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2021-02-02 20:24:03

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診療マル秘裏話  号外Vol.1765 令和2年4月2日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)アルポート症候群重症度を予測するシステム構築に成功
2)日本人の視覚障害の原因の第1位は緑内障です

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 アルポート症候群重症度を予測するシステム構築に成功

 
 
 
 
 
 
 
 熊本大学は3月10日、遺伝性
の腎臓疾患の一つ「アルポート
症候群」の原因遺伝子「4型コ
ラーゲン」の遺伝子型から、病
気の重症度を予測するシステム
の構築に成功したと発表しまし
た。これは、同大大学院生命科
学研究部(薬学系)、遺伝子機
能応用学研究室の甲斐広文教授
らと、神戸大学大学院医学研究
科内科系講座小児科の共同研究
によるものです。研究成果は、
「Kidney International Repor
ts」に掲載されています。近年
のゲノム解析技術の目覚ましい
進歩により、疾患関連遺伝子の
網羅的解析が可能となり、遺伝
子情報に基づいた「プレシジョ
ン・メディシン」(精密医療、
遺伝子型に応じた治療方針)を
模索する機運は、さまざまな疾
患で高まっています。遺伝性腎
疾患の分野においても、大規模
な遺伝子解析が普及し、原因遺
伝子変異の同定による正確な診
断と新たな疾患分類が精力的に
行われています。

アルポート症候群は、腎臓にお
ける尿の濾過機構を担う糸球体
に存在する基底膜の構成因子で
ある4型コラーゲンの遺伝子異
常により、糸球体濾過機能の異
常と、それに伴う慢性的な腎臓
の機能の低下を引き起こします。
最終的には人工透析もしくは腎
移植なしでは末期腎不全に陥り
死に至る重篤な疾患で、日本で
も難病に指定されています。4
型コラーゲンは、α3、α4、α
5の3本のポリペプチド鎖(棒状
の蛋白質)が複合体(三量体)
を形成しますが、3本のいずれ
かに遺伝子変異が生じると、そ
こから産生されるポリペプチド
鎖に異常が生じ、形成不全が引
き起こされます。同遺伝子の変
異は、これまでに数百種類報告
されており、変異によって病態
の重症度が異なることが分かっ
ています。しかし、4型コラー
ゲンの三量体形成能と腎病態の
重症度の相関が不明であり、遺
伝子変異の種類から、どの程度
の腎病態を発症するかを予測す
ることは困難でした。甲斐教授
らは以前、Split NanoLucifera
se(split NanoLuc(R))による
細胞ベースの4型コラーゲン三
量体の異常を高感度で検出する
システムを確立しています。同
システムは、分割された大小2
つのルシフェラーゼ分子(生物
由来の発光分子)の断片をそれ
ぞれ4型コラーゲンα3、α5鎖
と融合し、α4 鎖と共に細胞に
発現させると,α3、α4、α5鎖
が三量体を形成できる条件での
み、化学発光が検出されること
に着目した評価系です。この評
価系を活用し、病態重症度の異
なる4型コラーゲンα5遺伝子
の9変異(重症: G230C、G869R、
G1140V、G1149V; 軽症: G509R、
G805R、G1000V、G1030S、G1143
S)と非病原性と思われる1変異
(G953V)について、細胞内形成
三量体および細胞外分泌三量体
の評価を行いました。

その結果、重症変異は、4型コ
ラーゲンの細胞内形成三量体ま
たは細胞外分泌三量体の形成機
能と働きが著しく低下したのに
対し、軽症変異のほとんどは、
細胞外分泌三量体のわずかな低
下に留まっていました。したが
って、腎症の重症度の大部分は、
4型コラーゲン三量体の細胞内
形成能および細胞外分泌能によ
り規定されることが明らかにな
りました。一方、非病原性と思
われる変異(G953V)コラーゲン
では、三量体の変化がみられな
かったことから、本評価系を用
いた非病原性・病原性の区別が
可能であると考えられました。
以上の結果より、Split NanoLu
c(R)による4型コラーゲン三
量体評価系が、病態重症度の解
釈や病原性変異の同定に重要な
エビデンスを提供しうることが
判明しました。

「今回の発見により、4型コラ
ーゲンの遺伝子変異情報のみで、
腎症の重症度を予測できるよう
になり、アルポート症候群のみ
ならず遺伝性難病のプレシジョ
ン・メディシンの推進に貢献す
ることが期待される」と、研究
グループは述べています。

アルポート症候群について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 氷菓の味を評価する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 日本人の視覚障害の原因の第1位は緑内障です

 
 
 
 
 
 
