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2023-01-11 10:01:34

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診療マル秘裏話  Vol.898 令和3年2月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)新規放射性医薬品の製造販売の承認を申請する
2)糖尿病網膜症の診断と病期分類が可能なAIシステム

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 新規放射性医薬品の製造販売の承認を申請する

 
 
 
 
 
 富士フイルム富山化学は、新
規放射性医薬品「F-1614」
(一般名3-ヨードベンジルグ
アニジン(131I))につい
て、褐色細胞腫・パラガングリ
オーマの適応で厚生労働省に製
造販売の承認を申請したと発表
しました。副腎髄質ホルモンの
ノルアドレナリンの類似物質で
ある3-ヨードベンジルグアニ
ジンに放射性ヨウ素(131I)
を結合させた薬剤で、131I
から放出されるβ線が腫瘍細胞
を破壊します。2021年内の承認
取得を目指しています。

 褐色細胞腫は副腎髄質に、パ
ラガングリオーマは副腎外の傍
神経節にそれぞれ発生する神経
内分泌腫瘍です。国内患者数は
約3000人と推定され、希少ガン
に分類されています。

 3‐ヨードベンジルグアニジ
ン(131I)は欧米ではすで
に承認され、褐色細胞腫・パラ
ガングリオーマの治療に広く使
われています。一方、国内では
承認薬がなく、厚生労働省によ
る開発企業の公募を経て取り組
みを進めてきました。

 富士フイルム富山化学では褐
色細胞腫・パラガングリオーマ
などを対象とした診断用放射性
医薬品を販売しており、F-1
614も加えることで診断から
治療までを幅広くカバーする狙
いです。

 褐色細胞腫について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
 酵母による発酵製品を公募す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 糖尿病網膜症の診断と病期分類が可能なAIシステム

 
 
 
 
 
 
 
 画像を用いた診断支援人工知
能(AI)の開発が各領域で行わ
れ、中でも糖尿病網膜症は臨床
応用が進む疾患の1つです。自
治医科大学眼科学講座准教授の
髙橋秀徳氏は健康診断で撮影さ
れた眼底写真から、画像の範囲
外である周辺部までを含めて糖
尿病網膜症の診断を行い、病期
分類を可能とするAIシステムを
構築しました。第26回日本糖尿
病眼学会・第35回日本糖尿病合
併症学会(2020年12月7〜21日、
ウェブ開催)合同シンポジウム
で開発したAIを紹介し、今後の
展望について述べました。

 健康診断で用いられる眼底カ
メラは通常、後極45度で撮影さ
れます。画像の範囲は網膜の中
央部のみで全体の10%にも満た
ず、画角に入らない周辺部に新
生血管があっても見逃される可
能性が高いとされています。そ
のため、少しでも異常が疑われ
る被検者は二次健診へ進めてい
るのが実情です。

 髙橋氏らは、できるだけ効率
の良い一次健診の実現を目指し、
健康診断で得られる眼底写真か
ら周辺部の新生血管の有無を予
測して、糖尿病網膜症の診断を
行うAIの作製を試みました。自
治医科大学病院にて眼底を4方
向で広く撮影した糖尿病患者さ
んの画像を専門医が読影し、AI
にはその判定結果を健康診断と
同じ中心部のみの画像を見せた
状態で深層学習させました。そ
の結果、80%の精度で専門医と
同様の病期判定を行うAIの開発
に成功しました(図、PLoS one
2017; 12: e0179790、2020年
特許取得)。同氏は「健康診断
をAIにより効率化することで、
糖尿病網膜症で失明に至る患者
を減らすことができる」と述べ
ています。

 最近、次世代医療機器の評価
指標が見直されたことも、診断
支援AIの開発・普及を後押しす
るということです。これまでは、
上市後にAIを追加学習させた場
合は再申請が必要とされていま
したが、学習計画をあらかじめ
申請しておけば不要となりまし
た。これにより臨床導入後に性
能を向上させることが容易にな
ります。将来的には、患者さん
の特性に合わせたAIの最適化も
各医療機関でできるようになる
かもしれません。

 網膜を診るAIは診断支援のみ
ならず、光干渉断層計(OCT)
の粗い画像から精細な画像を推
測する「画像再構成」や、OCT
画像から視力を推測することも
可能になりつつあるということ
です。

 「画像主体で診療を行う眼科
は、AIと親和性の高い分野です。
「視力を損なう患者をできるだ
け救いたい」と同氏は医療AIの
さらなる進化に期待を寄せまし
た。

 糖尿病網膜症について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 精細な画像を見て、行動に精
彩を欠く。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 富士フイルム富山化学が、新
規放射性医薬品「F-1614」
(一般名3-ヨードベンジルグ
アニジン(131I))につい
て、褐色細胞腫・パラガングリ
オーマの適応で厚生労働省に製
造販売の承認を申請したと発表
したのは、喜ばしいことです。
褐色細胞腫・パラガングリオー
マは、カテコールアミンを分泌
する腫瘍で、普通の降圧剤で、
血圧が下がらないことで発覚す
ることが多いようです。3‐ヨ
ードベンジルグアニジン(13
1I)は欧米ではすでに承認さ
れ、褐色細胞腫・パラガングリ
オーマの治療に広く使われてい
るとのこと、早期の承認および
臨床で使えるよう取り計らって
頂きたいものです。
 自治医科大学眼科学講座准教
授の髙橋秀徳氏は健康診断で撮
影された眼底写真から、画像の
範囲外である周辺部までを含め
て糖尿病網膜症の診断を行い、
病期分類を可能とするAIシステ
ムを構築したのは、素晴らしい
業績です。網膜を診るAIは診断
支援のみならず、光干渉断層計
(OCT) の粗い画像から精細な
画像を推測する「画像再構成」
や、OCT 画像から視力を推測す
ることも可能になりつつあると
いうことですので、人間の眼で
判読し辛い、眼底写真も解析で
きるようになるのではと期待し
ています。

 厚生労働大臣が画像再構成の
事実に目を丸くした。   笑

 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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