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2014-11-04 14:21:41

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診療マル秘裏話 号外Vol.19 平成26年9月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1) フコースが病原性細菌感染の防御に働いていることを発見
2)軟骨前駆細胞を用いて、ヒト軟骨を効率的に再生する手法

 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 フコースが病原性細菌感染の防御に働いていることを発見

東京大学医科学研究所の後藤善幸
博士研究員、佐藤慎太郎助教、清野
宏教授らのグループは、腸管上皮
細胞に発現している糖鎖の1つであ
るフコースが病原性細菌感染の防御
に働いていることを発見しました。
フコース転移酵素の発現や腸管上皮
細胞へのフコースの付加には、腸内
細菌や自然リンパ球が産生するサイ
トカインのインターロイキン22
(IL-22)とリンホトキシンが
重要であることも分かりました。
フコース転移酵素は病原性細菌の
感染やクローン病などに関係すると
みられており、今回明らかとなった
糖鎖修飾機構を応用することで感染
症やクローン病への予防や治療法の
開発につながると期待されています。

フコース転移酵素は、ウイルス
などの病原性微生物の感染や慢性の
炎症性腸疾患であり難病の一つであ
るクローン病といった、ヒトのさま
ざまな疾患と関連する遺伝子として
報告されています。しかしこれまで
腸管上皮細胞でのフコース転移酵素
発現の仕組みや生体内での役割に
ついては明らかになっていませんで
した。

今回、同グループは無菌マウスを
使ってフコシル転移酵素の発現など
を調べた。その結果、代表的な免疫
細胞であるT細胞やB細胞を持たな
いマウスではフコシル化には影響が
みられませんでした。しかし、腸管
免疫細胞の1つである自然リンパ球
を持たないマウスでは、転移酵素の
発現やフコシル化が消失しており、
サルモネラ菌を感染させると野生型
のマウスに比べて感染率が高く、
より症状がひどくなることが判明し
ました。自然リンパ球がIL-22
とリンホトキシンを産生し腸管上皮
細胞をフコシル化、病原性細菌に対
してバリアを形成することで感染を
防御すると考えられています。

同グループでは、腸管上皮細胞の
糖鎖修飾を利用することで感染症や
難病の慢性炎症性疾患などに役立つ
とみており予防、診断、治療の開発
への応用が期待されています。

糖鎖の役割について美しいグラフ

ィックスを用いて解説した動画です。

英語ですが、字幕がでます。



 
 
 
 
等差級数を解いて、糖鎖修飾の謎
を問うさ。笑

 
 
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2】軟骨前駆細胞を用いて、ヒト軟骨を効率的に再生する手法

横浜市立大学大学院医学研究科の
武部貴則准教授、谷口英樹教授と
神奈川県立こども医療センターは、
軟骨前駆細胞を用いてヒト軟骨を
効率的に再生する手法を開発しまし
た。軟骨前駆体と血管内皮細胞で
作製した3次元構造の組織を用い、
従来必要とされていた足場材料や
高額な成長因子などが不要だそうで
す。3次元組織は凍結保存も可能で、
頭蓋などの先天性奇形や高齢化に
ともなう関節疾患などへの移植治療
への利用が期待されています。

同グループは、軟骨発生・再生
プロセスをライブイメージングで
追尾観察し、初期の軟骨前駆細胞の
分化、増殖において成体で存在しな
い血管が侵入することを見いだしま
した。血管が侵入した直後、未熟な
軟骨前駆細胞は活発に増殖し、細胞
も大きくなります。形成された血管
は軟骨細胞へ分化が進むと徐々に、
退行し、最終的にはなくなってしま
います。

こうした組織の生成過程を応用し
ました。具体的には、軟骨前駆細胞
と血管内皮細胞と共培養し、48
時間程度で軟骨前駆細胞の塊に血管
様の構造が入り込んだ直径3ミリメ
ートルの立体構造が形成されます。
この立体構造をそのまま移植実験に
利用することで効率的に軟骨が再生
できるということです。

免疫不全マウスを用いた実験では、
立体構造を生体内へ移植すると一時
的な血管化が再現され、飛躍的な
効率でヒト軟骨細胞への成熟化がみ
られたということです。

生体軟骨組織は、血管や神経など
がない単純な臓器で、再生医療の
早期実現化が期待される領域です。
頭蓋や顎、顔の先天性奇形や外傷に
起因する組織変形に対する治療の
ほか、超高齢化社会を迎え軟骨の
摩耗、欠損に起因する疾患治療にも
利用できるそうです。今後、拒絶が
起こりにくいHLA型を持つiPS
細胞(人工多能性幹細胞)などから
誘導した血管内皮細胞や、軟骨前駆
細胞から移植用3次元軟骨を誘導で
きれば、優れた再生治療技術になる
と考えられます。

iPS細胞を用いた軟骨の再生医療に

ついて分かりやすく解説された講演

動画です。



 
 
 
 
軟骨の再生治療技術が最盛となる。


 
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編集後記

フコースが病原性細菌感染の防御
に働いていることを発見し、その
転移酵素の発現によって、クローン
病などの炎症性腸疾患が起こると言
うのは、偉大な発見だと思います。
更なるメカニズムの解明が進めば、
こうした炎症性腸疾患の治療にも、
大きな進展が見られるでしょう。
軟骨の再生は、本当に急務です。
変形性膝関節症や、スポーツ選手の
半月板損傷が手術によって完治する
日が来るかもしれません。
医大は偉大。笑

 
 
 
 
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