 
 緑内障治療を怠ると失明する
恐れがあります。やや古くなり
ましたが、日本緑内障学会が20
12年に岐阜県多治見市で実施し
た疫学調査によると、40歳以上
の20人に1人が緑内障と推定さ
れており、日本人の視覚障害の
原因の第1位を占めています。
問題なのは自覚症状がほとんど
ないことで、緑内障と気づかず
に車の運転を続けた場合、思わ
ぬ事故につながりかねません。
「世界緑内障週間(3月8~14
日)」を前に、製薬会社ファイ
ザーが実施した調査によると、
約4割が緑内障の症状を把握し
ていませんでした。それととも
に、視野異常による運転への影
響を正しく理解している人は約
1割にすぎませんでした。調査
は2020年1月、週に3日以上車
を運転し、かつ緑内障と診断さ
れたことがない全国の40歳以上
の男女1万708人を対象にイ
ンターネットを通じて行いまし
た。

 緑内障が目の病気であること
は9割近くが知っていましたが、
正しい症状を知っている人は少
数です。この調査で尋ねた(複
数回答)のうち「緑内障になる
と視野が欠けたところが黒く見
える」「視力が良ければ緑内障
である可能性はない」などとい
った認識は誤りです。回答者の
約4割が緑内障の症状をきちん
と認識していませんでした。

 「視力」と「視野」は異なり
ます。違いについて「知ってい
た」68.5%に対し、「知らなか
った」は31.5%にすぎません。
しかし、視野が欠けることを自
覚することはまれだということ
については「知らなかった」が
64.3%と、「知っていた」の35
.7%を大きく上回りました。視
野に関する理解度は低いと言え
そうです。緑内障による運転へ
の影響がどうかについても聞き
ました。「信号が見えにくくな
る」「左右からの飛び出しが見
えにくくなる」「視野が欠けた
部分が黒く見えるので運転しに
くい」―などの設問では、正し
い答えが70%以上を占めました。

 ただ、問題なのは「緑内障と
診断されたら運転ができなくな
る(禁止)」という、あえて事
実と異なる設問です。緑内障と
診断されたからといって、自身
の視覚異常を自覚して気を付け
れば運転を続けることができま
す。

 だが、この設問に対しては「
そう思う」が52.7%、「そう思
わない」が47.3%と誤った認識
の方が上回りました。厳しい見
方かもしれませんが、運転への
影響について完全に理解してい
る人はわずか10.05%にとどまり
ました。

 緑内障の場合、治療のカギは
眼科での定期検診による早期発
見に尽きます。このことを知っ
ていたのは58.1%と約6割近く
に上りましたが、緑内障かどう
かを判断する視野検査について
は「これまでに受けたことがあ
る」は19.8%、「これまで受け
たことはなく、受けてみたいと
は思わない」14.7%などとなっ
ており、決して意識が高いとは
言えません。たじみ岩瀬眼科の
岩瀬愛子院長は「緑内障に伴う
視野の欠損は初期から中期の段
階では通常、自覚されることが
ない。調査では、その事実を認
識している40歳以上のドライバ
ーは4割に満たず、また、視野
異常の運転への影響を正しく理
解しているドライバーはわずか
1割と、多くのドライバーがリ
スクを理解しないまま、日常的
に運転している実態が判明した」
と指摘しました。

 「緑内障であっても、ごく早
期や初期には運転に何ら影響を
与えていない時期もあります。
また、ある程度視野異常が進行
しても、医師から適切な指導を
受けて安全な運転を続けている
人もいる。怖いのは、自分には
全く異常がないと思い込んでい
るか、実際は危険なレベルまで
症状が進行していることを自覚
せずに運転した結果、事故が起
きることだ」と強調しています。

緑内障について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 危険を察知して棄権した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 熊本大学が3月10日、遺伝性
の腎臓疾患の一つ「アルポート
症候群」の原因遺伝子「4型コ
ラーゲン」の遺伝子型から、病
気の重症度を予測するシステム
の構築に成功したと発表したの
は、素晴らしい業績です。今回
の発見により、4型コラーゲン
の遺伝子変異情報のみで、腎症
の重症度を予測できるようにな
り、アルポート症候群のみなら
ず遺伝性難病のプレシジョン・
メディシンの推進に貢献するこ
とを期待したいと思います。
 緑内障治療を怠ると失明する
恐れがあるというのは、周知の
事実です。緑内障で視野欠損が
起こったとしても、視野欠損が
ない眼が代償してしまうため、
視野欠損に気付くのが遅くなる
と医学部時代に習いました。ま
た手術をしても、視野欠損をそ
れ以上、進行しなくするぐらい
の力しかなく、眼圧を上げない
不断の努力が必要になります。
早く、医学が進歩して、緑内障
を完治させることができる方法
を見つけて欲しいものです。

 普段から不断の努力を惜しま
ない。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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