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2023-01-23 09:50:43

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診療マル秘裏話  号外Vol.2383 令和4年3月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)発ガン性のRAS遺伝子変異が、ガン幹細胞を発生
2)男児1歳児の視聴時間が、ASD診断に有意に関連

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 発ガン性のRAS遺伝子変異が、ガン幹細胞を発生

 
 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は2月28日、
発ガン性のRAS 遺伝子変異がCD
K1の活性化と蛋白質のO-GlcNAc
修飾を誘導することでSOX2の発
現を増大させ、ガン幹細胞を生
じさせることを明らかにしたと
発表しました。この研究は、同
大難治疾患研究所分子細胞生物
学分野の澁谷浩司教授と清水幹
容助教の研究グループが、日本
医科大学先端医学研究所田中信
之教授との共同研究として行っ
たものです。研究成果は、「Sc
ientific Reports」オンライン
版に掲載されています。

 ガンは日本における死亡率の
第1位を占めている疾患であり、
年間約30万人以上がガンで死亡
しています。特にガンの転移や
再発はガン患者さんの生存率を
著しく低下させる原因であり、
阻止することができれば非常に
有用なガン治療法となることが
期待できます。ガン幹細胞は、
この転移や再発の原因の1つと
考えられている特殊なガン細胞
で、近年、ガン幹細胞を標的と
した治療が注目されています。

 ガン細胞は正常な細胞とは異
なり、異常な細胞増殖を繰り返
すことで固形腫瘍を形成します
が、これは正常な細胞の遺伝子
に変異が生じることで引き起こ
されます。ガン幹細胞も正常な
細胞に遺伝子変異が起こること
で生じると推測されますが、ガ
ン幹細胞の発生機構には不明な
点が多く残っています。そのた
め、治療によりガン幹細胞を根
絶するためにも発生機構の解明
が急務となっています。

 研究グループは遺伝子変異に
よるガン幹細胞発生機構を解明
するため、ガン患者さんで普遍
的にみられる発ガン性のRAS 変
異体を正常な細胞に発現させま
した。その結果、幹細胞因子SO
X2の発現が著しく増大しガン幹
細胞が発生することを突き止め
ました。このとき、SOX2遺伝子
を欠損させることでガン幹細胞
が生じなくなり腫瘍も形成され
なくなることから、SOX2の発現
増大が発ガン性RAS 変異体によ
るガン幹細胞の発生に重要であ
ると判明しました。

 また、発ガン性RAS 変異体が
CDK1の活性化と蛋白質のO-GlcN
Ac修飾増大を誘導する結果も得
られ、それぞれSOX2の発現誘導
とガン幹細胞の発生に重要であ
ることが分かりました。そこで、
CDK 阻害剤ジナシクリブまたは
O-GlcNAc修飾阻害剤OSMI1 を用
い、RAS 変異体を発現する細胞
を処理しガン幹細胞に対する効
果を調べた所、ガン幹細胞の発
生が著しく阻害されることを明
らかにしました。

 これまで遺伝子変異により生
じるガン幹細胞発生機構は全く
知られていませんでした。今回
の研究では、多くのがんで報告
されているRAS 遺伝子変異がCD
K1の活性化と蛋白質のO-GlcNAc
修飾増大を介して幹細胞因子SO
X2の発現を誘導することで、ガ
ン幹細胞を生じさせることを見
出しました。また、CDK 阻害剤
ジナシクリブまたはO-GlcNAc修
飾阻害剤OSMI1 を細胞に処理す
ることでガン幹細胞の発生を抑
えられたことから、これらの阻
害剤がガン幹細胞を標的とした
新たな薬剤となると期待されま
す。

 胃ガンのガン幹細胞を発見し

たニュース動画です。

 
 


 
 
 
 発現を誘導するという発言が
なされた。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 男児1歳児の視聴時間が、ASD診断に有意に関連

 
 
 
 
 
 新型コロナウイルス感染症(
武漢熱)の流行を背景に小児の
スマートフォンなどの視聴時間
(スクリーンタイム)は大幅に
延長し、健康への影響が懸念さ
れています。こうした中、山梨
大学大学院会社会医学講座の久
島萌氏らは、男児において1歳
時の長時間のスクリーンタイム
が3歳までの自閉症スペクトラ
ム障害(ASD) 診断に有意に関
連していたとする、日本の母子
8万4,030組の解析結果をJAMA P
ediatr(2022年1月31日オンラ
イン版)に発表しました。なお、
女児では同様の関連は認められ
ませんでした。

