最近の号外Vol.2369メルマガ

2023-01-07 09:58:02

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2369 令和4年3月7日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ベンゼン環を遷移金属触媒で体内で合成する技術
2)武漢熱ワクチンの副反応と関連するバイオマーカーを発見

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ベンゼン環を遷移金属触媒で体内で合成する技術

 
 
 
 
 
 
 理化学研究所は2022年1月10
日、薬剤の構造に含まれるベン
ゼン環を、遷移金属触媒を用い
て体内で合成する技術を開発し
たと発表しました。また、抗ガ
ン活性物質の原料と遷移金属触
媒をマウスに静脈内投与するだ
けで、体内のガン細胞の近くで
抗ガン活性物質が合成され、副
作用なしでガン細胞の増殖を抑
制することも確認しました。東
京工業大学らとの国際共同研究
による成果です。

 研究チームはこれまでに、血
清蛋白質アルブミンの疎水性ポ
ケットに遷移金属触媒を導入す
ると、金属触媒が安定化し、生
体内でも効率的に触媒反応が進
行することを確認しています。
標的部位の細胞と選択的に結合
するN-型糖鎖をアルブミンに導
入し、生体内の標的部位で薬理
活性を示す化合物が生成する手
法を開発してきました。

 この体内遷移金属触媒反応技
術をさらに展開した今回の研究
では、ルテニウム触媒によるベ
ンゼン環形成反応を利用し、フ
ラスコ内でナフタレンやビフェ
ニルなどの各種ベンゼン誘導体
を合成しました。その後、生体
内で抗ガン活性物質の合成を検
証しました。

 合成する抗ガン活性物質は、
細胞内の微小管を構成するβ‐
チューブリンの重合を阻害する
ことでガン細胞の増殖を抑制す
る、天然物コンブレタスタチン
A-4 の誘導体です。また、副作
用を抑えるため、正常組織のβ
‐チューブリンと結合できない
ように原料を設計しました。

 HeLaヒト子宮頸ガン細胞と選
択的に結合する糖鎖を付加した
アルブミンの疎水ポケットに、
ルテニウム触媒を導入した後、
糖鎖アルブミン・ルテニウム触
媒と原料をHeLaガン細胞に作用
させた所、ガン細胞の近くで抗
ガン活性物質が合成され、ガン
細胞の増殖を効率的に抑制する
ことが確認できました。

 続いて、HeLa細胞を移植した
ガンモデルマウスで検証を試み
ました。この実験でも、体内金
属触媒反応により抗ガン活性物
質が合成され、腫瘍の成長が抑
制されました。なお、モデルマ
ウスに体重減少の副作用は見ら
れませんでした。

 抗ガン剤を用いるガン治療で
は、毒性のある薬剤を細胞に投
与することで、ガン組織にダメ
ージを与えて悪性腫瘍を縮小し
ていきます。ただ、薬剤が正常
細胞にも影響を及ぼすため、副
作用が出ることがデメリットで
した。今回の手法は、ベンゼン
環以外のさまざまな分子の生体
内合成にも応用できるとしてお
り、今後、創薬やガン治療の基
盤としての展開が期待されます。

 HeLaとHEK293について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
 事業の方向性を転回すること
で、事業展開が可能になった。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 武漢熱ワクチンの副反応と関連するバイオマーカーを発見

 
 
 
 
 
 
 熊本大学は2月8日、武漢熱ワ
クチン接種に関する臨床研究を
行い、ワクチン副反応と関連す
るバイオマーカーを発見したと
発表しました。この研究は、同
大大学院生命科学研究部免疫学
講座の押海裕之教授、小児科学
講座の中村公俊教授、皮膚病態
治療再建学講座の福島聡教授ら
の研究グループによるものです。
研究成果は、「NPJ Vaccines」
に掲載されています。

 感染症予防には、ワクチンに
よる予防接種が非常に有効です
が、アレルギー体質であったり
副反応に不安があったりと、予
防接種をためらう人も一定数い
ます。副反応には個人差があり
ますが、その個人差の原因を明
らかにすれば、副反応の軽減さ
れた国産の武漢熱ワクチンの開
発につながることが期待されま
す。そこで今回の臨床研究は、
武漢熱ワクチンの副反応の個人
差に関連する体内の成分(バイ
オマーカー)を発見することを
目的として実施されました。

