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2022-04-19 21:06:07

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診療マル秘裏話  号外Vol.2144 令和3年6月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)尿中のマイクロRNAを測定することで,脳腫瘍が診断
2)武漢熱感染で感染性高める感染増強抗体が産生

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 尿中のマイクロRNAを測定することで,脳腫瘍が診断

 
 
 
 
 
 
 名古屋大学の夏目敦至准教授
の研究グループは、尿中のマイ
クロRNA(miRNA)を測
定することで、99%という高い
正確度で脳腫瘍が診断できるこ
とを明らかにしました。尿中の
細胞外小胞体を効率よく収集で
きる装置を開発し、1ミリリッ
トルの尿から大量のマイクロR
NAを抽出・分析しました。脳
腫瘍が分泌する特徴的なマイク
ロRNAを発見しました。バイ
オマーカーとして使える可能性
があり、発見が遅れがちだった
脳腫瘍の早期治療につながるこ
とが期待されます。

 脳腫瘍は、進行して大きくな
るまで自覚症状が出にくく、発
見が遅れてしまうことが多いと
されています。進行した脳腫瘍
は手術で完全に取り除くことが
難しく、早期発見・治療が重要
とされています。

 夏目准教授らは、細胞外小胞
体に含まれるマイクロRNAと
いう核酸が、脳腫瘍の有無を調
べるマーカーになると予測しま
した。酸化亜鉛でできたナノス
ケールの棒を用い、尿中の細胞
外小胞体を効率よく集める装置
を開発し、検証しました。

 装置で採取した脳腫瘍患者さ
んと健常者の尿中マイクロRN
Aの発現を比較した結果、特徴
的なパターンが判明しました。
それに基づき検証すると、感度
100%、特異度97%と高い正確度
を示しました。さらに非常にま
れな脳腫瘍も判定できることを
見いだしました。

 悪性度や大きさを問わずに診
断できることから、グループで
は今後バイオマーカーとしての
有用性を見込んでいます。また、
肺ガンなど他のガンに対しても
高精度に診断できる可能性があ
るとみています。

 マイクロRNAについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 制度を高精度にする計画を立
てる           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱感染で感染性高める感染増強抗体が産生

 
 
 
 
 
 
 大阪大学免疫学フロンティア
研究センター(iFReC)は5月25
日、新型コロナウイルス感染症
(以下武漢熱)患者さん由来の
抗体を解析し、新型コロナウイ
ルスに感染すると感染を防御す
る中和抗体ばかりでなく、感染
性を高める感染増強抗体が産生
されていることを発見したと発
表しました。この研究は、大阪
大学の荒瀬尚教授を中心とした
微生物病研究所・蛋白質研究所・
免疫学フロンティア研究センタ
ー・感染症総合研究拠点・医学
系研究科等から成る研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「Cell」にオンライン掲載され
ています。

 武漢熱ウイルスのスパイク蛋
白質の受容体結合部位(RBD)
に対する抗体は、ヒトの受容体
であるACE2との結合を阻害する
ことにより、武漢熱ウイルスの
感染を抑える中和抗体として重
要な機能を担っています。実際、
最近のさまざまな変異株が中和
抗体の認識部位に変異を獲得し
たことから、抗体がウイルスの
排除に非常に重要な機能を担っ
ているために、ウイルスが中和
抗体に認識されない変異を獲得
したと考えられます。一方、武
漢熱患者さんにおいては、中和
抗体以外にスパイク蛋白質に対
する多くの抗体が産生されます
が、これまでそれらの抗体の詳
細な機能は明らかでは、ありま
せんでした。

 抗体はウイルス感染防御に重
要な機能を担う一方で、ウイル
スに対する抗体によって感染が
増悪する現象が知られており、
その現象は抗体依存性感染増強
(ADE) と言われています。AD
E はデングウイルス等で知られ
ており、一度デングウイルスに
感染した後、異なる型のデング
ウイルスに感染すると、最初の
感染によって産生された抗体に
よって重症化する場合がありま
す。また、コロナウイルスの1
つである猫伝染性腹膜炎ウイル
スにおいても、ウイルスに対す
る抗体が増悪因子になることが
報告されています。これらの抗
体による感染増強には、ある種
の免疫細胞が発現しているFc受
容体が関与していると考えられ
てきました。すなわち、ウイル
ス粒子に結合した抗体が細胞の
Fc受容体に結合すると、Fc受容
体を介してウイルス感染が引き
起こされます。しかし、これら
のFc受容体を介した感染は、Fc
受容体を発現した特定の免疫細
胞に限定されるため、体の中の
多くの細胞の感染にはあまり関
与していないと考えられてきま
した。

 そこで今回、研究グループは、
武漢熱患者さんで産生される抗
体の機能を解明するために、武
漢熱患者さんの免疫細胞からク
ローニングされたスパイク蛋白
質に対する抗体遺伝子をヒト細
胞に発現させて用意した、76種
類のスパイク蛋白質に対する抗
体の機能を詳細に解析しました。
その結果、今までに知られてい
たFc受容体を介した抗体依存性
感染増強とは全く異なり、ウイ
ルス粒子に結合するだけで感染
性をFc受容体非依存性に高める
抗体が存在することが明らかに
なりました。

