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2023-01-25 09:49:49

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診療マル秘裏話  Vol.900 令和3年3月10日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)p53機能回復新規小分子薬とアザシチジン 併用療法
2)COPD患者肺機能が,高分子ヒアルロン酸の吸入で改善

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 p53機能回復新規小分子薬とアザシチジン 併用療法
 
 
 
 
 
 TP53変異がある患者さん55例
[骨髄異形成症候群 (MDS)40
例、急性骨髄性白血病(AML)
11例、MDSとAMLの重複4例]を
対象に、TP53変異細胞で野生型
p53 の機能を回復させる新規小
分子薬eprenetapopt(APR-246)
とアザシチジン併用療法の有効
性と安全性を第1b/2相試験で検
討しました。

 その結果、全体では総奏効率
71%、完全寛解率44%、MDS 例
では73%に治療効果が確認され、
完全寛解率50%、細胞遺伝学的
奏効率58%、AML 例では全奏効
率64%、完全寛解率36%でした。
全生存期間中央値は10.8カ月で、
ランドマーク解析では、奏効例
は非奏効例に比べて、全生存期
間中央値が有意に改善していま
した(14.6 vs. 7.5カ月、P=0
.0005)。 有害事象は、アザシ
チジンまたはeprenetapopt単剤
療法で報告されているものと同
等でした。

 アザシチジンは、細胞内でリ
ン酸化を受けた後にRNAまたはD
NAに取り込まれ、蛋白質合成を
阻害して殺細胞効果を発揮しま
す。またMDS 細胞に高頻度に認
められる異常なDNA メチル化を
阻害するという作用があること
も報告されています。

 骨髄異形成症候群について解

説している動画です。

 
 


 
 
 豪勢な合成写真を作成する。


 
 
 
 
 
 
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2】 COPD患者肺機能が,高分子ヒアルロン酸の吸入で改善

 
 
 
 
 
 
 米国立衛生研究所 (NIH)は
2月1日、重度の慢性閉塞性肺疾
患(COPD)患者さんの肺機能が、
高分子ヒアルロン酸の吸入によ
り改善されることが臨床試験の
結果から分かったと発表しまし
た。これは、米国立環境衛生科
学研究所(NIEHS)のStavros G
arantziotis医師、イタリアのB
io-Medico University and Tea
ching Hospital のRaffaele In
calzi 医師、米国アラバマ大学
バーミンガム校のSteven Rowe
医師らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「Respir
atory Research」にオンライン
掲載されています。

 COPDは、2030年までに世界で
3番目に多い死因となることが
予想されており、全世界的に問
題となっています。そのうち重
度なCOPDの場合、長期にわたり
高レベルな医療ケアが必要とさ
れるうえ、気管支拡張薬や副腎
皮質ステロイド、抗菌薬など治
療法が限定的であることが課題
となっています。

 ヒアルロン酸は、生体内で細
胞の隙間を埋める役割をもつ糖
であり、肺を含む細胞外マトリ
ックスにも豊富に含まれます。
非常に親水性が高く、化粧品の
皮膚保湿剤などに使用されてい
るほか、医療用としてのヒアル
ロン酸は集中治療中のCOPD患者
さんにも使われ、呼吸補助を必
要とする時間を短縮し、入院期
間の短縮、および入院費の削減
に貢献しています。

 Garantziotis医師はこれまで
に、肺が汚染にさらされると、
肺のヒアルロン酸は低分子量の
断片に分解されることを示しま
した。さらに、それらが肺組織
を刺激し、免疫系を活性化させ、
気道の狭窄や炎症を引き起こす
ことを明らかにしています。今
回、研究グループは、高分子量
ヒアルロン酸の吸入が、低分子
量の断片による炎症の軽減に寄
与するのではないかと考えまし
た。そこで、気道の保湿用とし
てヒアルロン酸がすでに承認さ
れているイタリアで、高分子量
ヒアルロン酸の吸入が重症のCO
PD患者さんの肺機能を改善でき
るかどうかを検討する、プラセ
ボ対照無作為化二重盲検試験を
実施しました。

