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診療マル秘裏話 Vol.173 平成19年3月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次
1) p53による腫瘍細胞のアポトーシス
2) 強毒型の腸炎細菌

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 p53による腫瘍細胞のアポトーシス
ガン細胞を自滅に導く酵素を、
吉田清嗣・東京医科歯科大助教授
(分子腫瘍(しゅよう)学)ら
の研究チームが発見し、3月9日付
の米科学誌「モレキュラーセル」
に発表しました。酵素の働きを
高められれば、抗ガン剤の投与量
を減らすことが期待できるという
ことです。DNAが紫外線や
放射線などの影響で変異すること
で、細胞はガン化します。
ところがこの変異が大きいと、
細胞中のp53遺伝子が働き、
細胞はアポトーシスと呼ばれる
自滅現象を起こすことが分かり
ました。

p53は酵素の働きで活性化
すると考えられていましたが、
酵素が何かは特定されていません
でした。研究チームは、p53が
活性化する時にDYRK2という
酵素が働いていることを突き止め
ました。細胞のDNAを傷つける
と、この酵素が細胞質から核の中
に移動してアポトーシスが始まる
ことを確認されました。この酵素
が働かないようにすると、
アポトーシスが起きなくなったと
いうことです。

p53による遺伝子治療は、
すでに行われていることは、以前
のメルマガでも紹介しました。
しかし、p53遺伝子の腫瘍細胞
へのベクターでの導入には治療の
限界があることが分かっています。
その限界を突破するには、上記の
酵素の遺伝子の導入あるいは
p53遺伝子と酵素の遺伝子の
同時導入などの手法が考えられ
ます。なかなか臨床応用まで
難しいかもしれませんが、遺伝子
治療の進歩を期待したいと思い
ます。

アポトーシスの動画です。

 
www.youtube.com/watch?v=w918X4w_3KA

 
 
 
 












p53は、主要な、悪性腫瘍へ
の対抗策です。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2】 強毒型の腸炎細菌

北米の医療施設で集団感染が
相次ぎ、高齢者を中心に死亡例
も増えている強毒型の腸炎細菌
が、関東地方と東海地方で過去
に発病した患者2人の保存試料
から3月9日までに検出されました。
国内で強毒型が確認されたのは
初めてということです。調査
した国立感染症研究所は「今後
拡大する恐れがある」として、
医療関係者に警戒を呼び掛けて
います。

感染研によると、患者さんは
2001年に発病した関東地方の30
代男性と、05年発病の東海
地方の30代女性ということです。
北米での問題を受けた最近の
調査で判明しましたが、感染
経路は分かっていません。女性
は入院患者さんですが、男性は
入院歴がなく、いずれも
抗生物質の服用後に発病し、薬
の変更などで回復したという
ことです。この抗生物質とは、
マクロライド系抗生物質
あるいは、広域β−ラクタム剤
(菌の細胞壁に作用する
抗生物質ペニシリン系、
セフェム系の2種類があります)
のことを指していると思われ
ます。

問題の細菌は
「クロストリジウム・ディフィシル」
です。抗生物質による治療で腸
の常在菌のバランスが崩れた際
に異常に増え、腸炎を起こす
ことが知られていましたが、
今回見つかったのは通常の
ディフィシル菌より多量の毒素
を出す変異型で「027型」
とも呼ばれます。この細菌の
治療には内服のバンコマイシン
が使われます。

02年ごろから米国、カナダで
抵抗力が弱った
入院患者らの集団感染が相次ぎ、
カナダの12病院で04年に行った
調査では、患者1703人中117人が
死亡しました。致死率が約7%
と通常より高いことから、
米疾病対策センターが注意喚起
していました。欧州でも最近
確認され、毒性が強いため入院
患者さん以外にも発病例が出て
います。

北米では、強毒型であること
に加え、医療現場でよく
使われるニューキノロン系の
多くの抗生物質が効かない
耐性菌が広がり、治療の難しさ
につながっていました。国内の
2例の菌を検査したところ、
耐性は北米の菌ほどは強く
なかったということです。
ニューキノロン系の抗生物質は
炭疽菌にも効果があることから、
テロの発生と共に、北米では
使用頻度が増えました。

クロストリジウム・ディフィシル感染症

に関する動画です。英語ですが、

字幕が付いているので分かりやすい

と思います。動画の中で027型のこと

についても触れられています。

 
www.youtube.com/watch?v=-Y-FGYmFQO8

 
 
 
 















 
使用頻度が増えると、耐性の
仕様が広がります。笑

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編集後記

悪性腫瘍に対する遺伝子治療
の試みは、アメリカでは、
かなり前から行われてきました。
しかし、p53遺伝子の導入
だけでは、治療の壁が存在する
のも事実です。その壁を突破
すべく色々な研究がなされて
いますが、p53の効き方を
解析するのは非常に重要だと
思われます。北米で
ニューキノロン系の抗生物質
の使用が増え、芽胞形成菌の
耐性菌が出現したことは、
残念です。RNA干渉の手法を
耐性菌に効かせようにも芽胞
を形成すると難しく現状では
バンコマイシンの内服しか
手だてがないのが苦しい
ところでしょう。

患者さんの致死率は、医療
関係者の致仕率に
反比例する。笑

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