 スパイク蛋白質はNTD、RBD、
S2から構成されます。武漢熱患
者さんの免疫細胞から同定され
た76種類のスパイク蛋白質に対
する抗体を解析した所、スパイ
ク蛋白質へのACE2の結合を阻害
するRBD に対する抗体ばかりで
なく、ACE2の結合性を増加させ
る抗体がNTD に対する抗体の中
に存在することが判明しました
(以下、感染増強抗体)。一方、
ほとんどの抗体は、スパイク蛋
白質に結合しても、ACE2の結合
性に影響を与えませんでした。
また、抗NTD 感染増強抗体は濃
度依存性にACE2の結合性を増加
させましたが、それ以外のNTD
に対する抗体にはACE2の結合性
の増加は認められませんでした。

 さらに、これらの感染増強抗
体は、中和抗体によるACE2結合
阻害能を減弱させることが判明
しました。つまり、感染増強抗
体が産生されると、中和抗体の
効きが悪くなる可能性が考えら
れます。また、感染増強抗体は
実際に武漢熱ウイルスのヒト細
胞への感染性を顕著に増加させ
ることが判明しました。感染増
強抗体による感染性の増加は、
抗体によるスパイク蛋白質への
直接的な影響であり、Fc受容体
は関与していません。したがっ
て、今までに知られていた抗体
依存性感染増強とは全く異なる
新たなメカニズムが存在するこ
とが判明しました。

 感染増強抗体の認識部位を明
らかにするために、NTD のさま
ざまなアミノ酸をアラニンへ置
換することによって、感染増強
抗体のエピトープ解析を行いま
した。その結果、感染増強抗体
はいずれもNTD の特定の部位を
認識することが明らかになりま
した。さらに、抗体の結合様式
を解析するためにクライオ電子
顕微鏡法で抗体とスパイク蛋白
質との複合体を解析すると、NT
D の下面に結合することが判明
しました。

 次に、抗NTD 感染増強抗体に
よる感染増強のメカニズムにつ
いて解析を行いました。ACE2は
スパイク蛋白質のRBD が開いた
構造をとると結合しやすくなり、
感染性が高まることが知られて
います。そこで、開いたRBD に
特異的な抗体を用いて感染増強
抗体の影響を解析した所、抗体
がNTD の感染増強部位に結合す
るとスパイク蛋白質のRBD が開
いた構造をとりACE2と結合しや
すくなることが明らかになりま
した。さらに、NTD 同士が抗体
で架橋されることでNTD が引っ
張られ、その結果、RBD が開い
た構造をとることが明らかにな
りました。これらのことから、
スパイク蛋白質のNTDはRBDの機
能を制御する重要な機能領域で
あることが明らかになりました。

 さらに、武漢熱患者さんにお
ける感染増強抗体の解析を行っ
た所、競合阻害法によって、感
染増強抗体が特異的に検出でき
ることが判明しました。そこで、
武漢熱患者さんにおける感染増
強抗体と中和抗体を測定し、そ
の差を解析しました。結果、重
症患者さんでは感染増強抗体が
高い傾向が認められました。ま
た非感染者においても感染増強
抗体を持っている人が存在する
ことが判明しました。したがっ
て、感染増強抗体を持っている
人の感染やワクチン投与によっ
て、感染増強抗体の産生が高ま
る可能性が考えられました。

 感染増強抗体の産生は、重症
化に関与している可能性があり
ますが、実際に体内で感染増悪
に関与しているかはまだ不明で
あり、今後の解析が必要です。
しかし、感染増強抗体の産生を
解析することで、重症化しやす
い人を検査できる可能性がある
ことも分かりました。研究グル
ープは、「中和抗体ばかりでな
く感染増強抗体を解析すること
が重要。また、中和抗体が十分
効かない変異株に対しては、感
染増強抗体が優位に作用する可
能性があるため、将来的には感
染増強抗体の産生を誘導しない
ワクチン開発が必要になる可能
性がある」と、述べています。

 感染増強抗体について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 有意な結果を持って、議論で
優位に立つ。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 名古屋大学の夏目敦至准教授
の研究グループが、尿中のマイ
クロRNA(miRNA)を測
定することで、99%という高い
正確度で脳腫瘍が診断できるこ
とを明らかにしたのは、素晴ら
しい業績です。リキッドバイオ
プシーが確立されて、高い精度
で早期診断できるようになれば、
脳腫瘍の治療成績も、上昇する
ことでしょう。さらに非常にま
れな脳腫瘍も判定できるという
利点も、希少ガンで治療が遅れ
るということを改善するきっか
けになることでしょう。
 大阪大学免疫学フロンティア
研究センター(iFReC)が5月25
日、新型コロナウイルス感染症
(以下武漢熱)患者さん由来の
抗体を解析し、武漢熱ウイルス
に感染すると感染を防御する中
和抗体ばかりでなく、感染性を
高める感染増強抗体が産生され
ていることを発見したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
武漢熱のワクチンについては、
将来的には感染増強抗体の産生
を誘導しないワクチン開発が必
要になる可能性についても追究
して頂きたいものです。

 酸性の溶液を産生することに
賛成した。        笑

 
 
 
 
 
 
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