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診療マル秘裏話 Vol.122 作成18年3月30日
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次
1) 高血圧、心筋梗塞、脳卒中の治療薬
2) 前立腺ガンの発症および転移の要因

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増やして欲しいと
いう要望もあるのですが、私の能力のなさから1週間に1回が限度と
なっています。これからも当たり前の医療をしながら、なおかつ
貪欲に新しい知識を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し
下さい。

1】高血圧、心筋梗塞、脳卒中の治療薬

血管を収縮させる特定の酵素
の構造や働く仕組みを解明した
という研究結果を箱嶋敏雄
(はこしま・としお)奈良先端
科学技術大学院大教授
(情報生命科学)らと名古屋大
のチームがまとめ、米科学誌
ストラクチャー(電子版)に
3月15日発表しました。

この酵素の働きを抑えると
血圧が下がり、高血圧や
心筋梗塞(こうそく)、脳卒中
の治療につながるため、箱嶋
教授は「病気に応じた治療薬
開発に弾みがつくだろう」と
話しています。

箱嶋教授らは、血管の収縮を
調節するRhoキナーゼという
酵素の結晶構造をエックス線で
解析しました。2つの分子が
相互作用し酵素として活性化
することを突き止めました。

この酵素を働かなくする
阻害剤を使うと、この2分子部分
で局所的な構造変化が起きる
ことを確かめました。

この酵素は神経細胞を退縮
させるため、働きを阻害すると
神経が再生、脊髄(せきずい)
損傷、アルツハイマー病などの
治療につながる可能性があると
いわれています。

Rhoキナーゼは、カルシウム
拮抗薬によって阻害されること
が分かっています。そのため
高血圧の治療に使っている
カルシウム拮抗薬はRhoキナーゼ
を抑制することでその作用が
得られているということが、
このメルマガ発行の後に明らか
になりました。またRhoキナーゼ
阻害薬としては、2013年の10月
に緑内障の治療薬の点眼薬が
製造承認の申請を行ったことが
明らかになっています。

Rhoキナーゼ(ローキナーゼ)
の阻害は、高血圧、心筋梗塞、
脳卒中の可能性をローにします。笑

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2】前立腺ガンの発症および転移の要因

日本人の男性は、やせ形でも
肥満形でも前立腺ガンになる
危険性は変わらないとの疫学
調査の結果を、厚生労働省
研究班(主任研究者・
津金昌一郎(つがね・
しょういちろう)国立ガン
センター予防研究部長)が
13日付の英医学誌に発表し
ました。

前立腺ガン発生率が日本の
約10倍の欧米では、肥満が
リスク要因との報告があります。
日本人には必ずしも当てはまら
ないことを示す調査結果で、
研究班は「食生活やホルモン
濃度の違いなど他の要因が関係
しているのではないか」と推測
しています。

研究班は岩手、秋田、茨城、
新潟、長野、大阪、高知、長崎、
沖縄(2地域)の10地域で、
40-69歳の男性約5万人を、
1990年から最長13年間にわたり
調査しました。

期間中に前立腺ガンになった
311人の体形と発症リスクの
関係を分析しました。体重
(キロ)を身長(メートル)の
2乗で割った体格指数(BMI)
が高い肥満形でも低いやせ形
でも、リスクに差はありません
でした。身長による差もみられ
ませんでした。

ただ、他の臓器に転移した
進行ガンでは、肥満形や身長が
高い人でリスクが高い傾向が
ありました。大柄な人はガン
転移にかかわる体内物質が多い
との説もあり、研究班は
「欧米人と日本人の比較が必要」
と結論づけました。

前立腺ガンは前立腺肥大とは
異なります。前立腺肥大は、
良性の病気ですが、前立腺ガン
は悪性疾患です。ただどちら
も中高年になってから発症する
病気です。前立腺肥大では、
男性ホルモン(テストステロン)
から派生した物質5−DHT
(5α−4dihydrotestosterone)
が影響することが知られて
います。前立腺ガンでは、発症
機序が異なるかもしれませんが、
5−DHTも一つの因子として
多変量解析をしてみるのも
面白いのではないかと考えられ
ます。

転移があったら、転医(医者
を変えること)しても治り
ません。笑

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編集後記

Rhoキナーゼの働きをなくす、
(阻害する)と血圧が下がる
ということですが、「副作用が
なければいいな」という感じが
します。一般に身体の中の酵素
は多種多様な働きがあることが
多い訳です。血圧を下げるため
に、酵素の働きをなくして
しまうと、他の重要な酵素の
働きも止めてしまうことになり
ます。人への臨床試験はまだ
まだ前途多難のようです。
しかし上記のように血圧に
関しては、既存の
カルシウム拮抗薬がRhoキナーゼ
を抑えることが分かっている
ので、カルシウム拮抗薬の
副作用・相互作用だけを考えて
おけば良いようです。点眼薬は
局所投与ですので、あまり、
そうした副作用はでないものと
考えられます。
前立腺ガンの発症は、体格や
肥満の有無に影響を受けないと
いうデータがでました。日本人
と欧米人の比較実験を近いうち
にやってもらいたいものです。

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