求めるだけでなく、「投与にあ
たっては、本剤の必要性を慎重
に検討すること」としています。

新型コロナウイルス感染症につ

いて解説しているニュース動画

です。

 
 


 
 
 
 医療器具の危険性も危惧され
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東京大学医科学研究所が3月
18日、新型コロナウイルス感染
症(COVID-19)の原因ウイルス
SARS-CoV-2の感染の最初の段階
であるウイルス外膜と、感染す
る細胞の細胞膜との融合を阻止
することで、ウイルスの侵入過
程を効率的に阻止する可能性が
ある薬剤としてナファモスタッ
ト (Nafamostat mesylate、商
品名:フサン)を同定したと発
表したのは、素晴らしい業績で
す。研修医の時、消化器内科を
回っているときに、フサンは、
使ったことがあります。膵炎に
ついては、切れ味抜群だったと
記憶しています。静注用と経口
剤の違いはあれども、カモスタ
ットも十分薬効がるのではと私
は推測しています。
 アジアから欧米にも感染が急
拡大した新型コロナウイルス感
染症(COVID-19)は、
世界的な大流行を意味する「パ
ンデミック」の段階に達しまし
た。ワクチンの実用化には1年
から1年半程度かかるとされる
ため、求められているのが治療
薬です。新薬の開発を目指すと
ともに、より早く使える既存の
薬の中から新型コロナウイルス
に有効な薬を探し出そうという
動きも進んでいるということで
上記のフサンもその一つという
ことですが、「ドラッグリポジ
ショニング」が極めて有効な一
例です。ワクチンに関しては、
蚕のワクチンであれば、一年経
たずに作れるのではないかと私
は、考えています。中国で回復
者の元患者さんから得た血清を
重症の患者さんに使っているの
も成功しているようですから、
日本でも同じことができるよう
にして頂きたいものです。

 各題について拡大解釈をする。


 
 
 
 
 
 
 
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