2022-04-02 19:55:34

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診療マル秘裏話　　号外Vol.2129　令和3年5月31日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
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目次

1)肝ｶﾞﾝ予後予測に有効な指標としてG8ｽｺｱを特定
2)武漢熱治療薬実用化支援事業で７件を選定する

 
 
 
 
 
 
 
 
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　医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 肝ｶﾞﾝ予後予測に有効な指標としてG8ｽｺｱを特定

 
 
 
 
 
 
　関西医科大学外科学講座診療
教授の海堀昌樹氏らは、高齢肝
ガン肝切除術症例を対象に高齢
者総合機能評価（CGA） の各指
標を検討した結果、予後予測に
有効な指標としてG8スコアを特
定しました。高齢者の手術予後
を予測するのに年齢に基づくこ
とが多いのですが、身体機能の
個人差が大きく有用とは言い難
いことが分かっていました。今
回の指標を使えば、術後の予後
が良好な症例をスクリーニング
できる上、指標の維持・改善に
より生存期間の延長が期待でき
ます。詳細はCancers（2021; 1
3: 842）に報告されました。

　今回の研究は海堀氏の他、国
立ガン研究センター東病院先端
医療開発センター精神腫瘍学開
発分野分野長の小川朝生氏、京
都府立医科大学数学教室講師の
吉井健悟氏らで行われました。

　研究グループは、関西医科大
学病院での2014～18年における
70歳以上の肝ガン肝切除術施行
100例を対象に、術前と術後6カ
月にCGA を実施しました。術前
から術後６カ月の変化率を算出、
変化率により維持群と減少群に
分類してCGAの8種類の指標につ
いて無再発生存率と全生存率を
比較しました。

　その結果、栄養状態や認知機
能、日常生活動作などに関する
８項目の質問で構成されるG8ス
コアが予後予測に最も有効な指
標であることが分かりました。
G8スコアの維持群は減少群より
も無再発生存率と全生存率が有
意に高いという結果がでました。

　高齢者は心肺機能の低下や栄
養状態の悪化などの要因を抱え
ていることがあり、手術を行う
際には厳密な周術管理と評価が
必要となります。しかし、高齢
者の身体機能・精神機能・社会
状況を総合的に評価するツール
がほとんど活用されていません。
術後にはG8スコアを指標として
生存期間の延長が目指せるとし
ています。

　肝臓ガンについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
　官吏が財産を管理する。　笑

 
 
 
 
 
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2】 武漢熱治療薬実用化支援事業で７件を選定する

 
 
 
 
 
 
　厚生労働省は、新型コロナウ
イルス感染症治療薬実用化支援
事業の対象として小野薬品工業、
グラクソ・スミスクライン（Ｇ
ＳＫ）、中外製薬、ファイザー
の４社が開発中の７件を選びま
した。１件当たり最大20億円を
補助し、日本国内での早期実用
化を後押しします。具体的な支
援額は、「精査中」（結核感染
症課）で、近く正式決定します。

　世界各国・地域で開発が進む
同治療薬の日本での治験を通じ、
国内での早期供給・実用化を促
すのが事業の狙いとされていま
す。一定の段階以降にある候補
薬を持つ企業などを対象に、３
月に公募していました。10件の
応募があり、７件を選定しまし
た。

　小野は、新型コロナウイルス
感染症の転用を目指している同
社創製の慢性膵炎治療薬「フオ
イパン」が対象としました。昨
秋からＰ３に入っています。Ｇ
ＳＫは、抗体医薬「ＶＩＲ－７
８３１」など２件に関して支援
を受けます。

　中外は、スイス・ロシュを通
じてそれぞれ導入した抗体カク
テル療法と経口薬「ＡＴ－５２
７」の２件です。抗体カクテル
療法の場合、米国で緊急使用許
可（ＥＵＡ）を取得しており、
３月に国内Ｐ１が始まっていま
す。ファイザーは経口薬として
開発中の「ＰＦ－０７３２１３
３２」など２件が選ばれました。

　塩野義製薬の経口薬について

解説している動画です。

 
 


 
 
　経口薬を携行して発作に備え
た。　　　　　　　　　　　笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
　関西医科大学外科学講座診療
教授の海堀昌樹氏らが、高齢肝
ガン肝切除術症例を対象に高齢
者総合機能評価（CGA） の各指
標を検討した結果、予後予測に
有効な指標としてG8スコアを特
定したのは素晴らしい業績です。
栄養状態や認知機能、日常生活
動作などに関する８項目の質問
で構成されるG8スコアの維持群
は減少群よりも無再発生存率と
全生存率が有意に高いという結
果が出たのはG8スコアーの優秀
さを裏付けるものです。術後に
はG8スコアを指標として生存期
間の延長を目指して頂きたいも
のです。
　厚生労働省が、新型コロナウ
イルス感染症治療薬実用化支援
事業の対象として小野薬品工業、
グラクソ・スミスクライン（Ｇ
ＳＫ）、中外製薬、ファイザー
の４社が開発中の７件を選んだ
のは、喜ばしいことです。１件
当たり最大20億円を補助し、日
本国内での早期実用化を後押し
するという利権がかかっている
ことと、全くの使用実績ゼロか
らの使用ということですから、
ドラッグリポジショニングと違
い副作用や相互作用などの慎重
な検討が必要となると私は考え
ています。

　身長と慎重に測定する。　笑

 
 
 
 
 
 
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