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2022-04-26 17:41:22

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診療マル秘裏話  号外Vol.2150 令和3年6月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)線維化指標発ガンリスク予測因子として極めて有用
2)ウイルス感染後の運動はタイミングで免疫力を上下する

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 線維化指標発ガンリスク予測因子として極めて有用

 
 
 
 
 
 
 肝ガンは糖尿病患者さんで増
加する主要なガンの1つとされ
ています。日本糖尿病学会は5
月24日、日本肝臓学会と共同で
行った両学会の研修指定病院に
通院中の2型糖尿病患者さんに
対する調査の結果を発表しまし
た。それによると、肝ガンの発
生率が年間0.1%程度で、肝臓の
線維化の指標であるFIB-4 イン
デックスの値が発ガンのリスク
予測因子として極めて有用であ
ることが判明したということで
す。

 日本糖尿病学会と日本癌学会
の合同調査報告によると、糖尿
病の罹患によって全ガン罹患の
リスクは1.2 倍になり、臓器別
では肝ガンが1.97倍、膵ガンが
1.85倍、大腸ガンが1.4 倍にな
ることが報告されています。

 近年、ウイルス肝炎を合併し
ない肝細胞ガンが急増しており、
背景に肥満・糖尿病患者の増加
があると考えられています。今
後、糖尿病外来診療において、
肥満関連肝障害およびそれを母
体とした肝細胞ガンの発生は、
注意を払うべき合併疾患となり
うるとされています。

 こうした背景の下、糖尿病外
来における肝ガンの発生実態の
把握および肝ガン高リスク群の
同定を目的として、日本糖尿病
学会は2012年に日本肝臓学会と
合同委員会を設置し、実態調査
を行ってきました。今回、両学
会双方の研修指定病院において
通院歴のある2型糖尿病患者さ
んのうち、通院中に肝ガンを発
症した患者さんを対象に調査を
行いました。その結果、糖尿病
患者さんにおける肝ガンの発生
率は年間0.1%程度であることが
判明しました。

 さらに、肝発ガンの発生リス
クについて解析した所、FIB-4
インデックスがリスク評価に極
めて有効であることが判明しま
した。有意な肝線維化を示す2.
67以上で年間の発ガン率は0.6%
となり、肝硬変を示唆する3.5
以上で発ガン率が1.0%となる高
危険群を特定することができる
ということです。

 FIB-4 インデックスは、年齢、
AST、ALT、血小板といった日常
臨床で用いられる検査項目で構
成されています。日本肝臓学会
の公式サイトでも計算が可能で、
一部の施設では電子カルテ上で
自動計算が行われているという
ことです。

 FIB-4インデックスについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 年鑑により、年間の発ガン率
が判明する。       笑

 
 
 
 
 
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2】 ウイルス感染後の運動はタイミングで免疫力を上下する

 
 
 
 
 
 
 ウイルス感染後にマラソンな
どの激しい運動をすると、運動
のタイミングによって抗ウイル
ス免疫力を高めることもあれば
低めることもある、と京都大学
の研究グループがマウスを使っ
た実験で明らかにしました。人
間についても、また新型コロナ
ウイルスなど多くのウイルス感
染についても当てはまるかはま
だ不明ですが、感染予防に重要
な免疫力と運動の関係を詳しく
解明する上で貴重なデータにな
りそうです。

 適度な運動は健康維持に大切
であることは間違いありません
が、研究グループによると、長
い時間の激しい運動後に風邪を
ひくなど、運動が抗ウイルス免
疫力を低下させる可能性が指摘
されていました。その一方で激
しい運動をしている人の方が風
邪はひきにくいことを示すデー
タもありましたが、どちらが運
動と抗ウイルス免疫力の関係に
近いかは未解明でした。

 京大大学院医学研究科の足立
晃正助教(研究当時、現・京都
医療センター医師)、本田哲也
講師(同、現・浜松医科大学教
授)、同椛島健治教授らの研究
グループは、ヘルペスウイルス
に感染させたマウスを使って激
しい運動と抗ウイルス免疫力の
関係を調べることにしました。

 実験では、マウスにウイルス
を感染させた後、人間のマラソ
ンによる負荷を参考に、ケージ
の中で踏み車の回転速度と踏ま
せる時間などを決めてマウスに
踏ませ、「激しい運動」に見立
てました。

 その結果、ウイルス感染から
8時間後に長時間激しい運動を
させたマウス群は、抗ウイルス
免疫力が高まってヘルペスウイ
ルス感染症状が軽減しました。
一方、感染から17時間後に同様
の運動をさせたマウス群は、逆
に免疫力が低下して感染症状が
悪化したことを確認しました。

 また、運動中に血液中の免疫
細胞がどのように変動するかを
調べました。すると、運動中に
抗ウイルス免疫細胞である「形
質細胞様樹状細胞」(pDC) が血
液中から骨髄へと移動し、血液
中のpDC 数が一時的に減少しま
した。このため感染部位に集ま
るpDC 数が低下して、十分に抗
ウイルス機能を発揮できず、こ
のことが感染症状を悪化させる
ことが分かりました。

 運動が終わってから6~12時
間後には血液中のpDC 数は一時
的に増加、感染部位に集まるpD
C 数も増加し、抗ウイルス機能
が増強されて感染症状を改善す
ることを確認できたということ
です。

 一連の実験結果を踏まえて研
究グループは、運動が抗ウイル
ス免疫に与える影響は、ウイル
ス感染後に運動するタイミング
によって正にも負にも作用し得
ると結論付けました。さらに、
実験結果の解析から、血液中の
pDC の変動は、運動中に副腎皮
質から産生されるホルモン「グ
ルココルチコイド」により決ま
ることも突き止めたということ
です。

 今回の研究について研究グル
ープは、今後ヘルペスウイルス
以外のウイルス感染症や、人間
でも、同様の現象が起きるのか
を確認する必要があるとしなが
らも、運動により抗ウイルス免
疫力を効果的に増強させる治療
や予防戦略に応用できる可能性
があるとしています。

 免疫力を高める運動について

解説している動画です。

 
 


 
 人口減少の現象が起きる。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 肝ガンは糖尿病患者さんで増
加する主要なガンの1つとされ
ており、日本糖尿病学会は5月
24日、日本肝臓学会と共同で行
った両学会の研修指定病院に通
院中の2型糖尿病患者さんに対
する調査の結果を発表し、肝ガ
ンの発生率が年間0.1%程度で、
肝臓の線維化の指標であるFIB-
4 インデックスの値が発ガンの
リスク予測因子として極めて有
用であることが判明したとした
のは、素晴らしい業績です。発
ガンのリスク予測因子の同定で
健診などで使うことで、リスク
予測が正しく行われれば、たく
さんの肝ガンの患者さんを救う
ことができるでしょう。
 ウイルス感染後にマラソンな
どの激しい運動をすると、運動
のタイミングによって抗ウイル
ス免疫力を高めることもあれば
低めることもある、と京都大学
の研究グループがマウスを使っ
た実験で明らかにしたのは、素
晴らしい業績です。実験結果の
解析から、血液中のpDC の変動
は、運動中に副腎皮質から産生
されるホルモン「グルココルチ
コイド」により決まることも突
き止めたということは、免疫力
を高める上で、副腎ケアーが大
きな役割を担うということだと
推測しています。

 懐石料理の味を解析する。笑

 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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