 試験は2016年~2019年にイタ
リアのCampus Bio-Medico Univ
ersity and Teaching Hospital
に入院した、非侵襲的陽圧換気
療法(NIPPV) を必要とする重
度のCOPD患者さんを対象に行わ
れました。インフォームドコン
セントの後に2グループに分け、
ヒアルロン酸による治療を受け
るグループ(以下、治療グルー
プ)にはInstitute Biochimiqu
e SA社の「Yabro」 (0.3%ヒア
ルロン酸ナトリウム塩を含む生
理食塩水5ml)を人工呼吸器に
よって投与しました。主要評価
項目は、NIPPV による治療が必
要なくなるまでの期間としまし
た。最終的な対象者は41人(治
療グループ20人、プラセボ21人)
でした。

 その結果、治療グループでは、
プラセボに比べてNIPPV の使用
期間が有意に短かったことが分
かりました(治療グループ5.2
±0.4日、プラセボ6.4±0.5日)。
また、治療グループの急性期の
炎症マーカーを解析した所、治
療グループの方がより改善を示
す傾向がみられました。具体的
には、治療グループのCRP (自
然対数変換値)は-0.072から-0
.651(p=0.0008)に低下、プラ
セボのCRPは-0.142から-0.615
(p=0.02)まで低下していまし
た。また、実際の患者さんの気
道の細胞を培養して調べた所、
治療後に粘液がより流れやすく
なっていることが分かりました。

 今回の研究成果は、体内です
でに見つかっている分子を使用
する点が新しい概念であるとい
えます。加えて、ヒアルロン酸
の吸入は、安全で投与が容易で
あり、気管支樹でのみ局所的に
作用するため、全身薬を阻害す
ることはないと考えられるとい
うことです。研究グループは、
「今後COPDに対するヒアルロン
酸の使用について追加の研究を
行うことで、COPDの進行や罹患
率、死亡率、医療費の削減に貢
献できるだろう」と述べていま
す。

 気管支樹とは、気管が細かく
枝分かれして樹状になった部分。

 慢性閉塞性肺疾患について解

説している動画です。

 
 


 
 
 
 用意をするのは、容易だった。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 TP53変異がある患者さん55例
[骨髄異形成症候群 (MDS)40
例、急性骨髄性白血病(AML)
11例、MDSとAMLの重複4例]を
対象に、TP53変異細胞で野生型
p53 の機能を回復させる新規小
分子薬eprenetapopt(APR-246)
とアザシチジン併用療法の有効
性と安全性を第1b/2相試験で検
討したのは、素晴らしい業績で
す。全体では総奏効率71%、完
全寛解率44%、MDS 例では73%
に治療効果が確認され、完全寛
解率50%、細胞遺伝学的奏効率
58%、AML 例では全奏効率64%、
完全寛解率36%という輝かしい
治療効果を示し、将来有望な治
療と言えるでしょう。
 米国立衛生研究所 (NIH)が
2月1日、重度の慢性閉塞性肺疾
患(COPD)患者さんの肺機能が、
高分子ヒアルロン酸の吸入によ
り改善されることが臨床試験の
結果から分かったと発表したの
は、素晴らしい業績です。医療
用としてのヒアルロン酸は集中
治療中のCOPD患者さんにも使わ
れ、呼吸補助を必要とする時間
を短縮し、入院期間の短縮、お
よび入院費の削減に貢献してい
るということですので、どんど
ん使って頂いて、COPD患者さん
の治療に新風を吹き込んで頂き
たいものです。日本でも、呼吸
補助を必要とする時間の短縮や、
入院期間の短縮、および入院費
の削減は、喫近の問題なので、
米国を見習って、ヒアルロン酸
の吸入を導入して頂きたいと思
いました。

 胡弓が周りの楽器と呼吸を合
わせた演奏をした。    笑

 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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