 研究グループは、2021年に熊
本大学病院で実施された医療従
事者向け武漢熱ワクチン接種(
1回目と2回目のワクチン接種)
において、被接種者の血液の成
分や、ワクチン接種後の副反応、
ワクチン接種後の抗体価などに
ついて測定しました。その結果、
まず、これまで報告されている
通り、今回の臨床研究でも2回
目のワクチン接種での副反応は、
1回目よりも強いことが分かり
ました。

 続いて、それぞれの副反応に
ついて調べると、ワクチン接種
をした部位での痛み、腫れ、赤
みなどの症状(局所の副反応)
は、1回目で強かった人は、2
回目でも強い傾向がみられた(
相関した)のに対して、疲れ、
発熱、悪寒などの全身症状(全
身の副反応)の程度は1回目と
2回目で異なる人(相関しない
人)が多くいました。このこと
から、ワクチン副反応の原因と
なる免疫応答には少なくとも2
種類あることが推測されました。

 炎症性サイトカインとして知
られるIL-6やTNF-αは、免疫細
胞などに働きかける蛋白質で、
副反応の原因となることが過去
のインフルエンザワクチン接種
などで指摘されています。これ
らを武漢熱ワクチン副反応の程
度と比較すると、血液のTNF-α
の値が高くなるにつれて、副反
応の全身症状も強くなることが
示唆されました。TNF-αはT細
胞から分泌されることが知られ
ているので、T細胞の働きが強
くなることで副反応の全身症状
が強くなると考えられます。

 次に研究グループは、血液中
に流れている細胞外小胞に含ま
れるマイクロRNA に着目しまし
た。細胞外小胞は直径100nm ほ
どの小胞で(ウイルスなどとほ
ぼ同じ大きさ)、同研究グルー
プの以前の研究では、細胞外小
胞に含まれるマイクロRNA が、
インフルエンザワクチンの副反
応と関連することを報告してい
ます。

 被験者61人についてワクチン
接種の前日に採血し、その血液
中の細胞外小胞内マイクロRNA
量を測定して、それをワクチン
副反応の程度や抗体価と比較し
ました。その結果、miR-92a-2-
5pと呼ばれるマイクロRNA の量
が少ないと、ワクチン接種場所
の赤みや、あるいは頭痛、関節
痛が強くなることを発見しまし
た。この他にも、miR-148aと呼
ばれるマイクロRNA が、ワクチ
ン接種1か月後の抗体の量と関
連することなども発見しました。

 今回の臨床研究から、ワクチ
ン接種後の血液中のTNF-αや、
ワクチン接種前の特定のマイク
ロRNA がワクチン副反応の強さ
と関連するバイオマーカーとな
ることが示唆されました。今後
は、今回発見したバイオマーカ
ーの値を改善する薬剤を開発し
たり、それを含む武漢熱ワクチ
ンを作製したりすることで、副
反応の軽減されたワクチンの開
発につながることが期待されま
す。また、副反応についてより
正しく理解できることで副反応
への不安も軽減されることが期
待されます。

 副反応について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 細胞外小胞に関する詳報に期
待する。         笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 理化学研究所が2022年1月10
日、薬剤の構造に含まれるベン
ゼン環を、遷移金属触媒を用い
て体内で合成する技術を開発し、
抗ガン活性物質の原料と遷移金
属触媒をマウスに静脈内投与す
るだけで、体内のガン細胞の近
くで抗ガン活性物質が合成され、
副作用なしでガン細胞の増殖を
抑制することも確認したと発表
したのは、素晴らしい業績です。
今回の手法は、ベンゼン環以外
のさまざまな分子の生体内合成
にも応用できるとしており、今
後、創薬やガン治療の基盤とし
ての展開を期待したいと思いま
す。
 熊本大学が2月8日、武漢熱ワ
クチン接種に関する臨床研究を
行い、ワクチン副反応と関連す
るバイオマーカーを発見したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。ワクチン副反応では、上
咽頭の炎症が関与することが、
分かっており、EAT治療など
で治療効果が上がることから、
TNF-αがバイオマーカーになる
ことは、充分予想ができます。
ワクチン接種の前日に採血した
結果、miR-92a-2-5pと呼ばれる
マイクロRNA の量が少ないと、
ワクチン接種場所の赤みや、あ
るいは頭痛、関節痛が強くなる
ことを発見したというのは本当
に凄い発見だと思いました。

 バイオマーカーの予想から、
予防接種を止そうと思った。笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント