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診療マル秘裏話 Vol.72 作成17年4月21日
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次
1) 脳梗塞、心筋梗塞の後遺症の予防
2) C型肝炎ウイルスの薬

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1】脳梗塞、心筋梗塞の後遺症の予防

心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の
後遺症の原因となる細胞死を起こす
酵素を、辻本賀英
(つじもと・よしひで)
大阪大教授(遺伝子学)らの研究
チームが発見、3月31日付の英科学誌
ネイチャーに発表されました。

この酵素の働きを阻害する薬剤を
作れば、梗塞の遺症を予防できる
可能性があるということです。血管
が血栓などで詰まる梗塞が起きると、
酸素や栄養が不足します。すると
周辺の細胞が死に心臓や脳の機能に
障害が出ます。細胞死は、細胞内
小器官のミトコンドリア(栄養素
をエネルギーに変える細胞内の
小器官)が壊れることが原因である
ことが分かっていました。

研究チームは、ミトコンドリア内
で働く酵素(ある決まった働きを
するたんぱく質)シクロフィリンD
に着目しました。
遺伝子操作で酵素を作らないマウス
(ノックアウトマウスという)を
作り、心臓の冠動脈(心臓の筋肉を
栄養している血管、いわば自動車の
エンジンの燃料パイプ)をしばって
心筋梗塞と同じ状態にしました。

30分間血流を止めると、通常の
マウスでは心臓の細胞の約30%が
死んだのに対し、酵素をつくらない
マウスでは数%しか死にません
でした。

辻本教授は「梗塞患者の血栓を
溶かす際、酵素の阻害剤を同時に
投与すれば、細胞死を抑えられる」
と話しているということです。
脳梗塞の罹患率が高い日本人と
心筋梗塞の罹患率が高いアメリカ
合衆国ではこの酵素の阻害剤さえ
開発できれば患者さんの福音になる
こと間違いないと思われます。

脳梗塞の最新治療についての動画

です。

 
www.youtube.com/watch?v=JAVwoj7K7QY

 
 
 
 
 







光速のような高速で、梗塞の治療が
進展した。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2】C型肝炎ウイルスの薬

関節リウマチや腎臓病の治療に
使われている「ミゾリビン」に、
C型肝炎ウイルスの増殖を抑える
作用があることを、
厚生労働省研究班(主任研究者・
加藤宣之(かとう・のぶゆき)
岡山大教授)が細胞実験で8日まで
に突き止めました。そして米国の
生化学専門誌に発表しました。

国内で100万-200万人が感染して
いるとされるC型肝炎は、
インターフェロン(IFN)と
抗ウイルス薬リバビリンの
併用療法が効果を上げています。
しかし、リバビリンには貧血の
副作用があり、高齢者を中心に
治療を受けられない患者さんが
多いのがこの治療法の難点でした。

ミゾリビンは副作用が比較的
少ないため、高齢者でも治療の
選択肢を広げられる可能性がある
ということです。

研究班の池田正徳(いけだ・
まさのり)岡山大助教授らは、
C型肝炎ウイルスの全遺伝子を
細胞内で効率よく増やし、増殖
レベルを簡単に測定できる人由来
の培養細胞を世界で初めて作る
ことに成功しました。この細胞を
使い、リバビリンと化学構造が
似たミゾリビンのウイルス増殖
抑制の作用を調べました。すると
人に投与できる濃度のミゾリビン
とIFNを併用した場合の増殖
抑制効果は、リバビリンとIFN
の併用と同等以上であることを
確認できたということです。

加藤教授は「人間での効果を
確認するため、患者の同意を得て
試験的に投与する態勢を作りたい」
と話しているということです。
このミゾリビンのように他の病気
で使われている副作用の少ない
薬は臨床上安全なことが確認されて
いるわけで臨床試験が簡単にできる
という利点があります。
はやくC型肝炎を制圧する薬が
もっと市場にでまわるようになって
欲しいものです。

このメルマガ時点では、明らかに
なっていませんが、
高コレステロール血症の薬である
スタチン類を併用するとC型肝炎
ウイルスの退治に有用であること
が分かっています。また2011年
11月には、インターフェロンと
リバビリンと併用する薬テラビック
が発売され3者併用療法となること
でウイルスが消失するところまで
持ち込むことが容易になりました。

ただし、この3者併用療法では、
皮膚の重篤な副作用が見られる
ことがあるため、全例調査が
義務づけられており、製品の納入
に関しても施設制限などが設け
られています。

C型慢性肝炎についての動画です。

 
www.youtube.com/watch?v=02uBX0U7KC4

 
 
 
肝炎は血液から如何せん
(易感染)。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
編集後記

脳梗塞の後遺症は半身が麻痺する
片麻痺と呼ばれる麻痺が有名です。
片麻痺になるとなかなか身体を
動かすのが不自由になり、患者さん
は勿論介護する介護者もストレスが
溜まり、患者さんの再梗塞および
介護者の脳卒中を促進するという
データが出ています。梗塞の後の
後遺症を予防できれば片麻痺になる
人自体が減って悲劇を繰り返すこと
が少なくなるのではないでしょうか。
C型肝炎のインターフェロンと
ミゾリビンが早く併用されるように
なって欲しいと祈念しています。

辞退すること自体、事態を
悪化する。笑

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