 ASD には遺伝要因などの先天
的要因の他、環境要因も関連す
ることが明らかにされています。
このうち環境要因に関しては、
スクリーンタイムの長さがASD
の特性やASD に特徴的な脳の形
態に関与している可能性が示唆
されています。

 日本でASD が診断される頻度
が最も高い年齢は3歳です。一
方、スクリーンタイムと乳幼児
期のASD との関連について検討
した大規模コホート研究はほと
んど実施されていません。しか
し、武漢熱の世界的流行を背景
に、各国で小児のスクリーンタ
イムが延長しており、小児の健
康に及ぼす影響を明らかにする
ことは公衆衛生における重要な
課題だといえましょう。

 そこで久島氏らは今回、「子
どもの健康と環境に関する全国
調査(エコチル調査)」のデー
タを用い、1歳時のスクリーン
タイムと3歳時のASD 発症との
関連について検討しました。

 解析対象は,2011年1月~14年
3月に日本国内の15地域で登録
した母子約10万組のうち、死産、
流産例および1歳の時点で子供
に脳性麻痺、先天性疾患のある
例、データ欠測例などを除外し
た8万4,030組です。このうち小
児330人(0.4%)が3歳までにA
SDと診断されていました。男女
比は男児76.0%、女児24.0%で
した。

 ロジスティック回帰分析の結
果、男児では1歳時にテレビな
どの画面を全く見ていなかった
群に対する3歳までのASD 診断
のオッズ比(OR)は、1歳時の
スクリーンタイムが1時間未満
群で1.38(95%CI 0.71~2.69、
P=0.35),1時間以上2時間未満
群で2.16(同1.13~4.14、P=0
.02),2時間以上4時間未満群で
3.48(同1.83~6.65、P<0.001)、
4時間以上群で3.02(同1.44~6
.34、P=0.04)でした。一方、
女児ではスクリーンタイムとAS
D に関連は認められませんでし
た。

 以上の結果に基づき、久島氏
らは「男児において、1歳時点
でのスクリーンタイムが長いこ
とは3歳時のASDに有意に関連し
ていました。電子機器の使用が
急速に広がりつつあることから、
スクリーンタイムが乳幼児の健
康に及ぼす影響について再検討
し、過度のスクリーンタイムを
抑える必要がある」と述べてい
ます。

 自閉症スペクトラム障害につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 過度の勧奨は、角が立つ。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京医科歯科大学が2月28日、
発ガン性のRAS 遺伝子変異がCD
K1の活性化と蛋白質のO-GlcNAc
修飾を誘導することでSOX2の発
現を増大させ、ガン幹細胞を生
じさせることを明らかにしたと
発表したのは、素晴らしい業績
です。ガン幹細胞を生じること
をなくすることができれば増殖
力の大きい一般のガン細胞だけ
を標的として治療を行うことが
できるので、多少なりとも治療
が容易になる可能性が高いと思
われます。また、CDK 阻害剤ジ
ナシクリブまたはO-GlcNAc修飾
阻害剤OSMI1 を細胞に処理する
ことでガン幹細胞の発生を抑え
られたことから、これらの阻害
剤がガン幹細胞を標的とした新
たな薬剤となることを期待した
いと思います。
 新型コロナウイルス感染症(
武漢熱)の流行を背景に小児の
スマートフォンなどの視聴時間
(スクリーンタイム)は大幅に
延長し、健康への影響が懸念さ
れている中で、山梨大学大学院
会社会医学講座の久島萌氏らは、
男児において1歳時の長時間の
スクリーンタイムが3歳までの
自閉症スペクトラム障害(ASD)
診断に有意に関連していたとす
る、日本の母子8万4,030組の解
析結果をJAMA Pediatr(2022年
1月31日オンライン版)に発表
したのは、素晴らしい業績です。
女児においては、同様の関連は
認められなかったとしても,ASD
以外の依存などの不利益が生じ
ている可能性があり、男児女児
を問わず、過度なスクリーンタ
イムの抑制を図るべきだと私は
考えています。

 男児だけの問題だけでは断じ
てない。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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