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2018-02-10 00:09:41

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診療マル秘裏話    号外Vol.832 平成29年4月9日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)高い眼内移行性を有するナノ粒子点眼薬の開発
2)肝臓に転移しやすさの目印となる蛋白質を特定

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 高い眼内移行性を有するナノ粒子点眼薬の開発

 
 
 
 
 
 
東北大学は3月9日、高い眼内
移行性を有するナノ粒子点眼薬
の開発に、成功したと発表しま
した。この研究は、同大学多元
物質科学研究所の笠井均教授と、
同大学大学院医学系研究科眼科
教室、大内新興化学工業株式会
社開発研究所のグループらとの
共同研究によるものです。研究
成果は、英科学誌 「Scientifi
c Reports」に掲載されました。
眼の最表面の組織である角膜は、
外部からの異物の侵入を防ぐた
めのバリア機能を有しています。
表層は疎水的な角膜上皮、その
次に親水的な角膜実質があり、
角膜上皮の最表層は細胞が密に
接着し、タイトジャンクション
を形成しています。

一般的な点眼薬は、親水性化合
物の水溶液で、疎水的な角膜上
皮を透過することが困難であり、
点眼した薬の0.1%以下しか眼内
に移行しません。疎水的な化合
物がマイクロ粒子の分散液とし
て点眼薬に使用されることもあ
りますが、サイズが大きいため、
最表層のタイトジャンクション
を透過しにくいという課題があ
りました。そこで研究グループ
は、サイズが小さいナノ粒子を
点眼することができれば、タイ
トジャンクションを透過し、疎
水的な角膜上皮も透過可能とな
ると考えたようです。

研究グループは、緑内障の治療
薬であるブリンゾラミド(商品
名:エイゾプト)に難水溶化を
施した誘導体を合成し、独自の
ナノ粒子化技術である「再沈法」
を駆使してブリンゾラミド誘導
体のナノ粒子点眼薬を作製する
ことに成功しました。作製した
ナノ粒子点眼薬をラットに投与
して眼圧降下効果を検討した所、
高い薬理効果が確認されました。
これらの結果から、このナノ粒
子点眼薬は、高い眼内移行性を
示し、眼内で酵素により加水分
解され、速やかにブリンゾラミ
ドを放出するため、低濃度で眼
圧下降作用を発現したと考えら
れるということです。

また、白濁の点眼薬であるエイ
ゾプトは、点眼後に患者の視野
が霞んでしまい使用感が悪いと
いう問題点がありました。そこ
で作製したナノ粒子点眼薬とエ
イゾプトの光透過率測定を行い、
比較した結果、ナノ粒子点眼薬
はエイゾプトと比較すると、10
0 倍程度の光透過率を示すこと
が明らかとなりました。これら
の結果から、光透過性の向上に
より、点眼時の使用感の改善に
もつながるということです。

今回の研究の知見は、緑内障治
療薬であるブリンゾラミドのみ
ならず、様々な眼疾患の薬理活
性化合物へと応用可能であると
考えられ、今後、新たな眼科製
剤の作製法として発展していく
ことが期待されます。

点眼薬の正しい使い方について

の動画です。

 
 


 
 
 
治験の知見を発表する。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 肝臓に転移しやすさの目印となる蛋白質を特定

 
 
 
 
 
 
肝臓に転移しやすいガン細胞
かどうかが分かる目印となる蛋
白質を特定したと鳥取大の岡田
太教授(実験病理学)のチーム
が3月18日までに明らかにしま
した。成果は、英科学誌電子版
に発表しました。

この蛋白質は、「Amigo2」で、
ガン細胞で増加すると肝転移し
やすくなるほか、予後不良とな
ることを確かめたということで
す。

岡田教授は「今後、Amigo2の
増加を抑える薬を開発できれば、
肝転移の予防や治療につながる」
と期待しています。

チームは、ガン患者さんの約
90%が、ガンの転移の結果死亡
していると説明しており中でも
肝臓は最も転移しやすい臓器と
いうことです。

ガン転移について解説している

動画です。

 
 


 
 
典医が転移を診断する。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
一般的な点眼薬は親水性化合
物の水溶液で、疎水的な角膜上
皮を透過することが困難であり、
点眼した薬の0.1%以下しか眼内
に移行しないことが分かってい
て、疎水的な化合物がマイクロ
粒子の分散液として、点眼薬に
使用されることもありますが、
サイズが大きいため、最表層の
タイトジャンクションを透過し
にくいという課題がありいずれ
にしても眼内移行性が悪いこと
が問題でした。そこで研究グル
ープがサイズが小さいナノ粒子
を点眼することができれば、タ
イトジャンクションを透過し、
疎水的な角膜上皮も透過可能と
なると考えたのは画期的と言え
ましょう。今回の研究の知見は、
緑内障治療薬であるブリンゾラ
ミドのみならず、様々な眼疾患
の薬理活性化合物へと応用可能
であると考えられ、今後、新た
な眼科製剤の作製法として発展
していくことを期待したいと思
います。
肝臓に転移しやすいガン細胞
かどうかが分かる目印となる蛋
白質を特定したのは偉大な業績
です。この蛋白質は、「Amigo2」
でガン細胞で増加すると肝転移
しやすくなる他、予後不良とな
ることを確かめたということで
すので、今後、Amigo2の増加を
抑える薬を開発して、肝転移の
予防や治療につなげて頂きたい
と切に願う次第です。特に予後
不良となることを改善する方策
を考えることが急務であると思
われます。それはAmigo2の増加
を抑える薬を開発することだけ
ではなく、Amigo2と直接関係し
ない方策でも、その実施により
結果的にAmigo2の増加が抑制で
きる、あるいは、他の臓器への
転移を抑制可能であるならば、
良しとするべきではないでしょ
うか?

豊作となる方策を考える。笑

 
 
 
 
 
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