最近の号外Vol.1771メルマガ

2021-02-09 21:22:09

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 

診療マル秘裏話  号外Vol.1771 令和2年4月9日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)うつ病の判定をAIで高い精度判定可の新診断法
2)爪の黒色変化のメラノーマ (悪性黒色腫)鑑別診断

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 うつ病の判定をAIで高い精度判定可の新診断法

 
 
 
 
 
 
 
 広島大学は3月12日、全脳デ
ータからうつ病の中核群とされ
る「メランコリア特徴を伴うう
つ病」に特異的な安静時脳機能
結合を抽出し、うつ病の判定を
人工知能(AI)により高い精度で
判定できる新たな診断法を開発
したと発表しました。 これは、
同大大学院医系科学研究科の岡
本泰昌教授、同脳・こころ・感
性科学研究センター市川奈穂特
任助教らと、国際電気通信基礎
技術研究所、脳情報通信総合研
究所、量子科学技術研究開発機
構、昭和大学、慶應大学、京都
大学、東京大学の共同研究によ
るものです。研究成果は、「Sc
ientific Reports」に掲載され
ています。近年、脳画像データ
を用いて精神疾患の特徴を理解
するための取り組みが続けられ
ています。なかでも、安静状態
における自発的な脳活動を機能
的MRI データとして記録し(安
静時脳機能画像:rsfMRI)、脳
領域間の時間的な同期関係(機
能結合:FC )を求め、疾患と健
常対照との差異を比較すること
により、精神疾患の神経基盤に
ついて理解しようとする試みが
増えてきています。しかし、安
静時脳機能画像を用いて、うつ
病の判別を試みた研究は未だ少
なく、特に全脳データから疾患
特異的な少数の脳機能結合を同
定し、うつ病バイオマーカーを
開発した研究は行われていませ
ん。

そこで研究グループは、安静時
脳機能結合データに人工知能(
AI)、複数の機械学習アルゴリ
ズムを適用し、安静時脳機能結
合に基づいたメランコリー型う
つ病バイオマーカー(判別器)
を開発すること、そして、抗う
つ薬治療によるこのバイオマー
カーの変化について検討しまし
た。「メランコリア特徴を伴う
」うつ病とは、さまざまなサブ
タイプも指摘されるうつ病にお
いて、生物学的均質性が高く、
うつ病の中核群と考えられます。
はじめに、うつ病症例は広島市
近郊のクリニックから、健常者
は地方紙の広告を介して実験参
加に関する募集を実施。精神疾
患簡易構造化面接法(MINI)に
より判定したうつ病患者さん92
人(メランコリア特徴を伴うう
つ病65人を含む)と、年齢・性
別を合わせた健常者92人を解析
対象としました。うつ病患者さ
んに関しては、抗うつ薬治療開
始後0~2週以内にMRI の撮像を
行い、一部の症例で6~8週後に
再度撮像を行いました。外部独
立データとしては、量子科学技
術研究開発機構・放射線医学研
究所のMRI データを利用(投薬
前のうつ病患者さん11人、健常
者40人)。他の精神疾患として、
昭和大学の自閉症データ(患者
さん74人、健常者36人)、京都
大学の統合失調症データ(患者
さん68 人、健常者102人)も検
討に用いました。

次に、被験者に対してMRI 撮像
を実施しました。被験者に安静
にして眠らないように教示し、
3テスラのMRI を用いて安静時
脳機能画像を取得しました。続
いて、脳機能画像の解析に必要
な下処理を行った後、脳溝アト
ラスに従って全脳137 領域から
時系列データを抽出し、時系列
相関をまとめた相関行列データ
(9,316 の特徴量)を個人ごと
に作成しました。さらに、うつ
病の判別器作成に必要となるAI
(人口知能としての機械学習ア
ルゴリズムの組み合わせ )とし
て、性別、年齢、撮像環境(MR
I の機種等)に関わらず、疾患
の診断ラベルに基づく特徴量の
みに絞り込むため、正則化正準
相関解析(L1-SCCA )を行った
上で、「うつ病か健常」の判別
に特に重要となる少数の脳機能
結合を抽出する目的で、スパー
ス・ロジスティック回帰(SLR)
を行いました。なお、アルゴリ
ズム内における情報漏洩対策と
して、連続的な入れ子式の特徴
選択を行い、一個抜き交差検証
(LOOCV )による判別率を得ま
した。

その結果、うつ病患者全体を対
象として判別器を作成した場合
は、21個の脳機能結合が抽出さ
れ、判別率は60%に留まりまし
たが、メランコリア特徴を伴う
うつ病に限定した場合は、10個
の脳機能結合が抽出され、判別
率84%まで向上しました。外部
独立データに関しても統計的に
有意な判別が可能であることが
示されました。また、他のうつ
病のサブタイプ(非メランコリ
ー型、難治性うつ病)や、他の
精神疾患(自閉症、統合失調症
等)は判別しないことから、メ
ランコリア特徴を伴ううつ病に
特異的なバイオマーカー(判別
器)であることが示唆されまし
た。さらに、これらの脳機能結
合に対し、抗うつ薬である「選
択的セロトニン再取り込み阻害
薬(以下、SSRI)」による変化
について検討しました。結果、
抗うつ薬治療後6~8週間では、
ほとんどの結合が健常側に変化
しましたが、1つの脳機能結合
(左背外側前頭前野/下前頭回
から後部帯状回/楔前部の間の
時系列相関)は、抗うつ薬治療
による変化が見られませんでし
た。今回の研究成果により、全
脳データからうつ病の中核群と
されるメランコリア特徴を伴う
うつ病に特異的な安静時脳機能
結合を抽出し、AIを用いて高い
精度で判定できること、また、
SSRI治療により変化がみられな
い脳機能結合が存在することが
明らかになりました。また、バ
イオマーカーとして抽出された
脳機能結合は、抗うつ薬治療に
よる変化に差異がみられ、変化
しなかった結合には、「反復経
頭蓋磁気刺激療法(rTMS)」な
どの治療標的部位とされる左背
外側前頭前野や、抑うつ的反芻
思考に関わる,後部帯状回/楔前
部が含まれていました。「今後、
10分間のMRI 検査によりうつ病
の中核群の判定ができること、
薬物(SSRI等)による変化がみ
られない脳機能結合を標的とし
た新しいうつ病の治療法開発が
期待される」と、研究グループ
は述べています。

うつ病診断AIについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 テストの点で差異が生じ、才
を見つけた。       笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 爪の黒色変化のメラノーマ (悪性黒色腫)鑑別診断

 
 
 
 
 
 
 
 爪の黒色変化はあまり珍しい
ことではなく、その原因はさま
ざまです。「注意を要するのは、
ほくろによる色の変化です」と
話すのは、京都大学大学院医学
研究科特定准教授で皮膚科専門
の大塚篤司医師です。爪にでき
るほくろには良性と悪性があっ
て、悪性であるメラノーマ(悪
性黒色腫)の場合、早期に発見
して切除すれば治癒しますが、
治療が遅れれば命に関わるから
です。爪にできるほくろには、
爪甲色素線条(そうこうしきそ
せんじょう)という良性のもの
と、メラノーマという悪性のも
のがあります。爪甲色素線条は、
爪の付け根にある爪をつくる工
場(爪母)に、色素を作る細胞
が混入したため、生産される爪
が黒く変化するもので、黒色の
縦線が入った爪になります。い
ったんできれば、皮膚にできる
ほくろと同様に消えることはあ
りません。

 一方のメラノーマも、初期の
段階では、爪に黒色の縦線が現
れるだけで、見た目は爪甲色素
線条とそっくりです。通常は長
い期間をかけて悪性化していく
ので、両者を見分けるのは難し
いとされています。メラノーマ
と診断するには、局所麻酔下で
爪母の一部を切り取って検査(
生検)するしかありません。し
かし、爪母が切り取られた場所
には爪が生えてこないため、爪
の幅が狭くなるなど見栄えの問
題が生じます。皮膚科で縦線の
状態を定期的に経過観察しなが
ら、メラノーマを疑う所見が見
られるようになったら生検に踏
み切るのが一般的です。ほくろ
の他に、爪の下の内出血や外傷、
爪白癬(つめはくせん)や爪カ
ンジダ症などのカビによっても、
爪が黒く変化します。抗ガン剤
やミノマイシンという抗生物質、
アジソン病などの内分泌疾患で
も変色します。内出血であれば
ダーモスコピーという皮膚科医
用の虫眼鏡で観察すると、赤い
成分が見えるので出血だとすぐ
に分かります。

 爪白癬や爪カンジダ症も、皮
膚科医が直接、顕微鏡で確認す
れば容易に診断できます。薬剤
や内分泌疾患による場合は全身
性のため、多くの爪に色素沈着
が起こります。大塚医師は「こ
れらは原因が分かりやすく、治
れば、ほとんどの場合、色は消
失します」と話しています。

 しかし、大塚医師によれば、
車のドアに挟んだ爪が1~2カ
月たっても治らないと思ってい
たらメラノーマだったという例
や、患者さんの中には10~20年
前に爪に黒色の縦線があったと
いう例もあるということです。
メラノーマは、けがをきっかけ
に発症することや、まれに自然
治癒しますが、のちに他の場所
に現れる(転移)ことがありま
す。

 そうした経験から、大塚医師
は「変色はけがをしたせいだ、
色が消えたから大丈夫などと自
己判断せず、爪が黒くなったら
必ず早めに皮膚科専門医を受診
してください。爪に黒い縦線が
ある場合は、1週間に1回、セ
ルフチェックを欠かさないこと
も大切です」とアドバイスして
います。

悪性黒色腫について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 偏食により、爪の色が変色す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 広島大学が3月12日、全脳デ
ータからうつ病の中核群とされ
る「メランコリア特徴を伴うう
つ病」に特異的な安静時脳機能
結合を抽出し、うつ病の判定を
人工知能(AI)により高い精度で
判定できる新たな診断法を開発
したと発表したのは、素晴らし
い業績です。以前にも広島大学
で、血液検査でうつ病を診断す
るという試みが行われたことが
あり、それについて過去のメル
マガに書いた覚えがあります。
今回のAIを用いた画像診断にし
ろ、過去の血液検査での診断に
しろ、客観的指標を用いて診断
出来るという点に変わりがなく
素晴らしい手法と感心しました。
 爪にできるほくろには良性と
悪性があって、悪性であるメラ
ノーマ(悪性黒色腫)の場合、
早期に発見して切除すれば治癒
しますが、治療が遅れれば命に
関わるということは、由々しき
ことであると思います。爪の色
が変わった位で、などと軽視す
るのが、一番恐ろしいことだと
思います。大塚医師の「変色は
けがをしたせいだ、色が消えた
から大丈夫などと自己判断せず、
爪が黒くなったら必ず早めに皮
膚科専門医を受診してください。
爪に黒い縦線がある場合は、1
週間に1回、セルフチェックを
欠かさないことも大切です」と
言うアドバイスを頭の隅に留め
ておく必要があるようです。

 警視は、現場を軽視しなかっ
た。           笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント